再び現れた武装組織フィーネとの戦いで、装者達はギアの出力を下げられ思うように戦う事が出来ず苦戦を強いられる。戦いの中、マリアの口から時限式、翼の口からLiNKERという言葉が出てくるが、ソロモンの杖は、奪われてしまうのであった。
「では、自らフィーネの名乗ったテロ組織は米国政府に所属していた科学者達によって構成されていると?」
弦十郎は防衛省の斯波田事務次官と通信をしていた。
「正しくは、米国連邦聖遺物研究機関F.I.S.一部職員が、統率を離れ、暴走した集団って事らしい。」
蕎麦を啜りながら斯波田は答えた。
「ソロモンの杖と共に行方しれずとなり、そして再び現れたウェル博士も、F.I.S所属の研究員…。」
「こいつはあくまでも噂だが、F.I.S.ってのは日本政府の情報開示以前より存在しているとの事だ。」
「つまり、米国と通謀していた彼女が、フィーネが由来となる研究機関という訳ですか。」
斯波田に対して緒川が答える。
「出自がそんなだからな。連中が組織にフィーネの名を冠する道理もあるのかもしれん。」
そしてまた蕎麦をすする斯波田。
「テロ組織の名に似つかわしくないこれまでの行動も……存外周到に仕組まれているのかもしれないな。」
「分かりました。こちらでまた情報を入手次第連絡します。」
「おう。頼んだぜ。」
弦十郎は通信を切った。
「さて、奴らの目的は一体何だ…そして、カリバーの言葉の意味は…」
「カリバーから何か聞いたんですか?」
「実はな…」
「マリア・カデンツァヴナ・イヴはフィーネではない?」
「あぁ。確かにカリバーは言っていた。だが理由を聞いてもすぐに分かると言って姿を消した。」
「一体どういう事なんでしょうか…」
「……。」
弦十郎は腕を組んで黙り込んだ。
一方その頃、リディアンでは待ちに待った学園祭、秋桜祭が開かれていた。大勢の生徒や人々が続々とリディアンに入っていく。そこに1人の人物が現れる。そう。隼人だ。
「学園祭か…懐かしいな。俺も高校の頃やったっけ…。」
隼人もこの世界に転生する前、高校に通っていた頃を思い出していた。ちなみに隼人のクラスは焼きそばの出店だ。その味は結構好評だったなと思い出に耽りながら入っていく。中には勿論たこ焼きやフランクフルトの出店などが並んでいた。
隼人が歩いていると…
「ねぇ、あの人見て!ちょっとかっこよくない?」
「ホントだ! ちょっとタイプかも!」
女子生徒が小声で話すのが聞こえる。何気に彼の顔は容姿は整っているのである。だが、小声で話す女子生徒の中には…
「何あのイケメン…嫌いじゃないわ!」
「私ビンッビンッにたってきちゃった!」
(おい待て! 今女子らしからぬ発言をした奴がいたぞ!?)
何処かで聞いた事のある言葉をスルーしつつも隼人はリディアンの中を進んでいった。
一方、校舎の中の橋に響がいた。
「響。」
そこへ未来がやって来る。
「未来、どうしたの?」
「どうしたの?じゃないわよ。もうすぐ板場さん達のステージが始まる時間よ。」
「えぇ!? もうそんな時間だっけ?」
未来は響の手を掴む。
「行こう。きっと楽しいよ。」
「うん。ありがと。未来。」
2人は走っていく。すると、階段に隠れていた調と切歌が響と未来の後を付けた。
「あそこのじゃがバター美味かったな〜……っ!?」
隼人は階段の影に隠れて響の後を追う調と切歌を見つけた。
(あいつら…! 何故ここに…? まさか…)
あの2人が何をしでかすのかは分からんが阻止する価値は大いにある。隼人も気づかれないように2人を尾行するのだった。
その頃ホールでは板場と寺島と安藤によるアニソン熱唱が行われていた。しかし、サビを前に鐘を鳴らされてしまい止まられてしまう。その様子を見て響や観客、他の生徒は笑っていた。
「あいつら何やってんだ?」
その頃、隼人は気づかれないよう遠くから調と切歌を見張っていた。眼鏡をかけた2人の手にはたこ焼きが。
「楽しいデスなぁ〜。何を食べても美味しいデスよ〜!」
「じーっ…」
切歌はたこ焼きを口にしつつ学園祭を楽しんでいた。そんな切歌を見つめる調。
「何デスか?調。」
所変わって学園祭の木の下。
「私達の任務は、学祭を全力で満喫する事じゃないよ切ちゃん。」
「わっ…分かってるデス! これもまた捜査の一環なのデス!」
(捜査…?)
校舎の影に隠れた隼人は切歌の言葉に反応する。
「捜査?」
「人間誰もが美味しい物に引き寄せられる者デス。学院内のうまいもんMAPを完成させる事が捜査対象の絞り込みには有効なのデス!」
(いや完全に学園祭楽しもうとしてるだけだろ…)
切歌の言葉に心の中でツッコむ隼人と頬を膨らませる調。
「…心配しなくても大丈夫デス。この身に課せられた使命は、1秒だって忘れてないデス。」
2人に課せられた使命とは…
『アジトを抑えられ、ネフィリムを成長させるに必要な餌、聖遺物のカケラもまた、二課の手に落ちてしまったのは事実ですが、本国の研究機関より持ち出したその数も残りわずか。遠からず、補給しなければなりませんでした。』
ウェルがマリア達に言う。
『分かっているのなら、対策もまた考えてると言う事?』
『対策などと大袈裟な事は考えていませんよ。今時聖遺物のカケラなんて、その辺にゴロゴロ転がっていますからね。』
ウェルの言葉に調が反応する。
『まさか、このペンダントを食べさせるの?』
『とんでもない。こちらの貴重な戦力であるギアを益々失わせる訳にはいかないでしょう?』
『だったら私が、奴らの持ってるシンフォギアを…』
『それはダメデス!』
マリアの言葉に切歌が声を上げる。
『絶対にダメ、マリアが力を使う度、フィーネの魂が強く目覚めてしまう。それは、マリアの魂を塗り潰してしまう事。そんなのは、絶対にダメ。』
調と切歌がマリアの意見に反対する。しかし、彼女達もまだ知らない。フィーネの魂がカリバーに消された事を。
『2人共…』
『だったら…どうしますか?』
『アタシ達がやるデス! マリアを守るのはアタシ達の戦いデス!』
マリアの代わりに彼女達が学園祭に潜入したのだ。
(やはり奴等の狙いは立花響達のギアか。ここでとっ捕まえて二課の連中に差し出した方が手っ取り早いが奴等と共に連行される危険がある…変身するって手もあるがそれだと騒ぎが大きくなってしまう…)
隼人は目の前にテロリスト2人が捕まえるのにどうすればいいんだと考えていた。
「とは言ったものの…どうしたものかデス…」
そこへ翼が通りすがる。それを見付けた調。
「切ちゃん鴨葱!」
調が走り出すが、慌ててそれを止める切歌。
「作戦も心の準備も出来てないのに鴨も葱もないデスよ!」
改めて翼を尾行する2人。視線を感じ振り返る翼。しかし後ろには誰もいない。顎に手を当て考える翼。再び歩き出すと、クリスが飛び出してきてぶつかる。
「いって〜…」
「雪音が…そんなに慌ててどうした?」
「追われてるんだ! さっきから連中の包囲網が少しずつ狭められて…」
「雪音も気づいていたか。先刻より、こちらを監視する視線を私も感じていた所だ。」
「気づかれたデスか?」
翼の言葉に切歌が気づかれたと悟る。
「見つけた! 雪音さん!」
数人の女子生徒が駆け寄って来る。
「お願い! 登壇まで時間が無いの!」
そしてホール。ステージには、クリスの姿が。そして彼女は恥ずかしながらも歌う。クラスメートからの以来でクリスに歌って欲しかったのだ。それは彼女が楽しそうに歌を歌うからだ。彼女の歌声がホール全体に響き渡り、生徒や観客達を魅了していた。調と切歌もだ。そしてクリスが歌い終わり、新チャンピオンとなる。そこへ、新たな挑戦者が。
「やるデス!」
2人にライトが照らされ、眼鏡を外して立ち上がる。
「アイツらは…!」
そしてクリスは刮目する。
「チャンピオンに…」
「挑戦デス!」
(あいつら…何をする気だ…?)
いかがだったでしょうか?第2章ももうすぐ折り返しとなります。まだアレも登場させていないし…中盤辺りで登場させたいと思っています。今回はここまでです。感想お待ちしています。