こちらはテイワット情報局!!   作:アヴァターラ

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 たくさんの評価と感想、ありがとうございます。これからもよろしくお願いします。

 今回の話から、原神の完全なるネタバレを多分に含みます。今までは少し濁す程度だった表現をそのままストレートに書きますのでネタバレをされたくないという方は読まないよう、お願いいたします


第五回

 「第5回!テイワット情報局、始めて行こうと思います。今回はここ璃月港の一大イベントをお前らとともに体験していこうと思うぞ!」

 

 ・今回は早かったな

 ・一大イベントとな・・・!?まさか!

 ・水着コンテストだな!?

 ・世界観ガン無視は草

 ・おーっすゴリラ。もしかして毎日配信になる?

 ・七七ちゃんはいずこ?

 

 「なーに欲望たぎらせてんだよ。あー、璃月にいる間はできるだけ毎日配信すんぞ。七七は今頃不卜廬でぐっすりじゃない?さすがに夜になった後送っていったんだけどさ、ねむねむだったよ」

 

 

 ・迫真のお持ち帰りアピール

 ・なぜ寝顔を撮っておかないのか

 ・なんだ七七ちゃんいねーのかよー

 ・そんで結局一大イベントってなにさ?

 

 「よく聞いたそこのお前!何を隠そう今璃月は迎仙儀式という儀式の準備で大忙しなのだ。正確にはもう準備は終わってるんだけどな。つまり、何が起きるかというと・・・今日、この璃月港に岩神モラクス・・・岩王帝君が降臨する」

 

 そしてその迎仙儀式で岩王帝君が殺され、璃月に波乱が訪れる・・・というのが原神の璃月編のあらすじだ。もちろん俺も何がどうしてそうなって、それからどうなるに至るまで把握してるので特に何かするつもりはない。精々魔神が復活したときに一般市民を守るとかくらいだ。

 

 もちろん蛍ちゃんに頼まれるのならば全力で助けてやりたい。あの顔が良すぎる神の書いたシナリオに沿っていけば特に問題は起こらないだろう。あの魔神を何とかすればいいだけの話、なのだが・・・如何せんそうは問屋が卸さないわけで。今日起き抜けに、枕元にとんでもなく凝縮された上に制御された岩元素で構成された柱があったのだ。

 

 もちろんすぐに察しがついた。俺が起きたのを確認するように霧散した柱、つまりは釘を刺された上に呼び出されたのだ。柱に字が書いてあったからな、場所と時間。邪魔をするな、もしくは協力しろなのかどっちかわからんが・・・・無視しないほうがいいだろう。

 

 あの神様が確認したいのは璃月を人と仙人で協力し合って守り抜いていけるかどうか。この先、つまりは答えを知ってる俺が介入するのは好ましくないのが本音だろう。実際どうなるかは話さないようにと前に会った時に注意された。俺の動き次第で璃月が魔神に壊される恐れがある以上蛍ちゃんとの接触も遠慮しといたほうがいいな。つまりは不干渉、最低だわ俺。

 

 ようは神様が引退したいがために国全体を巻き込んで最後の試練をくれてやろうって話なわけ。はた迷惑と言ったらあれだが1000年も璃月を守る契約を続けてるんだ。最後のお茶目くらい大目に見てやってほしい。

 

 

 ・エイプリルフールにはまだ早いぞゴリラ

 ・神様ねー、うさんくっさ

 ・どーせそういう霊験あらかたーみたいな話でしょ(鼻ホジ

 ・待てお前ら、もしかしたらとんでもない美女、オア美少女かもしれんぞ

 ・美男子もワンチャン?

 ・俄然気になってきた

 ・欲望に忠実ゥ!

 

 「降臨するって話、これは比喩でもなんでもなくてな。今日、この日だけ岩王帝君が龍と麒麟のあいの子みたいな姿になって降臨するらしいんだ。そんで今年一年のお告げを告げて璃月の行く末を決定するわけだ。もちろん俺も儀式を見るのははじめてだから確約はできんが見て損はないと思うぞ」

 

 そんなことを話しながら会場である玉京台へ向かう。ちらほらと人だかりが増えてきてもうお祭り騒ぎもいいところだ。あ、万民堂が屋台出してるじゃん。店番は・・・香菱だ。せっかくだしなんか買っていこうかな?

 

 「おーっす香菱。儲かってる?」

 

 「あー!ノクリア!ぼちぼちだよー!何か買ってくの?」

 

 黒髪を三つ編みにして後頭部でまとめ上げている彼女は香菱、万民堂のコックにして槍を操る快活明朗な女の子だ。料理を研究することに余念がなくちょっと他人が引いてしまうような食材でも勇猛果敢に調理に挑む好奇心旺盛な性格をしている。もちろん料理の腕は折り紙付きなわけだ。

 

 「せっかくだし買っていくわ。なんかおすすめある?」

 

 「今日はモラミートがすごく上手に焼けたの!おすすめだよ!」

 

 「じゃあ2つくれ」

 

 「ありがと!じゃあ熱々のうちに食べてね!ばいば~い!」

 

 「おう、わるいな。香菱も元気でやれよー。そのうち新メニュー食べに行くからさ」

 

 

 ・おいゴリラ、待てゴリラ

 ・もう慣れたけど知り合い?

 ・このゴリラ顔が広すぎでは?

 ・まーた美少女かお前

 ・この肉まんっぽいやつがモラミート?

 ・なんか大判焼きみてーだな

 ・回転焼きダルルォ!?

 ・戦争になるからやめろ!

 

 「万民堂って何度か話したと思うんだけど、あそこのコックやってる子だよ。モンドにもよく来てるんだけどな、まあ好奇心旺盛な子だね」

 

 

 ・含みがありますなあ

 ・にしてもうまそう

 ・うわっ肉餡ぎっちり!うっまそう

 ・飯テロは重罪だと何度言えば・・・!

 ・我慢できねえ、肉まんぽちろう

 ・明日まで待つのか

 

 もっちりこんがりとした生地を二つに割るとたっぷり詰まった肉餡が姿を現した。香辛料の香りが鼻をつく、かぶりつくとあふれる肉汁とタケノコと食感、ニンニクのパンチが口いっぱいに広がった。さっすが香菱、いい仕事してるわ。もう2個くらい買えばよかった。ぺろりと二つを平らげて別の店で買ったお茶を流し込む。イヤー最高!

 

 「あー・・・うっまい。モラミートはやっぱり個性が出るなあ。食べてみたかったらホットサンドメーカーで肉まん焼くと大体近いと思うぞ。まあモラミートのほうがうまいだろうけどな」

 

 ・はーーー?

 ・ホットサンドメーカー買わなきゃ

 ・許さんぞ貴様

 ・昨日とは別の意味でそっちに行きたい

 ・お腹減ったわ

 ・ラーメンラーメン・・・むなしい

 

 「悪い悪い。おっ、付いたぞ。玉京台だ、おー、けっこー人いるなあ・・・今年仕切るのは凝光さんなんだな。彼女らしい装いだ」

 

 それなりに人だかりがある中、俺も人ごみに紛れて儀式が行われる中央を見る。するとそこにはすらりとしたスタイルのいい美女が部下の男たちを取り仕切っていた。白金色の長髪をなびかせて煙管を片手にしているさまは非常によく似合っている

 

 

 ・おっほー!きれいなお姉さん!

 ・ゴリラあれ誰よ?

 ・うっわあ、もろタイプ。お近づきになりたい

 ・偉い人?

 ・人多いなー、あれ?パイモンちゃんいない?

 ・どこじゃ!?

 

 「さすがお前らお目が高い。彼女は凝光、璃月のすべてを取り仕切る最上位「璃月七星」の一人だ。通称「天権」、簡単に説明するとだな、璃月のトップ7人のうちの一人。ものすごく偉い人っていう認識でいい」

 

 凝光さんを見ていると彼女がふい、といった感じであたりを見回した。取り仕切る関係上お客のことも気にする、商人らしい彼女のことだ。彼女が辺りを一望すると俺と目が合った。パチクリ、といった感じで瞬きした彼女が俺を見てくるのでひらりと手を振っておく。まさか俺が来るだなんて思ってなかったのだろう。

 

 ・おおっと早速現地妻ですか?

 ・まーた知り合いか

 ・このゴリラほんとに顔が広いな

 ・今度は何つながりー?

 ・はー、ほんとうらやましい

 

 「あーあーうるせえなあ。彼女とはお仕事の関係だよ。何度か親書を運んでるからな、親しく思ってるかどうかは知らないけど。抜け目のない人だよ」

 

 「あら、寂しいわね。私はあなたのこと結構親しく思ってるつもりだったのだけど」

 

 「・・・仕事中では?」

 

 「ちょっとした息抜きね」

 

 少し目を離した瞬間に俺のそばまで近寄ってきた凝光さんが急に話しかけてきた。息抜きとは言うが急に凝光さんが消えた関係で民衆がざわついてるぞ。俺は建物の影にいたから周りには人がいない。ある意味隠れているといえるだろう。一人でべしゃくしゃ喋る変な奴だもん放送してると。逆に好都合ってことか。

 

 ・うおおおお美人!超!美人!

 ・この世界さては美形しかおらんな?

 ・へー、なんか金持ってそう(小並感

 ・あ、神の目ある

 ・持ってないのがスタンダードっていうけどさー

 ・見慣れてきたな、目が肥えちまう

 

 「あなたがここにいるっていうことは何かあったのかしら?・・・いや、違うわね。そうなら貴方はまっすぐ群玉閣に来るはずだもの。もしかして本当に旅行?」

 

 「俺はトラブルメーカーじゃないですよ。休暇です休暇、璃月に食べ歩きと観光に来たんです。せっかく来たなら見ておくべきかなとこっちに来たわけで、特に何かやらかしたわけではないです」

 

 「フフフ、冗談よ。それなら璃月を存分に楽しむといいわ。特にあなたは璃月に知り合いが多いでしょう?遠路はるばるここまで来たのだからあっていくといいわ。「玉衝」も甘雨も会えたらきっと喜ぶはずよ。あなたが璃月にいることは伝えておいてあげるから好きな時に群玉閣に来てほしいわ」

 

 「天権じきじきの招待なんて行かなきゃ損、ですね。この後絶対に外せない先約があるので明日明後日あたりに伺いますよ。甘雨さんも休ませてあげてくださいね?」

 

 「そうして頂戴?にしてもあなた、やっぱり私の直属になる気はないかしら?あれだけ強いんですもの、誰にも文句は言わせないし、報酬も弾むわよ?」

 

 「どーしてそう引き抜きにかかってくるんですか。俺は今の生活がいいんですよ、ここにいる間なら依頼くらいは受けますからそれで勘弁してください」

 

 「話が早い人は大好きよ。それじゃ、その話は明日ね。それじゃあ私は仕事に戻るから、璃月を楽しみなさいね」

 

 そう言って凝光さんは作業に戻っていった。あーあー、面倒な依頼を受けなきゃいかんくなった。璃月七星じきじきの依頼だ、何が起こるかわかったもんじゃないぞー・・・というか俺がそう答えるのを分かったうえでこの人引き抜きの話したな?さすが抜け目ない。

 

  

 ・商売人、って感じだな。単語に含みがありすぎる。

 ・ゴリラお前よくさばけたな。一歩間違ったら利用されてただろ

 ・ごめんよくわかんない

 ・答えしくってたら多分ほんとに引き抜かれてたって話、でゴリラは何か依頼をするから手打ちにしてくれって言ったんだよ

 ・まじか、ゴリラ何されそうになったんだよ

 

 「場合によっちゃ騎士団へのスパイ行為とかじゃない?彼女そこまで悪辣じゃないけど自分の手腕一つでのし上がった野心家だからさ、俺は結構好きだけどな、努力家で。お、はじまるぞ」

 

 ぺちゃくちゃコメ返しをしているとあたりが静まり、秘書二人に挟まれた凝光さんが儀式を始めた。彼女の属性の岩元素、その宝石が中央の香台に4方向から突き刺さり、元素を注入する。元素が入った香台は仙香をあたりに漂わせ、光の柱を天に放つ。ついに来るか、璃月の波乱が。

 

 コメントが盛り上がる中空を注視しながら事の推移を見守っていると光の柱が突き刺さった雲の中から岩のような安心感と存在感を放つ何かが姿を現したのがわかる。そしてその物体は、まるで力を失ったかのように玉京台の中央に落ちて、たたきつけられたのだった。

 

 ズドォォォン!というすさまじい音を立てて大きな体が着地する。土煙が辺りを舞い、悲鳴がこだましている。俺も知っているのとみるのではまるで勝手が違うのだと思い知らされた。

 

 

 

・なにごと!?

 ・うわーはでだな・・・ん?

 ・待って、これってさ・・・?

 ・もしや、死んでる?

 ・うそ?よくできた作り物とかじゃなくて?

 ・オイオイオイ何が起こったんだよ?ゴリラ?

 ・ゴリラこれが迎仙儀式?あぶねえな

 

 「帝君が殺害された!今すぐこの場を封鎖しろ!」

 

 「まじか・・・!?すまんお前ら、これは本来の儀式じゃない。目の前にあることをそのまま信じるなら今この場で岩王帝君、岩神モラクスが殺害された。とりあえず放送は続けるがコメント返しには期待すんなよ。すぐに千岩軍がきて取り調べが始まるから俺はこのまま応対・・・おっ!?」

 

 そう俺が視聴者に説明をしているとヒュッ!という音を立てて何かが飛んできたので思わず掴むと、凝光さんの元素で作られた宝石だ。彼女のほうを見ると意図的にこちらを向いて軽くウィンクをした。そういうことかい・・・すぐに建物の影ではなく裏から屋根を上って音を立てずに移動する。璃月港から離れて山のほうへ走る。とりあえずは軍が来ないところまで。

 

 

 ・ゴリラ言ってることとやってることが違うぞ

 ・さっきのって宝石?

 ・つーか移動が速いわ

 ・どこ行くん?

 ・あ、蛍ちゃんにパイモンちゃん

 ・追われてね?

 ・ゴリラ助けなくていいん?

 

 「さっきの宝石、凝光さんからなんだけど「この場は見逃してあげるから用事を済ました後来なさい」ってことなんだよ。つまり来る依頼はさっきの岩神関係のことってわけだ。すぐに招集しなかったのは俺への気遣いとすぐに俺に頼ると外聞が良くない。俺は一応西風騎士団、他国の人間だからな。千岩軍の力を信用してないっていうことになっちまう。それは立場的にまずいから一回時間を置くことにしたんだ」

 

 

 ・なるほどなー

 ・なんであれ一つでそこまでわかんだ

 ・コイツ一応軍人だろ?察しがつくんじゃない?

 ・でもアルバイトだろ?

 ・でも続けてたら隊長になってたくらいだぞ

 ・なにそれ有能じゃん

 ・で、どこ向かってるん?

 

 「すぐわかる。この山の上だ」

 

 ここは天衡山、玉京台のすぐそばにある山だ。俺はその山の頂上を目指している。つまりは待ち合わせ場所、今朝俺の枕元に岩元素の柱を突き立てて俺を呼び出した人が待つ場所だ。ほら、見えてきた。背の高い後ろ姿、整った黒髪、片耳だけの羽のピアスを付けた男だ。彼は俺が来るのを見計らったかのようにこちらに振り返らず言葉を発した。

 

 「来たか、ノクリア。転じた者、新しきわが友。お前の目には今の璃月はどのように映っている?」

 

 「今の感想を言うならてんやわんやだよ。鍾離先生・・・いや、岩神モラクス。忙しいだろうに俺にかまってていいのか?」

 

 「ふ、必要なことだ。今この先、璃月が俺抜きでその姿を保てるかどうか。答えを知るお前には退屈か?」

 

 「いいや・・・この世界は楽しいさ」

 

 

 ・今岩神っつったか!?

 ・後ろ姿でもわかる、イケメン!

 ・ついにここで美男が!

 ・お前ら緊張感ないの?

 ・何をいまさら

 ・ぶっちゃけ対岸の火事だし

 ・後半へ続く!

 ・なにそれ

 ・言ってみたかっただけ♡

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