真・恋姫†有双……になるはずが(仮)   作:生甘蕉

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31話 世界一の魔法使い

 朝か。

 4日後は交流戦だ。

 種目は祭り。いい加減に情報がほしいところではある。

 そして今日は大魔王戦だ。

 ……ゾンビの次に大魔王って、バランスおかしくね?

 いくら隠しスキルの『魔法使い』を持っているとはいえさ、持ってる魔法は初級レベルのばっかりなんですけど。

 一番使ってる魔法からして移動呪文だし。

 

 ……よそう。

 朝からEPを減らしてどうする。

 失くしたEPを補うために俺は、隣で眠っているヨーコの胸に手を伸ばした。

 まだ起きない。疲れたんだろうなあ。

 

 

 朝食後、弁当とともに準備していた装備を渡していく。

「こっちがカシオペアので、こっちがイナズマのね」

 狼のファミリア、カシオペアには首輪型のビニフォン。

 鷲のファミリア、イナズマには足環型のビニフォン。

 スタッシュにしまっちゃうと連絡がつかないので、いつもつけてても不自然じゃない形にしてみた。

 カメラは撮りにくいかもしれないけれど、上手く使いこなしてくれるだろう。

 なお、画面は空中に投影するというハイテク仕様。この2匹なら画面なしでも問題なさそうだけどさ。

「おお、なんかすげえぜよ。ワシのはもうあげちゃって、こっちをほしいぐらいぜよ!」

「昔の特撮みたいだな」

 梓、せめてスターな戦争みたいと言ってくれ。立体映像じゃないけどね。

 

 智子とセイバーライオンにも機能制限版のチョーカーを用意。

 これで離れていても成現時間の延長がしやすくなったはず。

「ありがとう、お父さん」

「がお!」

 うん。智子の変身形態は両方ともチョーカー装備だから首輪とか言わずに受け取ってくれた。

 む。チョーカーと変身……キューティハニーという手もあったか!

 戦闘能力や応用力も高い。アンドロイドだけど基本的には補給は食事ですむし仲間候補に入れておいてもいいかもしれない。

 

 その他、銃火器や弾薬も配っておく。

「ちょっ、これ、剣よりも物騒なんスけど」

「そっちだってなにがあるかわからないからな。情報収集だけでも用心するにこしたことはない」

「心配性やなあ」

 娘を心配してなにが悪い。本当なら門限を設定したいぐらいなのに。

「なにかあったらすぐに連絡するんだよ」

 ビニフォンなら別々の世界でも通話できるはずだから。

 

「ワシには?」

「大魔王と戦うぐらいの用意はできているんだろ?」

「そりゃまあできちょるが」

「なら弁当だけでいいでしょ」

 ちなみに今日の弁当はいなり寿司。

 普通に酢飯を入れたオーソドックスなお稲荷さんと、油揚げが裏返っている方はたっぷりのそぼろを混ぜ込んだ2種類。

 そぼろ入りの方は皮ごと刻んだレモンも入っているので、意外とサッパリ食べられる。ビールにも日本酒にも合うんだよね。

 それにタコさん――セイバーライオンの分のみカニさん――ウィンナーや玉子焼き、煮物等も入れたのでこのまま花見に行ってもいいぐらいだ。季節違うけど。

 

「華琳にはこっちもね」

 成現した七星剣を手渡した。三国伝BBWのやつね。星凰剣と威天剣でもよかったんだけどさ。

「春蘭の剣を思い出すわね」

 ああ、七星餓狼だっけ。似てるのは名前だけじゃない?

 華琳ちゃんに不釣合いなほどに刀身が大きいけど軽がる持ってるので問題はなさそう。炎骨刃も大きいし。

 

 ヨーコ、クラン、レーティアにも銃弾薬を渡すとして、困るのは梓。

 彼女は基本、拳で戦うスタイルだ。

 銃もまずい。痕おまけシナリオのようにガチャピンが殺されてしまう。

 で、悩んだ挙句にこれ。

「籠手?」

「うん。烈火拳。元は片手だけどちゃんと両手分になってよかったよ」

 サムライトルーパーの玩具で腕に装着するんだけど、あまり売れなかったらしい。今でいう腐女子受けなアニメだからそりゃ購買層がかみ合わないよねえ。

 両さん情報でそのメーカーであるTT社の本社が亀有から近い立石にあるというのでディスクロン部隊に調査アンド回収に行ってもらっていて、その回収品の中に混じっていた。

 うん。ディスクロン部隊にとってはある意味里帰り。TFとミニカーのとこの合併だもんね。

 他にも色々ゲットしたからあとで活用できると思う。

 スコタコ成現したいなあ。あ、BN社からも出たんだっけ。

「梓は火属性だからピッタリなはずだ」

 LEAF FIGHT'97でもそうだったしね。

 華琳の炎骨刃と属性かぶるけどさ。

 

 こんなもんか。

 ……問題は俺自身の装備。どんなのがいいか迷って、みんなのを先に決めていったら完成しなかった。

 武器はGGKでいいとして防具ぐらい用意すればよかったかな。

 でも、今さら重い鎧っていうのもなあ。

 飛べる強化服なEXギアがよかったんだけど、メサイアのオマケのじゃちょっとEP籠めにくかったんで断念。柔志郎んとこの秋葉原で入手したいなあ。

 

「さっそく行くぜよ」

「その前に百貨店でGP使いまくってくる」

 プレイヤー死亡時のスピリット召喚時のGP不足分が借金になることはないらしいので、危険地帯に行く時はGPを使いきっておいた方がいい。

 MPだけはべらぼうに高い俺の能力からいって、要求されるGPは高いと予想できるし。

 死ぬつもりはないけれど、油断してると危ない。

 

「まあ、メダルぐらいしか買わないけど」

 前回ほど貯まってないしね。

「なあ、それなら食料品見ていかないか?」

 断る理由もないので、梓の提案にのる。

 というより、大魔王の城に行くのを少しでも遅らせたい。これはやっぱり逃避行動だろうな……。

 でも入荷しといたビールや発泡酒、買っておきたいし。

 

 娘たちをゲートまでポータルで送った後、そのまま百貨店へポータルで移動。

 地下食料品売り場へ。

「鰻があるな」

「この前はなかったと思うけど。夏だからか?」

 補充される冷蔵庫で済ましていて、ここにこなかったら気づかなかったけど、季節ごとに商品が変わるのかも知れない。

 見ているのは生きてたり、まるのままの鰻ではなく、パックの、あとは温めるだけの蒲焼き。

 値段はちょっとするけど、メダルに比べたらなんてことはない。

「買っちゃうか」

 カゴに人数プラスアルファ分を入れていく。人数分じゃ絶対足りないもんな。

 あと、タレも売ってたのでそれも多めに。鰻以外にも使えて重宝するのだ。

 

「そ、そんなに精をつけてどうするのだ!」

 クランが赤い顔でこちらを睨む。

 クランも鰻がスタミナ食だって言うのは知っているのね。

「夏バテ防止にはやっぱり鰻でしょ」

 回復ベッドは夏バテにも効くのかしらん?

「そ、それだけか?」

「え?」

「煌一、閨の順番くらい覚えておきなさい」

 ああ、今夜はクランか。

 俺が精をつけて、そっちをがんばろうとしてると思っちゃったのか。

 

「煌一、クランは小さいんだからあたしみたいな無理は駄目よ」

「……やっぱり無理させちゃってたか。ごめんね」

「い、いや、そうじゃなくて!」

 今度はヨーコが真っ赤になっちゃったよ。

デ:ダンツ(ちがう)! 小さくなどないのだ!」

 むう。ゼントラーディ語が混じるほどに怒っちゃったか。

 小さいはNGワードだね。うん。

「私は大人なのだぞ! 無理などない」

「クラン姉さん」

 華琳がクランの尖った耳に囁いて、クランの顔色が赤くなったり青くなったりと変化していく。

 あ、お尻おさえた。

「で……っ、でかるちゃあぁあー!!」

 さすがにクランのその小さなお尻では……。

 

 

 食料品と酒を購入後、残りのGPでマジックカード類とメダルを買って準備完了。

 覚悟は完了してない気もするけど、ゲートに移動して剣士担当世界に転移。

「……って、拠点がたくさんあるけど、どこに行けばいい?」

「最果ての寺院ぜよ」

 なんだかいかにもなネーミングだ。

 いよいよもう行くしかないか。

 ため息をはきつつ、俺はそこを選んだ。

 

「ここが大魔王の城に一番近い拠点、最果ての寺院ぜよ」

 寺院というわりにあまり大きくはなく、サイコロ世界のゲートとたいして変わらないような場所だった。神像や仏像も見当たらないし、なにを祀っているんだろう?

 ……まあ、神様はいないから関係ないか。

 

「いきなり見えてるのか!」

 拠点を出てすぐに目に映る巨大な城。あれが大魔王の城なんだろう。

 辿り着くまでに心の準備をしようとしたら、もう見えてるとは。

 禍々しい造形ですごい威圧感を放つ建造物だ。やっぱりもう少し鍛えてから出直したいよう。

 

「あの海のせいで行けなかったんぜよ」

 たしかにここと城の間には海が立ち塞がっている。

 ……距離にして100メートルぐらい?

 干潮時には道ができたりして。

「穏やかな海だし、泳げば行けそうじゃない?」

 大魔王のいる島なんだから、もっと荒れたのを想像してたのに。

「そ、そんなことはないぜよ! きっと凶暴な魚がいるんぜよ!」

 そういうのもありえるか。天然の堀みたいなもんね。

 だからサメのファミリアほしがったのかな?

 

「行くぜよ、イナズマ!」

 剣士の号令でオジロワシのファミリアが飛立つ。

 ほんの数分で城の入り口にポータルを開けたとの連絡がきた。

 よかった。敵に見つからずにすんでいるようだ。

 

「……もう城か」

 この世界にきてからわずか10分足らずでもう大魔王の城についてしまいました。なんだろうこの、恐怖とは別のもやもやした気持ち。

「これでやっと大魔王と戦えるぜよ」

「さすがにもう少し情報収集しなきゃ。城の中を探索しよう」

 大魔王の情報が必要だ。強い装備が見つかるかもしれないし。

 

「そうは言ってものう。入り口で見張ってるやつらに見つかったようぜよ」

「さすがにラスダンじゃ隠形も通用しないか」

 大きな柱の影にマーキングだけはしておいて、迫ってくる門番らしき2体のモンスターに備える。

 槍と盾を装備した直立歩行のトカゲっぽいあれはリザードマン? 高さだけで3メートルを超えてるから別の種類かも知れない。

 

「貴様ラ、貢物を連れてきたのカ?」

「話ハ聞いてないゾ」

 語尾に力をこめてるこれがリザードマン訛り?

「だガ、金髪くるくるガ2人もいル」

「大魔王さまニ伺いをたてねバ」

 あれ? すぐに戦闘じゃないの?

「しばし待テ」

 なんか危機管理が不安な城だ。

 それに金髪くるくるって?

 

 強行突破もする気がおきず、城の前で門番の片割れと待つことに。

 今のうちに迎撃体勢を整えているとしたらすごい作戦だ。

「あの、大魔王様ってどんな方ですか?」

 駄目もとで聞いてみた。

「恐ろしい方ダ。粗相のないようにナ」

 もしかして奮えているの?

 

「大魔王はなんていう名前なんじゃ?」

 それも知らないの?

 駄神、せめて城にくる前にその程度の情報は集めておこうよ。

「大魔王様ハ、サン……サンダ……」

 トカゲ首を傾げられても。

 もしかして普段、大魔王様で通しているから、名前を忘れちゃったとか?

 

「サンダ?」

 いや、怪獣っぽいけどさ、たぶんそれ途中じゃない?

 サンダーなんとか? ……大魔王の名前っぽくないな。

 サンダ……サンダ……サンダルフォン。マグマの中で戦ったやつだっけ。あ、でも使徒だから魔族ってことはないのかな?

 それともデモンベインに出てきた方ならありえる?

 ハンティング・ホラーを用意しておくべきだったか。バイクなら時間は短くてもなんとかなったかもしれない。

 ……でも裏切られるか。バイクならモスピーダもいいな。強化服になるし。

 

 妄想している間に門番の片割れが戻ってきた。もう1人別の影を連れて。

「ひかえイ! 大魔王サンダル様であル!」

 サンダル? サンダルフォンはおしかったのか。それとも略称?

 その姿は、門番より小さく、マスクのような角ばった顔と横に大きく伸びた角。マントだかローブだかわからない全身を覆う布。

 ……あれ? なにかで見た気がする。

 なんだろう。たぶんアニメなんだけど。

 

「貴方たち、何者です?」

「やはリ、貢物でハないのですカ?」

「そのような連絡は受けてません」

 微妙に丁寧な感じの口調だ。

 けど、魔力感知にビンビン感じるこの魔力がとんでもない。大魔王で間違いなさそう。

 

「わざわざ大魔王自ら確認にきたんですか?」

「この者たちにまかせると、犬や牛まで連れてきてしまいますからね」

「……苦労してるんだな」

 なんだろう。フレンドリーな気はするけど、見ているのは俺じゃない。

「どうやら私とレーティアに用があるようね」

 うん。2人に注目しているね。

 

「貴女たち、僕の元にきてくれたんですね」

「ええ。貴方を倒しに」

「逃がしませんよ。僕の元からは」

「覚悟するのだ」

 ……会話がかみ合ってない。

 つい、呆れた顔をしているらしい大トカゲ男に聞いてみる。

「いつもこんな感じ?」

「大魔王様ハ金髪くるくるガ大好きなのダ」

 慣れてるっぽいなあ。

 俺たちに用心してないところを見るに、大魔王の力に安心しきっていると見ていいだろう。なめられたものだ。

 

 金髪くるくるか。華琳だけじゃなくて、レーティアもストレートと見せかけてよく見ると髪の先がくるくるしているのだけど、一目で気づくとはよほどのフェチだ。

「話にならないわね」

 華琳がスタッシュから炎骨刃を取り出す。

 いきなり炎を纏わせ始めたのだから、大魔王の驚異的な魔力は感じているようだ。

「死になさい」

 大魔王サンダルに向けて炎骨刃を振り切る。ごぉっと初めて見る大きさの火炎がまるで竜のように大魔王に向かっていく。

 

「効きませんよ」

 だが、その竜は大魔王の手前で止まり、そのまま大きさを増していく。

「こうですか」

 サンダルが軽く手をふっただけでこちらに向かってくる大火炎竜。

「危ない!」

 華琳をかばう俺と、さらに前に立ち塞がる梓。

 

「ナメるなよーーーーーーッ!」

 梓の剛拳が正面から火炎を迎え撃つ。

 命中した瞬間、梓の身体が炎に包まれた。

「梓っ!」

「だいじょうぶだって」

 炎がおさまると、平然と烈火拳を装備した手をひらひらと振る梓。

 よかった。役に立ったようだ。烈火拳の火レジアップの効果が効いているみたい。

 

「ちぃっ、カウンターぜよ」

 カウンターで倍返しってやな攻撃をしてくる。これでは迂闊に攻められない。

「魔法が駄目でもこちらには」

 言いつつ、サブマシンガンを取り出すレーティア。

 大魔王に連射、というか乱射する。

 

「……これも効かないのか」

 大魔王の目前で弾丸が空中静止している。

 バリアー? さすがサンダルフォン。

 ……サンダル?

 

「まずは貴女からですね」

 ススッと足も動かさずに大魔王が空中を移動してレーティアに接近。俺たちがカバーに入るよりも先に細長いなにかを投げつけた。

 ぱしゃ。

 レーティアに液体がふりかかる。さっきのは薬瓶?

「えっ?」

 PoM。

 一瞬煙に包まれたかと思うと、レーティアがいなくなってしまった。

 そこにいたのは……レーティアにそっくりのぬいぐるみ?

「レーティア!」

「ふふっ。これでもう僕の元からは逃げられません」

 尖った指先でそれを拾い上げる大魔王。

 レーティアぬいぐるみを肘に乗せるように抱え上げる。

 ……あれ?

 

「次は貴女です」

 薬瓶を取り出し、その蓋を外す大魔王。

 やばい。このままでは華琳までも。

 

「そう。……お前が」

 華琳は華琳で、なんか雰囲気が違う。これは仲間をぬいぐるみにした犯人を見つけたということ?

「剣士、ここは退却だ」

「じゃ、じゃが」

「一斉攻撃してその隙に撤退」

 レーティアを鑑定したら、まだアイテム扱いされていない。今ならまだポータルで救出できる。

 あと、ついでに大魔王も鑑定したらその正体もわかってしまった。

 ……やつには勝てない。ここは逃げの一手だ。

 

「みんな、わかったね」

 返事のかわりに全員による火炎、銃、エクスカリバーの一斉攻撃が始まった。

 これで仕留めていればいいけど、それは無理そう。

 攻撃と同時に俺はポータルを展開してすぐに飛び込んだ。

 

 

「全員、いる?」

 さっきの小さな拠点で、全員の安否を確認する。

 全員いた。……小隊長の転移のおかげで大魔王に捕まっていたレーティアも転移していたけれど、まだぬいぐるみのままだった。

「もしかしたら、ここも襲われるかもしれない。いったん戻ろう」

「……そうじゃな」

 大魔王の城でマーキングしてきたので、この拠点が失われてもいいと判断したのか、剣士も素直に頷いた。

 

「状態異常・人形化」

 それがレーティアの状態だった。

「まだアイテムになっていなくて、小隊メンバー扱いってことは華琳たちと違うのか?」

「あいつが犯人ではないと言うの?」

 華琳たち恋姫†無双ぬいぐるみはアイテム扱いだった。レーティアも時間経過でそうなってしまうのかもしれないけど、そうはさせない。

 急いでレーティアを病院のベッドに運ぶ。

 

「GPがないんじゃないか?」

 クランに指摘されて慌てて柔志郎世界のデパート駐車場に行き、自動車を持ってきて売却した。

 GP使いきるんじゃなかったか。

 GP利用は計画的にいかないといけない。

 

「……煌一の能力で戻せばよかったのではないか?」

 回復ベッドの力で元に戻ったレーティア。

 その意見はもっともだが、元々フィギュアなレーティアが人間になって、さらにぬいぐるみになって。だから、あまり重ねたくはなかった。どういう異常が起きるかわからない。

 

「そうか。ありがとう」

 うん。治ってよかった。30分程で戻ったから出費もそれほどではなかったし。

 今度は、GPは使いきって、でもすぐに入手できるように自動車を何台か確保しておけばいいか。

 

「煌一はあの大魔王を知っているの?」

「うん。俺のレベルじゃ見れなかったけど、華琳は見たんだろう? あいつの固有スキル」

「ええ。『世界一の魔法使い』だったわね」

 やっぱり。間違いない。

 大魔王の正体を確信した。

 

「あいつは、大魔王サンダルの正体はセラヴィーだ」

「セラヴィー?」

「世界一の魔法使いで……ギャグ漫画の人間だ」

 絶対勝てないよね、これ。

 マジで初心者向けの相手なの?

 

 アニメにもなった『赤ずきんチャチャ』の主人公の師匠なんだけど。

 金髪くるくるフェチで、変態で、どSで、ヤンデレで、ストーカー気味の人。

 ……相手したくないなあ。

 

 




古いネタが続いちゃってごめんなさい

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