【完結】月闇絶唱シンフォギア   作:ネガ

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遂に折り返しが終わり後半戦に入りました。
奇跡の殺戮者ことキャロルの復活、刻一刻と死が迫る隼人。
物語は終焉へと向かっていきます。それでは後半戦、スタートです。


余談ですが、時国剣界時と煙叡剣狼煙が届いたので早速遊んでます。界時抹消、めちゃめちゃ楽しいです。





第86話 我こそが、神だ。

廃棄躯体から復活したオートスコアラー達の助けを借りて未来の救出に向かうエルフナインだっだが、ヴァネッサ達によって全て破壊され、絶体絶命の中、奇跡の殺戮者ことキャロル・マールス・ディーンハイムが蘇った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、S.O.N.G.指令室では…

 

「チフォージュ・シャトー内部にて新たなるエネルギーを検知ッ!」

 

「これは、アウフヴァッヘン波形ッ!?」

 

検知されたアウフヴァッヘン波形が示す聖遺物は…

 

「ダウルダブラ…だとッ!?」

 

そう。復活したキャロルが纏うダウルダブラだ。一体何故なのか。それもそのはず弦十郎達はキャロルが復活した事を知らないのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハァ…ハァ…ハ……ッ!? ぐぁぁぁ…ッ!」

 

その頃、息を荒げてベッドに横になっている疲労した隼人に再び闇黒剣月闇の未来予知が発動。

 

「……ッ!? 何故あいつが復活してるんだ…ッ!? それに…ッ! うぁぁぁぁぁッ!」

 

闇黒剣月闇が見せる未来に何故か復活したキャロルが啓示され、その未来がまた2つの未来に掻き消される。

同時に再び胸に激痛が走り、痛みに悶える隼人。更に…

 

「あぁぁぁ…ッ! うぅぅぅ…ッ!!」

 

未来予知の予兆とは別に強烈な頭痛が襲いかかって来た。

頭の奥にギリギリと痛みが走る。まるで内側から締め付けられている様だ。同時に身体も痛みで動かない。

頭を右手で押さえる隼人。死へのカウントダウン着実に進んでいる。

そして隼人を嘲笑うかの様に闇黒剣月闇は未来を啓示する。

 

「ハァ…ハァ…ッ!いい加減にしてくれ…ッ!」

 

痛みに悶え、未来予知に苦しむ隼人を尻目に闇黒剣月闇と無銘剣虚無、プリミティブドラゴンとオムニフォースが妖しく光っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

復活したキャロルは凛とした目でノーブルレッドの3人を見つめる。

 

「思えば…不要無用と切り捨ててきたモノに、救われてばかりだな…」

 

自分が忌み嫌う奇跡で復活したキャロルの脳裏によぎるエルフナインを守る為に散ったオートスコアラー達。自分にとっては必要ないものに救われた。

 

「ありが…」

 

「似合わない事に浸らせないゼッ!」

 

礼の言葉を言おうとしたキャロルにミラアルクが両腕に翼を巻き付けて大型化させ、飛びかかって殴りかかるがキャロルは魔法陣で防ぐ。

 

「…ッ!」

 

「声音を模した訳ではなく…あれは…」

 

「再誕したキャロルでありますかッ!?」

 

ヴァネッサとエルザもキャロルの力を見て、声音を模したわけでもない、再誕した本物のキャロルである事を理解した。

 

「オレの感傷に踏み込んできたのだ。それなりの覚悟はあってだろうな?」

 

「「ハァァァァァッ!!」」

 

キャロルの言葉に乗ったミラアルクとエルザが走り出し、ヴァネッサは弾幕を張る。

キャロルは歌いながら魔法陣で銃弾を防ぎ、後ろに回り込んで殴りかかって来たミラアルクは弦で防ぐ。上からテール・アタッチメントで奇襲をかけて来たエルザは弦で捕らえて弾く。

 

「バレルフルオープンッ!お姉ちゃんも、出し惜しみしてらんなーいッ!」

 

ヴァネッサも負けじとミサイルや銃弾をキャロルに向けて放つ。全弾はキャロルの方向へ飛び、爆発が起こる。

 

「やったゼッ!」

 

「まだ歌が聴こえるでありますよッ!」

 

ミラアルクは仕留めたと判断するが、耳が良いエルザはキャロルの歌がしっかり聴こえていた。

その通り。キャロルは全弾を魔法陣で防いでいたからだ。

 

「「「ッ!?」」」

 

キャロルは今度はこっちの番だと言わんばかりに4色の魔法陣から世界を構成する四大元素の炎、水、風、そして土のエネルギーを3人に放つ。

 

「同時階差にアリストテレスをッ!」

 

驚くヴァネッサ達にエネルギーが命中するも、間一髪エルザのテール・アタッチメントで防いでいた。

 

「流石、たった1人で世界と敵対しただけのことはあります…」

 

その時、ヴァネッサ達に光線が放たれるが、3人は避ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「状況の確認ッ!急いで下さいッ!」

 

チフォージュ・シャトーにてキャロルが復活した時、S.O.N.G.でも状況確認が急がれていた。

 

「そんな事よか、さっさとあたしらが直接乗り込んで───」

 

「分かっているッ! だが、無策のままに仕掛けていい相手では無いッ!」

 

「とはいえだなぁッ!」

 

クリスはこのまま殴り込みをかけるべきと主張するが、弦十郎はそれを良しとしない。響が戦闘不能になり今の状況も予想外の事態だからだ。

 

「焦らないで。 チャンスはきっとあるはずだから。」

 

「俺たち銃後も、その瞬間を信じているッ!」

 

藤尭と友里もキーボードに指を走らせながらクリスを落ち着かせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キャロルは歌いながら近づこうとする3人に弦を放ち、更に巨大な紫色の光球を生成し始める。

 

(まさか…超重力子の塊を……)

 

「高くつくぞ? オレの歌はッ!」

 

「逃げてッ!」

 

キャロルは生成した超重力の塊を3人に投げつける。ヴァネッサはエルザとミラアルクに逃げる様言う。あれをくらってしまえば一溜まりも無い。一目散に逃げ出す。そして、強大なエネルギーが立ち込め、収まった後に巨大なクレーターが残された中、ノーブルレッドは無く、キャロル1人が立っていた。

 

「破壊力が仇に…だが、逃すものか。」

 

逃がしてしまったが、それも捕らえればいい話。キャロルはヴァネッサ達を追いかけようとする。すると…

 

(キャロルッ!待って下さいッ!)

 

本来の人格であるエルフナインが呼び止めた。

 

「何だ?」

 

(今は彼女達を追うよりも、未来さんを救出するのが先ですッ!)

 

「…ッ! 正論を……だが、聞いてやる。」

 

キャロルはエルフナインの頼みを聞くと、未来が囚われている部屋へと向かった。

 

(あ、後…)

 

「何だ? まだあるのかッ!?」

 

(キャロルには感謝しないと…お陰で助かりました。)

 

「こ、この身体はオレのモノだ…お前を助けた訳ではないッ! 礼など不要ッ!」

 

感謝の言葉を言われ、少々取り乱すキャロルを見てエルフナインは微笑んだ。

 

「それでも…」

 

キャロルは残されたガリィの残骸を見る。

 

「あいつらには手向けてやってくれないか。きっとそれは…悪党が口にするには不似合いな言葉だ。」

 

(うん…レイア…ファラ…ミカ…ガリィ…ありがとう…)

 

エルフナインは散って行ったオートスコアラー達に弔いの言葉を手向けたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、S.O.N.G.本部では…

 

「ヘリの発艦準備は完了です。いつでも…」

 

「あぁ…だが…」

 

装者達の出撃準備は出来ている。しかし、響はまだ戦えない状態だ。そんな時だった。

突如、指令室のモニターにキャロルが映し出されたのだ。

 

「「ッ!?」」

 

「その姿は…」

 

『久しいな。と言っても、オレはお前達の事は見ていたがな。』

 

「本当に、キャロル・マールス・ディーンハイム、なのか…? 一体どうやってッ!?」

 

弦十郎達は勿論装者達も驚きだ。かつて魔法少女事変にて世界を分解しようとしたキャロルが何故復活しているのか、全く分からなかった。

そして彼女の口から復活の真実が明らかに。

 

『脳内ストレージを、おかしな機械で観測していた奴がいてだな…そいつが拾い集めた想い出の断片を、コピペの繰り返しで強度ある擬似人格と、錬金術的に再構築しただけだ。』

 

簡単に言えば、集められた想い出をコピー、何度も重ね掛けして人格を再現し、復活したという訳だ。

 

「だけ…なんだ…」

 

「コピペ…最先端な錬金術デスね。」

 

まさか彼女の口からコピペという現代用語が出るとは弦十郎達も思わなかっただろう。

 

「エルフナイン君はどうなっている?」

 

「安心しろ。今の主人格はこのオレだが、必要であれば、あいつに譲る事も不可能では無い。エルフナインたっての頼みだ。脱出までの駄賃に、小日向未来を奪還する。その為に、お前達の暇そうな手を貸して貰うぞ。ついでにカリバーの手もな。」

 

少々上から目線だが、キャロルはエルフナインの頼みで未来の奪還の為に装者達とカリバーに手を貸してもらうと述べた。

 

 

「その物言いに、物言いなのだが…」

 

翼に待ったをかけてマリアはキャロルに質問を述べた。

 

「私達やカリバーで手伝える事なの?」

 

『このデカブツを破壊してもらう。』

 

キャロルはパソコンのキーボードを操作して、チフォージュ・シャトー上空に鎮座するシェム・ハを見せた。

 

「それが出来れば、あたしらも───」

 

『出来るッ!』

 

クリスの言葉を遮ってキャロルは出来ると断言した。

 

「ここはチフォージュ・シャトー。その気になれば、世界だって解剖可能なワールドデストラクターだ。」

 

(確かにボクは聞きました。)

 

エルフナインはあの時のヴァネッサの言葉を思い出した。

 

『神の力が、神そのものへと完成するまでには、もうしばらくの時間が必要…』

 

『残された猶予に全てを懸ける必要がある。お前達には神の力、シェム・ハの破壊を、そしてオレ達は力の器たる依り代の少女を救い出すッ! 二段に構えるぞッ!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なるほどな…復活の手順はどうであれ、奴が協力するとはな…」 

 

隼人もその様子をシャボン玉を通して見ていた。

 

「この作戦、乗らない訳にはいかないな…ッ! 」

 

隼人もまた、未来の救出の為に動き出そうとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『果敢無き哉ッ!』

 

「ッ!? 平らかにお願い致しますわ…」

 

一方、敗走したノーブルレッドは通信にて訃堂から叱りの言葉を受けていた。

 

「多少の想定外があったとはいえ、顕現した神の力は順調…言うなればここが正念場です。全霊にて邪魔者を排除し、カリバーの持つ力を手に入れて見せましょう。」

 

『無論であるッ! その為にお前達には稀血を用意してきたのだッ! 何としてでも神の力と宵闇の剣士を物としろッ!』

 

ミラアルクが2つの輸血パックを手にする。

 

「心得ております。ですから何卒、神の力とカリバーの力の入手の暁には私達の望みである人間の───」

 

ヴァネッサが話している途中に、訃堂はお前達の意見は求めんと言わんばかりに通信を切った。

 

「チ…ッ! クソジジイめ…ッ!」

 

「こうなったら…やってやるでありますッ!」

 

「あぁ…ウチらだって正面突破出来る事…見せつけてやるぜッ!」

 

居場所を特定され、チフォージュ・シャトーを知り尽くしているキャロルの復活でヴァネッサ達は背水の陣に。

弱い自分達でも強者を打ち負かせる事を証明する為に覚悟を決めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「遠からず、神の力と宵闇の剣士は我が物となり、危惧すべき神殺しの対抗策にも…フフフフフ…フハハハハハハハ…ッ!」

 

 

誰もいない部屋で、神の力とカリバーが自分の物となり、神殺し…響の対抗策にもなると考えているとたかを括る訃堂は不気味に笑っていた。しかし、それが自身の破滅へと繋がる事を知らないまま…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夕日の光が海を煌びやかに照らす場所で、響と未来は向かい合っていた。

 

『やっぱ私…響の友達じゃいられない…』

 

無情にも未来に絶交宣言された響が未来から遠ざかっていく。手を伸ばしても遠ざかっていく。

 

『行っちゃダメだッ! 行かないで未来ッ!』

 

しかし、どんどん遠ざかっていく。自分の日だまりが遠ざかっていく。

 

(未来が…遠くに…ッ!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、チフォージュ・シャトー上部には、ノーブルレッドが顕現させたシェム・ハが鎮座していた。

先程と変わって赤子の様な手と足が生えている。

部屋には囚われの身の未来と、シェム・ハの腕輪が。

キャロルは魔法陣を展開し、外に顕現した神の力を見ていた。

 

「どうやら城外の不細工は、巨大なエネルギーの塊であり、そいつをこの依り代に宿す事が、儀式のあらましの様だな。」

 

(祭壇から無理に引き剥がしてしまうと、未来さんを壊しかねません。)

 

「面倒だが、手順に沿って儀式を中断させるより他に無さそうだ。」

 

「……」

 

未来の事を考慮すれば、手順に沿って儀式を中断すると判断。だが、エルフナインは何やら思い詰めた表情をしていた。

 

「どうした?」

 

(フフ…意外だな、と思って……、ボクはまだ、キャロルの事を全然知らないんですね。)

 

「…そうじゃ無いッ! 気に入らない連中に、貸しを押し付けるチャンスなだけだッ!」

 

(はいッ!)

 

口では強がっているがキャロルの素直じゃない所を知ったエルフナインは嬉しそうに返事をした。

 

「さて、カリバーも連中もおっとり刀で駆けつけてきたようだな…」

 

魔法陣に映し出されているのは、装者達を乗せたヘリと、ブックゲートでやって来たカリバーだった。

 

「こちらも取り掛かるぞ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

チフォージュ・シャトー上空にギアを纏った装者達を乗せたヘリが接近し、翼、クリス、マリアが着地した。

 

『各員、チフォージュ・シャトーに取りつき成功ッ!』

 

『これより作戦行動を開始しますッ!』

 

そして後から調と切歌が合流。そこへカリバーも加わった。

 

「完成したLiNKERと昨日までの訓練はッ!」

 

「きっと今日の為にあったのデスッ!」

 

(気のせいか…何やら嫌な予感がする…未来予知は発動していないが…)

 

何やら嫌な予感を感じるカリバーと、自信満々に答える調と切歌。キャロルから提案された作戦は…

 

 

 

 

 

 

 

 

『古来より、人は世界の在り方に神を感じ、しばしば両者を同一のモノと奉ってきた。その概念にメスを入れるチフォージュ・シャトーであれば攻略も可能だ。』

 

『これも一種の哲学兵装……、ですが、今のシャトーにそれだけの出力を賄う事は…』

 

緒川の言う通り、廃棄された今のチフォージュ・シャトーではそれだけの力は残っていないだろう。

 

『無理であろうな。だが、チフォージュ・シャトーは様々な聖遺物が複合するメガストラクチャ。であれば、他に動かす手段は想像に難くなかろう。』

 

『『『『『ッ!?』』』』』

 

キャロルの言葉を聞いてハッとする装者達。それを動かせる方法を弦十郎が口にする。

 

『フォニックゲイン…』

 

そう。装者達によるフォニックゲインで動かせるかもしれない。

 

『想定外の運用ゆえに動作の保証はできかねるが…』

 

確かにフォニックゲインでチフォージュ・シャトーを動かすのは想定外。動くからどうかは保証出来ない。だが…

 

『やれるッ! やってみせるッ!』

 

『あの頃よりも強くなったアタシ達を、見せつけてやるデスよッ!』

 

やれると断言し、頷く調と切歌。そして今に至るという訳だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それでも、これだけ巨大な聖遺物の起動となると、助けがあるとはいえ5人がかりでも骨が折れそうだ。」

 

「あぁ。だが、私達にはフォニックゲインを引き上げる術がある。」

 

「絶唱があるッ!」

 

そう。絶唱だ。命の危険と引き換えにフォニックゲインを上げる切り札。そして…

 

「俺が、闇黒剣とブレーメンのロックバンドの力でフォニックゲインを更に底上げし、負荷を減らすという訳だ。」

 

「上條の力で私達に来るバックファイアを軽減出来る。そこからが正念場だ。」

 

神の力の顕現を阻止し、キャロルと共に未来を救出すれば後はノーブルレッドを殲滅するのみ。翼の言葉で5人が頷いた。

 

「準備は出来ているな? 行くぞッ!」

 

「それじゃあお願い。」

 

「分かった。」

 

【ブレーメンのロックバンド!】

 

【ジャアクリード!ジャアクブレーメン!】

 

カリバーはブレーメンのロックバンドを起動し、闇黒剣月闇にスキャン。そのまま空へ掲げた。そして…

 

「「「「「Gatrandis babel ziggurat edenal」」」」」

 

そして響き渡る生命の歌、絶唱。5人の歌声が寸分も狂いなく調和している。

それはまるで神に捧げる歌だ。

 

「「「「「Emustolonzen fine el baral zizzl」」」」」

 

指令室では友里が祈っている。弦十郎も藤尭も緒川もその光景を見つめている。

 

「「「「「Gatrandis babel ziggurat edenal」」」」」

 

「「「「「Emustolronzen fine el zizzl」」」」」

 

 

 

 

 

その頃、メディカルルームで眠る響の手がピクリと動いていた。まるで翼達の絶唱を聞いていたかの様に。

 

 

そして、カリバーによって増幅された7色のエネルギーが強大な光球へ変わり、同時に翼達にバックファイアが襲いかかる。すかさずカリバーは闇黒剣月闇でバックファイアのエネルギーを吸収するが、エネルギーが大きすぎて吸収が追いつかない。

 

「「「「「くぅぅぅぅぅ…ッ!」」」」」

 

全身を走る痛みに耐える翼達。それでも本来のバックファイアに比べれば遥かに軽減されている。

 

「フォニックゲイン、飛躍的に爆発ッ!ですがッ!」

 

「チフォージュ・シャトーからの反応、未だ確認出来ませんッ!」

 

警告音が流れる中、指令室のフォニックゲインを測定するゲージは赤の部分まで上昇している。しかし、カリバーの力で増幅してもなお、チフォージュ・シャトーは何も反応しない。

 

「く…ッ!」

 

悔しそうな表情を浮かべる弦十郎。

 

 

 

 

 

 

 

「吸収が…追いつかない…ッ! うぅぅ…ッ!」

 

未来予知が発動していないのにも関わらずカリバーの身体と頭に頭 激痛が襲いかかる。

こんな時にか。頼むから治ってくれと思いながら、痛みに耐えながらカリバーはバックファイアのエネルギーをとにかく吸収する。

 

「「うわぁぁぁぁぁぁ…」」

 

「闇黒剣月闇とライドブックの力と…上昇した適合係数が、バックファイアを軽減してくれているが…ぐッ!」

 

「それでも、長くはもたないわよッ!」

 

バックファイアに襲われ、やがてクリスとマリアが出血し、翼も目から出血し始める。

 

「何故だ……何故、反応しない……チフォージュ・シャトー……私達の最大出力をもってしても、応えるに能わずとでもいうのか…」

 

どうしてだ。何故反応しない。何故応えてくれない。何がいけないんだ。何が足りないんだ。頼む。教えてくれ。教えて欲しい。

バックファイアに耐えながら翼はうんともさんとも言わないチフォージュ・シャトーに心の中で帰ってこない質問を投げかけた。

 

 

 

 

 

(連中のフォニックゲインは、オレほどでなくてもカリバーの力も合わせて仲間と相乗する事で膨れ上がるはず…だのに…何故1人が欠けているだけで…)

 

そう。1人いないだけでこれだけの力を持ってしてもチフォージュ・シャトーが動かないとは。一体どうしてなのか。

 

(もしか、それは…)

 

エルフナインが何かに気づいたその時、銃声と共に招かれざる客達がやって来た。

 

「こっちはこっちで…そのまま逃げていればいいものを、そっちからやって来たという事は、余程の理由があるのか、戦う力を手に入れたか…」

 

キャロルは呆れた様子で振り返る。そう。ヴァネッサ達がやって来たのだ。

 

「その両方よッ!」

 

エルザとミラアルクが先手必勝と言わんばかりにキャロルの方へ走り出し、ヴァネッサが弾幕を張る。

前と同じ戦法である事に呆れながらもキャロルは魔法陣で銃弾を防ぐ。

 

「何を仕掛けてくるかと思えば、芸の無い奴等だ。」

 

「ウチは強くない…弱くちっぽけな怪物だゼッ!」

 

ミラアルクが自分達が怪物である事を認めながらも、背後に周り上から飛び蹴りを仕掛ける。しかし、それも魔法陣で防がれてしまう。

 

「それでも、弱さを理由に、明日の全てを手放したくないのでありますッ!」

 

エルザがテール・アタッチメントで攻撃を仕掛けるがキャロルの伸ばした弦で捕らえられ、跡形もなく砕かれてしまう。しかし…

 

「…捕まえたであります。」

 

そう。これが彼女達の狙い。すぐさまキャロルを三方向から取り囲みあの技…ダイダロスエンドを繰り出す段取りへと入る。

 

「哲学のおおおおおおッ!」

 

「「「迷宮でぇぇぇぇぇッ!」」」

 

「これはッ!?」

 

キャロルの周りに青い立方体の物体が次々と積み上げられていく。これには流石のキャロルも驚きだ。

そしてカリバーと装者達と同じく、キャロルも閉じ込められてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

内部でキャロルが閉じ込められた中、外でも異変が起きていた。

 

「シェム・ハの…防衛反応が…」

 

「チフォージュ・シャトーを動かす前に、気取られるなんて…」

 

「……ッ! 不味いッ! このままじゃ全員吹き飛ばされるぞッ!」

 

「何だとッ!?」

 

まさかチフォージュ・シャトーよりもシェム・ハが動き出すとは。更に闇黒剣月闇の未来予知が発動。ここで啓示される未来は「シェム・ハの破壊光線でカリバーも装者が吹き飛ばされる」という物だった。

そのカリバーの言葉に反応したのかシェム・ハから6人目掛けて破壊光線が発射された。

 

「「「「「「うわぁぁぁぁぁぁぁッ!」」」」」」

 

凄まじい威力の光線により、光球は掻き消されカリバーも装者達も吹き飛ばされてしまう。

 

 

 

 

 

 

 

 

「皆さんッ!」

 

「直撃は免れた模様ッ!」

 

「ですが、シェム・ハに第二射の兆候がッ!」

 

幸い直撃は避けられたものの、2回目の光線が発射されようとしている。

 

「ぬぅッ!」

 

友里の言葉を聞いて弦十郎は表情を険しくした。

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ…はぁ…はぁ…」

 

そして内部では閉じ込められたキャロルを前にヴァネッサ達は息を荒げていた。

 

「神の力の完成はッ! 何人たりとも邪魔させ──くッ!?」

 

突然、三角錐の中から強烈な光が溢れ始めた。これは一体何なのか。

 

「あれは一体、何でありますか?」

 

「やばいゼッ! こいつはぁぁぁッ!」

 

ミラアルクの言葉の通り、キャロルを閉じ込めていた三角錐は強烈な光を浴びて粉々に砕け散り、天井をぶち破りエネルギーが天へと伸びる。

そしてその光は装者達をも飲み込み、天へと黄金の光柱が伸びる。

 

 

 

「お前達ッ!」

 

 

 

 

そしてヴァネッサ達は何故自分達の技が破られたのか疑問に思っていた。その答えをキャロルが答える。

 

「どうやって…哲学の迷宮を…」

 

「ふん。オレはただ、歌っただけだ。」

 

「歌で…ありますか?」

 

「あぁ…オレの歌は、只の1人で70億の絶唱を凌駕する、フォニックゲインだッ!」

 

そう。キャロルの歌は70億の絶唱を超えるフォニックゲイン。哲学の迷宮など簡単に吹き飛ばせるのだ。

 

 

 

そして、光の柱が消え、覆っていた雲が晴れると、白い羽を散らし、雲間から翼達が舞い降りる。キャロルのフォニックゲインを受けた翼達のギアは限定解除…エクスドライブへと移行していた。

そしてカリバーもまた、ここで温存していたオムニフォースへと姿を変え、翼達の元へ加わる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「みんな…ッ!」

 

「戦闘管制、全力で再開しますッ!」

 

藤尭と友里もカリバーと装者達の無事を確認し、戦闘管制を再開。

同じ頃、エネルギーを使い果たしたのかキャロルのファウストローブが解除される。

 

「キャロルに、何がッ!?」

 

(今のは流石に消耗した…あとは、お前の力で───)

 

そう言い残すと、キャロルはエルフナインに人格を返し、消えた。

 

「キャロルッ!? ッ! そうだッ! 今は未来さんをッ!」

 

こうしちゃいられない。敵が消耗している今がチャンスだ。エルフナインは未来が眠る部屋へ急ぐ。

 

「行かせないゼ…ッ! ガハッ!」

 

ミラアルクがエルフナインを追うべく立ち上がろうとするが、吐血してしまう。同時にエルザとヴァネッサも。

 

「この不調…まさか…」

 

ヴァネッサは自身やミラアルクとエルザに見られる身体の不調が来たのは、血液に細工を施されている。誰の仕業なのかは分かった。それは…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そうだ。ことごとく夷狄の蹂躙よりこの国を守るのが防人たる風鳴の務めよ。」

 

「訃堂おおおおおおおおおッ!!」

 

そう。訃堂の仕業だ。ヴァネッサの叫び声がチフォージュ・シャトーに響き渡る。

訃堂はヴァネッサ達を用済みにした。

彼にとってノーブルレッドは野望の為に使い捨てる為の手駒でしかなかったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

外ではシェム・ハがカリバーと装者達に向けて破壊光線を放つ。まずカリバーが破壊光線をマントで光線を異次元へと送り込み、その隙に調と切歌が接近する。

 

「チフォージュ・シャトーは動かせなかったデスけどッ!」

 

「カタチと掴んだこの輝きがあればッ!」

 

そうだ。今の自分達なら負ける気がしない。この輝きで勝利を掴み取る。切歌がシェム・ハの触手を切り裂き、調がヨーヨーで怯ませる。

そこへ翼が目を閉じ、刀で円を描くと一気に振り下ろす。

すると、触手は一瞬の内にバラバラに斬り刻まれた。

 

【OMNIBUS LOADING!】

 

【SOLOMON BREAK!】

 

「フッ!」

 

更にカリバーが手からシェム・ハにカラドボルグから衝撃波を放ち、ダメージを与える。

上空からクリスとマリアがそれぞれのアームドギアを合体、巨大な航空機を模したレールガンを形成。銃口部分にエネルギーが蓄積されていく。

そして、赤色の太いレーザーがシェム・ハ目掛けて放たれて命中、爆発を起こした。だが、触手が再生されダメージは無効化されてしまう。

更にお返しと言わんばかりにクリスとマリアに光線が放たれた。

 

「雪音ッ! マリアッ!」

 

 

 

 

 

 

  

 

 

「それでも、きっと訪れる一瞬をッ!」

 

「俺達銃後は疑ってないッ! だからッ!」

 

指令室のモニターにはチフォージュ・シャトー目掛けて向かう矢印が伸びていた。向かうのは彼女しかいない。

ミサイルに乗って最速で、最短で、真っ直ぐに、一直線に向かってやって来る。

そんな時に再びシェム・ハからミサイルに向けて光線が放たれようとする。

 

「ッ!? 来る…ッ! あいつが…ッ!」

 

カリバーは誰なのかは分かっていた。そう。彼女がやって来る。

 

ミサイルに光線が直撃し、爆発が起こる。が、そこへ希望がやって来た。

 

 

 

「人類の切り札、神殺しの拳だッ!」

 

 

 

そう。神殺しの拳を持つ、立花響だ。何故来たのか。実は目覚めた響はメディカルルームで弦十郎と話し合っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『このままだと親友が、未来が遠くに行っちゃうんですッ!』

 

『無茶だッ!負傷の癒えてない君にはッ!』

 

『へいきですッ!へっちゃらですッ!友達1人救えなくて…私は何の為にシンフォギアやってるんですかッ!』

 

全ては親友を救う為に。それが自分の今やるべき事だ。無理を押して響は弦十郎を説得し、やってきたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ガングニールッ!」

 

「お前なら来ると思ってたぞッ! 」

 

「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!」

 

加速しながら突っ込む響にシェム・ハは光線を6方向に向けて放つ。しかし、そんな物は響に当たるわけがない。

 

「立花の援護だッ!命を盾とし、希望を防人れッ!」 

 

「行くわよみんなッ!」

 

翼の声でカリバーと装者達は響の援護へ。シェム・ハが放つ光線を避けつつ接近する響の左のヘッドギアが破壊されるがそんなこと気にしてられない。まずは翼が刀で光線を斬り裂くが、撃墜される。

 

「ぐぁッ!」

 

更に響に向けて2発放たれるが、今度は調と切歌が引きつけ、響の後ろで爆発を起こしてしまう。

今度は触手が迫るがマリアが剣で斬り裂くが撃ち落とされてしまう。

 

「うぁぁッ!」

 

今度は全方位に向けてエネルギーが放たれるが、クリスがギアを飛翔体に変形させて響を乗せて触手から縦横無尽に移動して駆け抜ける。

そしてシェム・ハに接近していく。

 

「行けよバカッ!」

クリスの言葉で響はそのまま向かっていく。しかし、更に太いレーザーが響に向けて放たれる。

 

【月闇居合!読後一閃!】

 

【OMNIBUS LOADING!】

 

【SOLOMON STLASH!】

 

カリバーがエネルギーを纏わせたカラドボルグと闇黒剣月闇で光線を受け止める。

 

「行けッ! 親友はすぐそこだッ!」

 

カリバーの言葉で響も加速して一直線に向かっていく。しかし、更に巨大な破壊光線が、響に放たれ飲み込んだ。だが、響は使用を禁止されていた形態…アマルガムへとギアを移行させ、バリアで防いでいた。

 

 

 

 

 

 

 

「使用が禁止されているアマルガムをッ!?」

 

「この際だッ!謹慎程度で済ませてやるッ!」

 

弦十郎は謹慎程度に響の処分を抑えた。それにしてもやはりこの男は性分故に甘い。

 

「勝機を零すなッ!」

 

響がシェム・ハとの距離が縮まる中、遂に中央部分が開放され、先ほどよりも巨大な光線が放たれようとする。

 

「うおおおおおおおおおおおおッ!」

 

響は両肩から巨大な黄金の腕を形成し、しっかりと重ね合わせ、一心不乱に光線へ突っ込み激突する。親友はすぐそこだ。あと少し。その手を伸ばす。

 

「「最速でッ!」」

 

「「最短でッ!」」

 

「「真っ直ぐにッ!」」

 

「一直線にぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃッ!」

 

雄叫びと共に響は加速して光線を打ち消して突っ込み、中央の結晶部分を砕いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時にチフォージュ・シャトー内部でもある異変が起きていた。

 

「違う……依り代となった未来さんに力を宿しているんじゃない…大きな力が未来さんを取り込む事で…」

 

エルフナインの目の前に光り輝く未来の身体とシェム・ハの腕輪が。その光は粒子と化して神の強大な力が未来を取り込んでいく。

 

 

 

「ッ!? ぐぁぁぁぁぁぁぁッ!」

 

「隼人さんッ!?」

 

「上條ッ!? まさかッ!」

 

突如、これまでに無い強烈な頭痛がカリバーを襲う。ここに来て闇黒剣月闇の未来予知が発動したのだ。

 

「ここに来て闇黒剣月闇の未来予知ッ!?」

 

「こ…これは…ッ!まさか…ッ!小日向未来が…ッ!神の力に…ッ!うぁぁぁッ!」

 

「小日向がッ!?」

 

ずっと自分に啓示されていた未来が今、現実の物となる。止めに行こうとしても強烈な頭痛で身体が動かない。不味い。最悪の未来が起きてしまう。

 

 

 

 

 

 

 

「未来ゥゥゥゥゥゥゥゥッ!」

 

そしてシェム・ハの身体をぶち破り、中は突入した響。だがそこで思いもよらない光景を目の当たりにする。

 

「ッ!?」

 

そこにいたのは、シンフォギアのギアインナーに似たスーツを纏う未来が。

 

(何で…そこに…ッ!?)

 

何故そこにいるのか。そのおかしな格好は一体何なのか。すると、未来は目を開き、ローブを脱ぎ捨てると、かつて纏った神獣鏡に似ている紫色と白と黒を基調としたファウストローブを纏ったのだ。

 

「未来ッ!」

 

しかし、彼女は未来であって未来ではない。驚愕の表情を浮かべる響に対して口を開いた。

 

「遺憾である。我が名はシェム・ハ…ヒトが仰ぎ見る、この星のカミが我と覚えよ。」

 

今ここに、先史文明期の神…シェム・ハが降臨。カリバーが何度も見た闇黒剣月闇が見せた最悪の未来が現実となったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけエピソード

 

02話 その時、聖剣が目覚めた。

 

 

 

 

パヴァリア光明結社との戦いから約2ヶ月後。S.O.N.G.の指令室に翼とマリアを除いた響達が集合していた。

響達は、南太平洋の海底で発見された名も無い聖遺物の回収という任務に就いていたのだが、その中で聖遺物かどうか分からない物が混ざっていた。

そこである事に気づいた弦十郎が、調査部から報告を受けそれを引き取り本部へ持ってきたのだ。

 

「昨日の任務、ご苦労だった。では、ブリーフィングを始めるぞ。藤尭。」

 

藤尭がキーボードを操作すると、スクリーンに刀身から持ち手までが完全に錆びた剣状の物体が映し出された。

 

「これって…」

 

「剣、か?」

 

「はい。南太平洋の海底で発見された聖遺物の中に混ざっていたこちらの物体ですが、調査部の報告によりますと、解析した所現代の技術では製造不可能な物体である事が判明しました。」

 

「現代の技術では作れないって事は…」

 

「やっぱり聖遺物デスよね?」

 

「確かにね。でも、解析してみた所アウフヴァッヘン波形は検知されなかったの。」

 

そう。聖遺物が発するはずのアウフヴァッヘン波形が検知されなかったのだ。そうなると話は変わってくる。

 

「そりゃこんだけ錆びてりゃ検知されねぇだろ。で、何でこれ本部に持ってきたんだ?」

 

「あぁ。持ち手と思わしき部分の上部を見て欲しい。」

 

藤尭が拡大すると、上部の部分に何やら手のひらサイズの物が装填出来る窪みが映し出された。

 

「何かが入りそうなスペース…でもそんな物……ッ!? まさかッ!?」

 

響がある事に気づく。そのまさかだ。

 

「あいつが持つライドブックか…?」

 

クリスもその窪みに入る物は予想していたが、まさかライドブックではないのかと推測していた。

 

「確証はありませんが、恐らく隼人さんが持つ闇黒剣月闇や無銘剣虚無と同じく、聖剣ではないかとボクは予想しています。」

 

「聖剣ならば…隼人君に聞くのが手っ取り早いが…彼がどこにいるのかが分からない。」

 

エルフナインの推測に一同は考え込み、仮にこれが聖剣ならば隼人に聞けば分かるかもしれない。だが彼はどこに住んでいるのか分からないため探せない。どうしようかと迷っていると…

 

「俺が何だって?」

 

一同の後ろから突然声が聞こえてきた。何といつの間にか隼人が立っていたのだ。

 

「隼人さんッ!?」

 

「おう。」

 

「おうじゃねぇよッ! どっから入ってきたんだよッ!?」

 

「ブックゲートに決まってるだろ?」

 

隼人は何気なさそうにブックゲートを見せる。これがあればあらゆる場所への移動手段として使えるので隼人は重宝しているのだ。

 

「それがあれば色んな所行けるんですか?」

 

「ブックゲートならセキュリティとかそういうの関係ないから。」

 

「不法侵入じゃねぇかッ! いつか捕まるぞお前ッ!」

 

「相変わらず自由ですね…隼人さんって。」

 

「でも、ナイスタイミング。」

 

「いいところに来てくれたデスッ!」

 

「いいところ?」

 

クリスとのボケとツッコミを終わらせ、隼人は弦十郎達に連れられてその物体が保管されている場所へ向かった。

 

「これは何だ?」

 

「南太平洋の海底で発見された聖遺物の中に混ざっていた物だ。是非とも隼人君に見てもらいたいと思ってな。この窪みの部分に君の持つワンダーライドブックが入るかどうか確かめて欲しい。」

 

弦十郎に言われ、何気無く手にしていた誕生日プレゼントで贈られたオーシャンヒストリーを重ねてみる。すると、入りはしないが大きさはピッタリだ。

 

「ピッタリだッ!」

 

「じゃあこれも聖剣って事かッ!?」

 

響とクリスがこれが聖剣では無いかと考えると、隼人が口を開いた。

 

「うん? よく見たらこれ、時国剣界時に似てるな。」

 

隼人は見覚えがあった。夢で富加宮と一緒にブルーレイの映像で見たあのショートソード状の聖剣で、刀身を反転させて槍の形態に変える事が出来る時の聖剣 時国剣界時に。

 

「時国剣界時…?」

 

「もしかして闇黒剣月闇や無銘剣虚無と同じ…」

 

「聖剣で間違いないのかっ!?」

 

「その時国剣界時というのはどんな聖剣なんだ?」

 

「時属性の聖剣だ。刀身を切り替えて剣と槍の2つの形態を持つ。だが、どんな能力かは分からない。俺が気になるのは何故これが海底で見つかったのかだ。」

 

隼人は気になっていた。何故聖剣が海底から錆びた状態で見つかったのか。何者かが大昔使っていてその時に失われたのか。それは分からない。ふと、じっと見つめる隼人に響が気づく。

 

「どうしたんですか?」

 

隼人は徐に錆びた時国剣界時に手を伸ばし、持ち手を掴む。その時、不思議な事が起こった。

 

「ッ!?」

 

「えッ!? 何何ッ!?」

 

「これは…ッ!?」

 

突然、時国剣界時が光り始めたのだ。隼人の頭に聖剣の情報が流れていく。

そして、段々と錆が剥がれていき、徐々に本来の姿を隼人と響達に現す。同時にオーシャンヒストリーも共鳴していた。やがて錆が全て剥がれ…

 

【時国剣界時!】

 

黒に金と刀身に赤と青の時計の針の様な模様が刻まれ、中央にはアナログ時計を象った時国剣界時エンブレム、グリップエンドにはライダーズクレスト。ここに時の聖剣 時国剣界時が復活したのだ。

 

「何だと…ッ!?」

 

「マジか…」

 

「隼人さんが持った瞬間に機能が復活したという事ですかッ!?」

 

「司令が手にした時は何も反応がなかったのに…」

 

「隼人さんって何者デスか…?」

 

弦十郎達は皆驚きだ。まさか触っただけで機能を復活させてしまうとは。彼は闇の剣士の他にロイヤルニートであるが、本当に何者なのか分からない。

 

「いや俺も驚きだよ…」

 

これには勿論隼人も驚きだ。闇黒剣月闇を正式に継承したとはいえ、まさか今度は錆びた聖剣を復活させてしまうとは。自分で自分が怖い。

 

「隼人君。君に頼みがあるんだが、聞いてくれないか?」

 

「頼み?」

 

果たして、弦十郎の頼みとは?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここは何処だ?」

 

「私達がいつも訓練している所ですよッ!」

 

隼人は響達と弦十郎に連れられ、トレーニングルームへ来た。そう。時国剣界時を隼人が使えるのかどうか確かめて欲しいのだ。

響達もどんな能力なのか気になってしょうがない。引き受ける気はなかったが響に頼まれて引き受ける事に。やはり彼は響に甘い。

 

「隼人君には、その時国剣界時が使えるのかどうか、試してみて欲しい。」

 

「別にいいけど出来るかは保証しないし、データとか取るなよ?」

 

「勿論だ。約束する。」

 

「トレーニングプログラム、スタンバイ!」

 

友里がキーボードを操作して、トレーニングルームに市街地を投影し、トレーニング用アルカ・ノイズが召喚される。隼人は頭に流れてきた情報を元にオーシャンヒストリーを取り出して起動し、ページを開いた。

 

【オーシャンヒストリー!】

 

【この群青に沈んだ命が今をも紡ぐ刻まれた歴史…】

 

ライドスペルによる朗読が語られ、隼人はページを閉じ、オーシャンヒストリーをスロットに装填した。すると、潜水艦のソナーの様な待機音が流れ、隼人が刀身を引き抜く。今度は警告音の様な音へ変化し、響達も目を見開いて注目している。

そして、切先部分を本体に装填すると、オーシャンヒストリーのページが開き、同時に刀身が身の丈程の長さへ変化したのだ。

 

【界時逆回!】

 

「変身。」

 

【時は、時は、時は時は時は時は!我なり!オーシャンヒストリー!】

 

【オーシャンバッシャーン!バッシャーン!】

 

魚群が隼人を包み込み、姿を変える。艶消しの黒と白のボディにメタリックブルーのラインが入った装甲にシャチの様なマスクに槍状のソードクラウンに赤い複眼。金色のロイヤルソードオブロゴスバックルに必冊ホルダー。

隼人は時の剣士 仮面ライダーデュランダルに変身出来てしまった。

 

「……変身出来たんだけど……何で…?」

 

「変身しただと…ッ!」

 

「隼人さん…変身しちゃった…」

 

「剣が三叉の槍になったぞッ!?」

 

「バッシャーンって…何デスかッ!?」

 

「時は…我なりって…何…?」

 

「カリバーとはまた違う姿…ッ!」

 

響達と弦十郎が思い思いの感想を呟く中、隼人は自身が何なのかを口にする。

 

「これが時の剣士 、仮面ライダーデュランダルだ。」

 

「デュランダルだとッ!?」

 

真っ先に反応したのは弦十郎だ。何故ならルナ・アタックにてクリスが強奪しようし、響が手にした事で決め手となったあの完全聖遺物と同じ名前なのだから。

そんな中アルカ・ノイズがデュランダルに迫るが、刀身を引き抜き時国剣界時のトリガーを押した。

 

【界時抹消!】

 

すると、いきなりデュランダルの姿が消え、辺りにソナーの様な音が響く。

 

「何だとッ!?」

 

「隼人さんが消えたッ!?」

 

「何処行ったッ!?」

 

響とクリスと弦十郎が驚く中、デュランダルは迫るアルカ・ノイズの背後に突然現れ、再び刀身を刺してトリガーを押す。

 

【再界時!】

 

「フンッ!」

 

デュランダルが背後からカイジスピアで2体纏めてアルカ・ノイズを薙ぎ払い、粉微塵した。

 

「今のって…ッ!」

 

「瞬間移動デスかッ!?」

 

調と切歌も瞬間移動ではないのかと疑う位だ。そしてデュランダルの背後に再びアルカ・ノイズが迫るが、

 

【界時抹消!】

 

【再界時!】

 

再び界時抹消を発動して姿を消し、またアルカ・ノイズの背後に回り、斬りつけた。

 

「時間を止めてんのか…?」

 

「どうなってるんだろうね?エルフナイン…ちゃん…?」

 

「空間跳躍…それか時間跳躍…ッ!? エネルギーは何処から…? いや、素粒子の動きが関係しているんじゃ…ッ!?」

 

エルフナインは響の言葉もそっちのけで繰り広げられている界時抹消を目の当たりにして一心不乱に壁やガラスにマーカーで計算式を書き殴って研究者モードになっている。

 

【界時抹消!】

 

【再界時!】

 

再びデュランダルが界時抹消を発動すると、響が何故か別の場所に移動していた。

 

「あれ…ッ? 何で私こっちにいるの…ッ?」

 

移動した覚えは無いのに何故か少し移動している。一体何故なのか。

 

【界時抹消!】

 

【再界時!】

 

そうこうしている内にアルカ・ノイズは僅かに。デュランダルは刀身を差し替え、カイジソードへと変える。

 

【剣刻!】

 

そして、刀身を再び引き抜いて装填して必殺技を放つ。

 

【必殺時刻!】

 

【オーシャン一刻斬り!】

 

時国剣界時の刀身に帯びた水の斬撃波で残りのアルカ・ノイズを全て一掃した。そして市街地はトレーニングルームへと元に戻り、隼人はオーシャンヒストリーを取り外して変身を解除した。すると…

 

「あぁぁ…疲れた…」

 

非常に疲労した表情をしながら隼人はその場に腰を落として座り込んでしまった。

 

「隼人さんッ! 大丈夫ですか?」

 

疲れた隼人の元へ響達が駆け寄る。

 

「あぁ…少し疲れ──」

 

「隼人さんッ!」

 

そこへ計算式を書き殴っていたエルフナインがやって来て隼人に詰め寄る。

 

「さっきのアレは一体どんな能力なんですかッ!? 空間跳躍ッ!? 瞬間移動ッ!? 凄く気になりますッ!」

 

「どしたの…エルフナインちゃん…?」

 

「珍しいな…エルフナイン君がここまで積極的になるとは…」

 

「分かった分かったから説明するから落ち着けッ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあさっきの事を説明する。」

 

隼人は用意されたホワイトボードを前に響達に時国剣界時のあの能力について解説する事に。

 

「あれって瞬間移動なんですか?」

 

「いや、あれは瞬間移動じゃない。時間を削って抹消している。

 

「時間を…」

 

「削る…?」

 

「抹消…?」

 

「どういう事だ?」

 

隼人の時間を削って抹消していると言う言葉に響達は理解が出来なかった。そこで隼人はホワイトボードに黒線の矢印と「本来の時間の流れ」と書く。

 

「まずこいつの刀身を分割してトリガーを押すと、空間が歪む。変身した俺の胸部アーマーで時間の流れとは無関係の特殊空間を作り出しに潜航する。」

 

隼人は青いペンで「特殊空間」と書き足し、黒線に目印と「発動」の文字を書く。

 

「その特殊空間は深海の様に音も光も遅れて届く特性があり、相手の動きがスローモーションの様に見える。潜航した俺は敵の動き見極めつつ浮上…つまり解除する場所を選ぶ事が出来る。」

 

隼人が黒線の上で青線を伸ばし、印の上で上へ線から台形を描く。

 

「特殊空間…?」

 

「じゃあその特殊空間に入りゃ敵を一方的にボコれるって事か?」

 

「いや、あそこは非常に高い負荷が身体にかかる。俺自身も発動中は歩くだけで精一杯だった。しかも本来の空間の相手や物には干渉出来ないんだよ。」

 

「よく分からないけど便利そうで…」

 

「大変デスね…」

 

「だからあの時隼人君があんなに疲れていたのか…」

 

深海の様に非常に強い負荷のある空間に潜航していた隼人はその影響で疲れていたのかと知った。

 

「はいはいッ! 実は気になってたんですけど、私が移動した記憶が無いのに移動してたんですが、あれは一体…」

 

「発動中は敵味方問わず時間が抹消される。効果範囲内にいる人間は敵味方問わず抹消されて時間の記憶を持たない。

 

つまり、響が移動しようとした前に界時抹消を発動していた為、移動した時間が抹消され移動した響の記憶が無かったのだ。

 

「そして刀身を戻してトリガーを押す事で解除し、元の時間へ浮上する。」

 

隼人がマーカーで青線を引っ張り、印を再び付けて「解除」と書き足す。そして黒線に付けられた2ヶ所の印を下に引っ張り赤のマーカーで塗り潰す。

 

「つまり、ここからここまでの時間を削って抹消してるって事だ。」

 

「……はッ!分かりましたッ! 潜水艦と同じなんですねッ!」

 

隼人の説明を受けて考えていたエルフナインが界時抹消が潜水艦と同じだと口にした。

 

「はぁ?潜水艦?どういう事だよ?」

 

「はいッ!海上元の時間の流れとします。その場所で能力発動で特殊空間深海に潜航するんです。その場所から進んで浮上する場所を選んで、元の時間へ浮上…解除します。つまり、潜水艦が潜水した場所から潜航した距離と浮上する場所までの距離…つまり、それが時国剣界時の能力で削られた時間なんですッ!」

 

「簡単に言えばそうだな。」

 

「なるほど…潜航した距離までの時間を抹消か…映画で例えるなら撮影した映像を編集でカットしているみたいなものか…」

 

「要するに潜水艦で潜航して浮上…相手からしてみれば瞬間移動してる様に見えるって事か。」

 

「それなら何となくだけど…」

 

「原理が分かった気がするデスッ!」

 

「え? え? もしかして分かってないの…私だけ?」

 

弦十郎やクリス達が何となく納得している中響だけはイマイチ分からなかった。

 

「分かりやすく言うなら、時間を少し飛ばして数秒先に進んでるんだよ。」

 

「……あーッ! そういう事ですかッ!何となく分かりましたッ!」

 

「いや分かったフリ下手すぎだろ…」

 

わざとらしく分かったフリをする響に半ば呆れつつも隼人は考え事をしていた。

 

(しかし何故聖剣がこの世界で見つかったんだ…?闇黒剣は未来を啓示していない…だが、近いうちに災いは起きそうな予感がする…)

 

何故聖剣が見つかったのか、何故存在しているのかは分からない。何者かが意図的に自分に聖剣を集めさせているのでは無いかとも考えて取れる。

 

「隼人君。今回聖剣が見つかった事について、どう思う?」

 

「さぁな。無銘剣はまだしも、何故時国剣界時が海底から見つかったのかが引っかかる。もしかしたら、まだ残りの聖剣が世界各地の何処かにあるかも知れない。」

 

「聖剣が世界にッ!?」

 

「あくまで推測だ。もし仮に聖剣が見つかったら、お前達はどうする?」

 

「決まっているだろう。もちろん回収する。君の聖剣とライドブックを狙う不届き者たちには渡すわけにはいかないからな。今世界で聖剣を使う事が出来るのは君だけだ。だから君に託すつもりでいる。君ならば乱用しないと俺達は信じているからな。」

 

弦十郎の言葉に響達が頷く。これまで幾多の戦いの中で隼人は自分達と戦ってくれた。そして今、こうして友好的な関係へ向かっている。彼だからこそ、聖剣を悪用しない。安心して託せる。世界の平和の為に。

 

「じゃ、俺はこの辺で。ギロッポンでシースー食いに行くから帰るわ。」

 

「ホント自由だよなお前ッ!ニートのくせにッ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あぁ〜食った食った。あそこの寿司屋美味かったな〜」

 

その後隼人は六本木の高級な回らない寿司屋へ行き、板前や他の客は「何であんな若者がたくさん食えるんだ…ッ?」と心の中でさぞ驚いたそうな。それは、隼人がロイヤルニートだからである。

 

「あ。あいつらの所に時国剣置きっぱだ。まぁいいや。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、自宅に帰ってきた隼人は、リビングのソファーに横になる。変身して特殊空間にいた影響もあってか、腹一杯になった隼人はそのまま眠ってしまった。

 

 

 

 

 

 

「………ん? あぁ…寝ちまってたか…」

 

隼人が目を覚ましたのは4時間後。時計を見るともう17時だ。とりあえず身体を起こして手を下ろすと、右手が何かを触った。

 

「ッ!?」

 

手が何かを触れた事に驚く隼人。この手触り。この質感。トリガーの様な物に指が触れる。触ったことがある。

まさか。いや。そんな訳無い。出来れば見たくない。だが、気になってしょうがない。覚悟を決めた。隼人は一旦目を閉じて呼吸を整え、勇気を出して右を向く。右手には…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

S.O.N.G.に置いてきたはずの時国剣界時が隣に置かれ、隼人の右手が触れていた。

 

 

「あ……あぁぁ……ッ!」

 

恐怖のあまり絶句する隼人。まただ。何故こうも自分に力がやって来るんだ? 復活させたからか?時国剣界時が自分を選んだのか? もう聖剣は2本持っている。闇黒剣月闇と無銘剣虚無で十分事足りているのに。何故自分の元にやって来たのか全く分からなかった。

 

「勘弁してくれよ本当に……ッ!」

 

 

こうして隼人は3本目の聖剣…時国剣界時を手に入れたのだった…

 

 

 

 




いかがだったでしょうか? 後半戦最初のエピソードです。
ここから物語が終わりへと近づいていき、更にどんどん隼人に死が近づいていきます。
作者の自分が原作を見つつ書いていて本音を言うと「本当に隼人って存在意義も役割も無いんだな…」と思いました。
闇黒剣月闇の未来予知は見られる未来の範囲が広くなる程予知にかかる時間も長くなり、目的の未来だけをピンポイントで見る事が出来ないのも合わせて…



個人的にはバハトやデザスト以上に虚無だと思います。
バハト=人の裏切りによって愛する家族を失い全てに絶望した虚無
デザスト=気まぐれで作られ、生まれた意味も存在意義も無い虚無
隼人=完成された物語にそもそも役割も必要も存在意義も無い虚無
鳳=神と豪語し幼稚で中身が空虚な虚無

どうでも良い事ですがこの前、豚骨のカップラーメンにテイクアウトの牛丼について来る紅ショウガを入れて食べて見たんですが、あんまり味が変わりませんでした。完全に紅ショウガが隼人だ…

そして、物語も後半戦に進む中このまま終わっていくのも何だか寂しいので最終決戦までの間、第4章のアニメパート後の没にした話やお蔵入りにした話をおまけエピソードとして書く事にしました。箸休め程度に読んでいただければ幸いです。
今回のおまけエピソードは没案の1つ「隼人が時国剣界時を入手する」というもの。後は変身を試す事ですね。
デュランダル繋がりで隼人が手に入れるのは考えてましたが、よく考えたら界時は扱いが非常に難しいのと、月闇と虚無で間に合ってるので没にしました。

次回いよいよ訃堂へのお仕置きになると思います。ただ翼さんがまた悪意をラーニングしそうな展開になりそうですが…
闇の剣士らしいお仕置きにしたいと思ってます。
ヤンデレ達にじわじわと殺される隼人はこの世界で何かを残せるのか…?
完結まであと8話。今回はここまでです。感想お待ちしています。




「風鳴訃堂、貴様がどれだけ強大な力を手にしようが、貴様こそ小さいッ!」

「若造如きに、我の信念は分からぬッ!」

「貴様の真理は何だ?」

次回「大義の為の、犠牲となれ。」

「これで話は終わりだ。」

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