【完結】月闇絶唱シンフォギア   作:ネガ

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今回はカリバーとクリスの接触回です。







第12話 疑念が、確信へと。

翼が絶唱を使い、入院した頃、響は弦十郎の元で修行を始めた。そして彼女は目覚ましい成長を遂げる。彼女は自分を磨き続け、戦う戦士として成長を遂げたのだ。その顔にさっきまで日常にいた少女の顔はない。戦いの中に身を置くりりしい顔だ。それは、弦十郎や了子は勿論、他の二課のメンバーも驚くほどだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃隼人は…

 

 

「立花響も成長したな…。」

 

シャボン玉を通して響の成長を見ていたのだ。ここ数日、ノイズが現れて現場に行くと響が今までとは全然違う成長を遂げていたのだ。素人同然の戦い方じゃない。自分の体を武器にノイズに拳を振るうその姿は、まさに一人前の戦士だ。やっぱり自分よりも強い。すると、ガトライクフォンから電子音がなる。ノイズが現れたのだ。隼人はシャボン玉を消し、闇黒剣月闇を手にする。そしてブックゲートを通して、路地裏に出る。

 

【ジャアクドラゴン!】

 

【ジャアクリード!】

 

「変身。」

 

【闇黒剣月闇!】

 

【Get go under conquer than get keen.(月光!暗黒!斬撃!) ジャアクドラゴン!】

 

【月闇翻訳!光を奪いし、漆黒の剣が冷酷無情に暗黒竜を支配する!】

 

紫のオーラと共に隼人はカリバーに変身した。

 

 

 

 

 

 

 

そして反応のあった林に向かうと、10体のノイズの群れが。カリバーは闇黒剣月闇を構える。すると、小型のノイズが先陣を切って突っ込んでくるが、カリバーは闇黒剣月闇でそれらを全て切り裂く。そして、ニードルヘッジホッグを取り出すと、闇黒剣月闇に1回スキャンした。

 

【ニードルヘッジホッグ!】

 

【必殺リード!ジャアクヘッジホッグ!】

 

【月闇必殺撃!習得一閃!】

 

カリバーはノイズ目掛けて闇黒剣月闇から無数の針を発射した。針はノイズに命中、そのまま爆発して全て炭素化した。カリバーは闇黒剣月闇を納刀しようとした瞬間、上空から鞭がカリバー目掛けて放たれた。それに気づいたカリバーは後ろにジャンプしてかわした。上を見ると、目の前にはネフシュタンの鎧の少女が。

 

 

「よう!お前がカリバーか!」

 

少女はカリバーを見下ろしながら言った。

 

「お前はあの時の…私に何か用か?」

 

そう。翼が絶唱を使ったあの日、空へ飛び去ったあの女だ。

 

「用ならある!お前の力を頂きに来たんだよ!」

 

少女はカリバーの闇黒剣月闇を指差して宣言した。

 

「やはりそれが狙いか。誰の命令だ?」

 

「そんな事教えるかよ!!」

 

少女はカリバー目掛けて鞭を振り下ろした。それをカリバーは闇黒剣月闇で払うと、負けじと刀身から斬撃波を放った。そこから鞭と斬撃波の応酬が始まった。そして少女の鞭がカリバーの右手首を巻きつく。

 

「貰った!」

 

そのまま勝ち誇ったかの様に笑うと、カリバーを引っ張ろうとする。しかしカリバーは鞭を左手で掴むと、力を入れて思いっきり引っ張る。

 

「ぬうううううん!!」

 

「うおおお!?」

 

カリバーが鞭を引っ張った事で少女がカリバーに引き寄せられる。すかさずカリバーは邪剣カリバードライバーにセットされたジャアクドラゴンのページを押す。

 

【ジャアクドラゴン!】

 

カリバーの右手に紫の炎が現る。握り拳を作ると引き寄せられた少女の胸目掛けてパンチを繰り出した。

 

「ぐあああ!!」

 

カリバーの拳が命中した少女は、痛みの声を出して吹っ飛ばされた。その直後、鎧にひびが入る。が、すぐに修復される。そしてカリバーの右手首に巻きついた鞭が解かれる。さらにカリバーはジャッ君と土豆の木を取り出して起動し、闇黒剣月闇に1回スキャンした。

 

【ジャッ君と土豆の木!】

 

【必殺リード!ジャアクな豆の木!】

 

【月闇必殺撃!習得一閃!】

 

音声と共に闇黒剣月闇から蔦が伸び、カリバーは少女目掛けて振るう。少女の体を拘束すると、引っ張って引き寄せた。そしてカリバーは少女の首を掴む。

 

「さっきの威勢はどうした?」

 

カリバーが挑発する様に言う。その言葉に少女はカリバーを睨みつける。

 

「お前の様な奴がいるから…」

 

「何?」

 

「お前の様な奴がいるから世界から戦争が無くならないんだ!!」

 

クリスはカリバーを睨みつけて言い放つ。

 

「お前の言う通りだ。この世界に人間と悪意がある限り争いは無くならん。人間は何かを始める事が出来ても何かを終わらせる事は出来ない生き物だ。」

 

カリバーは冷静に言い放つと、少女を蹴飛ばし、闇黒剣月闇で何度も斬りつけた。その度に少女の鎧が砕け、再生を繰り返す。斬りつけられた少女は距離を取り、杖からノイズの群れを召喚した。

 

(ノイズを召喚しただと…!)

 

カリバーの中の疑念が確信へと変わる。やはりノイズは人為的に生み出す事も出来る。となると怪しいのはやはり櫻井了子だ。奴から聞き出せば目的が分かる。

 

「それを使えばノイズを人為的に生み出せるという訳か。」

 

カリバーは闇黒剣月闇で少女の杖を指した。 

 

「ヘッ!それを知った所でどうする!あたしはお前の力を頂くだけだ!」

 

少女はノイズをカリバーに攻撃させようとしたその瞬間…

 

「てやあああああああ!!」

 

ガングニールを纏った響が横から現れ、ノイズに向けて飛び蹴りを放ったのだ。響の蹴りを受けたノイズは炭素と化す。

 

「!?」

 

「立花響…!!」

 

カリバーは一瞬声を上げるも、すぐに落ち着きを取り戻し、闇黒剣月闇を納刀し、トリガーを押す。

 

【月闇居合!】

 

そして、抜刀する。

 

【読後一閃!】

 

闇黒剣月闇から斬撃波が放たれ、残りのノイズを倒した。それを見た少女は舌打ちをし、爆風が辺りを遮っている内に姿を消した。

 

「あの女は…!」

 

カリバーは目の前を見ると、少女は居なくなっていた。

 

「逃したか…」

 

そう言うと、カリバーは闇黒剣月闇を納刀し、去ろうとすると…

 

「カリバーさん!」

 

響が呼び止めた。

 

「私に何か用か?」

 

「私、翼さんが倒れた日から、ひたすら自分を鍛えました!守りたい物を守る為に、奏さんの代わりじゃなくて、私として!」

 

「…そうか。」

 

「でも、これでまだ満足してません!もっともっと鍛えて、いつかカリバーさんみたいに強くなります!」

 

響の言葉にカリバーは…

 

「…私は強くない。お前の心の強さに比べれば、私は弱い。」

 

「え?」

 

カリバーはそのまま響に背を向け、炎の渦で姿を消した。

 

「カリバーさん…?」

 

響はカリバーが弱音を吐いた事に呆然としていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どこかの森のはずれにある巨大な洋館。

 

「ソロモンの杖…我々が譲渡した聖遺物の起動実験はどうなっている?」

 

「報告の通り、完全聖遺物の起動には相応レベルのフォニックゲインが必要になってくるの。簡単にはいかないわ。」

 

とても広い部屋の中にシャンデリアや拷問器具、動物の死体がある中、金髪の女性が英語で電話で杖を持ちながら話している。そして、ノイズを召喚するとすぐに消した。

 

「ブラックアート……、失われた先史文明の技術を解明し、是非とも我々の占有物としたい」

 

「ギブ&テイクね。あなたの祖国からの支援には感謝しているわ。今日の鴨撃ちも首尾よく頼むわね。」

 

女性は椅子に座ると、足を乗せながら電話する。

 

「あくまでも便利に使うハラか。ならば、見合った働きを見せてもらいたいものだ。」

 

「もちろん理解しているつもりよ。従順な犬ほど長生きするというしね。」

 

女性は電話を切ると、立ち上がる。相手は米国だ。お互いに友好的な関係を装っているが、裏ではお互いを利用するという考えだ。

 

「野卑で下劣。生まれた国の品格そのもので辟易する。そんな男にソロモンの杖が既に起動している事を教える通りはないわよね?クリス。」

 

女性は大量の汗をかき、機械に十時に磔にされている銀髪の少女の前に来た。女性が顔に触れると、クリスは目を開いた。

 

「苦しい?可哀想なクリス。貴方がぐずぐず戸惑うからよ。誘い出されたあの子と、カリバーをここまで連れてこればいいだけの事なのに、手間取った所か空手で戻ってくるなんて。」

 

「これで…いいんだよな?」

 

「何?」

 

クリスは少女に問いかける。

 

「あたしの望みを叶えるには、お前に従っていればいいんだよな…?」

 

「そうよ。だから、あなたは私の全てを受け入れなさい。」

 

クリスの問いに女性は答える。

 

「でないと嫌いになっちゃうわよ。」

 

女性は機械のレバーに手を掛け、下げた。

 

「あああああああ!!」

 

すると、クリスの体に電流が駆け巡る。そして彼女の絶叫が部屋に響き渡る。

 

「可愛いわよクリス。私だけがあなたを愛してあげられる…」

 

女性は嬉しそうに言う。そして電流を止める。

 

クリスの息は荒れ、大量の汗が体中から流れる。女性はクリスの顔に手を置き、体をくっつける。

 

「覚えておいてねクリス。痛みだけが人の心と繋いで絆と結ぶ。世界の真実という事を。さあ、一緒に食事をしましょうね。」

 

女性は食事の準備をしていた。その言葉にクリスは安堵の表情を浮かべる。その直後、女性は笑みを浮かべる。

 

「あああああああああああ!!」

 

 

クリスの絶叫が、こだました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「立花さん!立花響さんはいつものお節介でまた遅刻ですか!?」

 

所変わって場所はリディアン。教室に先生の声が響く。響の姿が、教室になかったのだ。そしてクラスメートがクスクスと笑う。

 

「先生!響…いえ!立花さんですが、今日は風邪でお休みするそうです!」

 

未来が手を上げ、先生に咄嗟の嘘を言い、誤魔化した。

 

「ふう…本当にしょうがないですね…」

 

先生はため息をついて諦めたかの様に言う。そしてクラスメートはまたクスクスと笑う。

 

「嘘つき…」

 

未来は響の席を見て言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ〜朝からハード過ぎますよ〜!!」

 

「頼んだぞ。朝のチャンピオン。」

 

ジャージ姿の響は二課の指令室のソファーに寝転がった。弦十郎も腰掛け、スポーツドリンクを飲んでいる。

 

「はい。ご苦労様。」

 

友里が響にスポーツドリンクを渡す。

 

「ああすいません!」

 

響はスポーツドリンクを受け取り、一気に飲む。

 

「ぷっはー!…ふぅ…あの、自分でやると決めた癖に申し訳ないんですけど、何も若き女子高生に頼らなくてもノイズと戦える武器って他に無いんですか?外国とか。」

 

「公式には無いな。戦えるとしたら、カリバーだな。」

 

「やっぱり…カリバーさん…」

 

「日本だって、シンフォギアは最重要機密事項として、完全非公開だ。政府も敢えてカリバーの存在を公開し、隠れ蓑として利用しているだろう。」

 

「そうですか…それにしても私、あんまり気にしないで結構派手にやらかしてるかも…」

 

響は苦笑いした。

 

「情報操作も二課の仕事だから。」

 

友里が響に言う。

 

「だけど、時々無理を通すから、今や我々の事を良く思っていない閣僚や省庁だらけだ。特異災害機動部二課を縮めて、特機部二って揶揄されてる。」 

 

藤尭が今の状況を皮肉を込めて言った。

 

「情報の秘匿は政府上層部の指示だってのにね…。やりきれない。」

 

友里が藤尭に続いて言う。 

 

「それに、シンフォギア以外にノイズを倒せるカリバーを捕獲して、身柄を引き渡せって閣僚や省庁だけでなく、外国政府が圧力を掛けている。」

 

「カリバーさんを捕まえてどうしようとしてるんですか?」

 

響はカリバーを捕らえてどうするのかと聞いた。

 

「前に司令が話した様に、彼の剣や本を解析して、量産化した後、兵器として利用するんだろう。」

 

「それから彼を守る為に二課に所属して欲しいって司令は頼んだけど、彼は私達の事を相当嫌ってる。」

 

響の問いに藤尭と友里は政府や閣僚の思惑について述べた。

 

「いずれシンフォギアとカリバーを有利な外交カードにしようと目論んでるんだろう。」

 

「EUや米国はいつだって伺ってるはず。シンフォギアの開発は、既知の系統から全く異なる所から発生した理論と技術によって成り立ってるわ。日本以外の国では到底真似出来ないわ。そしてカリバーの力はさらに謎。シンフォギアでも、聖遺物でも無いのにノイズを倒せる。だからなおさら欲しいんでしょう。」

 

友里はそれぞれの国の思惑について語った。

 

「結局本当は、色々とややこしいって事ですよね…」

 

響はソファーに寝そべりながら面倒くさそうに言った。

 

「あれ?師匠。了子さんは?」

 

響は了子がいない事に気づく。師匠とは、弦十郎の事だ。そして弦十郎が答える。

 

「永田町さ。」 

 

「永田町?」

 

「政府のお偉いさんに呼び出されてね。本部の安全性、及び防衛システムについて関係閣僚に対して説明義務を果たしにいっている。仕方のない事さ。」

 

「本当、何もかもがややこしいんですね。」

 

「ルールをややこしくするのはいつも、責任を取らずに立ち回りたい連中なんだが、その点、広木防衛大臣は…」

 

弦十郎は腕時計を確認する。

 

「了子君の戻りが遅れているようだな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「へっくしゅん!」

 

その了子はくしゃみをして、車を走らせていた。

 

「誰かが私を噂してるのかな?」

 

その通り、先程弦十郎が了子の帰りを気にしていた。

 

「今日はいいお天気ね〜。何だかラッキーな事がありそうな予感♪」

 

そう言うと、了子は車を走らせる。彼女の運転は…乱暴だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はっはっはっ。電話一本で予定を反故にされてしまったか。全く野放図な連中だ。」

 

夕暮れ時、走る車の中で二課について話す男性は広木防衛大臣だ。その横にメガネを掛けた秘書らしき人物が座っている。

 

「旧陸軍以来の特務機関とはいえ、いささか放縦が過ぎるのではありませんか?」

 

「それでも、特異災害に対抗しうる唯一無二の切り札だ。私の役目は、連中の勝手気ままを出来る限り守ってやる方なんだが。」

 

その言葉に秘書は自分膝に乗せられているアタッシュケースを見る。

 

「特機部二とは、よく言ったもので。」

 

そして車が、陸橋のトンネルに差し掛かった、その時…

 

突如前方から大型トラックが目の前に横切ってきた。運転士はそれに気づきハンドルを切るも、車は激突してしまう。そして後続の車2台も激突してしまう。すると、トラックの荷台から、アサルトライフルで武装した兵士が複数人降りてきた。SPは拳銃で応戦しようとするも、数は兵士の方が勝っており、次々に射殺されてしまう。広木防衛大臣は秘書が射殺されているのを見ると、アタッシュケースを取ろうとするも、窓ガラスを突き破り、手の甲に銃口が突きつけられる。

 

「広木防衛大臣と見受けましたが。」

 

兵士の1人が英語で話す。

 

「貴様ら…!」

 

 

その瞬間、兵士が引き金を引き、辺りに銃声が鳴り響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、二課では。

 

「たーいへん長らくお待たせしましたー!!」

 

了子の言葉に弦十郎と響か振り返る。

 

「何よ!そんなに寂しくさせちゃった?」

 

すると、弦十郎が口を開く。

 

「広木防衛大臣が、殺害された。」

 

「ええ!?本当!?」

 

了子は弦十郎の言葉に驚愕する。

 

「複数の革命グループから犯行声明が出されているが、詳しい事は把握出来ていない。目下全力で操作中だ。」

 

「了子さんに連絡も取れないからみんなずっと心配してたんです!」

 

響の言葉に了子はポケットからデバイスを取り出して確認する。

 

「壊れてるみたいね。」

 

響はホッとする。

 

「でも心配してくれてありがと。そして、政府から受領した秘密司令も無事よ。」

 

了子はアタッシュケースからチップを取り出し、2人に見せた。

 

「任務遂行こそ、広木防衛大臣の弔いだわ。」

 

しかし、2人は気づいていなかった。了子が持ってきたアタッシュケースに、僅かにが付着していた事に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、カリバーが抱えていた疑念が、確信へと変わる日が訪れた。

 

 

 

 

後日、二課による防衛大臣殺害グループを検挙する名目で検問を実施し、記憶の遺跡まで向かっていた。了子の車を中心に、4台の車が護衛についた。

 

 

 

 

 

「櫻井了子が怪しい…絶対何かある…。」

 

その様子をシャボン玉を通して見ていた隼人は、了子に目を付けていた。奴が本当の敵ならここで目的が分かるはず。

 

「よし、行くか。」

 

隼人は闇黒剣月闇を手にし、部屋を後にした。

 

 

響は、了子の車内で後部座席を見る。そこには、銀色のケースが置かれていた。これは完全聖遺物の1つ、デュランダル。これを二課の深淵アビスから永田町の地下1800mにある記憶の遺跡に移す、移送作戦が本命だ。上空のヘリコプターには弦十郎が乗っている。そしてそれを気づかれない様に空から追いかける赤く光る翼を背中に付けたカリバー。彼は赤紫色のワンダーライドブック、ストームイーグルの力で飛行能力を身につけているのだ。響が窓を開けて前を見る。すると、突然前方の道路にヒビが入り、崩壊した。

 

「了子さん!!」

 

響の叫びに了子はハンドルを切る。その時、車の1台が落下、爆発した。それを見る響。その時、

 

 

「しっかり捕まっててね…私のドラテクは凶暴よ…!」

 

残りの車が市街地に突入する。

 

「敵襲だ!まだ姿は確認出来てないが、ノイズだろう!」

 

了子の車に無線が入る。

 

「この展開想定していたより早いかも?」

 

その時、マンホールから水が噴き出す。了子の後ろを走っていた車が吹っ飛ばされた。それに恐怖の表情を浮かべる響。

 

「下水道だ!ノイズは下水道を通って攻撃してきている!」

 

再び無線が入る。そしてまた、車が1台吹き飛ばされる。

 

「ぶつかる〜!!」

 

その言葉と共に激突寸前、了子はハンドルを切り、激突は免れたが、落下した車は爆発した。

 

「弦十郎君?ちょっとヤバいんじゃない?この先の薬品工場で爆発したら!デュランダルは!」

 

「分かっている!さっきから護衛車を的確に狙い撃ちしているのは、ノイズがデュランダルを損壊させないよう、制御されてると見える!」

 

その言葉に了子は舌打ちをした。 

 

「狙いがデュランダルの確保なら、敢えて危険な地域に滑り込み、攻め手を封じるって作戦だ!」

 

その言葉に対して了子は弦十郎に問う。

 

「勝算は?」

 

「思い付きを数字で語れるものかよ!」

 

 

 

そして2台の車は薬品工場の敷地に突入。しかし、マンホールからノイズが出現。護衛車にへばりつく。乗っていた人間は脱出し、そのまま車は建物に激突、ノイズごと爆発した。しかし、その直後、了子の車が横転してしまう。2人は脱出するも、目の前にはノイズの大群。響はデュランダルのケースを持ち、了子と共に逃げ出した。その様子をネフシュタンの鎧を身につけたクリスが見ていた。ノイズの攻撃で車は爆発。響は転倒し、ケース投げ出してしまう。そして辺りを黒煙が包み込む。

 

「見えん!」

 

その頃、2人にノイズが襲いかかる。了子は右手を出し、バリアの様な物を出したのだ。そして了子のメガネが飛び、髪が解ける。

 

「!?アレは…!」

 

それをカリバーは弦十郎とは別の場所から見ていた。

 

「了子さん…?」

 

「しょうがないわねぇ。あなたがやりたい事をやりたい様にやりなさい!」

 

その言葉を受け、響は立ち上がる。

 

「私、歌います!」

 

決意した。そして…

 

「Balwisyall nescell gungnir tron」

 

薬品工場に響の聖詠が響く。そして、彼女は鎧を纏い、歌を歌う。そしてノイズに向かって走り出すも、ヒールを引っ掛け、転倒してしまう。

 

「ヒールが邪魔だ!」

 

響は踵を踏み砕き、ヒールを破壊した。そこへノイズが取り囲む。しかし彼女は恐れない。そしてノイズが飛びかかる。彼女は地を踏みしめ、ノイズに拳を浴びせる。そして肘や脚を駆使して次々とノイズを炭素と化す。戦う彼女の目は凛々しく、力強い。

 

「どうやら俺の出番は無さそうだな…。」

 

その様子を降りて見ていたカリバーは引き揚げようとする。しかし、ノイズがそれを許さない。いつの間にか背後にはノイズが。

 

「そうはいかないか。」

 

カリバーは闇黒剣月闇を抜刀し、ノイズの元へ歩く。そしてカリバーにノイズが飛びかかるもの、それを闇黒剣月闇で斬りさく。そしてカリバーもノイズとの戦闘に入る。

 

「こいつ…戦える様になったのか…」

 

響が戦う様子を見ていたクリスは響がここまで強くなった事に驚いていた。

 

了子が戦う響を見つめていると、デュランダルのケースが光出し、自動で開く。それを見た了子は響を見る。

 

「この反応、まさか…!」

 

響がノイズを蹴散らしていると、上から鞭が伸びてきた。それを避ける響。

 

「今日こそは物にしてやる!」

 

クリスが響の顔目掛けて飛び蹴りを放った。それを受けた響は吹っ飛ぶ。

 

「まだシンフォギアを使いこなせてない…!どうすればアームドギアを…?」

 

その時、デュランダルがケースから回転しながら飛び出し、宙に浮いた。

 

「覚醒、起動…!?」

 

その言葉と共にデュランダルが光出す。

 

「こいつがデュランダルか…!」

 

クリスが飛び上がり、手を伸ばそうとする。それを見た響はクリスにタックルを浴びせた。

 

「渡すものかー!」

 

そして、その手でデュランダルを手にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その時、不思議な事が起こった。デュランダルが光り出し、それと同時に響の顔が獣の如く凶暴な顔になり、そして一筋の赤い光が天へ伸びた。

 

 

 

ノイズを倒し終えたカリバー、クリス、そして嬉しそうな顔をする了子はその光を見た。天に掲げられたデュランダルは欠けた刃先が蘇り、錆も取れ、復活した。そして掲げる響の顔は、赤い目で真っ暗だ。しかも顔だけでなく、上半身だ。

 

「こいつ、何をしやがった…!?」

 

クリスが了子を見ると、その表情は恍惚としている。

 

「一体何が起きた…!?」

 

カリバーも、何が起きたのかさっぱり分からなかった。

 

「そんな力を見せびらかすなぁ!」

 

クリスは響に向かって光弾を放ち、ノイズを召喚する。それを見た響は、唸り声を上げながら、クリス目掛けてデュランダルを振り下ろした。 

 

「まずい、このままじゃ巻き込まれる!」

 

カリバーは身の危険を感じ、炎の渦を出して姿を消した。そしてデュランダルが振り下ろされるのを見たクリスはその場を離れる。振り下ろされたデュランダルはノイズを真っ二つにし、薬品工場の建物を一刀両断した。

 

「お前を連れ帰って…私は…!」

 

クリスはそのまま爆風に飛ばされた。

 

そして閃光と共に薬品工場一帯に大爆発と共に巨大なキノコ雲が浮かび上がった。了子は気を失った響をバリアで爆風から守っていた。

 

 

「まさか、デュランダルの力なのか…!?」

 

それを空から見た弦十郎は言う。

 

 

 

 

 

 

(何…今の力…?私…全部吹き飛べって体が勝手に…)

 

目が覚めると、薬品工場一帯は見るも無残な姿に変わり果てていた。

 

「これがデュランダルの力。あなたの歌声で起動した完全聖遺物よ。」

 

「あ、あの…私!…それに…了子さんのアレ…!」

 

「いいじゃないのそんな事。2人共助かったんだし!ね?」

 

了子は響にVサインを見せる。直後、了子の端末が鳴る。

 

「あ、はい。了解。一時中断し、撤収の準備をさせます。あっはい。デュランダルは無事ですが…」

 

何食わぬ顔で通話する了子を響は見つめていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃、爆発に巻き込まれる前に撤収した隼人は部屋で考え事をしていた。

 

「あれは一体何だったんだ…立花響の身に一体何が起きたんだ…いや、そんな事よりも、櫻井了子が出したアレは…そして奴のあの表情…」

 

そう。隼人はあの時見た了子が出したバリアが気になっていたのだ。そして一瞬見た了子のあの表情。

 

 

「間違いない…。櫻井了子が…裏切り者だ…!!」

 

 

 

 




いかがだったでしょうか?今回、カリバーとクリスが接触、そして隼人の疑念が確信へと変わる回でした。今回はここまでです。感想お待ちしています。
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