ていうかください!!どうかどうかお願いします!
伊黒小芭内目線
幼少期からどうも口元を隠したく、マスクを知ってからはずっとつけていた。蛇に魅力を感じ、飼いたいと願った。そのどちらも、この子は恥ずかしがり屋さんなのね、夢中になれることがあるのはいいことだ、と許してくれる優しい両親だった。その優しさに涙がなぜか流れたのを覚えている。中学を卒業後は料理の専門学校に進んだ。特に料理が好きなわけではなかったが、この道に進まなくてはという確かな確信を不思議と持っていた。そしてそのころから、ピンクの髪の毛を見ると目で追うようになっていた。そして出会った。ピンクと緑の桜餅のような髪色の女性。その時すべてを思い出した。前世のこと、彼女のことすべて。自然と目が潤む。彼女はこちらを見て目を丸くしている。俺は声をかけた。
「甘露寺、俺のこと、覚えているか、、、?」
甘露寺蜜璃目線
小さい頃からよく食べ、力持ちだった。定食屋を営んでいた両親は力持ちなことも最初は驚いたもののすぐに受け入れてくれて、私がいっぱい食べる様子をほほえましそうに見てくれる素敵な人たちだった。それでも、その私の食べる様子を見る優しい瞳を見るとなにかを忘れているようで仕方なかった。中学卒業後は少し離れた高校に通うことになった。駅の改札を出るとそこでマスクをつけた男性と目が合う。そしてすべてを思い出した。前世のこと、愛しい彼のこと。伊黒さんから声をかけてくれた。
「甘露寺、俺のこと、覚えているか、、、?」
伊黒小芭内目線
「甘露寺、俺のこと、覚えているか、、、?」
俺は恐る恐る声をかける。甘露寺のまんまるだった瞳は涙を徐々に浮かべ泣き笑いになった。
「ええ、もちろん!」
俺は思わず彼女を抱きしめた。
「会いたかった、甘露寺」
「ええ、私も」
しばらくそうしていたが、周りの目もある。俺と甘露寺は駅前の広場に移動し腰を下ろした。
「今世はね、定食屋さんの娘なのよ!いっぱい食べるし力持ちだしこんな髪色だけどそれを温かく見守ってくれる両親なの!今は家からちょっと離れた高校に通っていて今その帰りなんだけどね、この高校だ!って一目ぼれして決めたの!きっと伊黒さんに会うためだったのね!」
彼女は前世と変わらず明るく、そして、愛おしかった。
「ねえ、伊黒さん。前世での約束覚えてる?」
彼女の顔が不安そうになる。俺は間髪入れず答えた。
「ああ、もちろんだ。絶対に君を幸せにする。俺と結婚してくれ、甘露寺」
彼女の顔がほころぶ。
「うれしい!伊黒さんのお嫁さんにしてください!」
俺たちは手を握り微笑みあったのだった。