真・恋姫†有双……になるはずが(仮)   作:生甘蕉

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67話 魔物を狩る者

 嫁さんみんなに指輪をはめると、今度は俺の番。

 最初に俺と結婚してくれた5人がその担当となった。五嫁大将軍ではなく、嫁レンジャーと一部から呼ばれているらしい。

 だが、俺は未だに小さく、扱うのも小さな指輪。華琳と梓の2人が俺の左手を持って、ヨーコ、クラン、レーティアが3人で指輪を持ってはめるというなんだか別の儀式な感じだった。

 それでも、俺の小さな薬指にするっと指輪がはまる。しっかりはまってその後はズレない。サイズ補正効果のおかげだろう。外そうとすれば簡単に外せるらしいが、試すつもりはない。

 

 ほっと一安心して、さっそく指輪の使い方を教える。

「寝る前に残りMPを全部注入しておいてくれると、最大MPが伸びやすいよ」

「でも、その後に戦闘やMPを使いたくなった時に困るわね。全員がそれをやるわけにはいかないわ」

 それもそうか。

 華琳の指摘も当然だ。なにが起きるかはわからない。用心は必要。

 

「半分くらいのMPを……いや、それだと伸びが悪いか。全注入する日を振り分けて、全員同時じゃなければいいか」

「そうね」

 今までなにも考えずに全MPを使用してたけど、夜襲にも備えないと駄目なのかな。

 

「でもね、しばらくそれはいいんじゃないかな?」

 華琳の左手をそっと俺の両手で包んで指輪にMPを送る。

 ざっと1兆ほど。

 MPの注入とチャージしたそれの使用は、登録者とその家族ができるように設定してある。

 AAAに元からあるMPチャージアイテムは注入効率が5割ほどって聞いていたけど、指輪に加工してくれたフライタークの腕がよく、俺もいいイメージで成現(リアライズ)できたようで注入効率は7割程度に仕上がっていた。

 損失分も入れて1兆4286億ぐらいの消費MPかな。

 

「みんなの指輪にも俺がチャージするよ。そうすれば、みんなが寝る前に全MPを使っても指輪のMPで対処できるでしょ」

 俺だけじゃなくて、みんなも少しでも能力を上げておいてほしい。数日後にはゾンビたちとの夜間戦が待っている。

 柔志郎の話ではアンデッドは夜は活発になり3割ぐらい強くなっているらしい。満月の夜だとさらに強くなると剣士も言っていた気がする。

 それに柔志郎と剣士たちが苦戦した泣き女(バンシー)首なし騎士(デュラハン)が現れる可能性も高い。

 

「ごめんね、二度手間になっちゃって」

 指輪を渡す際にチャージしておけばよかったかな? でも、スキンシップの機会は大事にしたいし。

 嫁さんたちの手をとってMPをチャージする。もちろん1人1人に1兆ずつ。

「な、なんか照れるな」

 そう言わないで白蓮、こっちも照れるから。

 

「へぅ……」

 月ちゃんまで。ううっ、緊張するなあ。

 後ろで詠が睨んでるから余計に。

 

「詠、不幸が溜まったら使ってくれてかまわないから」

 彼女の不幸体質にもMP消費でそれを打ち消すスキルを設定改変で追加している。彼女自身のMPで足りなくなったとしても、これなら彼女やまわりを守れるはずだ。

「ボクの不幸をなめてるわね。多少のMPじゃ中和なんて……」

 ビニフォンで指輪にチャージされたMPを見て絶句する詠。

 チャージされてる量によって指輪の色が変わる機能があっても面白いかもしれない。結婚指輪は埋め込む宝石にその機能をつけようかな?

「足りなくなったらまたチャージする。詠を不幸になんかさせないから」

「う、うん。……ありがと……」

 小声で追加されたお礼が嬉しかった。

 

「この指輪で鍛えて華琳様との伽を達成します」

「指輪にチャージしたMPを使えばすぐにでもいけるんじゃない?」

 空いてた右手で咄嗟に鼻をおさえる稟。

「煌一殿からのMPは大事に使わせてもらいます」

 そう言ってたけど、夜の当番で華琳が稟と風を連れてきた時、結局使う羽目になっちゃった。

 なんかそのためにMPチャージ機能用意したみたいになっちゃったけど違うからね、うん。

 

「いいなーお母さん」

 璃々ちゃんが指輪を羨ましそうに見ている。

「こればっかはお父さんにもらうわけにもいかんもんなあ」

 言いつつ智子もチラチラと。

「私は娘ではないからな!」

 ゆり子、それは指輪をくれってこと?

 

 娘たちがキラキラした瞳でみんなの指輪を眺めている。

 やっぱり女の子は光り物って好きみたいだね。

 ……それともまさか贈ってほしい男子がいるのか?

 むう、なんか悔しい。男からの初めてのプレゼントはお父さんからあげたい!

「あとで、余った指輪を別のアクセサリーにしてあげるよ。君たちも俺の大事な娘だ」

「リングネックレスか。ええなあ」

 MPチャージ以外にもいろいろ仕込んであるからアイテムとしての効果も高いし、お守り代わりに渡しておいた方がいいだろう。

 それに、指輪のアクセサリーなんかしてたら男の方が深読みししちゃうかもしれない。男除けにはいいでしょ。

 

「アニキ、オレもほしーッス」

「……そうか、柔志郎とララミアにもか。左手の薬指につけたら駄目だからね」

 華琳はこのために多めに注文したのかな?

 

「唯もほしがるわよ、きっと」

 ううっ、嫁さん以外にこんなに渡したら、嫁さんたちあんまりいい気分しないんじゃないだろうか?

 結婚指輪は絶対に嫁さん以外には渡さないことにしよう。娘たちには最初から別の形状で製作しないと……。

 

 

 夜、レーティアとともに俺の部屋にやってきたのは天和、地和、人和の張三姉妹。

 アイドル繋がりかな?

「煌一、指輪ありがとうね!」

「これで煌一もちぃたちのものね」

「大事にします」

 ちゃんと指輪をつけていてくれるのは嬉しいな。

 

「3人や美羽、七乃とも話し合ったのだがな、満月の戦い、私たちも行くぞ」

「えっ?」

 張三姉妹と月ちゃん、詠に美羽ちゃんと七乃、南蛮勢に二喬は残していくつもりだったんだけど。

 レーティアや軍師たちも生身での戦いにはあまり向いていなさそうだから、モニターを通して指示してもらう予定だったのに。

 

「ほら、バンシーがいるだろう。あれの叫びは状態異常を引き起こすと見て間違いあるまい」

 十兵衛もあの叫びがやっかいだと言っていた。

「だから、ちぃたちの歌でそんなの吹っ飛ばしてあげる!」

 シャウトには歌で対抗か。……ありかな?

「でも、危険だよ」

「承知の上です」

 くいっと眼鏡を持ち上げる人和。

「ぞんびは怖いし気持ち悪いけど、わたしたちだってみんなの役に立つんだよ」

 まさか天和がこんなことを言ってくれるなんて!

 ちょっとうるっときちゃった。

 

「録音じゃ駄目かな?」

「ライブのあの熱気で状態異常にならないようにするのだ。録音では無理だろう」

 なんか生じゃないと駄目ってマクロス7みたいだな。

 サウンドエナジーシステムを作るか。稼働させるにはかなりの歌エネルギーが必要だったはずだけど、ないよりはマシでしょ。

 こんなことならみんなでマクロス7を観ておくべきだったな。

 

「だから明日から私たちは歌のレッスンを行おうと思う。道場を貸してくれ」

 ふむ。屋敷の道場はそれなりに防音されているから近所迷惑にならないかな?

 防音がしっかりしてるっていったらこの部屋もそうなんだけどね。ここで歌のレッスンもなあ。

「わかった。みんなの歌、楽しみにしてるよ」

「戦いよりも夢中にさせちゃうんだから!」

「それは困る」

 あとは稟と焔耶にも参加してもらった方がいいのかな?

 クランも劇場版でラブリーボンバーしてたから……楽器だけで歌ってなかったっけ。

 あ、楽器も用意しなきゃいけないか。それともレーティアのことだし、もう用意してるのかも。

 

「じゃ、そーゆーことで本題にはいろっ!」

「本題?」

「ちゃんと綺麗にしてきました」

 ああ、そっちね。

 若いから順応しやすいのか、それとも使徒の適応力か、そのどちらかはわからないけど、なんかこの身体でも最近回数をこなすことに慣れてきてしまった。

 元の身体に戻った時、性欲強すぎて困ることにならないか不安だ……。

 

 

 翌日の放課後。

 歌のレッスンをする娘たちを残して小隊を再編成し、ゲートを使う。

 もう全員がポータルスキルをマスターしたので、今度は久しぶりに剣士担当世界のサンダル城へ。

 エリザベスに指輪をあげにきたわけではない。

 みんなに魔法の稽古をつけてもらうためだ。

「あら、綺麗な指輪ね」

 言いながらもチラリとセラヴィーに視線を送るエリザベス。

 要求しているのだろう。やはり彼女も女の子らしい。

 

「……お嫁さんの人数増えすぎじゃないですか?」

 元大魔王からは以前のようにパンチではなく、今度は大きなため息をもらってしまった。

 そりゃ呆れもするだろうけどさ。

「こっちにも事情があってね」

 呪いのことを説明してもいいけど、めんどくさいことにもなりそうな気がするのでパス。

「剣士たちは?」

 ビニフォンで確認した方が早いが話題をそらすためにあえて聞いた。

「彼らは魔法薬の素材集め中ですよ」

「そうか。真面目にやってるんだな」

「それがですね……」

 医者王華佗の熱苦しさにセラヴィーも多少疲れているようだった。

 セイバーライオンもよく食うので、料理の準備も大変らしいし。

 やはりここで食事をしていたか。

 

「あ、これ。いつも剣士たちがお世話になってます」

 スタッシュから菓子折りを出して渡す。最初に渡すつもりがスタッシュにしまっていたんで忘れるとこだった。

「わざわざご丁寧に」

 大きめの箱で中身の菓子は華琳も評価していたから喜んでくれるだろう。

 俺が元の姿に戻れてたらお酒でも持ってきたんだけどな。今の俺は飲めないので悔しい。

 俺と同じく予定以上に若くなった祭や華雄が平気で飲んでいるんで不思議に思ったら、耐性・アルコールを持っていた。試しにスキルをOFFにしてもらったらすぐに酔いが回って青い顔になったので、慌ててONにしてもらったよ。

 

 セラヴィーに魔法訓練を頼む。

「僕も作業があるんですけどね」

 人形屋敷と同じ空間を持つ人形部屋を城内に製作中らしい。

 大魔王時代にさらった娘たちを元の場所に帰したり、身の振り先を用意していたが、わりとワガママな娘が多くて、人間に戻してから話をするのは疲れたとのこと。

 金髪くるくるの娘ばかりだから、そんなイメージはあるけどさ。

 素直でおとなしい金髪くるくるなんてエリザベスくらいなんじゃ?

 

「っと、エリザベス」

 エリザベスにはチョーカーを渡してなかったのに気づいたので時間延長しないとね。

 アリスメイドな彼女の頭に触れて俺の固有スキルを使う。

「100年分ほど延長しといたよ」

「いいんですか? そんなに」

「数日したらちょっとした戦いがあるからね。これなくなると困るでしょ?」

 心残りになることがあると死亡フラグになりそうだし。

 

 俺の態度から状況がわかったのか、セラヴィーも魔法を教えることにしてくれた。

「あなたに死なれると、剣士君たちが居つきそうですからね」

「セラヴィー先生ったら素直じゃないんだから」

 エリザベスがツッコミを入れている。腹話術じゃなくても彼女はそういう担当らしい。

 

 この前と同じくまずは飛行訓練から。

 軍師たちは素直に応じてくれた。

 箒にまたがる彼女たち。雛里ちゃんは久しぶりに帽子をかぶってまさに魔女っ娘。

 

 ポータルを習得するのに時間がかかった武将たちは早々に切り上げて、トカゲ将軍や武将たち同士で鍛錬を始めた。

 君主、軍師たちもそれを止めない。戦いまでの期間が短いのだ。できることをした方がいいという判断なのだろう。

 

 城の練兵場はけっこう大きいのでまわりを気にせずに動けるというのが気持ちよいようだ。屋敷の道場もそれなりには広いけど、みんなの身体能力考えたら狭いか。道場を壊さないように加減しながらやってる気もするし。

 

 光姫ちゃんと十兵衛は飛行魔法ぐらいなら覚えられそうだが、残念ながら今回はきていない。俺たちの満月戦への参加の報告と現場との打ち合わせで忙しいようだ。

 それでも十兵衛は俺の稽古はつけてくれると言ってくれてる。ありがたいなあ。指輪のおかげで求婚がだいぶ減りそうだと笑っていたからそのせいもあるんだろうけどね。

 

 俺はみんなの武器を成現するために模型製作。城の一室を借りて作業する。

 できた武器から持ち主にEPを籠めてもらって、それが終わり次第成現していく。

 ちっちゃくしちゃった熟女たちの武器は、普段用とアダルトチェンジした時用の2つずつ作らなきゃいけないから面倒だ。

 華琳みたいに三国伝の方の武器を渡すのもいいかもしれないな。特殊効果ありだし。でも、EP籠めるのが大変か。みんなで三国伝観てからの方がいいな。

 俺の武器もいい加減なんとかしたいなあ。GGKでも使いこなせてない気もするけどさ。

 でもその前に歌チームのためにサウンドエナジーシステムを作らないといけない。歌エネルギー変換システムである機械式の専用ジャケットを作りたい。

 

 

 そんな風に戦いの準備を進めて、満月の日の前日。

 その夜、華琳が連れてきたのは季衣ちゃん、流琉ちゃん、鈴々ちゃんというロリ武将トリオだった。

「兄ちゃん、よろしくね」

「よろしくなのだ」

「お、お願いします」

 赤い顔になってるのは流琉ちゃんだけ。残りの2人は意味わかってるのかな?

 

「今日はお兄ちゃんと寝るのだ!」

「華琳、わかってなさそうなんだけどいいの?」

 無茶してこの娘たちに嫌われたら困る。

「だいじょうぶよ。ちゃんと説明したわ」

「ええと、交尾だけど、赤ちゃんができない交尾をする、であってるよね?」

 間違ってはないよ季衣ちゃん。間違ってはないけど……。

 

「本当はちゃんとみんなを抱きたいんだけどね、俺のスキルのためにそれはできなくてね、ちょっと違う方法でやるんだ」

「おしりでするって聞いたのだ!」

 ……そこまで解説されてるのか。

「最初は辛いらしいよ」

 ローションもたっぷりと用意してるけど、君たちにはまだ早いんじゃないかな?

「兄様ならどんなに辛くても我慢できます」

 流琉ちゃんの言葉に季衣ちゃんと鈴々ちゃんも頷く。

 覚悟はしてきたってことか。怖気づくわけにはいかなさそう。

 真のコンシューマー版の季衣ちゃんと流琉ちゃんのイベントみたいにしたら駄目だ。あれは残念すぎた。俺は逃げない!

 

「……無理そうだったらすぐに止めるから嫌いにならないでね」

 でも、嫌われるのはもっと嫌だったり。

 

 

 

 昨夜はよかったな。

 3人とも健気に耐えてくれた。

 おかげで余計に興奮して3人の後に華琳にがんばってもらっちゃった。

 

「なにをニヤニヤしてるのよ」

 華琳に小突かれてしまった。

 いかん、もうすぐ夜になるというのに幸福を反芻してる場合じゃない。

 

 ゾンビたちは足が遅いので昼間の早いうちから移動しているらしく、目的地がわかりやすい。

 予想される交戦箇所は4つ。

 俺たちも2小隊ずつ4箇所に配置して待ち構えている。

 

「なんかこれ、かっこ悪くない?」

 地和が自分の姿を見て愚痴る。せっかく歌エネルギー変換ジャケットを間に合わせたのに。

 まあ、アイドルの衣装としてはどうかと思うけどさ。

「レーティアも感心してたシステムだから文句は言わないの」

 彼女は別の場所にて待機中だ。

 俺がいる魏組にシスターズ、蜀組に焔耶と稟、呉組に美羽ちゃんと七乃、その他組にレーティアが歌担当として編成されている。今頃全員が専用ジャケットを装着しているはずだ。

 美羽ちゃんと七乃は呉組に編成されるのを怖がったが、仲良くなるいい機会だと押し通した。

 

「彼女たちがともに戦ってくれる者たちだ」

 光姫ちゃんが紹介してくれたのは、カーキ色の制服を身に纏った自衛隊員……ではなく、ボディラインがはっきりわかるピッチリとしたレオタードのようなボディスーツに刀や武器を装備した女性たち。

「……た、対魔忍?」

「なんじゃ、知っておったのか。……婿殿ならそれも当然か」

 いやいや、これは完全に予想外なんですけど!

 

 ここがあっぱれ世界で、問題はほとんどクリアしたかと思って油断してたら、色んな意味で嫁さんが危険になりそうな要素が出てきて、無茶苦茶ビビってるんですけど!!

 

 




今回の編成

蜀第1小隊
 桃香、愛紗、鈴々、翠、星、朱里
蜀第2小隊
 ヨーコ、雛里、紫苑、桔梗、焔耶、蒲公英、稟

魏第1小隊
 華琳、春蘭、秋蘭、桂花、季衣、流琉、水都光姫
魏第2小隊
 煌一、風、凪、真桜、沙和、天和、地和、人和

呉第1小隊
 クラン、雪蓮、冥琳、祭、穏、美羽、七乃
呉第2小隊
 梓、蓮華、思春、明命、亞莎、小蓮

袁家小隊(その他組)
 レーティア、麗羽、猪々子、斗詩、霞、柳宮十兵衛
その他小隊(その他組)
 白蓮、美以、ミケ、トラ、シャム、恋、華雄、音々音



留守番
 月、詠、大喬、小喬、結真


 結局、南蛮勢も参加
 霞と十兵衛が戦力調整で袁家小隊にいってます
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