真・恋姫†有双……になるはずが(仮)   作:生甘蕉

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122話 東西南北中央不敗

 貴重な病院の無料券を使って俺のプチ強化合宿。

 1時間置きに24時間特訓しなきゃいけないのは少し面倒だったけど、回復ベッドのおかげで睡眠不足にはならなかった。夜中までつきあってくれた嫁さんたちは眠そうだったけど。

 

 枕元に置いておいた俺のビニフォンが鳴り、MPが満タンになったことを報告してくれる。この辺もコンカより便利だ。ビニフォン売れるわけだよ。

「うん、腕も繋がったみたいだ。よし、MPを使い切るとしますかね」

 神経が繋がる感覚なのか、切断された部位がくっつく時って妙な感じなんだよね。あれがおわってほっとしてる。

 

「次は私たちの番です」

 病院の外に出ると愛紗たちが自分用のATのTOYを並べているので1体1体確認した。

 霞のは「愛紗と同じ(おんなじ)にしてや」との注文だったのでEPを籠めなおして修正を入れる。……霞専用って音だけだとシャア専用のパチモンみたいだよね、なんて馬鹿なことを考えちゃって赤くて角付きになってしまったのでもう1度修正する羽目になってしまった。まあ、減ったEPもベッドで回復するからだいじょうぶ。

 

 確認終了後、それらを一気に成現(リアライズ)する。最大MPを1度で全消費した方が伸びがいいからね。

「これが私のUHですか」

 愛紗の選んだのはH級のFX-ATハウリング・ベア。青の騎士シリーズに出てきた機体だ。大手さんがガレージキットすら出してないので、俺がスクラッチしたのをベースにした。

 霞の持っていたのはそれを複製した物のようだ。真桜め、型取りまでマスターしていたか。

 

 今回担当の他の嫁さんたちにも専用UHを渡すと、彼女たちはそれを確認し、スタッシュにしまって行ってしまった。2面の訓練場(コロシアム)に向かったのかな。その前にヴェルンド工房で解析してほしい。まあ、愛紗がついているから心配はないか。

 

「EPを籠めおわった分はだいたい出揃ったかな?」

 みんなのUHが動いているのを見たら、自分のもって急いでEP籠めてる嫁さんもいるかもしれないけど。

 ベッドで回復してまた満タンになったら次はマダンキーとゴッドゲキリュウケンを成現しよう。

 

「次は魔法の特訓ね」

「え?」

 華琳の指示に首を傾げる。そんな急に鍛えなきゃいけない魔法、あったっけ?

「スキンシップのために変身魔法を鍛えるのでしょう?」

「分身じゃなくて?」

「双頭竜ならともかく、分身では私が他の娘を味わえないでしょう」

 ああ。そーゆーこと。

 ……って、どゆこと?

 

「触手変身をマスターしなさい。そうすれば同時に感じられる人数がもっと増えるわ」

「勘弁してください」

 華琳が18禁ゲームをプレイしてるのを止めなかったのはやはりマズかったか。そんなものにまで手を出していたとは。

 

「なぜよ?」

「そんな不思議そうな顔をされても。俺は寝取られと触手は苦手なんだってば」

 男はもちろん1人で純愛系がベストだ。エロゲで純愛ってのもアレだが。

 

「触手ならば全員で同時に楽しめるじゃない!」

「全員でなんて場所に困るでしょ。あとで掃除が大変だよ」

 触手はなんか粘液でヌトヌトしてるイメージがある。

 それに何十人も同時に触手プレイとかエロゲでだってありえないでしょうに。

 

「くっ。ならば双頭ではなく3本以上にするしかないというの?」

「どうやって使うのさ? 2本でだって体位で苦労してるのに」

 頼むからこれ以上俺を魔改造しないで下さい。

 

「あの、華琳さまが変身魔法を覚えればこの男を使わずにすむのでは?」

「な、なにを言うんだ桂花っ!?」

 まさかの盲点。

 変身魔法なら男になることもできるじゃないか。

 春蘭がいないくてよかったよ。いたら春蘭まで変身魔法をセラヴィーに教わりに飛び出してそうだ。真っ先に彼女のUHを成現したのは正解だったな。今頃コロシアムで壊してなきゃいいけど。

 

「男になったらチョーカー(これ)の攻撃対象になるわ」

「あまり気がすすみませんが、この男に化ければそれも誤魔化されるはずです」

 桂花、この男じゃなくて名前で呼んでほしいなあ。

「それは無理だ。俺の偽物にも反応するはずだ」

 偽物っていえば怖いのはゼウスなんだよな。夫に化けてその妻に手を出したこともある外道神だ。

 オリュンポス神っぽい知り合いが多いから、やつもきっといるはず。嫁さんを護るためにも機能強化した次世代型チョーカーも用意しとこう。

 

「……そう、変身魔法を覚えてもチョーカーを持ってない女の子と楽しむしかできないのね」

「華琳さま?」

 嫁さん以外の女性に魔法で生やしたアレを使うつもりなの? それって浮気?

 

 もしかして欲求不満だってアピールしてるんだろうか。病院に残っているのは華琳と桂花だけ……。

「華琳、桂花、ちょっとこっちへ」

 いつもの大部屋ではなく、個室にもぐりこむ。無料券はないけど備え付けのベッドを使わなければ問題はないはず。

 スタッシュからソファーベッドを取り出して、と。

 

「なに持ち歩いているのよ!」

「だって新しくなった部屋に合わないから置き場に困ってさ」

 まさかこんなことに使うとは思ってなかったけどね。

「2人の魅力的な姿見てたら我慢できなくなっちゃった」

 だって華琳も桂花もナース服なんだよ! 誰が用意してくれたか知らないけどグッジョブすぎる!

 

 

 

 結局、俺のことを名前で呼ぶほど桂花の意識が薄れるまでがんばったせいか、特訓の効率が落ちて最大MPは特訓前の51万倍を超える程度に留まったが後悔はない。華琳も満足してくれたし。

 分裂再生実験で最大HPも少し増えた。UH、ゴッドゲキリュウケン等の成現でEPもだ。無料券は無駄になってない。

 

「これなら色々と成現できるかな」

「たった1日でそこまで伸びるのだから煌一のスキルは有用ね」

「大魔法使いを追加改竄してくれたレーティアに感謝だよ」

 宝毛は失ったけど、その幸運が変じたものとすら思える有難いスキルだ。

 

 さっそく柔志郎から模型を受け取って成現してみる。

 場所は本拠地の駐車場。豪華旅館となっているので駐車場もかなり大きいが、車は止まっていない。

 本拠地はモブさんには開放してないからね。従業員として働いてはもらっているけど、その人たちの使う車もない。

 実はまだこの4面に自動車ってほとんどないんだよね。剣士がGM払って許可しないとモブ車もないのかもしれない。

 

 ビニフォンで成現予定を表示させながら確認する。第2世代型だと立体表示できるんだけど俺のシステムツールレベルが上がったせいか、それにも対応しているので、最終確認もやりやすい。

 ビニフォンは画面が小さいから画面の大きなタブレットタイプを作ろうかとも考えていたんだけど、立体表示って大きさの制限ないみたいなんだよね。幻術代わりにも使えるかもしれない。……大きく映した分、バッテリーの消耗も大きくなるか。

 

 むう、よく考えたら立体表示前提にすればスマホ形状にこだわる必要ないな。思念操作もできるからタッチパネルすらいらない。

 ああ、だからマクロスFの携帯端末(セルラー)はいろんな形状があったのか。

 オズマの印籠型のなんて光姫ちゃんにもいいかもしれない。俺のは長年の愛機である折りたたみ式のガラケー型にしようかな。

 

 まあ、それは第3世代ビニフォンで考えるとしよう。今は機関車(こっち)が先。

 柔志郎がEPをさらに籠めて設定が微妙に追加されているけど今のMPなら余裕だね。忘れずに空きスロットをいくつか追加して、と。

「とりあえず10年分くらい?」

「そうッスね」

 完成予定の立体映像にも不満はないのでまず機関車を成現した。

 手元の2つの模型が消えて機関車が出現する。

 

「おおっ!」

 柔志郎と真桜、輝が目を輝かせる。

「外見は『あじあ』と同じか」

「名づけて『スーパーあじあ』ッス」

 ……なんだろう、ガンダムファイトで優勝して改名した感がすごいんですが。

 梓がうんうんと頷いているのは『スーパーあずさ』のつながりだろうか?

 

 乗り込んでみると、999号同様にボイラー部の機関室にはあのメーターが天井にまで並んでいた。端から順に光ってきたのは感動ものだけど、どれにどんな意味があるのかサッパリわからない。柔志郎はわかるんだろうか。

 

「ようこそ、スーパーあじあへ」

「喋りよった!」

 真桜、そんなに驚かなくても……。マインだって喋ってるでしょ。

 人工知能(AI)の声は女の子みたいだ。機関車だからおっさん声を想像していただけに予想を裏切られた。卑弥呼声なんじゃないかとちょっと心配だったんだよ。成現予定では表示されなかったし。

 

「自分はスーパーあじあの制御AIであります」

「SA子ちゃん、調子はどうッスか?」

「絶好調であります、田斉車掌」

 柔志郎が車掌なのか。あとで帽子と制服を用意してあげよう。

「サコちゃん?」

S()UPER A()SIAだからSA子ちゃんッス」

「なるほど」

 それなら、あじあとかよりは呼びやすいな。東方不敗をイメージしないですみそう。

 

「客車を成現する前に性能を確認しないとな。SA子、レールのないとこも走れる?」

「もちろんであります!」

 999の銀河鉄道は宇宙空間では空間軌道って不可視のレールがしいてあるらしいけど、惑星の駅からそこにたどりつくまでの飛行能力はあるはずってことで、スーパーあじあは空中も走行できるように設定されている。

 

「線路がないとこを走るのはちょーっと不満ッスが仕方ないッス」

「4面上空を少し走ってもらえるかしら?」

「了解であります」

 ……しかし、SA子はなんでこんな口調なんだろう? 某軍曹みたいだよなあ。

 

 その後少し試験走行したが問題は見つからなかった。

 もっと詳しく解析しようとヴェルンド工房に移動する。

 サイコロ世界は空中で繋がってるかと思いきや、各面の領域はしっかり分かれているらしく、ゲートを経由しなければいけないようだ。

「このためにちゃあんとスタッシュも鍛えたんで問題ないッスよ」

 スーパーあじあを収納空間にしまってご満悦の柔志郎。

 意思があるんだったらファミリアになってもらった方がスキルとかも覚えられるようになって戦力アップだけど、普段の居場所に困るか。この巨体ではゲートを使うのも大変そうだ。

 

 

「喋る機関車なのに、やえもんじゃないのか?」

 そっちか。ダイ姉ちゃんは渋いな。

「こんな物までできるなんて、ホント、あんたの能力は無茶苦茶ね」

「そうか? 魔法だってなにもないところから炎や氷を出すじゃないか」

 あれってさ、MPが燃えたり氷に物質変換されてるわけでしょ。空気中の水分が凍るだけじゃあんなに大量に出せないし。

 俺のなんて、元になる素材とそれに籠もった想いが必要なんだしさ、チ子たんがいうほど無茶苦茶じゃないって。

 

「もうザクできるだろ、これなら!」

 そしてアゴルフはぶれないな。

「できるけど、まずはバルキリーだろ。あれの熱核反応タービンエンジンがなんとかなればMSも再現できる」

「そうはいうがな、あれは固有原理で動いているからな。原子力エンジンだし」

 ドワーフとなっても元日本人としたらやはり原子力は躊躇するか。

 

「こいつのエンジンが少しでも参考になれば……」

「スーパーあじあのは超次元機関ボイラーってやつだから、さらにわけわかんなくなるんじゃない?」

 機関車に触れてスキャン中のドワーフに水を差す。

「ふん。波動エンジンだろうと造ってみせるわ!」

 ああ、十三ってばヤマト造りたかったんだっけ。バルキリーじゃなくてヤマトのためにスーパーあじあ解析してたんね。

 

「熱核反応タービンエンジンの反応炉って核融合炉だから、たしかに再現できればUHよりも大型のロボの動力になるだろう」

 くいっと眼鏡を持ち上げるパトリニア。エルフのくせにハード系にも強いのかな。

 

「核融合炉の方が燃料の入手がしやすいからな。マイン用のUHも完成したし、エンジンの設計はまかせてくれ」

「もう完成したのか、レーティア」

 彼女の足元から1/12サイズのスコープドッグが自走してきて俺の前で止まり、ぱかっと丸い頭部ごと搭乗ハッチが開く。中にはマインがいた。

「レーティアの科学力は世界一ィィィ!」

「……マイン、紫外線照射装置とか内蔵されてる?」

 思わず聞いてしまった。強化改造されてるのはマインも彼と同じだけにさ。

 

 レーティアならエンジンもすぐにできそうだな。大帝国でも子猫機関(シュレディンガー)っていう戦艦用の高性能な新世代エンジンを造ったぐらいだし。

「博士系がいると開発も捗るのですわ。英霊召喚(ヴァルキリースカウト)で、うちにも入れようかしらですわ」

 ヴェルンド工房、場所こそ2面だけど2面出身者がテストパイロットしかしてないのを気にしてるのかな?

 

「場所や設備でワルテナにはすごく世話になってるから、そこまでしなくても……」

「師匠、戦死した美形の博士系キャラって誰がいましたっけ?」

 あ、自分の趣味も兼ねてるのね。美形指定ですか。そんな難しいこと言われてもなあ。

 

「兜剣造?」

 美形枠に入るか微妙だけど、もりもり博士や南原博士よりは、ね。

「他には?」

「ショットやシロッコはヤバそうだし……神隼人は生き残っちゃうから無理……」

 他に死んじゃう開発系キャラって女性しかとっさに思いつかん。ボーグマンのメモリー・ジーンや0083のルセット・オデビーとか。

「なかなか難しいのですわ」

「美形じゃなければもっといるよ、アストナージとか」

 スパロボだと伝説のメカニックだよね。ユニットを廃棄されちゃったりもしたけどさ。

 

「私たちも勉強しなければいけませんね」

「まったく、大変なのですよ」

 稟、風、軍師って武器の開発までするの? って、孔明はいろいろ作ってたんだっけ。

 

「恋殿のはねねが造るのです!」

 そういえば方天画戟ってFate/EXTRAだと陳宮が開発したことになってたな。

 

「まずはこれからできる作戦車両の操作を覚える方が先だろう」

「はいっ、がんばります」

 そうだった。冥琳に言われて思い出した。スーパーあじあって元々、作戦司令室のために成現したんだった。

 亞莎もやる気みたいだし、さっさと成現しようかな。

 

「各種無線に大型モニター、あとオペレーター用な席……」

 列車なんで細長い部屋になるのは仕方がない。さっきのようにビニフォンで大きく立体表示させながら確認する。

「あの、トイレがあると助かります」

「ああ、必要だね」

 各車両にトイレはつけておこう。仮設トイレで培った技術もあるし。

 

「食堂もほしいのだ!」

「食堂車は別の車両で作ろう」

 みんなスタッシュ持ってるからたくさんの弁当やできたての料理も持ち歩けて優先度は低いけど、やっぱり食堂車はほしいよね。

 

「最後尾は展望車にするッスよ」

 観光用になってきた気がする。

「他は移動中にみんなが座る、普通の座席の車両と、寝台車両?」

 寝台いるかなあ? 寝る時はポータルで帰ればいいような。

 あ、でも怪我人や病人を寝かす時にも使えるか。それなら救護室も必要かも。

 

「残るは戦闘車両とUH運搬車両か。まあそれはあとでいいか」

 戦闘車両にはどんな武器をつけるかじっくり考えたい。UHの運搬はスタッシュですませればいいんだし。もうみんなも収納できるくらいにはスキルレベル上がっているはずだ。

 ……スーパーあじあを収納したらUH入らない子も出てきちゃうかな?

 

 とりあえず作戦車両と普通車両を成現すると、軍師やエルフたちは作戦車両に、残りは普通車に試乗しだす。

 せっかくだから機関車に連結してまた上空を走ってもらった。

 

 作戦車両ではさっそく専用の席を決めたみたいだ。こっそりと華琳や朱里ちゃんといった背の低い子たちが椅子の高さを調節している。俺も含め、みんな気づいたみたいだけどそれにはつっこまない。

「この大型モニターに外の様子やUHからの画像が映し出されるのね」

「手元のモニターにもね」

 俺が座った席についている液晶ディスプレイには設置された機器の操作法が表示されていた。

 席は縦1列でモニターとキーボードがつけられたデスクもセットになっている。デスクごと回転できて、大型モニタの方だけでなく、隣の席とも向き合うことができるようだ。

 

「もう少し、椅子の配置を考えてもよかったかもしれませんね」

 君主と横一列で座ってるのは気が引けるのかな? でもスペースがないから……。

 

 普通車両に移動すると、みんな窓の外を見ながらはしゃいでいた。

「飛行機や自分で飛ぶのとも違うわね、なんだか()()()()って感じがするわ」

 雪蓮の感想にみんなも頷く。

 きっと柔志郎のイメージが強かったのだろう。レールはないけど、レールの上を走ってると錯覚しそうな乗り心地だ。

 

「桃香もこっちにきたか」

「次からの外国への移動はこれで行けるね」

 今までは自衛隊にお世話になってたもんなあ。

「未確認機と攻撃されぬよう、各国政府に連絡しないといかんな」

「自分のとこにもきてくれという国も増えているわ」

 光姫ちゃんと華琳も普通車両にやってきた。作戦室座席の端末でのSA子との会話は終わったのかな。

 

「学園祭の準備で忙しいから、異国行くのはあんまり増えねえでくれよ」

「出迎えの美女たちに鼻の下を伸ばしていた遠山様が言いますか?」

「おいおい、ハニートラップにはひっかかってくれるなよ」

「だからンな暇ねえよ」

 学園祭では学園島外からの客もくるからその前に掃除を、ってことで奉行所はかなり忙しいらしい。

 

「一條三真だったか、監査がくる予定だったがあの発表でそれも中止になった」

「かわりに護衛増加のために対魔忍がかなり潜り込む予定よ」

 凛子とゆきかぜちゃんの隣で紫が微妙ににやけている。アサギさんもくるのかな?

 一條三真は『あっぱれ』のファンディスクの悪役だ。わずかな期間で強力な剣魂作っちゃうから光臣以上の才能があるかもしれないけど、仲間には絶対にほしくないタイプだ。

 それがこなくなるのは助かるな。

 

「徳河豪俊も探知スキルの使用により、あっさりと発見したわ。学園祭の間は本土の牢に閉じこめておく予定よ」

 徳河豪俊はあっぱれの悪役ですでに学園島を追放されているんだけど、戻ってきてたのか。それを見つけ出しているなんて、対象がわかっていれば探知スキルはかなり有効だな。

 

 あとは……[祭](ファンディスク)で大きな問題になりそうなのって他にあったっけ?

 みんなにもプレイしてもらった方がいいのかも。

 でも、エロシーンがあるから気まずいしなあ。あっぱれ出身の嫁さんが俺以外とエッチしてるのを見せるわけにもね。そっちの部分カットしたプレイ動画を見せればいいか。

 

 華琳同様、最近18禁ゲームにはまってる華琳ちゃんに頼んで撮ってもらおうかな。すでにパソコンは使いこなしてるみたいだし。

 孫策の方は格闘ゲームやシューティングゲームが気に入ったらしく、あっちでよく対戦させられる。雪蓮と彼女の対戦や冥琳同士の面会はもう少し時間がとれるようになってからじゃないとできそうにないな。

 

 工房に戻り、柔志郎の指示を聞いて食堂車、寝台車、展望車も成現した。連結して再び試験走行するのを今度は外から確認する。

「特に問題はなさそうだな」

「お前さんのスキルならそうだろ。だが、儂らが造るバルキリーの試験飛行は市街地の上空というわけにはいくまい」

 ヴェルンド工房、敷地面積も広大だけど、市街地も近いんだよな。それぐらいこの面はモブさんが多い。

 

「ドンさんに頼んで3面の海の上でするのが一番なのかな?」

「空港設備も造らんといかんから、6面(うち)でもいいぞ」

 6面は山岳地帯だったよな。ドワーフの住居って洞窟にあるのかな?

「山ばっかりだけど滑走路大きくとれるの? それともエリア88の山岳基地みたいに山ん中に造るのか?」

「それも面白そうだが、離着陸にかなりの技量が必要だろう。試験機の空港にはむかん」

 それもそうか。でも、山麓にある基地ってスーパーロボットの基地みたいでいいな。

 ポイントだいじょうぶか聞いたら、GPやGMじゃなくて自分たちで建てるらしい。ドワーフすげえ。

「UHも建機として使えるぞ」

「というか、そんな感じのUHを古ドワーフが試作してたわね」

 色は黄色と黒なんだろうな、きっと。

 

 その後、MPがまだまだ余っていたのでバルキリーを追加で成現して置いてきた。

 工房に設置した操縦シミュレーターはプレイするのに並ぶくらい人気らしく、さらに追加を要求されたのでまた素材を作らなきゃいけない。型は残っているから苦労はしないけどさ。

 待ち時間が長かったから、うちの本拠地にも設置しよう。ゲームコーナーに置けばいいかな?

 

 

 夕食時、明命の元気がなかったので聞いてみたら、学園島の猫カフェが摘発されて閉鎖になってしまったので落ち込んでいるとのこと。

「学園祭前に違法な店舗を一斉摘発したんだよ。学園は生態が完全に管理されている場所だ。繁殖にも最大限の注意を払わなきゃならない」

「いや、半人工島で生態系とか言われてもね。自然のバランス壊しまくってるでしょうに」

 朱金の言うことは納得できない気がする。元の島の固有種なんて聞いたことないぞ。創始者は動物アレルギー持ちだったのかね?

 

 

 ……あれ、これってもしかして、はじめちゃんのイベント?

 

 


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