【完結】月闇絶唱シンフォギア   作:ネガ

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何とか戦闘まで書くことができました。ただ展開上こうなる事は予想してました…


第19話 月を穿つ、一撃。

4人は街に現れた4体の巨大ノイズを撃破したが、響の通信機から未来がリディアンがノイズに襲われたと言う言葉を聞いたカリバーは、フィーネの狙いに気付き、ライドガトライカーでリディアンへと向かうのだった。

 

 

 

(くそっ!!まんまと奴の罠に嵌った!!ノイズを送り込んだのは俺や立花響達を足止めする囮!!ガラ空きになったリディアンと二課を一気に叩くつもりだ!!奴はカ・ディンギルとデュランダルを使って何かを起こそうとしている!!そしてカ・ディンギルは…!!)

 

カリバーはライドガトライカーを走らせながらフィーネがノイズを街に送り込んだ理由が自分や響達をリディアンから引き離す為の囮であり、リディアンと二課がガラ空きの所を襲うと確信していた。カリバーはスピードを上げ、急ぐのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、リディアンには巨大なノイズが出現、自衛隊の隊員が自動小銃で撃つも、全く効果はない。ノイズの攻撃で戦車は粉微塵になり、辺りが爆発する。

 

 

「こっちです!早く!」

 

隊員の誘導の元、生徒達は一斉にシェルターへと避難する。その時青いノイズが口から液体を撒き散らすと、その液体からノイズを生み出した。それを見た隊員達は自動小銃を撃ちまくるも、効果はない。そこへ、緒川が車に乗ってやってきた。巨大なノイズ3体を見て、悔しそうな声を出し、拳を握った。

 

 

 

「落ち着いて!シェルターに避難してください!」

 

その頃校舎の廊下では、未来が隊員2名と共に生徒達を避難するように引率していた。

 

「落ち着いてね…。」

 

「ヒナ!」

 

安藤が未来を呼び止める。

 

「どうなってる訳?学校が襲われるなんてアニメじゃないんだからさ…。」

 

「みんなも早く避難を!」

 

3人に未来が避難をする様に言う。

 

「小日向さんも一緒に!」

 

寺島は未来も避難するよう呼びかけるが…

 

「先に行ってて。私、他に人がいないか見てくる!」

 

未来はそう言うと、走り去っていた。

 

「君たち、急いでシェルターに向かって下さい!」

 

1人の隊員が走りながら3人に避難を呼びかける。

 

「ここじゃないと、ノイズが…!」

 

その時、上からノイズが隊員の体を貫いた。貫かれた隊員はノイズもろとも炭素と化した。それを見た3人は絶望の表情を浮かべる。

 

「いやああああああああああああああああ!!!」

 

板場の悲鳴が廊下に響渡った。

 

 

 

 

 

「誰か!残っている人はいませんか!?」

 

未来は校舎内を走り回ってまだ逃げ遅れた人がいないから探していた。その直後、外で爆発が起こる。外は巨大なノイズだけでなく、地上に放たれたノイズ達がリディアンの敷地に屯っていた。そしてそこへライドガトライカーに乗ったカリバーが到着する。

 

「くっ…!手遅れだったか…!!」

 

カリバーの声を聞いてノイズが一斉に突っ込んでくる。カリバーは闇黒剣月闇を抜刀し、ノイズ達を斬っていく。

 

「学校が…響の帰ってくる所が…!」

 

未来は絶望の表情を浮かべ、ノイズ達にリディアンが壊されていく様を見ている事しか出来なかった。その時、3体のノイズが校舎の窓ガラスをぶち破り、壁に張り付いた。そして未来を見つけると、一斉に飛びかかる。しかし、すんでの所で男性が未来を抱えてかわす。その男性は、緒川だった。

 

「緒川さん!」

 

「ギリギリでした。次、上手くいく自信は無いですよ。」

 

ノイズは2人を見つけると、狙いを定めた。

 

「走ります!」2人はエレベーターに向かって走り出す。そしてノイズが入ってくる前にドアを閉め、地下へと向かった。ほっとする未来。

 

「はい。リディアンの破壊は、以前拡大中です。ですが、未来さん達のおかげで被害は最小限に抑えられています。これから未来さんをシェルターまで案内します。」

 

緒川は司令部にいる弦十郎と通話していた。

 

「分かった。気をつけろよ。」

 

「それよりも司令。カ・ディンギルの正体が判明しました。」

 

「何だと?!」

 

緒川の言葉に弦十郎は驚く。

 

「物証はありません。ですがカ・ディンギルとは恐らく…」

 

 

緒川が弦十郎に伝えようとしたその時…突如エレベーターの天井が破られた。そして弦十郎の通信機から未来の悲鳴が聞こえた。

 

「おい!どうした!緒川!」

 

通信はそこで途絶えた。

 

 

 

 

 

その頃エレベーターでは何者かが緒川さんの首を掴んでいた。

 

「こうも早く悟られるとは、何がきっかけだ?」

 

「やはりあなたが…櫻井女史…いや…フィーネ!」

 

緒川の首を掴む手の持ち主は、フィーネだった。

 

「塔なんて目立つ物を誰にも知られる事なく建造するには地下へと伸ばすしかありません…!」

 

 

その頃、カリバーはリディアン敷地内でカ・ディンギルの正体を思いながらノイズと戦っていた。

 

(地下へ伸ばす際には奴にとって都合の良い隠れ蓑へ行く為と偽ればいい…)

 

 

 

 

「そんな事が行われているとしたら…」

 

 

 

「「特異災害対策機動部二課本部…そのエレベーターシャフトこそ、カ・ディンギル…!!」」

 

カリバーと緒川は二課の司令部へと続くエレベーターシャフトがカ・ディンギルである事を確信していた。

 

「そして、それを可能とするのは…」

 

 

「フンッ!ハァァ!!」 (櫻井了子…フィーネだ…!!)

 

 

 

 

 

「漏洩した情報を逆手に上手くいなせたと思っていたが…」

 

 

そして、エレベーターが到着する。ドアが開いたと同時に緒川はフィーネから距離を取って拳銃を取り出し、3発発砲する。弾丸はフィーネの胸に命中するも、貫かずに床へと落ちた。

 

「ネフシュタン…!!」

 

フィーネはかつてクリスが纏っていたネフシュタンの鎧を纏っていた。すると、フィーネは鞭で緒川を拘束し、締め上げる。

 

「ぐああああ!」

 

「緒川さん!」

 

「未来さん…逃げ…て…!!」

 

緒川は締め上げられながらも未来に逃げる様呼びかける。

 

「っ!?」

 

しかし、未来は逃げずにフィーネの背中に体当たりをした。そして未来に振り向くフィーネ。思わず未来は怯んでしまう。するとフィーネは緒川の拘束を解き、未来に近寄る。

 

「麗しいなぁ。お前達を利用してきた者を守ろうと言うのか?」

 

「利用?」

 

フィーネの言葉に未来は一瞬驚く。

 

「何故二課本部がリディアン地下にあるのか。聖遺物に関する歌や音楽のデータをお前達被験者から集めていたのだ。」

 

フィーネは未来の唇を親指でなぞりながら言う。

 

「その点、風鳴翼という偶像は生徒を集める為によく役立ったよ。ハハハハハ…!」

 

フィーネは翼や大勢の生徒を自分の為に利用していた事を未来に伝え、笑いながらデュランダルの元へ向かおうとする。すると未来は…

 

 

 

「嘘をついても!本当の事が言えなくても!誰かの命を守る為に自分の命を危険に晒している人がいます!私は、そんな人を、そんな人達を信じてる!!」

 

未来の言葉に反応したフィーネは鋭い眼光で未来を睨みつけると、平手打ちを浴びせ、首を掴んで再び平手打ちを浴びせる。未来は床に倒れてしまう。

 

「まるで興が醒める…!!」

 

フィーネは緒川から奪ったデバイスで扉のロックを解除しようとするも、弾丸がそれを貫く。

 

「デュランダルの所へは、行かせません!!この命に代えてもです!」

 

緒川は拳銃を捨て、身構えた。それを見たフィーネは鞭を構える。

 

 

 

「待ちな。了子。」

 

「!?」

 

その時、天井を突き破り、あの男がやってきた。そう。弦十郎だ。

 

「私をまだその名で呼ぶか…。」

 

 

「女に手を上げるのは気が引けるが、2人に手を出すな。お前をぶっ倒す!!」

 

弦十郎は身構えた。

 

「司令!」

 

「調査部だって無能じゃない。カリバーがお前の正体を教えてくれた事もあり、米国政府のご丁寧な道案内でお前の行動にはとっくに気付いていた。後は炙り出す為、あえてお前の策に乗り、シンフォギア装者を全員動かして見せたのさ。」

 

カリバーと接触した後に弦十郎は二課の調査部を総動員し、フィーネの行動に気付いた弦十郎はフィーネの作戦を逆手に取って響達を現場に出していたのだ。

 

「陽動に陽動をぶつけたか…食えない男だ。そしてカリバー…奴が気付いていたとは…だが、この私を止められるとでも!?」

 

「おうとも!一汗かいた後で、話を聞かせてもらおうか!!」

 

最強対最凶の戦いが幕を開けた。

 

弦十郎はフィーネに向けて駆け出す。それを見たフィーネは鞭を伸ばすも、弦十郎はこれを避ける。さらに左の鞭を伸ばすが、ジャンプで避け、天井を掴む。そしてそこからフィーネに向かって拳を繰り出す。すんでの所で避けるも、床には穴が空いた。しかし、ネフシュタンの鎧にかすったのか、一部が砕ける。

 

「何っ!?」

 

鎧が砕けた事に驚く。フィーネは弦十郎から距離を取る。そして左肩の部分のヒビが、再生していく。

 

「肉を削いでくれる!!」

 

フィーネは2本の鞭を振るうも、弦十郎はそれを掴んだ。そして力を込めて勢いよく引きつけると、腹に拳で一撃を浴びせた。それを受け倒れるフィーネ。

 

「完全聖遺物を退ける…どう言う事だ…!?」

 

フィーネは生身の人間が何故これほどの力を持つのか分からなかった。その問いに弦十郎は答える。

 

 

「飯食って映画観て寝るッ!男の鍛錬は、そいつで十分よッ!」

 

無茶苦茶だ。そんな事であんな人間離れした事が出来る訳がない。それは典型的なニートと同じだ。しかしこの強さ。それは風鳴弦十郎がOTONAだからだ。

 

 

フィーネはソロモンの杖を構える。弦十郎は床を力強く踏み、小さな瓦礫を蹴飛ばす。瓦礫はフィーネの手に当たり、同時にソロモンの杖が離れ、天井に突き刺さる。

 

「っ!!」

 

弦十郎が飛びかかる。

 

「ノイズさえ出てこないのならッ!!」

 

弦十郎は拳を浴びせようとする。その時…

 

 

「弦十郎君!」

 

「っ!?」

 

弦十郎に一瞬、迷いが生じた。それをフィーネが見逃さない訳がない。鞭で弦十郎の体を貫いた。

 

「司令!」

 

貫かれた弦十郎は口から血を吐き、倒れた。未来の悲鳴と共に弦十郎の血が床を赤く染める。

 

「抗うも、覆せないのが定めなのだ。」

 

弦十郎からデバイスを奪い、天井に突き刺さったソロモンの杖を取ると、弦十郎に向けた。

 

「殺しはしない。お前達にその様な救済など施すものか。」

 

フィーネが扉に向かおうとしたその時、

 

 

「偉そうだな。神にでもなったつもりか?」

 

「!?」

 

声のする方向を振り返ると、リディアン敷地内のノイズを全て倒し、闇黒剣月闇を手にしたカリバーが歩いてきた。

 

 

「カリバー…!」

 

「カリバーさん!」

 

緒川と未来が声を上げる。

 

「やはり来たかカリバー…まさかお前が私の正体に気づいていたとは…」

 

「初めて接触した時にお前から力を感じた。二課の連中にしか教えていないにも関わらず、雪音クリスが私の名を知っていた事に疑問を感じた私は、二課に裏切り者がいる事に気づいた。最後にデュランダル移送作戦でお前が立花響だけに見せたあの能力を見て確信した。そしてお前に辿り着いた。」

 

カリバーは、自身がフィーネこと櫻井了子が裏切り者である事に気づいていた事をフィーネや緒川、未来と倒れた弦十郎の前で教えた。

 

「全て分かっていたという事か…あの時あの場所にお前もいたとは…」

 

「じゃああなたは…フィーネが二課に潜んでいる事にいち早く気づいて…」

 

「そんな事より、怪我人を運んだ方がいいんじゃないのか?」

 

カリバーは緒川と未来に弦十郎を運ぶ様勧めた。

 

「私達を助けてくれるんですか?」

 

未来の言葉にカリバーは、

 

「勘違いするな。私は奴を斬りに来た。お前達がいては思うように動けん。邪魔なだけだ。」

 

カリバーは緒川や未来に対して戦いの邪魔だと言う。すると未来は…

 

「やっぱり…響の言った通りですね。」

 

「何?」

 

「未来さん、ここはカリバーの言う通りにしましょう。」

 

「あ、はい!」

 

緒川は弦十郎の肩を貸すと、未来も肩を貸す。 

 

「ありがとうございます。」

 

「死にたくなかったら早く失せろ。」

 

カリバーに急かされ、緒川と未来は弦十郎を担いでその場を後にした。

 

「さて、邪魔者は居なくなった。改めてお前を斬らせてもらう。」

 

カリバーはフィーネに闇黒剣月闇の切先を向ける。

 

「丁度いい。デュランダルを頂く前に、お前の力から頂こうか!!」

 

フィーネは両方の鞭をカリバー目掛けて振るう。それをカリバーは闇黒剣月闇で鞭を斬り払い、邪剣カリバードライバーにセットされたジャアクドラゴンのページを押した。

 

【ジャアクドラゴン!】

 

そして右手から紫色の炎を放った。炎に思わず腕で顔を遮るフィーネ。

 

「ぐぅぅ…目眩しのつもりか!」

 

炎が治り、フィーネが腕をどけた瞬間、目の前にカリバーが現れ、闇黒剣月闇でフィーネの鎧を斬り裂く。

 

「ぐあああ!」

 

苦痛の声を出し、後退りするフィーネ。切り裂かれた部分が再生する。

 

「この鎧…雪音クリスが纏っていた物と同じか…!」

 

「その通り。ネフシュタンの鎧の再生能力はいかがか?」

 

言葉と共にフィーネは再び鞭をカリバーに向けて振るう。カリバーは後ろにジャンプして距離を取りながら、西遊ジャーニーを取り出して起動、闇黒剣月闇に1回スキャンした。

 

【西遊ジャーニー!】

 

【必殺リード!ジャアク西遊ジャー!】

 

【月闇必殺撃!習得一閃!】

 

着地したカリバーを見てフィーネは鞭を振るう。自分に向けられた鞭をカリバーは紫と黒色をした筋斗雲で防いで跳ね返すと同時に闇黒剣月闇に赤いエネルギーを纏わせて伸ばした。伸びた刀身はフィーネの腹に命中し、命中した勢いでドアに叩きつけられる。

 

「ぐはあああ!!」

 

「どうした?もう終わりか?」

 

カリバーはフィーネを挑発する。その言葉を聞いたフィーネは立ち上がると、

 

「…デュランダルを頂く前にお前の力を頂こうとしたが…予定変更だ。」

 

カリバーに向けてソロモンの杖を向け、床や天井、壁一面に向けて光弾を放った。放たれた光弾はノイズと化し、カリバーを取り囲む。

 

「こいつらと遊んでいろ。」

 

そう言うとフィーネは弦十郎から奪ったデバイスでドアのロックを解除すると、デュランダルが保管されている部屋へと入っていった。カリバーが追いかけようとするも、ノイズが行手を阻む。そしてドアは無情にも閉まった。

 

「おのれ…!」

 

カリバーは悔しそうな声を上げながらノイズを斬り始めた。

 

 

 

 

 

そしてフィーネはデュランダルが厳重に保管されている部屋へ入ると、中央へ向かい、ディスプレイを展開した。

 

「目覚めよ天を突く魔塔…彼方から此方へ現れ出でよ!」

 

 

 

 

 

 

その頃、緒川と未来は倒れた弦十郎を運び、二課の指令室へ辿り着いた。指令室にはノイズ出現を現す警報が響いていた。

 

 

「司令!」

 

友里が弦十郎を見て叫ぶ。

 

「応急処置をお願いします!」

 

緒川の声と共に寝かされた弦十郎の体に包帯が巻かれた。

 

「本部内に侵入者とノイズです!現在カリバーが交戦中!狙いはデュランダル。敵の正体は櫻井了子…!!」

 

緒川が険しい顔をしてキーボードを操作する。

 

「っ!!」

 

「そんな…」

 

藤尭と友里が反応する。

 

「響さん達に回線を繋げました!」

 

「響!学校が、リディアンがノイズに襲われてるの!」

 

未来が叫んだ同時に指令室が停電を起こす。

 

「何だ…!?」

 

「本部内からハッキングです!」

 

「こちらからの操作を受け付けません!!」

 

 

すると、モニターやキーボードが灰色に染まる。

 

「こんな事…了子さんしか…!」

 

藤尭はこれをフィーネの仕業だと確信する。

 

 

「響…」

 

未来は何も映らなくなったモニターを見つめるしかなかった。

 

 

その頃、フィーネが召喚したノイズを全て倒したカリバーは、デュランダルが保管されている部屋のドアを闇黒剣月闇で斬り裂き、中へ突入したが、そこにフィーネの姿は無かった。

 

「どこに行った…!」

 

カリバーはフィーネがいなくなっている事に気づき、悔しそうな声を出して闇黒剣月闇を納刀して部屋を後にし、走っていった。

 

 

 

「うっ……うんっ…!!」

 

暗闇に包まれた指令室の中で弦十郎は目を覚ました。

 

「司令!」

 

友里が起き上がった弦十郎を支える。

 

「状況は…?」

 

「本部機能の殆どが制御を受け付けません…地上及び地下施設内の様子も不明です…!!」

 

「そうか…」

 

フィーネによって二課の指令室の殆どの機能を失ってしまった事を友里は弦十郎に伝えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、夜空を赤い満月が照らす夜。未来の言葉を受けて駆けつけた響と翼、そしてクリスが目にした物は、ノイズの襲撃によって変わり果てたリディアンの校舎だった。

 

「未来…未来ー!みんなー!!」

 

響は叫ぶも、静寂の中に声だけが響き渡る。膝を突く響。

 

 

「リディアンが……っ!?」

 

翼は半壊した校舎の上に立つ了子の姿を見つけた。

 

「櫻井女史…!」

 

「フィーネ!お前の仕業か!?」

 

怒りの声を上げるクリスの言葉に反応する翼。

 

「フフフフフ…ハハハハハ!!!」

 

悪戯がバレたかの様な顔をして高笑いをするフィーネ。

 

「やはりカリバーの言った通りか!!その笑いが答えなのか!?櫻井女史!!」

 

「あいつこそ、あたしが決着を付けなきゃいけないクソッタレ!!フィーネだッ!!」

 

クリスの言葉を聞いてフィーネは嘲りに満ちた表情をし、眼鏡を外す。そして青い閃光を放ちながら姿を変える。

 

「嘘…」

 

愕然とする響。目の前にはネフシュタンの鎧を纏ったフィーネが姿を現した。

 

 

 

 

「防衛大臣の殺害手引き…デュランダルの強奪…そして、本部にカモフラージュして建造されたカ・ディンギル…俺達は全て、櫻井了子の掌の上で踊らされていた…。」

 

自分達が全てフィーネに利用されていた事を悔やみながら緒川に肩を貸してもらいながら懐中電灯で照らしながら暗い廊下を歩く弦十郎達。

 

「イチイバルの紛失を始め、他にも疑わしい暗躍もありそうですね。」

 

「了子さんにとって、全てが野望の為に使い捨てる手駒でしかなかったんでしょう…」

 

 

 

「どうだ?信頼していた仲間に裏切られた気分は?」

 

廊下から声が聞こえた。そして足音と共に仮面のスリットから赤い光を放ち、歩いてくるのはカリバーだ。

 

「カリバー…!」

 

弦十郎が声を上げる。

 

「お前達二課に所属しないで正解だったな。もし所属していたら今頃私の力が奴に利用されていただろう。まさかお前達も奴の手駒にされていたとはな。これで私がかつて味わった絶望が理解出来たか?」

 

カリバーの棘のある言葉に弦十郎は…

 

「ああ…今なら分かる。君が味わった組織や仲間に騙され、裏切られた苦しみがな…とても辛い物だと…それでも、同じ時間を過ごして来たんだ…その全てが嘘だったとは…俺には…」

 

「そんな事を言っている場合か?奴はお前達を自分の欲望の為に利用していたんだぞ?」

 

弦十郎はカリバーがかつて味わった仲間に裏切られた気持ちがとても辛い物と、そしてフィーネと過ごした時間が全てが嘘だった事に信じられないと言うが、カリバーは弦十郎達がフィーネに利用されていた事を指摘する。

 

「甘いのは分かっている。性分だ。」

 

「……」

 

「だが、君のおかげで緒川と未来君、そして俺は生きている。」

 

弦十郎はカリバーのお陰で緒川と未来と自分が生きている事を話した。

 

「緒川と未来君から聞かせてもらった。君が俺達を逃してくれたんだってな。礼を言おう。」

 

弦十郎の礼の言葉にカリバーは黙っていた。

 

「勘違いするな。私は奴を斬る為に来ただけだ。お前達が何を言おうと奴は私が斬る。」

 

カリバーはそう言うと、弦十郎達に背を向けて去ろうとすると…

 

「やっぱり響の言う通りですね。」

 

「何?」

 

未来が口を開いた。それを聞いたカリバーは歩みを止める。

 

「私、響から聞いたんです。カリバーさんが本当は優しいって。そうでなきゃ迫害を止めたり、私達を逃したしません。」

 

「私も信じています。カリバーさんが優しい事を。」

 

響の言葉に弦十郎、緒川、藤尭と友里も頷く。

 

「……そんな言葉が信じられるものか。」

 

カリバーはそう言い放つと、廊下の中の暗闇へと消えていった。

 

(何をやってるんだ俺は…こんな事してる場合じゃないだろ…!!俺は奴を斬る!!どこにいるんだ奴は…!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、響達は本当の姿を表し、ネフシュタンの鎧を纏ったフィーネと対峙していた。

 

 

「…嘘ですよね?!そんなの嘘ですよね!?だって了子さん私を守ってくれました!」

 

響は信じられなかった。目の前にいるのは今まで自分を支えてくれた人だ。そんな人がノイズを使ってリディアンを襲うはずがない。信じたくなかった。脳裏に浮かぶあの時自分をノイズからバリアを出して守った事。嘘だと言って欲しい。

 

「あれはデュランダルを守っただけの事。希少な完全状態の聖遺物だからね。」

 

フィーネは響の言葉を切り捨てる。

 

「嘘ですよ!了子さんがフィーネと言うのなら、じゃあ…本当の了子さんは?」

 

「櫻井了子の肉体は先だって食い尽くされた。いや、意識は12年前に死んだと言っていい。超先史文明の巫女、フィーネは遺伝子に己が意識を刻印し、自身の血を引く者が、アウフヴァッヘン波形に接触した際、その身に、フィーネとしての記憶、能力が再起動する仕組みを施していたのだ。12年前、風鳴翼が偶然引き起こした天羽々斬の覚醒は、同時に実験に立ち会った櫻井了子の内に眠る意思を目覚めさせた。その目覚めし意識こそが、私なのだ。」

 

つまり、櫻井了子の中に12年前からフィーネの魂が宿っていたのだ。

 

「貴方が、了子さんを塗り潰して…」

 

「まるで、過去から蘇る亡霊…!!」

 

「フフフフフ…!フィーネとして覚醒したのは私1人ではない。歴史に記される偉人…英雄…世界中に散った私達は、パラダイムシフトと呼ばれる技術の大きな転換期にいつも立ち会って来た。」

 

「シンフォギアシステム…!」

 

フィーネの言葉に翼が反応する。

 

「その様な玩具…為政者からコストを捻出する為の副需品に過ぎぬ。」

 

人々を守る力であるシンフォギアシステムを玩具とフィーネは嘲笑った。

 

「お前の戯れに、奏は命を散らせたのか!?」

 

「あたしを拾ったり、アメリカの連中とつるんでいたのも、そいつが理由かよ!!」

 

今まで起きてきた事が自分の欲望の為と知った翼とクリスは怒りを見せた。

 

「そう!全てはカ・ディンギルの為!」

 

 

フィーネの声と共に地響きが起こる。その揺れは地下のシェルターに響く揺れだ。

 

「このままじゃ、私達死んじゃうよ!もうやだよ!」

 

安藤と寺島と共に机の下に隠れていた板場は顔を腕で隠す。

 

 

 

「何…!?何が起きている!?…っ!!あれは…?!」

 

地下から外へ出たカリバーも地響きに驚き、状況が分からないでいた。だがそれもすぐに何が起きたのか分かった。そして今、天を貫く煌びやかな塔がその姿を現した。

 

「これこそが地より屹立し、天にも届く一撃を放つ、荷電粒子砲 カ・ディンギルッ!」

 

フィーネは高らかに語った。

 

「カ・ディンギル…こいつで、バラバラになった世界が1つになると?」

 

「ああ。今宵の月を穿つ事によってな。」

 

そう。フィーネの狙いは月をカ・ディンギルで撃ち抜く事だ。

 

「月を!?」

 

「穿つと言ったのか?」

 

「何でだ!?」

 

3人の言葉にフィーネは…

 

「私はただ、あのお方と並びたかった…。その為に、あのお方へと届く塔をシンアルの野に建てようとした。だがあのお方は、人の身が同じ高みにいたる事を、許しはしなかった。あのお方の怒りを買い、雷帝に塔が砕かれたばかりか、人類は交わす言葉まで砕かれる。果てしなき罰…バラルの呪詛をかけられてしまったのだ。」

 

フィーネの言葉に3人は黙り込む。

 

「月が何故古来より不和の象徴として伝えられてきたか・・・それは!月こそがバラルの呪詛の源だからだ!人類の相互理解を妨げるこの呪いを、月を破壊する事で解いてくれる!そして再び世界を一つに束ねる!」

 

 

フィーネは拳を握りしめた。するとカ・ディンギルが起動し始め、エネルギーが充填され始めた。

 

 

 

 

 

「下らん。実に下らん。」

 

響達の後ろから声が聞こえた。振り返ると、カリバーが立っていた。

 

「カリバーさん!」

 

「どうして此処に?」

 

「随分遅かったなカリバー…。だがお前の力を持ってしても私を止める事は出来ない。」

 

フィーネの言葉にカリバーは…

 

「貴様は自分の欲望の為だけに大勢の人間を騙し利用し殺し、下らん計画を成し遂げる為に月を穿とうとしている。その前にここでお前を斬り、あの塔を貴様の墓標にしてやろう。」

 

カリバーは闇黒剣月闇を抜刀する。

 

「カリバーの言う通りだ。呪いを解く…?それは、お前が世界を支配するって事か?安い!安さが爆発しすぎてる!」

 

クリスの言葉にフィーネは…

 

「永遠を生きる私が余人に歩みを止められることなどありえない。」

 

4人に自分は止められないとフィーネは豪語する。そして…

 

 

「Balwisyall nescell gungnir tron」

 

「Imyuteus amenohabakiri tron」

 

「Killter Ichaival tron」

 

 

3人の聖詠が響き渡る。そして3人はシンフォギアを纏う。

 

そして3人の元へカリバーが歩み寄る。

 

 

「カリバー…!一緒に戦ってくれるのか!?」

 

翼の言葉にカリバーは…

 

「勘違いするな。私は奴を斬る為に来ただけだ。せいぜい私の邪魔だけはするな。」

 

「カリバーさん…!」

 

響は嬉しそうに言う。

 

「ヘッ!お前こそあたし達の足引っ張んなよ!」

 

クリスは煽る様にカリバーに言う。今、1人の闇の剣士と3人の装者が終焉の巫女を止める為に、共に戦うのだ。

 

 

そして先陣を切り、カリバーは闇黒剣月闇から斬撃波を、クリスはフィーネの足元目掛けてクロスボウで矢を撃つ。それを避けて着地したフィーネに装者達が上から飛びかかり、カリバーが前方から斬りかかる。

 

 

 

 

 

 

その頃、緒川と未来は3人のクラスメートが避難していたシェルターにたどり着いていた。

 

「小日向さん!」

 

「良かった…みんな良かった…!!」

 

3人が無事な事を確認して未来は安心する。

 

「この近くの電力は生きているようです!」

 

藤尭がパソコンを立ち上げる。

 

「他を調べて来ます!」

 

緒川はまだ使える所が無いか探しにいった。

 

「ヒナ、この人達は?」

 

「あのね…」

 

「我々は特異災害対策機動部。一連の事態の終息に余っている。」

 

安藤の質問に弦十郎が答える。

 

「それって…政府の…」

 

弦十郎の言葉に顔色を暗くする板場。

 

「モニターの再接続完了。こちらから操作出来そうです!」

 

藤尭が立ち上げたパソコンのモニターには響と共にカリバーが並んでる映像が映し出された。

 

 

「響…!カリバーさん…!」

 

「「「え?」」」

 

「何だと!?カリバー!?」

 

未来の言葉に3人と弦十郎が反応する。

 

「それに、あの時のクリスも…!」

 

 

 

 

クリスはフィーネに向けて小型ミサイルを放つ技、CUT IN CUT OUTを放つも、鞭で全てを爆発させられてしまう。しかしその直後、背後にからカリバーが闇黒剣月闇を納刀し、トリガーを押す。

 

【月闇居合!】

 

そして抜刀する。

 

【読後一閃!】

 

気づいたフィーネは鞭を振おうとするも、鞭の影を踏まれていた為、動気が鈍くなる。そしてカリバーがフィーネ目掛けて斬撃波を放つ。

 

「ぐぅぅ!」

 

フィーネは腕でガードして防ごうとするも、防ぎきれずにダメージを受け、地面を転がるも、体制を立て直す。

 

そして煙から響と翼が飛びかかり、まずは響がフィーネに向けてキックを連続で放つ。フィーネが響に気を取られている隙にカリバーが接近、ジャアクドラゴンのページを押す。

 

【ジャアクドラゴン!】

 

カリバーは闇黒剣月闇を左手で逆手で持ち、右手の拳に炎を纏わせてフィーネの脇腹に一撃をくらわせた。

 

「ぐおおおおお!!」

 

怯んだ隙に翼が斬りかかり、フィーネは鞭で受け止め鍔迫り合いになる。すると、翼の刀の刀身を鞭で掴むと、刀を天へと投げ上げる。丸腰になった翼にフィーネは鞭を振るうが、翼は宙返りをして避け、回転しながら脚部ブレードで防御する。

 

「はぁぁぁぁ!!」

 

そこへ響が拳でフィーネの左腕にパンチをし、翼が離れた瞬間カリバーが闇黒剣月闇でフィーネの胸を斬り裂く。斬り裂さかれた胸の部分は砕け、それと同時に再生する。フィーネは3人から距離を取ると、ある事に気づく。

 

 

「本命はこっちだ!」

 

 

クリスが大型ミサイル2発を構えていた。そして1発を発射。それに気づいたフィーネはミサイルを鞭で撃墜した。

 

「もう1発は?!」

 

フィーネが空を見上げてると、1発のミサイルが月目掛けて飛んでいる。その先に何と、クリスが乗っていた。

 

「クリスちゃん!?」

 

「何のつもりだ!?」

 

響と翼はクリスの行動に驚く。

 

「だが!足掻いたところで所詮は玩具!カ・ディンギルの発射を止める事など!」

 

カ・ディンギルにはエネルギーが充填され、月に向けて発射されようとしていた。その時…

 

「Gatrandis babel ziggurat edenal」

 

夜空に響く1人の少女の絶唱。

 

「!!」

 

「この歌…まさか!」

 

「絶唱!?」

 

「何だと…!?」

 

「Emustolronzen fine el baral zizzl」

 

そしてミサイルからクリスは飛び降りた。

 

「Gatrandis babel ziggurat edenal」

 

クリスの周りに蝶の様な絵が描かれる。それは美しくも、切ない。

 

「Emustolronzen fine el zizzl」

 

そして歌い終わったクリスの両手の銃が、大型のレールガンへと変わり、エネルギーが充填される。そして、カ・ディンギルが月へと放たれ、同時にクリスのレールガンも火を吹く。2つのエネルギーが4人の前でぶつかり合い、閃光を放つ。そんな中、クリスのレールガンの銃身にヒビが入る。

 

「ずっとあたしは…パパとママの事が…大好きだった…!!だから…2人の夢を引き継ぐんだ…!!パパとママの代わりに…歌で平和を掴んでみせる…!あたしの歌は…!その為に…!」

 

イチイバルの鎧にヒビが入る。そしてカ・ディンギルのエネルギーがクリスのエネルギーに打ち勝ち、クリスに直撃する。地上では2本の光が消えた様子を4人は見ていた。そして、月の一部が砕ける。

 

 

 

「し損ねた!!僅かに逸らさせたのか!!」

 

フィーネは驚愕の言葉を漏らす。そして天からクリスが口から血を流しながら落ちて来た。クリスの命をかけた行動によって、フィーネの月の破壊は最小限に抑えられたのだ。

 

 

 

それを見た響の絶叫が夜空にこだました。

 

 

 

 




いかがだったでしょうか?今回はフィーネとの戦いまで書くことができました。初の共闘になりますが、蛇足の部分も有るかもしれません。コメント欄で確認しましたが、矛盾している部分があると指摘を受けたので修正していきます。
今回はここまでです。感想お待ちしています。
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