最終回までかけたのは読者の皆様のおかげです。こんな自分の小説を読んだくださり本当にありがとうございます。感謝しても仕切れません。
注意 天国での部分は作者の趣味が入っていますので、苦手な方は飛ばしてもらって構いません。
それでは最終話、どうぞ。
未来は変えられる。あの日手を繋いでから一緒に未来を歩けると信じていた。
あの日、世界から1人の仮面の剣士がこの世を去った。
闇の聖剣を振るうその剣士の素顔は、私達と同じ未来へ進む資格があったどこにでもいる普通の青年だった。
───青年の目には、
破滅の未来を何度も何度も見続けていた。
闇の剣士としての宿命を背負い、破滅の未来に翻弄されても、自身に降りかかる運命に苛まれてもなお、私達を助けてくれた。
鎧で痛みを、仮面で涙を隠して戦い、私達に未来を託して消えていった。
何故運命はこんなにも残酷なんだろう。同じ未来を見ていたのに、どうしてあの人だけ未来は閉ざされたんだろう。いつだって私達を助けてくれたのに、未来はこれからだと思っていたのにどうしてなんだろう。運命を1人で背負い込んでいた事を私が気づいていれば、未来は変わったのかな……
私も、私の親友や仲間も、心に穴が空いた。私達にとって、あの人は大切な存在になっていた。もう逢えないなんて、受け入れたくなかった。まだまだ一緒にやりたい事、聞きたい事、話したい事が沢山あったのに……
隼人さん……逢いたいよ……
シェム・ハとの戦いから約2ヶ月。寒さは過ぎ去り、4月。季節は桜が咲く出会いの春。
春風が吹く中、桜が舞い散るリディアンから校歌が聞こえて来る。今日は入学式だ。沢山の新入生が入学し、この学舎で共に学び、青春を謳歌するのだ。
「立花さんッ!」
「ひぃッ!」
「3回生にもなって新学期早々遅刻とはどういう事ですかッ!?」
教卓を叩いて生徒の前で担任から怒られているのは子犬を抱いた響。戦いが終わり、日常が戻ってきたのは良いが、進級と同時に始まる新学期早々抱いている子犬が川に流されているのを見て見過ごせずに助けた結果遅刻してしまったのだ。
「この子が川に流されていたのを見過ごせなくて…」
「それで?」
「きっと、飼い主の人も困っているんじゃないかと思って…」
「立花さんッ!」
「はぁ〜ッ! 疲れた〜ッ! 3回生になっても新学期初日からクライマックスが200連発気分だよ…やっぱり私呪われてる…」
「半分は響のドジだけど、残りはいつものお節介でしょ?」
入学式も終わり、響は未来と寮へ帰宅途中にデジャヴを感じる言葉を呟くのだった。
「人助けと言ってよ〜ッ!私の趣味は人助けなんだから〜ッ!」
「響の場合は度が過ぎてるの。……って、このやり取り、入学式の時もやったね。」
「そういえばそうだね。あの時もこんな感じだったな…」
入学式と同じやり取りをしながらリディアンに入学式した時の事を思い出す響。まさかあの時は自分がシンフォギア装者となって、憧れの翼や敵対したクリス、フロンティア事変で出会った歌姫のマリアや調と切歌と出会い、幾多の戦いへ踏み込むとは思わなかった。
「でも、未来と一緒にこうやって過ごせて3回生に進級出来て良かったッ! 期末試験前は本当にありがとッ!」
「もう、響ったら。」
響の笑顔に少し照れ臭そうにする未来。と、いつもの様にそんなやり取りをしていると…
「最高学年になっても相変わらずだなぁお前ら。」
響と未来が振り返ると、クリスが立っていた。
「クリスッ!」
「クリスちゃ〜んッ! 卒業しちゃって寂しへぶッ!?」
クリスは抱き着こうとした響の顔面に手のひらを当てて止めた。リディアンを卒業したクリスは、前から決めていた大学へ推薦で入学したのだ。
「バカ。オーバーなんだよお前は。」
「大げさ過ぎ。クリスの卒業式でも号泣してたんだから…」
「もう最高学年なんだから少しはそういうとこ自覚しろよ?」
「あはは…」
クリスに言われ、恥ずかしそうに笑みを浮かべながら頭を掻く響。そこへ…
「あッ!クリスさんッ!」
「響さんと未来さんも一緒デスッ!」
「調ちゃんッ! 切歌ちゃんッ!」
やって来たのは、調と切歌。彼女達も2回生に進級を果たした。進級がかかった試験で、クリスにみっちり教えられて留年を回避出来た。
「お前らも遂に先輩だな。しっかり後輩の手本になれよ?」
「勿論デスッ!」
「クリスさんも、大学はどうですか?」
「あぁ。十分楽しんでる。良いとこだな。あたしの様な奴にも気さくに話しかけてくれる奴もたくさんいてさ、いろんな奴に出会えて、サークルとかいうもんにも結構誘われてる。リディアンとは違った発見もある。」
大学に進学したクリスは、そこで同じ大学に通う学生と出会った。初めて来た時はリディアンと違う所に驚き、目立つ容姿だった為注目も浴びていた。しかし、気さくに話しかけてくれる同性の女子大生も話しかけられたり、歌を口ずさんでいる時にサークルに誘われたりと充実した大学生活を始めている。
「そうだッ! これからクリスちゃんちに行こうよッ! 私達の進級を祝ってパーティーしよッ!」
「はぁッ!? 何であたしんちなんだよッ!?」
「賛成デスッ!クリスさんの家はお菓子食べ放題なのデスッ!」
「はぁ……午後の講義は無しになったから別に良いけどよ。」
と、半ば勝手に予定に決められてしまい、響達5人はクリスの自宅に向かう事に。
すると、道中に通った電気屋のテレビに映っているワイドショーに注目する。その内容はやはりカリバーについてだった。彼がこの世界から消えていったのを知っているのは響達なのである。
テレビに映る政治家や評論家はカリバーが日本に必要不可欠と豪語していた。
「見せたかったな…隼人さんにクリスちゃんが卒業した所……」
「世間では、知られていないんだよね…」
「みんな、隼人さんが入れば安泰だと思ってるデス…」
「隼人さんは…もういないのに…」
「あぁ……誰もがあいつが入れば大丈夫だとたかを括ってやがる……」
仮面ライダーカリバーこと上條隼人はもうこの世にいない。それを知らずにテレビに映る政治家の誰もが虎の威を借る狐となっている。果たして彼らが真実を知った時、何を思うのか…
「はい。あったかい物どうぞ。」
「あぁ。あったかい物どうも。」
弦十郎にコーヒーを渡す友里。藤尭もエルフナインも指令室にいる。シェム・ハとの戦いから約2ヶ月。損傷したS.O.N.G.本部は改めて修繕が行われて着実に復旧へ近づいている。
「あれからもう2ヶ月が経ちますが、ここ最近はこれといった事件もありませんね。」
「あぁ。やはり平和が1番だ。」
「シェム・ハとの戦いからおよそ2ヶ月。そして…」
「誇り高き宵闇の剣士 仮面ライダーカリバーが消えた日でもあります…」
隼人がこの世界から消えたあの日、弦十郎達も響達から隼人が既に自分が死ぬ未来を見ていた事、自分達に未来を託して消えていった事を知らされた。最初は信じられないと思ったが、響に託されたストーリーオブ闇黒剣月闇が隼人のこれまでの戦いを纏めて映し出して知る事になった。隼人の初陣から人を殺めた事への苦悩と罪悪感、彼の信念や破滅の未来を見て絶望のどん底に突き落とされて暗闇を彷徨い続け、響と手を繋いで未来を生きる決意をした事、本来この世界に存在意義がない事への虚無感、刻一刻と迫る死を背負い、戦いの末に響達に未来を託して消えていった事。
それを見て藤尭や友里、エルフナインは勿論、普段涙を見せない弦十郎と緒川も涙を流して泣いた。
「まさか隼人君が別世界の人間だったとはな…どうりで隼人君に関する情報が出てこない訳だ…」
「闇黒剣月闇や無銘剣虚無、ワンダーライドブックも別の世界の物…それならボクも納得出来ます。」
「あの時、響ちゃん達といなかったのはもう自分が死ぬ未来を見ていたから倒れる姿を見せたくなかったからだったのか…」
「隼人君が居なくなって、響ちゃん達もしばらくは悲しみに打ちひしがれていた様ですが、ようやく立ち直りを見せていますね…」
「うむ……」
(隼人君……もし運命が違っていたのなら、君は俺達の頼しい仲間になっていたんじゃないかと俺は信じている……)
弦十郎が隼人の運命が違っていたら自分達の仲間になっていたのではないかと思いながら、手元に置いてある一着の真新しいS.O.N.G.の制服を見る。実は、響の提案で隼人がいつS.O.N.G.に所属しても良い様に制服を用意していたのだ。破滅の未来に翻弄された彼を大人として助けてあげられなかった事が、弦十郎達の心に残っていた。
「…………ッ!」
戦いが終わった響達が何気ない日常を過ごしている時、白いおっさん……ではなく神様がワンダーワールドで1人、何もない場所を見て絶句していた。それは…
「な……無い……ッ!」
それは、転生特典で与えた隼人の家は勿論、0が沢山ある通帳、闇黒剣月闇やワンダーライドブック、0が沢山ある通帳、並行世界で手に入れた無銘剣虚無やプリミティブドラゴンにオムニフォースが全て無くなっていたのだ。どこを探しても1つも見つからない。一体どういう事なのか。事の発端は数分前……
隼人が天国へ旅立って間もない頃。
どこまでも青空が広がり、雲の上に立つ大きな豪邸。ここは天国にある神様の家。仕事もひと段落し、怪我も治った神様は知り合いの富加宮と一緒にリビングで焼き鳥などのつまみを食べたりしていた。
『今日も天国は平和だ。』
『こんなにも平穏に暮らせるとは生きていた頃は思わなかったな。』
『そうだろ? 天国というのは誰もが負の感情も無く楽しく過ごせる場所だ。まさに永遠の平和がある場所だ。』
『そういえば上條隼人はどうした?』
『今、自分の一生を映画館で振り返ってるぞ。その後、これから住む予定の家に向かう予定だ。私の知り合いの神があいつの為に特注の家を用意すると言っていた。これがそれだ。』
『かなり豪華だな……ッ!』
神様が富加宮に見せた隼人が住む家は、生前ワンダーワールドに建っていた隼人の家を忠実に再現したものだった。だが、場所はどういう訳か雲の上で、敷地も広い雲の庭が広がり、家の大きさも何故か生前の家よりも二回り大きい。そのはるか下には広大な大自然や川や広がっているという至れり尽くせりだった。
『……ん? ちょっと待て…』
見せられた地図の写真を見ると、広い敷地内へ続く雲の道や雲の大通りがあるのだが、その他に住宅や建物が1つも見当たらないのだ。これを見る限り明らかに隼人が他の住人と接触しない場所に意図的に建てられているのだ。
『なぁ。おかしくないか? 家はいいんだが何故場所が街や住宅街から大きく離れてるんだ? もっと良いところがあった筈だ。』
『いや、ここで決まりらしい。後知り合いが何故かやけに何かに怯えていたがな。』
『怯えていた?』
富加宮はこの時ある推測を頭の中で立てていた。「まさか、あいつらがここに来ているのではないか」と。確証は無いが、その可能性が出てきた。そこである事を聞いてみる。
『……なぁ、そういえば聞こうと思っていたんだが…』
『どうした? そんな深刻な顔をして。』
『………あいつが持っていた聖剣とワンダーライドブックはどうなった?』
『ッ!!』
富加宮の言葉で神様はハッとする。すっかり忘れていた。隼人が死ぬ原因を作った闇黒剣月闇と無銘剣虚無、そしてワンダーライドブックの事を。
『そうだッ! 回収する事をすっかり忘れていたッ! 私はワンダーワールドに向かうッ! 留守番頼んだぞッ!』
『おいッ! 待てッ!』
富加宮の静止も無視して神様は部屋を飛び出した。自分としたことがすっかり忘れていた。急がなければ。取り返しのつかない事になる前に回収しなければならない。急いで天国からワンダーワールドに降り立ち、隼人の家を立てた場所に到着した。
しかし、既に隼人の家もなければ特典も1つも残っておらず、今に至るという訳だ。
「どういう事だ…ッ!? まさか……ッ!」
神様が絶句する中、スマホの着信音がなる。相手は富加宮だ。神様は焦りながらも電話に出る。
「私だッ! ワンダーワールドに来たんだが──」
『大変だッ!』
焦る神様の声を掻き消す富加宮の声もかなり焦っている。
「どうしたッ!?」
『書物庫が何者かに荒らされているッ!』
「何だとッ!?」
富加宮の言葉で神様は更に焦り出す。
『経緯は後で話すッ!すぐに戻ってきてくれッ!』
「分かったッ!」
(不味い……ッ! あそこには……あの本達が……ッ!)
ただでさえ転生特典も無くなったというのに、天国の自宅の書物庫が何者かによって荒らされている事に、危機感を募らせながらも神様は天国へ戻るのだった。
「どうしたッ!?」
「こっちだッ!」
天国の自宅に戻った神様は、富加宮に案内されながら廊下を急いで進む。
「聖剣とライドブックはッ!?」
「家ごと全て無くなっていたッ!」
「何ッ!?」
神様の発言で富加宮の疑念が確信へと変わる。間違いない。あいつらは、天国までやって来た。そうとしか考えようが無い。だがどうやってなのか全く分からなかった。
「それで書物庫が荒らされているとはどういう事だッ!?」
「これを見ろッ!」
富加宮が見せた物を見て神様は絶句した。そこで神様が目にしたものとは…
「ッ!? ば、バカな……ッ!」
何者かによって書物庫の鍵が壊され、ドアがこじ開けられていた。破壊された跡から見て、剣らしき物が使われたと思ったが、それが何なのか、誰の仕業なのかは容易に把握出来た。
「物音が聞こえて私が来た時にはもうこの有様だ…」
「まさか……あいつらなのかッ!? ありえないッ! 天国まで来たというのかッ!?」
恐れていた事が起きた。まさか本当に天国まで隼人を追いかけて来たというのか。どうするか考えながら2人は中へ入る。中は見事に荒らされ、神様曰くこの書物庫には天変地異や万物の根源等を操るA4サイズ程の大きさの6冊の禁書を保管していたのだが、全て無くなっているという事。
「やってくれたなあいつら……ッ!」
「……ッ! こんなものが残されていたぞ…ッ!」
「……?」
富加宮は祭壇に貼り付けられていたA4サイズ程の紙を神様に渡す。それを見た神様は…
「……ッ! ふざけやがってッ!」
これまで見せた事の無い怒りの表情を見せて紙をぐしゃぐしゃにした。その紙に書かれていたのは、言葉では言い表せない程腹ただしい神様を嘲笑うメッセージだった。
「一刻も早く取り戻さねば…ッ!」
「だがどうやって?」
「これを使うしかない。」
神様はどこからともなく取り出したのは、A3サイズ程の大きさで、白い表紙に中央に雫の様な宝石が収められ、銀の装飾が施されている本。その本を見て富加宮はある事に気付く。それは、ソードオブロゴスで保管されていた全知全能の書の一部の色違いだという事に。
「その本…ソードオブロゴスで保管していた全知全能の書の一部に酷似しているな…」
「この本は、宇宙の始まりからあらゆる現象、宇宙に存在する一切のものや、現世に存在する物の源や、神話や伝承、森羅万象といった全ての力を持つ神の力…私はこれを創世の書と読んでいる。天国の秩序を保つ為に管理している。」
「全知全能の書みたいなものか。」
「あいつらの中に不完全な力の全知全能の書の力があったな。恐らく奴の狙いは…とにかくあいつの元に向かってくれッ!今度こそ真実と身に危険が迫っている事を知らせてここに連れてくるんだッ!これがあいつの家の場所だッ!」
「分かったッ!」
富加宮は神様から隼人の家への地図を受け取ると、書物庫を飛び出して行った。
神様はまだ何か盗まれていない物が無いか確認していると、突然書物庫のドアが1人でにバタンと閉まった。神様は閉じ込められたのだ。
「ッ!」
それを見た神様はドアを力任せに開けようとするが、うんともすんとも開かない。
「おいッ! 開けろッ!くそッ! 開けろッ! ここから出せッ!……こうなったら……ッ!」
神様はやむを得ないと判断し、創世の本の力を使おうとするが背後から闇の空間の裂け目が現れ、中から赤い波動が神様を背中から攻撃した。
「ぐぁぁッ!」
神様が怯んだその表紙に手から離れてしまう。神様は慌ててそれを拾おうとするが、今度はボイドタロンが空間から伸び、創世の書を掴み取ると、そのまま闇の中へ引っ込んで裂け目は消えてしまった。
神様はひたすら開かないドアを引っ張ったり叩いたりするが、びくともしない。
「くそッ! 開けろッ! 開けろッ!お前らッ! こんな真似は許さないぞッ! 全ての本を返せッ!」
廊下にドアを内側から叩く音が響く中、鎖型のエネルギーが張られている書物庫の外のドアの前にいるのは、邪悪な笑みを浮かべている黄色と緑の表紙の禁書と闇黒剣月闇を持つ響似の紫色の少女と、創世の書を持つ青白い未来似の少女、無銘剣虚無と青と銀の表紙の禁書を持つ翼似のオレンジ色の少女、そして、カラドボルグと赤とピンクの表紙の禁書を持つクリス似の赤色の少女。
富加宮の言う通り、来ていた。これも愛の力なのだろうか?
「ふざけるなッ! お前らのせいであいつはッ!死因を作ったお前達をあいつの元に行かす訳にはいかないッ!」
神様は隼人の死因が何故なのかは分かっている。だから彼女達を隼人に接触させるわけにはいかなかった。何としてでも食い止めなければならない。
「お前達のせいだぞッ!お前達のせいであいつはッ!おいッ!聞いているのかッ! お前達はここに来るべきじゃないッ! 創世の書と禁書を返せッ!あいつの未来を閉ざしたお前達はあいつといる資格は無いッ!どうせいても嫌われるだろうなッ!」
「……ッ!」
神様の言葉に憤慨したのか、響似の少女は闇の裂け目を作り出しドアを叩く神様の背後に闇の空間を出現させる。そして、少女達は創世の書と禁書の力を解放する。
「……ッ!」
何かに気づいた神様が振り返り最後に見た光景に絶句した。その時、閉ざされた書物庫内で神様の悲鳴が響き渡った…
一方富加宮は、地図の住所をスマホで調べながら神様の悲鳴を耳にする事なくひたすら続く雲の道を走り続けていた。
(頼むッ! 間に合ってくれッ!)
どこまでも広がる青空。広い白い雲の敷地内に大きな家が建っている。その家の寝室の大きなベッドで眠っているのは上條隼人。
天国へ来た時に三途の川を渡り、その後自分の一生を映画館で観て涙を流し、その後は何かに怯える神様の知り合いと名乗る人物に自分の荷物と0が沢山ある通帳を受け取り、引っ越し業者と共に新居へと移動し、家がワンダーワールドで住んでいた家に似ている事に驚きながらも家具を配置し、引っ越しを完了した。
ここから天国で始まる生活。疲れた隼人はまず眠る事にした。もしかしたら瑠奈と会うだろう。また彼女の人助けに沢山付き合ってあげようと思いながら眠りについた。その時だった。
毛布の中からゆっくりと手が伸び、艶かしい手つきで隼人の頬に触れた。布団の中から顔を出したのは響似の少女。
妖艶な笑みを浮かべ、愛おしい目で見つめながら唇を濡らし、眠る隼人の頬を艶かしい手つきで慈しむ様に撫でると、今度は首元に腕を回して抱きつき、隼人の頭を撫で始めた。すると、隼人の横に未来似の少女が毛布から顔を出して身体を静かに抱きしめ、我が子を寝かしつける母親の様に隼人の腹を優しくトントンと叩いている。。
それだけじゃない。翼似の少女とクリス似の少女も毛布の中へ潜り込み、隼人に密着して両腕に抱きついている。
「ここだ……ッ! な、何…ッ!?」
ようやく雲の道を走り続け、隼人の家にたどり着いた富加宮は敷地内に入ろうとするが、その光景に絶句する。
隼人の家全体に結界が張られているのだ。まるで富加宮が来る事を予知していた様に。
これでは隼人の家に入れなければ会う事も出来ない。まさか、街から離れた場所の雲の上に家を知り合いに作らせたのも、全てこの為に彼女達が手を回していたのでは無いかと考える。
「遅かったか…ッ!」
いつの間にか隼人の家の寝室に設置されている机には生前持っていたワンダーライドブックが置かれているライドブックホンダナーに収納されている。
机にはジャアクドラゴン、何故か新造されているジャオウドラゴン、禁書であるプリミティブドラゴン、響が作り出したエレメンタルドラゴンとオムニフォース、愛情を知った事で変化したエモーショナルドラゴン、ガトライクフォンにブックゲートが置かれ、4つの椅子にはそれぞれ盗み出した黄色、青、赤、銀、ピンク、緑の表紙の禁書と、神様から奪った創世の書が置かれており、闇黒剣月闇と無銘剣虚無が立てかけられている。
「これからずっと一緒だよ…愛してる…」
眠る隼人の首元に抱きつく響似の少女が耳元で囁き、頬に唇を落とした。そして絶対に離さないと言わんばかりに抱きしめる力を強くして彼女達は隼人と共に幸せそうに眠りにつくのだった…
そして、彼女達が隼人の大切な存在である瑠奈の身体に宿って瑠奈の人格と自分達の人格を合わせて1つになろうとしている事、更に創世の書と6冊の禁書を使って全知全能の書の力を完全な物にしようと企てている事をジャアクドラゴンとジャオウドラゴン、エレメンタルドラゴンとエモーショナルドラゴンだけが知っていた。
現世。東京都内某所のスタジオから音楽と美しい歌声が聴こえてくる。ここでレコーディングをしているのは翼とマリア。
ライブツアーで披露した歌を纏めたアルバムの収録に来ているのだ。2人の美しい歌声が重なり、調和していき、1つのハーモニーを奏でる。そして、1曲を歌い終わり、演奏も終わる。
「はいオッケーですッ! 一旦休憩を挟んで次の曲の収録入りますッ!」
スタッフの声で休憩に入り、翼とマリアはスタジオの控室で休憩がてら歌詞を見て、水を飲む。
「ふう…こうして何気ない日常がありがたく感じるのは久しぶりだな。」
「そうね。戦いが終わったって感じ。」
シェム・ハとの戦いから約2ヶ月が経ち、皆がそれぞれの生活に戻る中、世界のトップアーティストである2人も仕事に励んでいた。ここ最近は任務もない。
「あの戦いからもう2ヶ月か…時間が経つのは早いものだ…」
「ここ最近は任務も無いし、この日常がずっと続けば良いのにと思うわ。それに…」
「あぁ……上條がいなくなって、心の穴も時間が経つにつれて埋まっていくと思ったんだが、中々埋まらないな…」
「調と切歌も、立ち直りを見せているけどね…」
隼人がいなくなって約2ヶ月。やはりまだ心の中の穴が埋まりきっていない様だ。4年前、嵐の様に現れた冷酷無情な闇の剣士 仮面ライダーカリバーも、過去の存在になってきている。
「覚えているか? 上條と初めて会った時の事。」
「もちろんよ。忘れる訳が無いわ。」
2人は勿論、隼人と初めて会った時の事を忘れる筈がない。翼は4年前の日、マリアは一昨年のフロンティア事変。最初に会った時は共闘なんて考えていなかったが、戦いが進むに連れてその素顔が明らかになり、とても頼りになる存在となった。
「最初に会った時は、まさか幾多の戦いで共闘するとは思わなかったな。」
「初めて会った時は正体不明の冷酷無情な剣士と思ってたけど、その素顔はまさか私達と同じ若者…」
「頑なに誰かと繋がる事を拒むその裏は、破滅の未来に翻弄されていた…立花のお陰で振り切った後の本当の素顔は…」
「どこまでも自由で、素直じゃなくて…」
「それでも私達をいつも助けてくれた…」
そんな彼とこれからも手を取り合えると思っていた。でも、死が迫っていた事をずっと隠していた。自分達に余計な心配をかけたくないと言っていたが、本当は打ち明けたかっただろう。
「これからの未来は、私達が紡いでいこう。上條の分まで。」
「きっと彼も、私達の事を見守っててくれる。これからの世界の未来を。」
これからの未来を担う自分達。隼人の分まで未来を紡ぎ、生きていく。託された未来を、歌で悲しみと争いの無い笑顔の絶えない世界にしていく為に。今を生きていく。
「翼さん、マリアさん。レコーディングの再開との事です。午後からは次のライブの打ち合わせと雑誌の取材になります。」
控室に入ってきた緒川がレコーディングの再開と午後の予定を伝える。
「マリア、これから忙しくなるな。」
「ええ。」
数日後、S.O.N.G.本部にて。
「昨日の出動、ご苦労だったな。」
指令室に集まっているのは響達装者をはじめとした弦十郎や緒川といったいつものメンバー。
昨日の任務は街に出現したアルカ・ノイズへの対応と、召喚したパヴァリア光明結社の残党の錬金術師の拘束だったが、それ以外に特に任務も無い。
「ここ最近は目立った事件も無ければ任務もない。しかし、俺達の戦いはまだ続いていく。完全なる終結まで脅威は去らない。その為にも、持てる全ての力で人々の明日を、未来を守ってくれッ!」
そう。アルカ・ノイズや錬金術師、聖遺物による大規模災害の脅威が去った訳ではない。天災は忘れた頃にやってくるもの。いつ、またルナ・アタックやフロンティア事変や魔法少女事変の様な災害や、パヴァリア光明結社の様な新たな敵勢力が現れるのか分からない。
これからも響達装者は、S.O.N.G.は、人々の未来の為に戦うのだ。
「「「「「「はいッ!/デスッ!」」」」」」
「よし。今日はこれで解散ッ! 各自身体を休ませてくれッ!」
弦十郎の指示で装者達は指令室を後にする。本部の入り口には響を待っていた未来が待っていた。
「お待たせ。待った?」
「ううん。今来た所。行こっか。」
響と未来は本部と港湾を繋ぐ通路を2人並んで歩く。そして、港湾に辿り着くと響の足元に何やら新聞が春風に乗って落ちてくる。その内容は、やはりカリバーについてのものだった。それを見て響は表情を暗くすると、ポケットから隼人に託されたストーリーオブ闇黒剣月闇を取り出す。あの日以来肌身離さず御守りとして持っているのだ。
「響…それって…」
「これを持ってるとね、隼人さんがふらっと現れるんじゃないかなって思うんだ。隼人さんがいたら、一緒に未来へ進めたのにな…まだまだやりたい事も沢山あったのに…」
もし隼人が生きていたら、一緒にやりたい事が沢山出来たはず。いつかS.O.N.G.に所属していたのかもしれない。これから一緒に未来へ進めたはずだった。
「隼人さん……逢いたいよ……」
隼人に逢いたい気持ちが口から溢れたその時、後ろから感じた事のある気配を感じる。
「どうしたの?響。」
響は思わず気配の感じた後ろを振り返り、未来も一緒に振り返る。その先に響と未来が見たものとは…
「………ッ!」
S.O.N.G.本部の艦橋に背を向けてはいるが、いなくなった筈のカリバーが立っていたのだ。
「隼人さん…ッ!」
カリバーは響と未来の方へ顔をゆっくり向けると静かに頷き、そのまますぐに消えた。響の想いが通じたのだろうか?
「……」
「響。」
「隼人さんが言ってるよ。いつも見守ってるって。」
「……うん。私もそう聞こえた気がする。」
未来の言葉に響は穏やかな笑みを浮かべた。
(隼人さん、これからも私達の事、見守っていて下さいッ!)
幻影とはいえカリバーに会えたのか響はいつもの元気を取り戻し、いつもの活発な表情を出す。それを見た未来も、いつもの響が戻ったと笑みを浮かべた。そして、響は未来の手を握る。
「行こうッ!」
「うんッ!」
響と未来は手を繋ぎながら港湾を後にし、雑踏の中へ消えていった。託された未来を、神様も知らない光で、歴史をつくっていくために。
響達がこれからどんな未来への物語を紡いでいくのか。それは、誰にも分からない。
何故なら、響達の未来への物語は、まだ始まったばかりなのだから。
1ヶ月後…
「アルカ・ノイズの反応を検知ッ!」
「場所は神保町南部地区ッ!パヴァリア光明結社の残党の可能性が高いと思われますッ!」
「響君、翼、クリス君を現場に向かわせたッ!住民の避難を優先して殲滅次第残党を拘束するんだッ!」
上空には3人を乗せたヘリが現場に急行している見下ろすと、街にはアルカ・ノイズの群れが溢れている。
「おいッ! あれを見ろッ!」
クリスが指差す方向には、道路に1人青いトレーナーに赤いズボンを履いた青年がいた。
『現場に民間人が1人取り残されていますッ!』
「シェルターに避難誘導をするんだッ!」
しかし、その直後にアルカ・ノイズが民間人に飛びかかり、包み込んでしまった。その様子は勿論指令室にも映し出されている。
「あぁッ!」
「ッ!?」
「野郎ッ!」
クリスが民間人がアルカ・ノイズの餌食にされたと思い、怒りを滾らせる。すると、その直後民間人を覆い尽くしたアルカ・ノイズがいきなり衝撃波と共に吹き飛んだ。
「ッ!?」
「何だッ!?」
「翼さんッ! クリスちゃんッ!あれをッ!」
響が指差す方向には…
【オーイング!ショーニング!ローリング!ゴーイング!仮面ライダー!リバイ!バイス!リバイス!】
爆煙は晴れ、そこ立っていたのは2人の戦士。1人はサーモンピンクにターコイズブルーの基調とした奇抜なカラーリングにティラノサウルスを模した頭部にV字のアンテナ、赤い複眼に少々不気味なクラッシャー、腰にはティラノサウルスの絵柄とそのレリーフの紫とメタリックピンクのスタンプが装填されているベルトを巻き、左胸にはティラノサウルスのマークを付けた仮面ライダー、もう1人はサーモンピンクと黒を基調としたカラーリングにティラノサウルスの頭部を模した着ぐるみを被り、サーモンピンクのマフラー、黒いボディに左胸にはティラノサウルスのマークに尻尾を生やした仮面ライダーが立っていた。
「あれはッ!?」
「変身したッ!?」
「しかももう1人増えてんぞッ!」
新たに現れた仮面ライダーに驚く響達。その様子は勿論指令室にも映し出されている。
「民間人が…ッ!」
「まさか、隼人君と同じ…」
「仮面ライダー…なのか…ッ!?」
「シャキーンッ! 俺っち、参上ッ!」
「デッドマンじゃなさそうだけど、あいつらがヤバい奴だってのは分かるッ!一気に行くぜッ!」
「おうよッ! ひと暴れしちゃうもんね〜ッ!」
2人の仮面ライダーはアルカ・ノイズの群れへ走り出し、戦い始めた。1人は蹴り技を駆使して、もう1人はなりふり構わず豪快に暴れ回りながらアルカ・ノイズを倒し始めた。
「恐らく上條と同じ…いや、考えるのは後だ。私達も行くぞッ!」
「はいッ!」
「おうッ!」
響達はヘリから飛び降りる。そして…
「Balwisyall nescell gungnir tron」
「Imyuteus amenohabakiri tron」
「Killter Ichaival tron」
「歌?」
「何何ッ!? 」
3人の聖詠が青空に響き渡り、響達はギアを纏う。その聖詠を聞いて2人の仮面ライダーが戦いながらも反応した。
「くらいなッ!」
「ハァァァァァァッ!」
「どおおおおりゃああああああッ!」
クリスが先手必勝と言わんばかりに短銃で空からアルカ・ノイズを銃撃し、響と翼が重力を利用しながら加速、そのままアルカ・ノイズを殴り付け、真っ二つにして着地した。
「何だあの姿…?」
「ワァーオッ! 何何ッ!? 変なチカチカする奴が来たと思ったら今度は空からカワイコちゃん達が降ってきたぁッ!?」
「聖剣を持っていない…上條のとは違うのか…」
「サーモンピンクにターコイズブルー…これまた派手な色だなおい…」
「あのッ! お2人も仮面ライダーなんですかッ? 良かったら名前を教えてくれませんかッ!」
響達は2人のライダーのそれぞれの印象を持ちながら接触し、響は2人の名前を問う。
「俺っちはバイスッ! んであっちはリバイねッ!」
「おーい何やってんだッ!早く来いッ!」
「もうッ! せっかちなんだから〜ッ!」
リバイに呼ばれて名前を教えたバイスも残存しているアルカ・ノイズの群れへと向かっていった。その時…
「ひぃぃッ!?」
「何だこれはッ!?」
「臭えッ! 腐った卵みてぇな臭いだッ!」
「この臭い…硫化水素かッ!?」
あまりの激臭に思わず鼻を覆ったり詰まむ響達。何故かバイスが去った後に強烈な激臭が立ち込め響達の鼻を劈く。どういう訳か硫化水素の臭いらしい。臭いに悶えながらも響達もアルカ・ノイズを殲滅していくのだった。
【オーインバスター50!】
リバイはスタンプ台の様なものが取り付けられ、銃と斧が合体した様な武器オーインバスター50を取り出し、アルカ・ノイズを銃撃していく。すると、それを見たバイスが…
「ズル〜いッ! 俺っちもッ!いいじゃんッ! ちょっと貸してッ!ウハハハハーイッ!」
リバイからオーインバスター50を勝手に借りて斧の様に持ってそのまま持っていってしまった。
「おいッ!…ああもう仕方ないッ!」
【ガンデフォン50!】
オーインバスター50を取られたリバイは、スマートフォン型のデバイスガンデフォン50を取り出して銃へ変形させてアルカ・ノイズを銃撃し、蹴り技も混ぜて戦う。
「ハイッ! ソレッ!ヨイショッ!」
リバイからオーインバスター50を強引に借りたバイスはなりふり構わず豪快にアルカ・ノイズを斬り裂き、暴れまくる。そして、ジャンプして飛び上がり、上から真っ二つに斬り裂いた。
「決まったぜぇッ!」
決めポーズをするバイスにリバイが駆け寄る。
「勝手に持ってくなってッ!」
「お前の物は俺っちの物。俺っちの物も俺っちの物ッ!だろ?」
「どこのガキ大将だよッ!」
「リバイさんとバイスさんか…」
「あのやり取り、何だかあいつを思い出すな…」
何処かで聞いた事のある台詞を言うバイスとそれに突っ込むリバイ。その光景をアルカ・ノイズを倒しながらそのやり取りを見ている。そうこうしている内にアルカ・ノイズの数も減ってきた。
「ねぇねぇッ! ここは1つゲノムチェンジ言っちゃう?」
「いいなッ! 」
リバイがベルトのスタンプが装填されたレバーを倒すと、スタンプ台と思わしき部分が上を向き、スタンプを引き抜く。今度はマゼンタにメタリックグリーンのサメのレリーフが施されたスタンプを取り出して起動した。
【メガロドン!】
「ハァー…ハッ!」
スタンプの印面に息をかけ、ベルトのスタンプ台に押印した。
【Come on!メガロドン!Come on!メガロドン!】
「ウホハハハハハハハハッ!」
すると、バイスが消えノリのいい待機音が流れ、周りを白髪に下半身が幽霊の様になった口が描かれた青いマスクをつけた半透明のバイスがマゼンタの液体が充填される透明な大型のスタンプを抱えて浮遊する。
背後には何故か通話アプリの画面が映し出され、リバイとバイスのやり取りが表示されている。
物騒なやり取りをしている間にリバイがスタンプを装填して倒し、スタンプ台が回転。
【バディアップ!】
「よいしょーッ!」
バイスがスタンプをリバイに被せる。同時にトーク画面にメガロドンのスタンプが押された。
【潜るドンドン!ヨーイドン!ドボン!メガロドン!通りすがりのハハハハンター!】
液体が弾け飛び、リバイの姿が変わる。同時に現れたバイスの姿も変わる。
リバイの姿はバーコード状のマスクにメガロドンの頭上にはヒレが伸び、複眼は緑で身体には交差する白黒のラインに、左胸にメガロドンの絵柄。色はサーモンピンクとターコイズブルーと、アクセントだった紫が出ており、両腕にはメガロドンの背ビレを模した巨大なブレードが装着されている。
一方バイスはリバイに比べてメガロドンの要素が強く、マスクはバーコード状のラインが入ったメガロドンの頭部を模しており、身体にはマゼンタや白がアクセントに配置され、左胸にはメガロドンの絵柄が施されている。
「変わったッ!あれってサメ?」
「私達と思じリビルドかッ!? 腕に
「メガロドン? 通りすがりのハンター? 訳わかんねぇ…」
姿を変えたリバイとバイスに思い思いの言葉を
「目がサメるとはこの事ッ!」
「湧いてきたぜッ!」
気合を入れたリバイとバイスは残りのアルカ・ノイズに走り出し、リバイは両腕のブレードで次々に斬りつけ、バイスはオーインバスター50てリバイと抜群のコンビネーションで自身の豪快かつ荒々しい戦闘スタイルと、指をメガロドンの牙の如く斬り裂きながら混ぜながら倒していく。そして、最後に残ったのは密集している3体となった。
「決めるぜッ!バイスッ!」
「だいたい分かったぜッ!」
リバイはスタンプを2回倒し、身構える。すると、リバイとバイスとアルカ・ノイズの群れの間に巨大なマゼンタと緑のメガロドンのスタンプの絵柄が2人合計20枚ずらりと並び、2人はスタンプの絵柄を走りながら潜り抜け、アルカ・ノイズに迫る。
【メガロドン!スタンピングフィニッシュ!】
2人が最後の絵柄を抜けた瞬間、リバイのブレードにマゼンタのエネルギーが集約され、巨大なエネルギーの刃に変化。同時にオーインバスター50にも緑のエネルギーが集約される。
「それッ!ハァァッ!/よいしょッ!どおりゃあっ!」
そして、密集した3体のアルカ・ノイズに2人同時に2連撃で斬撃を浴びせた。
「それでは皆さん〜、3!2!1!メ・ガ・ロ・ド〜ンッ!」
バイスのカウントダウンが終わると同時に、リバイとバイスの背後でアルカ・ノイズは爆発四散するのだった。
その後、アルカ・ノイズを召喚したパヴァリア光明結社の残党と思われるはぐれ錬金術師は、すぐに発見され拘束。建物に少々損害はあったものの、奇跡的に誰1人も命を落とす事は無かった。
「ふぃ〜、俺っちかっこよかった?かっこよかった?」
「はいはい。かっこよかったから。」
元の姿に戻ったリバイとバイスが戯れながら現場から去ろうとすると、ギアを解除した響達が呼び止める。
「リバイさんッ!バイスさんッ!」
「ご協力感謝します。あなた達のお陰で被害も最小限に抑える事が出来ました。」
「なぁ、あたし達が見た時は1人だったのに何で2人になってんだ? それにお前らも仮面ライダーなのかよ?」
クリスが気になる事を質問する。そう何故1人だったのに2人にいるのかだ。そして彼らも仮面ライダーなのかという事。
「そう。俺は仮面ライダーリバイ。」
「そして俺っちが、仮面ライダーバイスッ!」
「俺達は1人で2人の仮面ライダー、」
リバイとバイスは響達の前で3回ハイタッチを交わして、名乗りあげる。
「「仮面ライダーリバイス!」」
1つの物語の終わりは、新たな物語の始まり。悪魔をもって悪魔を制す、正義の心を持ち悪魔と契約した新たな戦士。
今、新たな戦士達の物語がこの世界で綴られる。
いかがだったでしょうか?遂にここまで来ました。
本当に長かったなぁ…連載当初は完結までいけるかなと思ってましたが無事に完結できました!
結構テレビ本編に助けられた所もありましたので、読者の皆様の応援とテレビの展開が無ければ完結出来なかったかもしれません。およそ9ヶ月の連載でした。
天国の場面は…すみません。作者の趣味をぶち込みました。調子に乗り過ぎたかもしれませんが、最終回という事なので書きたいように書かせてもらいました。
そしてスペシャルゲストは仮面ライダーリバイス!
実は前からセイバーの次のライダーをスペシャルゲストとして登場させる事を決めてました。そしてメガロドンゲノム登場!必殺技はディメンションスラッシュをイメージしました。通話アプリみたいなやり取りは文字起こししたらこんな感じかなと思って書いてみました。
1つの物語が終わる時、また新たな物語が始まるのです。
響と未来に姿を見せたカリバーは何だったのか、天国で隼人はどうなるのか、そしてシンフォギアの世界に現れたリバイとバイスがどんな物語を紡いでいくのか。それは皆様の想像や考案に任せます。
これで月闇絶唱シンフォギアは完結……ではないです。
次回が本当の最終回です。天国でヤンデレ共と決着させます。
今回はここまでです。感想お待ちしています。