【完結】月闇絶唱シンフォギア   作:ネガ

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今回は隼人が夢で見たカリバーが何故裏切りの罪を着せられ、斬られたのかという話です。


第09話 人も組織も、信じられない。

二課に突然やって来たカリバーは二課に協力して欲しいという弦十郎の言葉を拒否する。そして自分は「腹の底から人も組織も信用出来ない事について身に染みている」と述べた。彼の口から語られる事とは一体…?

 

「かつて私は…ある組織に属していた。」

 

カリバーは自分の過去について弦十郎達に語り始めた。

 

「はるか昔から代々、世界の均衡を保ってきた組織に。その組織には聖剣と聖剣に選ばれし者が属していた。そして私も、その剣士の1人だった。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「フンッ!ハァ!」

 

 

「ハァァァ!」

 

 

 

 

ワンダーワールドの草原が広がる場所で、2人と男性が剣を交えていた。闇黒剣月闇を持つ1人の男性はカリバー、もう1人は銀の刀身に炎のエンブレムが付いた剣を持っていた。両者は互角に勝負をしており、そしてお互い、握手をした。

 

「カリバー、まだ腕を上げたんじゃないか?」

 

「お前も前より強くなってるじゃないか。セイバー。」

 

手合わせをしていた2人は明るく話し、お互いを評価していた。カリバーと赤い剣士セイバーは親友だったのだ。

 

「セイバー!カリバー!ここにいたんですか!」

 

声がする方向を振り返ると水のエンブレムが付いた剣を持つ剣士が2人の元へやって来た。それに続いて雷のエンブレムが付いた剣を持つ剣士、大剣を担ぐ剣士、緑の剣を後ろの腰に装備している剣士、マゼンタの剣を持つ剣士がやってきた。

 

「2人共ここにいたんだな。」

 

「相変わらず精が出るねぇ!」

 

「2人とも前より強くなったって聞いたよ!」

 

「あぁ、剣の腕は確かに上がっている。」

 

「そうか?」

 

カリバーは若干照れながら剣士達に答えた。

 

「さぁ、お昼にしましょう!」

 

青い剣士の言葉と共に7人の剣士達は歩み始める。そして食事をしている剣士達は笑顔を見せていた。

 

「私は友や仲間に恵まれ、この友情は永遠の物だと思っていた。あの日までは。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ある日、カリバーが基地の廊下を歩いていると、中央指令室から何やら話し声が聞こえて来た。ドアの隙間から覗いて見ると、組織の首領と側近の1人の男性が話していた。

 

「計画は順調に進んでいる。」

 

「ええ。我々が世界を支配する日も近いですね。」

 

(世界を支配…!?)

 

その言葉を聞き、カリバーは驚愕の表情を浮かべる。一体どういう事だ。自分達は世界の均衡を保為に戦っているんじゃないのか?

 

「それにしても剣士共も馬鹿ですよね。少しばかり煽てればあれですから。」

 

「ああ。我々の計画の為だけに利用されているとも知らずに戦っているんだからな。」

 

(何…!?)

 

「ところで剣士達はどうします?」

 

側近が首領に聞くと、こう答えた。

 

「簡単な事だ。元々聖剣とライドブックは私達が与えた物。用済みとなれば奪うまでだ。奴等は我々によって作られた偽りの戦士だ。」

 

許せなかった。自分や仲間や友が世界を支配する為に利用されていたなんて。最初から全て、奴等に踊らされていた。気がつけばカリバーはドアを開け、2人と対峙していた。

 

「聞かせてもらったぞ…!最初からそれが目的だったのか!!」

 

カリバーが2人に対して怒りの声を上げる。

 

「聞かれていたか。今頃気づくとはな。」

 

カリバーに対して首領は不敵に笑いながら答えた。

 

「そんな事の為に…私や友や仲間たちを!!」

 

「ならどうする?」

 

側近の問いかけにカリバーは…

 

「ここでお前達を斬る!!」

 

【ジャアクドラゴン!】

 

【ジャアクリード!】

 

「変身ッ!!」

 

【闇黒剣月闇!】

 

【Get go under conquer than get keen.(月光!暗黒!斬撃!) ジャアクドラゴン!】

 

【月闇翻訳!光を奪いし、漆黒の剣が冷酷無情に暗黒竜を支配する!】

 

怒りを燃やしながらカリバーは変身し、首領に斬りかかった。しかし、この時カリバーは怒りで我を忘れており、気づかなかった。側近がいなくなっていた事を、そして首領がカリバーのホルダーにとあるワンダーライドブックをセットしていた事を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、セイバーを除いた剣士達が外で変身し、手合わせをしていると側近が息を切らして走って来た。

 

「緊急事態だ!!」

 

「一体どうしたんですか!?」

 

青い剣士が聞くと…

 

「カリバーが…カリバーが裏切った!!

 

「何!?」

 

「どうゆう事だよ!!」

 

「マジで!?」

 

「何故だ!?」

 

側近の言葉に剣士達は驚く。

 

「すぐに中央指令室まで来てくれ!!」

 

「分かりました!行きましょう!!」

 

青い剣士達の声で剣士達は基地へ走っていった。それを見た側近は醜悪な笑みを浮かべた。

 

「馬鹿な奴らめ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃、中央指令室ではカリバーと首領が揉めていた。中は荒らされ、機材は破壊されている。そんな中カリバーは首領の胸倉を掴み、闇黒剣月闇の刃を首領の喉に当てている。首領の顔は殴られた後があり、口からは血が滲んでいる。

 

「許さん!許さんぞ!私や友や仲間達を利用し、世界を支配しようとするなど!!」

 

「フッフッフッフッ…。」

 

カリバーの言葉を嘲笑うかの様に首領は笑う。

 

「何がおかしい!!」

 

カリバーが声を上げたその時…

 

 

 

 

 

「止めろカリバー!!我々を裏切ったのか!?」

 

大声で叫んだ。

 

「!?」

 

カリバーがその言葉に一瞬動揺したその瞬間…

 

 

 

 

 

「カリバー!何をやってるんですか!?」

 

「おい!どうしたんだよカリバー!」

 

青い剣士と黄色の剣士が指令室に飛び込んできた。

 

「ブレイズ!エスパーダ!聞いてくれ!我々は…!」

 

カリバーが2人の剣士…ブレイズエスパーダに話そうとした瞬間、首領がカリバーの元から急いで離れ、2人の元へ向かった。

 

「聞いてくれ…カリバーが…あのワンダーライドブックを渡せと襲いかかった…!!」

 

白々しい演技をする首領にカリバーはさらに苛立つ。

 

「何を訳の分からない事を!奴は…!」

 

カリバーが今度こそ話そうとすると…

 

「エスパーダ!あれを見て下さい!」

 

「…!!あれはエターナルフェニックス!!!」

 

「…!?」

 

カリバーは自分の右腰を見た。ホルダーに、黒い表紙にオレンジ色のワンダーライドブックがセットされていたのだ。

 

(何故これが…!!…まさか、あの時…!!)

 

そう。カリバーが掴みかかった時、首領がこっそりエターナルフェニックスのライドブックをセットしていたのだ。

 

「まさか…それが目的で!?」

 

「かつて封印された力を狙っていたのか!」

 

ブレイズとエスパーダはカリバーに剣を向ける。

 

「違う!私は裏切っていない!!話せば分かる!!」

 

カリバーは2人に訴えるが…

 

「仲間を傷つけ、力目当てに裏切るなんて…失望しました!」

 

「ここでお前を斬る!覚悟しろカリバー!」

 

2人は怒りの声を上げ、剣を構える。カリバーは愕然としていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぐぁぁぁぁぁ!!」

 

2人の攻撃を受け、吹っ飛ばされるカリバー。ブレイズとエスパーダがカリバーに迫る。向かって来たブレイズの攻撃を受け止めるカリバーだが、直後にエスパーダの斬撃を受け、後退りする。すかさず2人の攻撃をカリバーは受け止める。

 

「話を聞いてくれ!我々は騙されていた!組織に世界の支配の為に利用されていた!」

 

「組織は僕を育ててくれたんです!そんな事をする訳が無い!」

 

「俺達を裏切っておいて嘘までつくのか!お前は正義を持って斬る!」

 

ブレイズとエスパーダに蹴り飛ばされたカリバーはその場から逃げようとするも、目の前に灰色の剣士、緑色の剣士、マゼンタの剣士が立ち塞がった。

 

「バスター、剣斬、スラッシュ…」

 

カリバーは3人の剣士の名前を震えながら言う。

 

「聞いたぞカリバー。俺達を裏切ったんだったな。」

 

「マジないわ。今まで戦って来たのに。」

 

「喧嘩は嫌いだが、裏切り者はもっと嫌いだ。」

 

3人は口々にカリバーに厳しい言葉をぶつける。

 

「話を聞いてくれ!私は裏切っていない!!組織に嵌められたんだ!お前達も目を覚ませ!我々は騙されていた!世界の支配に利用されていた!」

 

「この後に及んでまだ嘘をつくのか!」

 

バスターがカリバーに斬りかかり、スラッシュがカリバーを銃撃する。それを闇黒剣月闇で防御するも、バスターの攻撃を受け、更に剣斬の蹴りを受け、吹っ飛ばされた。ふと、後ろに人の気配が。そこにいたのは親友の剣士セイバーだった。

 

「どうしたカリバー。そんなに慌てて。」

 

カリバーはセイバーなら分かってくれる。信じてくれると一縷の望みを賭け、歩み寄った。

 

「セイバー…聞いてくれ…!我々は組織に騙されていた…世界の均衡を保つと言いながら奴等の本当の目的は…」

 

カリバーがセイバーに言ったその瞬間…

 

「ハァァ!」

 

「ぐああああ!」

 

セイバーは持っていた聖剣でカリバーを斬った。カリバーの鎧から火花が飛び散り煙が出る。セイバーの攻撃を受け、後退りするカリバーだが更にセイバーが斬りかかってきた。それをカリバーは闇黒剣月闇で受け止める。

 

「セイバー…!お前まで…!」

 

「残念だ。本当に残念だカリバー。お前との友情は永遠だと思っていたが。」

 

その言葉を始まりに、カリバーに対して一方的な攻撃が始まった。カリバーは攻撃出来なかった。かつて苦楽を共にした友や仲間を斬る事が出来なかったのだ。やがて断崖絶壁に追い詰められ、そして…

 

「友よ。名残惜しいが別れの時だ。」

 

セイバーが剣から炎の斬撃波を放つ。

 

「ハァァ!」

 

「ぐあああああああああ!!!」

 

それを受けたカリバーは、崖から落下。海の中へ消えていったのだ。

 

海に落ちたカリバーを見てセイバーは言った。

 

「悪く思うなカリバー。世界の平和の為には仕方がない。これは正義だ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私は裏切り者の烙印を押され、かつての仲間に剣を向けられた。」

 

カリバーの話に一同は黙り込んでいた。

 

「奴等は組織の言葉を鵜呑みにし、それを疑わずに正義と称して正当化し、私を斬った。だがそれでよく分かった。組織というものは自分達の都合の良いように人を騙し利用し、用済みとなれば始末するとな。2年前にいた連中も同じだ。自分のした事に何も悪びれずそれを正義として正当化する。酷い話だと思わないか?当然そんな連中の行動が正義とは言えない。第一、奴等は正義を履き違えている。お前達がよく知る正義はその中にたまたま善意があっただけだ。正義と悪は対ではない。正義の中にある悪意が、身勝手な正義となり、やがてと化す」

 

「これで分かっただろう。私がいかに組織や人間を信用していないのか。断言する。私はお前達に属する事も、協力するつもりは無い!」

 

カリバーの言葉に響や弦十郎達二課の人間は黙り込んでしまう。

  

「君の言う通りかもしれない…。」

 

その言葉に弦十郎は口を開く。

 

「確かに我々は機密を守っていた。2年前、君が動かなければ無くならなかった生存者達の迫害を無くすのも本来なら我々がするべきだった。」

 

「分かっているじゃないか。お前達が…」

 

「だがッ!!」

 

「…?」

 

「人々をノイズから守る。この決意は本当だ!」

 

弦十郎の言葉に了子や藤尭、友里は強く頷く。

 

「それがどうした。」

 

カリバーはそう言い放つと、一同に背を向けて去ろうとした。

 

「カリバーさん!」

 

響がカリバーを呼び止めた。

 

「私、2年前のあの日、カリバーさんに助けられて、凄く嬉しかったんです。人や組織を信用出来ないって言ってましたけど、私、カリバーさんが本当は優しい人だって信じてます!」

 

「…………。」

 

「だから、もう一度信じてみても良いんじゃないですか?」

 

響の言葉にカリバーは何も言い返さず、炎の渦を出して姿を消した。

 

「カリバーさん…」

 

「言われ放題だったな…」

 

「相当嫌われてるわね…」

 

カリバーが去った部屋には気まずい空気が支配していた。しかし、響の目は、何かを決意したかのように力強かった。

 

 

 

 

 

 

 

ワンダーワールドに戻ってきた隼人は部屋の中で響に言われた言葉を思い出していた。

 

(もう一度信じてみても良いんじゃないですか?)

 

響の言葉が脳裏をよぎる。

 

「そんな事…出来る訳ないだろ…。」

 

隼人は小さい声で呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

その頃、部屋の外に翼がいた。自動ドアの音と足音がする方向を見ると、そこには響が。

 

 

「私、戦います!」

 

翼は響の言葉に目を開いている。

 

「慣れない身ではありますが、頑張ります!一緒に戦えればと思います!」

 

そう言うと、響は翼に向けて手を差し伸べた。しかし翼は目を逸らす。

 

「あの…一緒に戦えればと…」

 

その時だった。突如、警報が鳴り響いた。 

 

「ノイズの出現を確認!」

 

「本件を我々二課で預かる事を一課に通達!」

 

「出現地特定!座標出ます!」

 

 

 

その頃、隼人もノイズの探知をガトライクフォンで確認していた。

 

「来たか。」

 

隼人は闇黒剣月闇を手に部屋を後にする。

 

 

その頃、街ではノイズ出現警報とアナウンスが鳴り響いていた。

 

「日本政府特異災害対策機動部よりお知らせします。先程、特別避難警報が発令されました。すぐに最寄りのシェルター、または退避場まで避難して下さい。」

 

 

そのアナウンスが流れる中、カリバーはノイズをひたすら切り裂いていた。足元には、炭素の塊が幾つもある。戦いの中、カリバーは思考を働かせていた。

 

(そういえばノイズは何故出現するんだ?自然災害とは間違いなく違うだろう。何か条件があるはずだ。仮にもし、人為的に出現させる事が出来たとしたら…?まさか…あの白衣の女か!?)

 

カリバーは考えながらも戦いに集中する事にした。

 

【月闇居合!】

 

カリバーは闇黒剣月闇を納刀し、抜刀する。

 

【読後一閃!】

 

刀身から紫色の斬撃波を飛ばし、ノイズの群れを切り裂いた。その直後、大きな爆発音が響く。カリバーが音のする方向を見ると、赤黒い煙が立ち込めていた。

 

「あれは…」

 

【ライドガトライカー!】

 

それを見たカリバーはその場所へライドガトライカーで向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、とある場所では響と翼がノイズが合体した巨大ノイズを倒した。

 

「翼さ〜ん!」

 

響は翼に駆け寄る。

 

「私、今は足手まといかもしれませんが、一生懸命頑張ります!だから、私と一緒に戦って下さい!」

 

響の言葉に翼は…

 

「そうね…あなたと私、戦いましょうか?」

 

翼は響に剣を向けた。

 

 

 

 




いかがだったでしょうか?今回はカリバーの過去の話でした。なお、小説内に出てきた組織は本編セイバーのソードオブロゴスとは全く別物なのでご了承下さい。今回はここまでです。感想お待ちしています。
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