魔法科高校の星光の殲滅者   作:狩村 花蓮

7 / 18
毎度毎度、前書きのネタがなくて困り果ててる主です。っとそうだ、皆様この作品を読んで下さりありがとうございます。おかげさまでお気に入り件数が100を越えました。なんかありふれの方じゃなくてこっちを優先したほうがいいのかなって思いました。さて全く進展がないこの作品ですが、今回はどのくらい進むのか。では本編行ってみましょう!
2021/02/18 加筆しました。


第七話 入学編 Ⅲ

 三人称side

第一高校性が使っている駅は、その名も『第一高校前駅』何のひねりもないその駅は、その名の通り駅と学校までが一本道でつながっている。

 

基本近くに住んでいるもの以外は大体この駅で登校する。途中から同じ電車に乗るということは、今の電車の体形からなくなってしまったが

 

通学路の途中で会うということは今でもあまり変わりがない。入学二日目の昨日も、友人と一緒になって登校するという姿を何度も見たし、今日も実際に起こっている。

 

しかし、これはないだろうと達也は心底思っていた。

 

「達也さん。生徒会長さんとお知り合いだったんですか?」

「いや、昨日会ったので初対面の、はずなんだけど。」

 

達也は美月の質問にそう答えた。何があったかというと、というか誰が来たのかというと、そう。我らが誇るお姉さんこと七草真由美(さえぐさまゆみ)その人であった。

 

「達也君、シュテルちゃんオハヨー。深雪さんもおはようございます。」

「おはようございます、七草生徒会長。」

「「おはようございます、生徒会長」」

 

シュテルと達也の扱いが雑なのでは?と思う二人だった。

 

「生徒会長はいつもおひとりで?」

「えぇそうよ。誰かと待ち合わせとかはしてないからね。そうだシュテルちゃん。何なら私と毎朝一緒に登校しましょうか?」

「そのお気遣いはとてもありがたいのですが、私には達也と深雪がいますので。」

「なんだ、つれないわねぇ。・・・・・・・・っと、そうだ、三人とも今日のお昼は空いてるかしら?」

「えぇ、自分も達也たちも空いていますが。」

「今日、三人には生徒会室に来てほしいのよ。ちょっとした用があるから。ついでにお昼は生徒会室で食べていくといいわ。」

「分かりました。所定の時刻に出向します。」

「え、えぇ。お願いねシュテルちゃん。それに達也君たちも。」

「「分かりました。」」

 

真由美は行ってしまった。嵐のような人だ、とシュテルたちは思うのだった。

 

 

早くも昼休み。シュテルは荷物を片付け、深雪を誘う。

 

「深雪、そろそろ時間ですから。達也の教室によって一緒に行きましょう。」

「分かりました。お姉様。」

 

2人はなるべく静かに教室を出た。そしてそのまま、E組の教室へと向かう。するとやはりというべきなのだろうか、二科生たちはシュテルたちの方を見る。その目はさながら有名人を見る目だった。

 

(深雪はともかく、私まで。私なんてそんな外見良くないでしょうに。)

 

とシュテルは思った。が、それは本人の評価が低い。シュテルの見た目はわるくない、というか深雪並みに良いと言える。高身長、ショートヘヤー、そして少し主張しているその胸。このルックスに基本的に事務的な顔をしていることから

 

男子女子共に人気であり、それでいてたまに見せる笑顔がとても可愛く、ひとめぼれした生徒も多い。そうこうしているうちにE組の教室まで来た。シュテルは教室に何気なしに入り、達也に声をかけた。

 

「達也、行きますよ。あなたも呼ばれてるんですから。」

「あ、あぁ、すまない。もうそんな時間だったか。」

「いえ、私とお姉様は今来たばかりですので気にする必要はありません。」

「そうか、しかし待たせるのも悪いから、もう行こうか?」

「はい!お兄様。」

 

三人は生徒会室へと向かった。

 

 

「1-A シュテル・シバ・スタークス、司波深雪。1-E 司波達也、入ります。」

『どうぞー』

 

生徒会室に入るとそこには女生徒が4人ほどいた。

 

「改めましてになるけど、私は七草真由美。第一高校の生徒会長をしています。で、私の隣にいるのが。」

 

「風紀委員長の渡辺摩利だ。昨日ぶりだな三人とも。」

 

「では、今の生徒会のメンバーを紹介します。」

 

「私の隣にいるのが会計の市原鈴音。通称リンちゃん」

 

「そう呼ぶのは会長だけです。」

 

「摩利の隣にいるのが書記の中条あずさ。通称あーちゃん」

 

「会長!下級生の前でその呼び名はやめてください! 私にも立場というものがあるんです!」

 

 

 

真由美によって生徒会メンバーが紹介され、もう一人服部……真由美曰くはんぞーくんを合わせた四人で生徒会を運営していることを話、紹介を終えると、シュテルは口を開く。

 

「それで、私たちに用とは?」

「それは後で説明します。さぁ、まずは座って。」

 

すると後ろのダイニングサーバーとい呼ばれる機械から、食事が配膳付きで出て来た。

 

「生徒会室にはダイニングサーバーがあるんですか。」

「えぇ、こう言っちゃあれなんだけど、長くなる時もありますから。」

 

ダイニングサーバーから配膳されていく、しかし、数が足りない。すると摩利が弁当箱を取り出した。

 

「摩利先輩、それは毎朝自分でおつくりになっているんですか?」

「ん?そうだぞシュテル。なんだ、意外か?」

「意外と聞かれたら、意外です。でも、とてもお上手に作られていますね。食べてみたいぐらいです。」

「じゃあ、何か食べてみるか?」

「いいのですか?では、そのウインナーをいただいても?」

「あぁ、構わないよ。」

 

すっかり意気投合する二人であった。

 

「お兄様、私たちも明日からお弁当にしましょうか?」

「うん、それは魅力的な提案だね。しかし、食べる場所はどうしようか?」

「それは私がベストポジションを知っているのでそこでいいかと。」

「ふむ、そうしようか。」

 

生徒会室にまた花が咲いた。どうもこの兄妹には羞恥心というものが存在していないらしい。

 

「なんだか、恋人な会話だな。」

「あながち間違いないと思いますよ、摩利先輩。いつもこの二人はこんな調子なんです。もう結婚すればいいでしょうに・・・・・・・・」

「お姉様?私とお兄様は兄妹なんですよ?結婚なんてできるわけないじゃないですか。それにこれはただの兄弟愛です。」

「そうだぞシュテル。何をバカななことを言っているんだ?」

「・・・・・・・・はぁ、もういいです。余計なことを言った私がバカでした。」

「えっと・・・・・・・・そろそろお話してもいいかしら?」

「失礼しました会長。この二人には構わず、どうぞ始めてください。」

「なんかテンション狂うわね。まぁいいわ。それでお話というのはですね、深雪さんに対してです。といってもこれは勧誘なのだけれど。」

 

 

真由美はそのまま続ける。

 

「当校は、生徒の自治を重視しており、生徒会は学内で大きな権限を与えられています。これは当校だけでなく、他の公立高校でも、一般的な傾向です。そして当校での生徒会は伝統的に、生徒会長に権限が集中しています。

大統領制、一極集中型と言っても良いかもしれません。生徒会長は選挙で選ばれますが、他の役員は生徒会長が選任します。解任も生徒会長に一任されており、他の委員会の委員長も一部を除いて生徒会長に任免権があります。」

「ちなみに私が務める風紀委員長はその数少ない例外の一つだ。生徒会、部活連、教職員会の三者が三名づつ選任する風紀委員の互選で選ばれる。」

「という訳で、摩利は実質私と同等の権限を保有しているわけですね。生徒会長には任期が定められていますが他の役員には任期の定めがありません。生徒会長の任期は十月一日から翌年九月三十日まで。その期間中、生徒会長は役員を自由に任免できます。しかし二科生は残念ながら

私の権限でも入れることはできないのですがね。」

「風紀委員なら別のそう言ったものはないのだがな。っと、勘のいい二人はもう気づいたのではないか?真由美の言いたいことが。」

「えぇ、深雪。」

「・・・・・・・・はい。」

「今年の総代である司波深雪さん、あなたを生徒会のメンバーに加えたいと思うのですが、引き受けてもらえませんか?」

「・・・・・・・・生徒会長。」

「深雪、ストップです。それは今言っても仕方ないことです。そういう風潮なんですから。それにせっかく生徒会に誘われたのですから、やってみてはどうでしょう?そうすれば、達也のことも少しは好意的に見てくれる人が増えるかもしれませんよ。」

「そうだな、それにな深雪。俺は深雪が生徒会に誘われたことを誇りに思っているんだ。こんなダメ兄貴だが、見せてくれ。お前の生徒会役員としての姿を。」

「・・・・・・・・はい!生徒会長。そのお話、受けさせてもらいます。」

「では、生徒会のメンバーは決まりですね。詳しい仕事内容はあーちゃんから聞いてくださいね。」

「会長!・・・・・・・・もう。・・・・・・・・深雪さん、放課後来ていただけますか?説明をしたいと思います。」

「分かりました。」

 

深雪はあずさと話している。その時、シュテルが真由美に聞いた。

 

「それで?私たちに用とは?まさか、用もなしに私たちを生徒会室に呼んだわけではありませんよね?」

「しかし、二人とも何となくわかるんじゃないか?さっきの私と真由美の話を聞いて、な。」

「生徒会は一科生しか入れない、しかし風紀委員はそのしがらみがない。・・・・・・・・ということは、達也を風紀委員にスカウトしたいということですか?」

「そういうことだ。して達也君、どうだ?引き受けてくれないだろうか?」

「引き受けるも何も、風紀委員は主に違反者の取り締まりなどをするんですよね?」

「あぁ、他にも論文コンペの時の会場警備などもやるのだがな。」

「では、引き受けられません。自分はそういうのが苦手だから二科生なんですが。」

「しかし、君のその起動式を見て瞬時にその魔法を理解できるスキルは大いに役に立つ。なんせ、今までの事例では魔法が一瞬だったためあやふやになった事件も少なくない。だからこそ君という人材はとても有用なのだよ。」

「しかし・・・・・」

「あっ、そうだ。シュテル。君も教職員推薦で風紀委員会に入るからな。」

「・・・・・・・・なんとなく察していましたがやはりですか。分かりました。推薦された以上やりますよ。」

「そうか、それは良かった。では達也君、君はどうするかね?」

「渡辺先輩。自分はせめて放課後まで待っていただけませんか?突然すぎて自分で整理する時間が欲しいのですが。」

「分かった。真由美、それでいいか?」

「えぇ、構わないわ。突然言われてもしょうがないでしょうからね。」

「では、時間なので私たちはこれで。達也、深雪。行きましょう。」

 

シュテルたちは生徒会室を後にした。

 

 

時は変わってA組、今は魔法実技の授業をしている。生徒たちは据え置き型のCADのコントロールパネルに手を置き、指定された魔法を発動していた。そんな中、雫が声をかけてきた。

 

「ねぇシュテル。さっきは何で生徒会室に行っていたの?」

「私は、風紀委員会に教職員推薦枠で入ることになったと言われただけですね。ちなみに深雪は生徒会メンバー入りしましたよ?」

「へぇ、じゃあ昨日のことじゃなかったんだね。」

「そうですけど、なぜそのようなことを?」

「ほのかがね、すっごく昨日のことを気にしてて。」

「あぁ、なるほど。そういうことですか。いえ、問題なかったので気にしなくていいと伝えてもらっても?」

「うん。言っておく。っと次、シュテルの番だよ。」

「分かりました。行ってきます。」

 

シュテルはCADの方へと向かった。

 

 

 シュテルside

 

放課後になる時間が今日は一段と早く感じました。さて、放課後になったということは、達也の覚悟が決まったかのチェック、もとい強制入部?の執行時間です。まぁ、私が入るのですから達也にも入って頂かないと。えっ?何でかって?

 

そんなの決まっているでしょう。私と深雪は仕事しているのに、達也だけやらないのはずるいからです。というか、深雪は時間になるとそそくさと出て行ってしまいました。全くほんとに、そういう事柄に対してはあんなに早く動けるのに。

 

とまぁ戯言は置いておいて、私も生徒会室へと向かいます。まぁそこまでのき距離ではないのですぐ着きますが、私は扉に触ると、その取っ手に霜が張り付いていました。すぐ消えたのですが、私はすぐ消えたことに疑問を感じています。

 

(まさかっ!)

 

私は嫌な予感を感じその扉を開けると、そこには少し泣き目になっている深雪と、それをなだめる達也と、生徒会のメンバー、それに、昼の時にはいなかった副会長がいました。そして深雪は副会長の前にいます。大方、達也は二科生だからうんたらで

 

達也のことを悪く言ったのでしょう。そして私はそこからの記憶が少し、無くなっていました。

 

「いったい何があったんですか?」

 

その目はほんとに何も映らなさそうな虚ろな目だったそうです。

 

 

 達也side

俺と深雪は、先に生徒会室に来ていた。深雪が早く行きたいというので早めに来た。しかしそこには副会長がいた。すごく陰険そうな顔をしている。

 

深雪はあずさ先輩に連れられて仕事を教わっている。そんな中、副会長が口を開いた。

 

「渡辺委員長」

「何だ? 服部刑部少丞範蔵副会長?」

「フルネームで呼ばないでください!」

「じゃあ服部範蔵副会長」

「服部刑部です!」

「そりゃお前の名前じゃなくて官職だろ、お前の家の」

「今は官位なんてありません!学校には服部刑部でちゃんと届けています!……って、そんなことが言いたいのではありません」

 

すると副会長は俺の方を一瞥して言った。

 

「一科生であるシュテルを任命されるのは分かりますがそちらの二科生を風紀委員に任命するのは反対です。過去、ウィードを風紀委員に任命した例はありません」

 

服部が堂々と二科生、ウィードと差別用語を使ったことにより一気に生徒会の空気が険悪になった。摩利先輩もそれに対応する。

 

「いい度胸だな、服部。生徒会の一員でもあるお前が、委員長である私の前で禁止用語を口にするとは」

「取り繕っても仕方がないでしょう。それとも、全校生徒の3分の1以上を摘発するつもりですか?そんなこと出来るわけがありませんよ」

 

そういう問題じゃないだろうと摩利と服部の会話を聞いてそう思った俺は口を開こうとするがその前にまた言い争い?になった。

 

「風紀委員は実力で違反者や騒乱行為を取り締まる役職です。実力で劣る二科生には務まらない」

「確かにその通りだが、実力にも色々あってな。達也君には発動された起動式を正確に読み取る眼と頭脳がある」

「そんな馬鹿な。単一工程の起動式でもアルファベット3万文字相当になる。そんなこと出来るはずがない!」

 

そして深雪は、ついに堪忍袋の緒が切れたのか、ついに冷気を漏らしてしまう。俺はそれを瞬時にやめさせるが、深雪の目には涙が流れていた。この先輩、俺の逆鱗にそんなに触れたいのか、と思った矢先、扉が勢いよく開いた。そこにいたのはシュテルだった。

 

しかし、ほんとに、この少女はシュテルなのだろうか?俺の頭にはそう、疑問が浮かんできた。いや、外見上は間違いなくシュテルなのだが、中身がちがかったように思える。その瞳にはいつも彼女が宿している光がなかったのだ。

 

 

三人称side

「いったい何があったんですか?」

 

その一言で生徒会室は一気に凍った。先の、副会長である服部刑部の達也に浴びせた言葉にキレた深雪が漏らした魔法で起こった、物理的に凍るという現象ではなく、精神的、いわゆるプレッシャーによる怯えがその一帯を包んでいた。

 

「真由美会長、何があったんですか?」

 

その声は嫌に冷たかった。

 

「えっと・・・・・・・・ちょっとした喧嘩だった「そんなわけないですよね?」のよ・・・・・・・・」

 

シュテルは真由美が言い切る前にそれを遮った。シュテルはそっと深雪の方に近づき、深雪の口からそのあらましを聞いた。それも耳元で。

 

「なるほど、事情は分かりました。・・・・・・・・では、そこの変に凝り固まった思想をお持ちの副会長には私が少しお灸を据えましょう。」

「なんだ貴様!貴様もこの男を擁護するというのか!なんて狂った目をしている!身内贔屓もいい加減にしてもらおう。魔法師には常に実力を測る冷静さが求められる。それも図れないようじゃ失格だ。」

「はっ?・・・・・・・・今、なんと言いました・・・・・・・・魔法師失格?・・・・・・・・ふざけてるのですか!」

「っ!?」

 

シュテルの放った一言で副会長は凍った。そしてその瞬間、シュテルは服部のもとに一瞬で迫り、およそその見た目に反した力で副会長の口をつかんで持ち上げる。

 

「”狂った目をしている?”悪いですが、狂った目をしているのはあなたですよ。確かに、この学校の入試で試されるのは”基本的な”魔法の使い方ですし、基礎なくして魔法は使えません。しかし、実戦で、ましてや相手がプロだった時、その基本は役に立たなくなる。

魔法は応用次第で基礎なんてものでは効かなくなるぐらい強くなる。それに第一、この学校の入試の実技試験は、”本当の実力を示していない”。というか”示せない”んですよ。一個人が保有する技能よりも、”大衆ができる当たり前”を優先しているに過ぎないのですよ。

分かりますか?あなたは魔法師と呼ばれる技能保有者の中で”当たり前にできること”に喜んでいたのに過ぎないんですよ。それをあなたは理解しているのですか?理解できていないのなら、それはとんだ愚か者です。生徒会副会長を背負っているものがこの体たらくでは

この学校の魔法師の技能もそこまででしょうね。そう言えば副会長、あなたは模擬戦では負けたことがないんですよね?果たしてその不敗神話がいつまで続くことか・・・・・・・・とても見ものですね。そしてあなたは、どこまで落ちるんでしょう?

その姿を見るのが楽しみです。」

 

シュテルはすでに正気ではなかった。サディスティックな性格をあらわにしたシュテルは服部を罵倒しながらもその手の力を強めていく、このままではシュテルはそのまま副会長の顔を潰すだろう。そう思った達也は声を上げた。

 

「シュテル!そこまでだ!」

「・・・・・・・・私は、いったい何を!?」

 

その瞬間、シュテルの手の力が抜ける。副会長はそのまま倒れこむ。

 

「はんぞーくん!?」

 

真由美が心配して駆け寄る。シュテルはそれを見て、絶望に染まった。

 

「わ・・・・・たし・・・なんて・・・・・・・・こと・・・を・・・うぅ・・・・・・・・あぁ・・・・うあぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁ!!!!!」

シュテルの目の前によみがえった記憶、それは二年前、沖縄で一人の軍人に対しシュテルが加えた再起不能に近い蹂躙の様子。それを思い出したシュテルでは、今の状況をみて普通でいられるはずがなかった。

 

 

 深雪side

私はまたやってしまった。また、お姉様を傷つけてしまった。私が、お兄様を侮辱されて、キレて、副会長に反抗し、それを正論で一蹴されたことがショックで泣いているところを見られてしまった。

 

もしあそこで言い返さなければ、いや、言い返さなくても結果は変わらなかっただろう。お姉様はそういうお方だ。だからこそ私は、お姉様のトラウマをよみがえらせてしまった・・・・・っ!

 

 

 三人称side

「ねぇ達也君。シュテルさんは一体?」

 

達也に真由美が聞く。達也の近くの椅子にはシュテルが気絶したように寝ている。その顔は歪んだような。苦痛のような顔をしていた。

 

「シュテルは、自分たちが中学生だった頃、旅行で行った沖縄で、深雪に喧嘩を売った軍人を、キレて再起不能一歩手前まで追い込んだ過去があります。その時のシュテルは、理性をかなぐり捨てて、ただ目の前の”敵”を倒そうとしていました。」

「それがトラウマになっていると?」

「えぇ、幸いにもその軍人は再起不能にはなっておらず、和解と仲直りはしたのですが。それでもシュテルの心の傷は今でも埋まっていません。」

「そうだったの・・・・」

 

その後ろでは摩利が服部のことを叱っていた。

 

「お前は何をやっているんだっ!どれだけ取り繕うと、お前のやったことはただのいじめと変わらないんだぞ!生徒会のメンバーであろうものが自分より下の学年の後輩をいじめるとはどういう了見だ!」

「ですが摩利先輩、自分の言ったことは決して間違いではありません。」

「まだいうかこのバカ者っ!もういい分かった。今日は帰れ。明日話そう。真由美もそれでいいな?」

「待ってください渡辺先輩。副会長のいうことはごもっともです。」

「しかし達也君。」

「ですが自分も正直怒っています。なので服部先輩、自分と模擬戦をしませんか?」

「なんだとっ!」

「その勝負で、先輩が勝ったら、自分たちの言い分が間違っていたとして、いかなる処分も受けます。ですが、自分が勝ったら、深雪たちに、謝罪してください。先輩なら、もちろんやって頂けますよね?」

「っ!・・・・・・・・いいだろう!格の違いというやつを教えてやる!」

「という訳で生徒会長、模擬戦の許可を。」

「分かりました。私は生徒会長の権限において、二年B組・服部刑部と一年E組・司波達也の模擬戦を正式な試合として認めます。」

「生徒会長の宣言に基づき、風紀委員長として、二人の試合が校則で認められた課外活動であると認める。時間はこれより三十分後。場所は第三演習室、双方CADの使用を認めます。なお、この試合は関係者以外非公開とする。」

 

服部はすぐに第三演習室に向かう。達也は事務室にCADを取りに行こうとした。が、その服の裾が誰かに掴まれた。そう、シュテルである。

 

「どうしたシュテル?俺はこれからCADを取りに行かなくちゃいけないんだが・・・・・・・・」

「・・・・・・・・達也、ごめんなさい。私のせいで、ほんと、ごめんなさい・・・・・・・・」

 

そのシュテルの目には涙がこぼれていた。これでは彼女の可愛い顔が台無しである。達也は仕方ないと、シュテルをそのまま抱きしめる。真由美たちはにやにやしていたり驚いていたりしたが、深雪は仕方ないなというような表情をしていた。

 

「別にお前が謝ることじゃないよシュテル。それに、深雪のことを思って怒ってくれたんだ。誰もそのことを咎めたりはしないよ。だから、シュテルは静かに、眠っててくれ。」

 

達也がそっとシュテルを離す。シュテルはまた気絶したようにその目を閉じていた。達也はそのままシュテルをお姫様抱っこの要領で抱きかかえ、こう言った。

 

「会長、シュテルも連れて行ってもいいですか?もし起きたら、俺の勝っている姿を見せてやりたいんです。」

「えぇ、私は構わないわ。摩利はどう?」

「私としても異論はないな。そうだ達也君。ついでに彼女のCADを持ってきてくれないか?今の彼女には酷かもしれないが、風紀委員の説明をしなければならないからな。」

「分かりました。」

 

達也はそのまま事務室にCADを取りに行った。その道中、シュテルをお姫様抱っこした様子が目撃され、達也はますます有名人になるのだが、それはまた別の話である。

 

達也は今内心猛烈に怒り狂っていた。もし、あの時に達也のCADがあれば、達也は迷うことなく、服部を”消して”いただろう。達也の分解はそれだけの危険性を秘めていたのだ。

 

しかし、彼とて定められたルールを破るほどの愚か者ではない。そして正々堂々正面切って戦うとなれば、彼の低い演算能力では特化型のCADを使うしかない。

 

達也は今第三演習室にいる。そして彼の手には黒いアタッシュケースが握られている。

 

「達也君、君はいつもストレージをいくつも持ち歩いているのかい?」

「えぇ、汎用型では、自分の力が発揮できませんから。特化型に頼るしかないので。」

「なるほどな。それでは両者は開始地点に並べ!」

 

服部と達也は開始戦に立つ。

 

「司波達也、身の程をわきまえない貴様を完膚なきまでに叩き潰す。」

「自分も、自分の持てる全力で、あなたと戦います。」

「準備はいいな?では、ルールを確認する。魔法、体術あり……殺傷のある魔法は禁止……勝負があったと判断した場合は両者とも戦闘をやめてもらう。何か異論は?」

「ありません。」

「分かっています。」

「では・・・・・・・・始めっ!」

 

その瞬間、服部が達也に向けて即座にCADを向ける。が、すでにそこに達也の姿はなかった。

 

「ぐっ!」

 

そう認識した直後、服部が倒れ、その後ろには”消えたはず”の達也が立っていた。

 

「しょ、勝者。司波達也。」

 

そこにいたメンバー、主に深雪と達也が試合を開始する瞬間に目が覚めたシュテル以外、皆己が目の前で起こったことが信じられないと言わんばかりの顔をしていた。

 

 




やっぱり達也君は強いですな。さて次回はどこまで進むのでしょうか?ではまた次回!。・・・・・・・・魔法少女リリカルなのはのやつも書きたいんですけどねwでは改めて、また次回!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。