インフィニット・ストラトス~Z・G・G   作:鎧武 カチドキ

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四話

「よっゼリャ!!」

 

一番最初に近付いて来たダークロプスの鉤の振り下ろしをバックステップで避けウルトラゼロアイを使う時間稼ぎに成ればと胴体を蹴る……が蹴ったダークロプスの上半身と下半身がバキン!!と音を発てて別れた

 

 

「「《…………え?》」」

 

 

やった張本人の俺・オーツーと茂みに隠れて観ていた篠ノ之博士三人の声がハモった…………

 

 

「……ISって怖!?」

「いっ…イヤイヤ!?流石に一撃は無理だから!?」

《そっそうだよ!?お兄ちゃんの脚力どうなってるの!?化け物なの!?》

「なわけあるか!?こっちとらただの常人だわ!?……ってあ…」

「あって何さ?」

「いっいや~……今の自分の体って多分篠ノ之博士の劣化版?で良いのかな?それ位の強さは在るんですよね~」

「在るんですよね~じゃないよ!?そんな体ならそう成るのは当たり前だろ!?!?」

 

 

正直言うと……嘘だ

ウルトラマン(人間体)の身体能力が篠ノ之博士の劣化版な訳が無い……だがこうでも言っとかないと今の篠ノ之博士なら「解剖させろ!?」って言いかねないから誤魔化すのが最適だと直感で思ったから誤魔化した

 

 

《(……ママの劣化版って……絶対に嘘だよね?)》

「(シーー!!俺はまだ解剖もホルマリン漬けもされたく無いの!!)」

 

 

だがやはり装着してるオーツーは誤魔化せなかったが今は集まって来たダークロプス軍団を対処するのが先と思考を切り替える

 

「時間掛け過ぎたら増援を呼ばれる可能性も在る…か?まぁ……一気に蹴散らすぞ!!」

《オッケー!!》

「シェア!!」

 

 

オーツー装着時にブレスに戻ったウルトラゼロアイを呼び出し掛け声と共に装着すると黒かった装甲は脚部は足元から赤く椀部は青く成り胸部には銀色のアーマーが装着され中心には青く光るカラータイマーが出現しウルトラゼロアイは黄色のバイザーに変化し中心部に緑色のビームランプが在り頭部にゼロの特徴とも言えるゼロスラッガーが二本装着される

 

『オーツー ウルトラマンゼロスタイル』

 

「おぉ…こうなるのか……オーツー、行けるか?」

《……なにこれ…凄く力が湧いてくるよ!!》

「……換装アーマーって言うよりモーフィングアーマーじゃん!!後で調べさせろ!!」

「…ヤッパリ……言うと思いましたよ…篠ノ之博士、これ預かってて下さい」

 

 

ブレスからUSBメモリーを取り出し篠ノ之博士に投げ渡す

 

「?これは?」

「こっちに来る前に渡された換装アーマーに関するデータと後オマケの色んな宇宙開発に関するデータ……らしいです。最初に出会った人に渡せと言われたので」

「……へー、何の疑いも無く束さんに寄越すなんて…お前馬鹿なの?私がお前を見捨ててこのデータだけ持ち去るとか考えなかったの?」

「篠ノ之博士の夢に関わって来るデータですから。それに、俺は篠ノ之束を疑いませんよ」

 

 

俺はそれだけ言ってダークロプス軍団に突っ込む

 

 

束視点~

 

 

『俺は篠ノ之博士を疑いませんよ』

 

 

あの変な男は笑顔でそんな事言って無人機どもに突撃していった…今までみたいに私を利用しようとか化け物を見る眼じゃ無かった……ただ純粋に…尊敬してる人を見る眼だった……箒ちゃんやいっくんやちーちゃんみたいに私を私として観てる眼…

 

「………なんなんだよ…彼奴……」

 

渡されたメモリーを持ちながら……気付けば彼奴の闘いを眺めてた

 

 

紀野視点~

 

「ゼロスラッガー!!」

 

 

頭部に装着されたゼロスラッガーを脳波コントロールで前方に居るダークロプス軍団に向けて射出すると避けそびれた2体が縦に割かれ沈黙した

 

「……人間相手には使えねぇ!?!?」

《ん~と言うか、大分彼奴らが柔らか過ぎるんだよ》

「え?マジで?」

《うん、シールドエネルギーの反応が無かったから恐らくその分兵装用エネルギーにまわしてると思うよ?》

「なら…遠慮無く行きますか!!」

《いっちゃえいっちゃえ♪》

 

 

戻って来たゼロスラッガーの一本を片手に持ちもう一本を思い切り蹴り飛ばすと更にもう1体のダークロプスを両断し接近しながらエメリウムスラッシュを額のビームランプから射出しながら顔を左右に揺すると更に4体を爆散させた

 

『『『ギギギ!!!!!』』』

「掛かって来いや!!」

 

一気に7体も仲間がヤられたからか完全に俺を敵とみなし鉤爪やダークロプススラッガーを構えて突撃してくるが蹴り飛ばしたゼロスラッガー戻って来る際に1体を斜めに切り裂いた事で爆散し残り11体

 

「フッ!!シェア!!ゼリャ!!」

 

ダークロプス達の鉤爪やダークロプススラッガーを避けながら両手のゼロスラッガーで切り裂き・蹴り抜き・殴り倒していると両手が残ってる数体のダークロプスは一ヶ所に固まり腕をL字に組んでダークロプスショットを、腕が片方しか無い若しくは両方無いダークロプスはダークロプススラッシュを撃って来たがゼロスラッガーをカラータイマーの両サイドに取り付け

 

「これで仕舞いだ!!」

《イッケーー!!》

「ゼロツイン…シュートーー!!!!!」

 

ゼロスラッガーとカラータイマーから放たれた眩い程の白い光線がダークロプス達の光線を押し返し残りのダークロプス達を呑み込み跡形も無く消し去った

 

「……増援は…無さそうか?」

《みたい…だね。お疲れ様お兄ちゃん》

「フィ~……脳波コントロールって…疲れるな……」

《アハハ…取り敢えずママの所に戻ろ?》

「だな」

 

篠ノ之博士の元に戻るとISが解除されオーツーも元のチョーカーに戻り俺の首に巻き付いていた

 

「ありがとなオーツー、おかげで生き残れたよ」

《お互い様だよ?お兄ちゃんがママと私を助けてくれたから私もお兄ちゃんの手助けをしただけだもん》

 

軽くオーツーに礼を言ってから首からオーツーを外し篠ノ之博士に返す

 

「ありがとうございました」

「……お前さ、何で素直に返すの?」

「はい?」

「だから!!何で素直にこの子返すのかって聞いてんの!!」

「エエェ…いや、直ぐ返すって約束しましたやん……それにこの子は元々篠ノ之博士が宇宙に行くための翼として産み出した子ですよ?他の兵器としか観てない奴等ならともかく篠ノ之博士から奪ったりしませんよ……」

 

そう素直に言うと目を見開きながら何か有り得ない物を観る目で俺を観るが篠ノ之博士の手を取りオーツーを持たせる

 

「何時に成るか分かりませんが…夢……叶えて下さいね」

 

その場を離れようと振り返るとオーツーを纏った時に蹴り抜いたダークロプスが残った上半身を火花を散らしながらダークロプススラッガーを投擲し爆発した姿を見付けダークロプススラッガーが篠ノ之博士の方に真っ直ぐ向かってるのに気が付いた

 

「束さん!?」

「え?キャ!?」

《お兄ちゃん!?》

 

篠ノ之博士を突飛ばしダークロプススラッガーの進路から外すがギリギリのタイミングだった為

 

 

ザシュ……ボト

 

 

「《……え?》」

「ガアアアアアア!?!?!?」

 

 

篠ノ之博士を突飛ばした俺の右腕の肘から切断され鮮血が噴水の様に飛び出した


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