ネフシュタンの鎧を纏ったクリスが現れ、響は戦わずに説得を試みるもシンフォギアを纏った姿を未来に見られてしまう。そしてカリバーもそこへ合流。その中響はエネルギーをギアに注ぎ込み、クリスを自身の拳で一撃を与えるのであった。
「まさかこれ程の物とは…」
カリバーは響の成長に驚きを隠せないでいた。かつて自分が助けた少女が、ここまで戦える程に成長した事に。一方響の一撃をくらったクリスは、壁に打ち付けられていた。辺りには響の一撃の跡が残っている。
「何て無理筋な力の使い方をしやがる…この力、あの女の絶唱の力に匹敵しかねない…!」
クリスは響が繰り出した一撃がかつて受けた翼の絶唱に匹敵する威力だと考えた。すると、響の一撃を受けて穴が空いた所が、クリスを蝕みながら再生した。
「食い破られる前に方を付けなければ…!」
クリスがこのままではまずいと思ったその時…
「どうやらそいつは装着者自身の傷を再生する際に傷口から装者を蝕む副作用を有しているそうだな。」
クリスが前を見ると、カリバーが林の奥から歩いてきた。
「まさかこいつの特性に気づくとはな…。」
「そんな物を纏っていれば、身を滅ぼしかねないぞ?」
「くっ…!」
クリスは歯を食いしばりながら響を見ると、響は目を閉じながら歌っていた。
「お前ら揃って、馬鹿にしてんのか!私を!雪音クリスを!」
クリスは思わず響とカリバーに本名を名乗った。
「そっか。クリスちゃんって言うんだ。」
「それがお前の名前か。」
響とカリバーはクリスの前に反応した。
「ねぇ、クリスちゃん。こんな戦いもうやめようよ。ノイズと違って、私達は言葉を交わす事が出来る。ちゃんと話をすれば、きっと分かり合えるはず!だって私達、同じ人間だよ!」
響はクリスに訴える。同じ人間だから。これ以上傷つけ合いたくない。彼女と分かり合えたい。それが彼女の願いだった。
「うるせぇんだよ…ウソ臭え…!青臭え!!」
クリスは激情すると、響に向かって突っ込み、拳や蹴りを何度も浴びせる。すると、胸の穴が更にクリスを蝕み、再生していく。倒れた響は何とか立ち上がる。
「クリスちゃん…」
「これ以上の戦いは無意味だ。お前の体がもたないぞ?」
カリバーが横からクリスの前に出てくる。
「ぶっ飛べよ!アーマーパージだ!」
クリスが叫ぶと、同時に体からネフシュタンの鎧を弾け飛ばした。破片は響やカリバーに飛んでくる。響は腕で何とか防ぎカリバーは闇黒剣月闇からエネルギーの壁を作り防いだ。その威力は周囲の木を薙ぎ倒し、土煙が立ち込める。
「Killter Ichaival tron」
そして聖詠が響き渡る。
「この歌って…」
「まさか…」
響とカリバーが目の前を見ると、光球に包まれたクリスが。
「見せてやる!イチイバルの力だ!」
その言葉と共に光球が閃光を放つ。これが雪音クリスが纏うシンフォギア 、魔弓・イチイバルだ。
「イチイバルだと!?」
二課の指令室では弦十郎が驚きの声を上げる。
「アウフヴァッヘン波形、検知!」
「過去のデータ共照合完了!コードイチイバルです!」
オペレーターの言葉と共に表示される文字は…
code:Ichii-Bal
「失われた第2号聖遺物までもが、敵の手に渡っていたのか…!」
その頃…
「クリスちゃん…私達と同じ…!」
響の目の前には、黒と赤のシンフォギアを纏ったクリスの姿が。
「歌わせたな…!あたしに歌を歌わせたな!教えてやる!あたしは歌が大っ嫌いだ!!」
歌が大嫌いと豪語するクリス。
「歌が嫌い…?」
クリスは右手からアームドギアである黒いクロスボウを取り出した。そして歌いながら2人にエネルギー弓を撃つ。響はそれを走りながら避け、カリバーは炎の渦を出して姿を消した。クリスは避ける響に蹴りを浴びせ、吹っ飛んだ所にクロスボウを変形、両腕を4門の3連ガトリングに変形させると、BILLION MAIDENを放った。響に向けて歌いながらガトリングを撃って撃って撃ちまくる。その弾丸は周囲の木を薙ぎ倒す。追撃に腰部アーマーから小型ミサイルを一斉に放つ技、MEGA DETH PARTYを繰り出す。そのミサイルは響を追いかけ、周囲で次々に爆発が起きる。更にガトリングをこれでもかと撃つクリス。
そして撃ち終わり、息を荒げるクリスの目の前に巨大な盾の様なものが。
「盾か?」
「剣だ!」
上を見上げると、巨大な剣の上に翼が立っていた。
「ふん。死に絶えておねんねと聞いたが、足手まといを庇いに現れたか?」
クリスは翼を嘲笑うが、翼は動じない。
「もう、何も失うものかと決めたのだ。」
そう言って翼は剣から飛び降りると、アームドギアを刀に戻した。クリスは翼にガトリングを撃とうとすると、突然クリスの体に紫色の斬撃波が直撃する。
「ぐあああ!」
苦痛の声を上げながらクリスは地面に倒れる。前を見るとカリバーの姿が。
「私を忘れては困るな。」
「ぐぅぅ…!」
「カリバーもいたとは…」
翼はカリバーがいた事にも驚いていた。
「お前からぶっ飛ばしてやる!…っ!?何だ…!」
クリスはカリバーに向けてガトリングを撃とうと立とうとするも、何故か体が鈍く感じる。
「どうした?上手く動けないか?」
「クリスちゃんの動きが…」
「一体どうなっている?」
クリスが何故思うように体が動かないのか響も翼も分からなかった。そして、3人にカリバーが口を開く。
「教えてやる。私は相手の影を踏む事でお前の動きを制限する事が出来る。」
「何だと…!」
「カリバーさんってそんな事も出来るんだ…。」
「私の影縫いと似たような事が出来るとは…」
カリバーの思わぬ能力に、クリスは勿論響も翼も驚いていた。
「さて、遊びは終わりだ。奴の命令で私や立花響を狙ってその力を使っているんだろうが、お前自身はその力をどう使いたい?」
カリバーはクリスの首を掴み、締め付けながら持ち上げる。
「あたしは…あたしは戦争の火種を無くすんだ…!!」
クリスはカリバーを睨みつけて、自身の信念を明かす。
「フンッ…いい台詞だ。感動的だな。だが無意味だ!」
カリバーはクリスの言葉を鼻で笑い一蹴すると、首から手を離し腹を蹴飛ばした。
「争いの火種を無くすといいながら今こうして争っているじゃないか。」
「なっ…」
愕然とするクリス。彼女にとって痛い正論だった。
「前にも言ったがこの世界に人間と悪意がある限り争いは無くならん。人類の歴史は争いの歴史だ。」
「争いの…歴史…」
響はカリバーの言葉を静かに呟く。
「争いを無くす為に奴の手先になって足場を固めたつもりか?使い捨ての手駒にされてるとも知らずに。」
カリバーの言葉にクリスは更に苛立ちを見せる。
「うるさい!お前にあたしの何が分かるんだぁぁぁぁ!!」
クリスが激昂し、カリバーにガトリングを向けたその時、上から3体のノイズが落下、クリスのガトリングを破壊する。そして1体のノイズがクリス目掛けて降ってきた、それを見た響はクリスを庇い、背中にノイズが直撃する。
「立花!」
クリスは響を抱きとめて座り込み、カリバーと翼は辺りを見回す。
「お前何やってんだよ!」
「ごめん…クリスちゃんに当たりそうだったから…つい…」
「馬鹿にして!余計なお節介だ!」
クリスが響に対して余計なお節介だと声を荒げた。その時…
「命じた事も出来ないなんて、あなたはどこまで私を失望させるのかしら?」
辺りに女性の声が聞こえる。それを耳にしたカリバーと翼は声のする方向を向く。そこには夕日が見える所で3体のノイズを操りながらソロモンの杖を持つ黒い服と帽子に金髪の女性の姿が。
「フィーネ!」
クリスが声を上げる。
「フィーネ…?終わりの名を持つ者…!」
(そうか…奴が櫻井了子の正体…!)
カリバーはあの女性がクリスを利用して自分や立花響を狙っていた存在だと確信した。
クリスは響の体を投げ出すと、フィーネに対して叫んだ。投げ出された響を翼は受け止める。
「こんな奴がいなくたって、戦争の火種位あたし1人で消してやる!そうすれば、あんたの言う様に人は呪いから解放されて、バラバラになった世界は元に戻るんだろう!?」
クリスの言葉を聞いたフィーネは溜息を吐き…
「もうあなたに用はないわ。」
クリスを切り捨てた。
「!?何だよそれ!!」
フィーネはソロモンの杖を使い、カリバーと翼にノイズをけしかける。翼とカリバーは飛んできたノイズを斬り裂く。そしてフィーネは夕日の向こうへと去っていった…。
「待てよ!フィーネ!」
クリスもフィーネを追って去っていた。
ノイズを倒し終えたカリバーは闇黒剣月闇を納刀し、去ろうとする。
「待ちなさい。」
翼がカリバーを呼び止める。
「何の用だ?」
「あなた…何故あの少女が誰かの命令を受けてあなたや立花を狙っていると分かったの?」
「私の名を知っていたからだ。お前達や二課の連中しか知っていないにも関わらず雪音クリスは知っていた。」
「…っ!!まさか…!」
カリバーの言葉に翼がハッとする。かつてカリバーが弦十郎に言っていた「二課に裏切り者がいる」という言葉をあの時耳にしていたのだ。
「察しが良いようだな。風鳴弦十郎に伝えておけ。」
「櫻井了子に気をつけろ。奴が二課の裏切り者であり、フィーネの正体だ。」
いかがだったでしょうか?クリスファンの皆さんには申し訳ない…。ちょっと扱いが悪かったかもしれません…。
今回はここまでです。感想お待ちしております。