【完結】月闇絶唱シンフォギア   作:ネガ

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いよいよカリバーのあの姿が登場します。ただ戦闘シーンを描くのは本当に難しいです。







第31話 広がる暗雲、折れた撃槍。

ウェルとの戦いでネフィリムに左腕を食いちぎられた響は暴走して腕を再生。その後調べた結果ガングニールのカケラと体組織の融合が進んでいる事が発覚、いずれ死に至ると弦十郎から聞いた翼は響に戦場に立つなと突き放す。一方、ネフィリムの心臓を見つけたウェルは途中で響達と出会い、さらに変装した隼人もカリバーに変身し、ギアを纏った響と共に戦闘に入った。

 

 

 

 

 

 

「情報部、追跡班との交信途絶ッ!」

 

「ノイズの出現パターンも検知しています!恐らくは…」

 

「…くッ…。」

 

ウェルを追っていたのは二課の追跡班だったのだが、ウェルが召喚したノイズの餌食になってしまったのだ。

 

「翼とクリス君を現場にまわせ!何としてでもソロモンの杖の保有者を確保するんだ!」

 

弦十郎が声を上げる。

 

「ノイズとは異なる高質量のエネルギーを2つ検知!」

 

「波形の照合急ぎます!」

 

藤尭と友里の声と共にモニターに映し出される2つの文字は…

 

ANALYZE WAVE PATTERN

CALIBUR

GUNGNIR

 

カリバーとガングニールだ。

 

「――ッ、…まさかこれって…。」

 

さらに映し出されるのはカリバーと響のシルエット。

 

「カリバー…! それに…ガン…グニール、だと…。」

 

映し出される文字に呆然とする弦十郎。

 

 

(…力が…漲る…)

 

響の体に触れた落ち葉が燃える。

 

「何だと!?」

 

それを見たウェルは驚く。

 

「…この熱気…」

 

「立花さんが!?」

 

「どうなっちゃってんの?」

 

熱気が溢れるギアを纏った響を見て困惑する板場達。

 

「立花響。準備はいいか?」

 

「いつでも行けます!」

 

カリバーの問いに響は答える。

 

「いつもいつもッ!都合のいいところで、こっちの都合をひっちゃかめっちゃかにしてくれるお前達はああああーーッ!」

 

叫びながらウェルはソロモンの杖でノイズを召喚する。カリバーは闇黒剣月闇で斬り裂き、響は歌いながら己の拳と蹴りでノイズ達を次々に炭素に変えていく。2人の勢いは止まらない。

 

「いつも!いつもッ!いつも!いつもいつもいつも、もぉ!もぉ!もぉ!もぉぉッ!」

 

ウェルはただひたすらにノイズを召喚する。しかしカリバーが闇黒剣月闇を納刀し、トリガーを押す。

 

【月闇居合!】

 

そして、抜刀する。

 

【読後一閃!】

 

闇黒剣月闇から紫色の斬撃波を放ちノイズ達を粉微塵にするカリバー。ウェルも負けじとノイズを召喚する。響は右手のギアを動かしノイズを次々殴り飛ばしウェルに迫る寸前、何かが響の拳を受け止める。

 

「盾!?」

 

「何とノコギリ。」

 

防いだのは調の巨大ノコギリだった。調の後ろには切歌もいる。

 

「調ちゃん?」

 

「暁切歌も来たか。」

 

「切歌ちゃんもいるんですか!?」

 

響は後ろにはジャンプして調から距離を取りカリバーの横に立った。

 

「この身を鎧うシュルシャガナは…おっかない見た目よりもずっと、汎用性に富んでいる…。防御性能だって不足無し。」

 

「…それでも、全力の二人がかりでどうにかこうにか受け止めたんデスけどね…。」

 

アスファルトには切歌から伸びた棘が刺さっていた。

 

「ごめんね、切ちゃん…私のヒールじゃ踏ん張りが利かないから…。」

 

「いいって事デス!」

 

「全力か。ならば私も、全力を出させてもらおう。」

 

そう言うとカリバーはジャオウドラゴンを取り出した。

 

「カリバーさん、それは…?」

 

響はジャオウドラゴンを見てカリバーに聞くがすぐに分かると返される。

 

「んん…!?」

 

「何アレ…」

 

「デッカいデス…」

 

ウェルと調と切歌は分厚いジャオウドラゴンを目を見開いて見ていた。

 

カリバーは闇黒剣月闇を納刀してジャオウドラゴンを起動した。

 

【ジャオウドラゴン!】

 

【邪道を極めた暗闇を纏い数多の竜が秘めた力を解放する…。】

 

ジャオウドラゴンからライドスペルによる朗読が流れ、ジャアクドラゴンを引き抜き、ページを閉じて闇黒剣月闇を抜刀してスキャンする。

 

【ジャオウリード!】

 

ジャアクドラゴンとは違う待機音が流れ始め、カリバーはジャオウドラゴンを邪剣カリバードライバーに装填、そしてグリップエンドでボタンを押した。

 

【闇黒剣月闇!】

 

すると、ジャオウドラゴンのページが開き、中から5匹の竜の頭が現れた。カリバーの後ろから4匹の黄金の竜と神獣ジャオウドラゴンが現われ、カリバーの体を高速回転しながら包み込む。

 

【Jump out the book. open it and burst.

 The fear of the darkness.

 You make right a just,no matter

 dark joke. Fury in the dark.

 ジャオウドラゴン!】

 

 

【誰も逃れられない…】

 

 

 

「カリバーが…進化した…ッ!」

 

「何デスか…あの姿…」

 

「誰も逃れられない…?」

 

姿の変わったカリバーを見てウェル達は目を見開いて震えていた。禍々しい紫のオーラを纏うその姿に、カリバーヘルムは竜の顔を模し真っ赤な複眼に黄金の竜の鎧、背中から伸びた紫色のマント。今ここに真の力を解放した邪竜の王、仮面ライダーカリバー ジャオウドラゴンが誕生した。

 

「カ、カリバーさん!?」

 

「カリバーさんの姿が…」

 

「何アレ…ッ! 明らかに悪の魔王じゃない…!」

 

「恐ろしい姿です…!」

 

「何か…怖いんだけど…!」

 

響は勿論、未来や板場達も闇のオーラを放つカリバーの姿を見て戦慄していた。そして、その様子を見ていたマリアとナスターシャもだ。

 

「何なの…ッ!? あの禍々しい姿は…ッ!?」

 

 

 

 

 

 

 

「私を真理へと導く5匹の竜の力、思い知るがいい。」

 

「下らない…!」

 

「飾りが付いただけデス!」

 

調と切歌がカリバーを睨みつけて身構える。

 

「少し休んでいろ。」

 

カリバーは響に休んでいる様命じると2人に向けて歩き出す。調が巨大ノコギリで横からカリバーを斬り裂こうとした瞬間カリバーはノコギリのアームを掴むと力一杯引っ張り調を引き寄せると3回斬りつけ、足にエネルギーを纏わせ調の鳩尾に蹴りを浴びせて吹っ飛ばした。

 

「きゃあぁぁぁぁぁッ!!」

 

吹っ飛ばされた調は切歌の元に転がる。

 

「調ッ!! よくも調を!! お前を倒してその力を頂くデスッ!!」

 

切歌は声を荒げ鎌を取り出してカリバーに飛びかかる。それを見たカリバーは闇黒剣月闇からエネルギー波を飛ばす。切歌は鎌で受け止めようとするも間に合わず、撃ち落とされる。

 

「うあぁぁぁぁッ!!」

 

そしてそこからカリバーの蹂躙が始まった。反撃する隙を与えず一方的に斬撃を浴びせる。自分に向かって来れば4匹の黄金の竜を召喚して2人を撹乱、体当たりを仕掛けて隙が出来た所に斬撃波を浴びせる。

明らかにカリバーの戦闘力が跳ねがっているのは目に見えていた。

 

「何なんだあの力は…!! 強すぎる…!!」

 

調と切歌が一方的に攻撃される姿を見てウェルは戦慄していた。

 

「装者2人を相手にあの強さ…!」

 

「す、凄い…ッ!」

 

「ヤバすぎ…ッ!」

 

「アニメで言うならただでさえ強い敵が強化されて更に強くなったって感じね…!」

 

「板場さんの言っている事が今なら分かります…!」

 

響は勿論未来と板場達もカリバーの圧倒的強さに震えていた。その頃マリアとナスターシャはステルス機能で姿を消した飛行機で飛行していた。

 

「櫻井理論に基づく異端技術は、特異災害対策機動部の占有物ではありません。ドクターがノイズを発生させたことで、その位置を絞り込むことなど容易い…。」

 

「…だけどマム。」

 

「分かっています。こちらが知り得たということは、相手もまた然りです。急ぎましょう。」

 

「聞こえてるわね、2人とも! カリバーと戦っても勝ち目は無いわ!」 

 

マリアが2人に通信で呼びかける。

 

「ドクターを回収して、速やかに離脱…。」

 

「それはモチロン、そうなのデスが……カリバー(あいつ)を相手に、言うほど簡単ではないデスよ…。」

 

ボロボロの調と切歌の目の前には禍々しいオーラを放つカリバーが立っていた。すると響が胸を押さえて苦しみ出し、膝を突く。

 

「はぁ…はぁ…はぁ…」

 

(体内のガングニールと体組織の融合が進んでいるのか…このままでは奴の体が保たない…!)

 

カリバーは響を一瞬見る。そして彼女の胸のガングニールが体を蝕んでいる事を悟った。実は響が治療を受けた日、カリバーも弦十郎の話をシャボン玉を通して知っていたのだ。

 

するとウェルはピストル型注射器を取り出した。

 

「カリバー相手に頑張る2人にプレゼントですぅ!」

 

そして2人の首に打ち込み、緑色の液体を投与した。

 

(何を投与したんだ?)

 

慌てて離れる2人。

 

「何しやがるデスか!?」

 

LiNKER…」

 

「効果時間にはまだ余裕があるデスッ!」

 

(風鳴翼が言っていたアレか…効果時間という事はドーピングか。)

 

調の言葉にカリバーがLiNKERがドーピング剤と言う事を把握した。

 

 

「だからこその連続投与です!」

 

「!?」

 

「あの化け物に対抗するには、今以上の出力で捻じ伏せるしかありません。その為にはまず、無理やりにでも適合係数を引き上げる必要があります。」

 

「…でも、そんなことすれば、オーバードーズによる負荷で──…!!」

 

「ふざけんな!なんでアタシ達が、あんたを助けるためにそんなことを「するデスよ!!」」

 

わざと切歌の語尾を付けて言うウェル。

 

「…!」

 

「いいえ、せざるをえないのでしょう?!あなたたちが、連帯感や仲間意識などで僕の救出に向かうなど到底考えられないこと!大方、あのオバハンの容体が悪化したから、おっかなびっくり駆けつけたに違いありません!」

 

「病に冒されたナスターシャには、生化学者である僕の治療が不可欠…。さぁ、自分の限界を超えた力で、私を助けてみせたらどうですか!」

 

ウェルは自分を助ける様に2人に指差す。

 

「響ちゃんのコンディションに不調が見られます!」

 

「これは…ガングニールの浸食がもたらしているものなのか…?」

 

二課のモニターでは響のシルエットが赤くなっており、明らかに危険な状態を意味していた。

 

「――くッ、翼とクリス君はどうなっているッ!」

 

「装者二名、現場に急行中!」

 

「ですが、到着にはもう少しかかる見込みです!」

 

上空にはヘリ、道路には翼がバイクを走らせていた。

 

(立花…早まってくれるなよ…ッ!!)

 

翼は響が無事である事を祈りながらカリバーと響達の元へ急いだ。

 

「…こんのおおおお…ッ!」

 

響は痛みに耐えながらも立ち上がった。

 

 

「…ぐううッ、ううう…」 

 

苦渋の決断を迫られる調と切歌。

 

「やろう、切ちゃん…!マムのところにドクターを連れて帰るのが…私達の使命だ。」

 

「うひひひ……」  

 

ウェルは気味の悪い笑い声を出している。

 

絶唱…デスか…。」

 

「そう!YOU達歌っちゃえよ!」 

 

「適合係数がてっぺんに届く程、ギアからのバックファイアを軽減できることは過去の臨床データが実証済み!だったら、LiNKERぶっこんだばかりの今なら、絶唱歌い放題のやりたい放題ぃ!流石のカリバーも塵芥と化すゥ!!」

 

ハイテンションなウェルの言動とその狂気に満ちた顔にカリバーは仮面の中で顔を歪め苛立っていた。

 

「…くぅッ、ううう…。」

 

「やらいでか…デェェェス!!」

 

ウェルの言葉に決断を下す2人。

 

「はは…大丈夫だよね…?」

 

「当たり前です!立花さんが、こんなところでやられるはずがありません!」

 

「でも、私達がここにいれば、ビッキー達の邪魔になっちゃうよ!今のうちに避難しよう!」

 

「……。」

 

板場達はその場を離れて未来も続いて板場達に続いた。

 

 

光を放つ胸を押さえる響。すると…

 

「「Gatrandis babel ziggurat edenal」」

 

2人が絶唱を歌い出す。

 

「まさか、この歌って…絶唱!?」

 

「奴等、歌うつもりか…!」

 

「「Emustolonzen fine el baral zizzl」」

 

「──私は、あの子達にまで……」

 

その様子を見ていたナスターシャは顔を暗くする。

 

「…………!!」

 

その時響の脳裏に思い浮かぶ。2年前に自身を守る為に適合係数が下がった状態で絶唱を使い、命を散らした天羽奏を。

 

「「Gatrandis babel ziggurate edenal 」」

 

「ダメだよ…。」

 

「LiNKER頼りの絶唱は、装者の命をボロボロにしてしまうんだ!」

 

響は2人に叫ぶ。

 

「女神ザババの絶唱二段構え!この場の見事な攻略法!これさえあれば…こいつを持ちかえることだっガアァ!!」

 

「貴様は黙れッ!」

 

ハイテンションなウェルに苛立っていたカリバーは影を斬り裂いてウェルに痛みを与えた。

 

「ぐぅぅ…」

 

 

 

「使わせるか!」 

 

【ブレーメンのロックバンド!】

 

【ジャアクリード!ジャアクブレーメン!】

 

カリバーは調と切歌が絶唱を歌い終わったその時、エネルギーを纏わせた闇黒剣月闇を2人に向ける。そして2人からエネルギーが湧き出る。

 

「シュルシャガナの絶唱は、無限軌道から繰り出される果てしなき斬撃。これで膾に刻めなくとも、動きさえ封殺できれば――。」 

 

「続き、刃の一閃で、対象の魂を両断するのが、イガリマの絶唱…。そこに物質的な防御手段などありえない…まさに絶対に絶対デス!」

 

絶唱のエネルギーでそれぞれのアームドギアが変形、巨大化する。2人はカリバーと響を確実に倒せると思い、ウェルもたかを括っていたがそれは終わる。エネルギーが突然減少し、2人のアームドギアも元に戻った。

 

「…エネルギーレベルが、消滅した…」

 

「減圧…?」

 

「カリバー!! 何をしたぁぁ!? 」

 

叫ぶウェルにカリバーは口を開く。

 

「簡単な事だ。ブレーメンのロックバンドの力で絶唱のエネルギーを闇黒剣月闇で吸収しただけだ。」

 

「何ぃぃ…?」

 

カリバーを睨みつけるウェル。

 

「残念だったな。そういえば貴様、英雄になりたいんだったな。絶対に英雄になれない条件が1つあるんだが、聞きたくないか?」

 

「絶対に英雄になれない条件? そんな物があるんですか。是非聞かせて貰いたいですね!」

 

「英雄というのは、英雄になろうとした瞬間に失格だ。貴様はいきなりアウトという訳だ。」

 

カリバーはウェルに対して英雄失格の烙印を押した。

 

「僕が…英雄失格…? ふざけるなぁぁ!!」

 

激昂したウェルはカリバーに向けてノイズを放つ。

 

「無駄な事を。」

 

カリバーは邪剣カリバードライバーからジャオウドラゴンを引き抜き、闇黒剣月闇に1回スキャンした。

 

【必殺リード!ジャオウドラゴン!】

 

【月闇必殺撃!習得一閃!】

 

放たれた禍々しい斬撃波がノイズ達を斬り裂き、爆発と共に調と切歌とウェルを吹っ飛ばした。

 

「「うわあぁぁぁぁッ!!」」

 

「ぬわぁぁぁぁ!」

 

すると、その爆発を遠くに避難していた未来が見る。 

 

「みんなごめん。やっぱり響が心配。私見てくる!」

 

「小日向さん!」

 

「どうしたの!?ヒナ!そっちは!」

 

板場達の静止を無視して未来は走っていった。爆発が起きた後、2人の通信機にナスターシャから通信が入る。

 

「聞こえて?ドクターを連れて、急ぎ帰投しなさい。」 

 

「…だけど、まだ…。」

 

「そちらに向かう高速の反応が2つ!おそらくは、天羽々斬とイチイバル!」

 

操縦室のモニターには翼とクリスが纏うギアの反応が。

 

「…!」

 

「あなたたちも、LiNKERの過剰投与による負荷を抱えているのです。指示に従いなさい。」

 

「わ…分かったデス…」

 

「命拾いしたな。見逃してやる。さっさと尻尾を巻いて逃げるがいい。」

 

「っ!!」

 

カリバーの言葉に反応して睨みつける調。

 

「調…行くデスよ…。」

 

切歌と調はウェルを連れて引き上げていった。

 

「響!」

 

響の背後から未来が走ってくる。

 

「未来…どうして?」

 

「私、やっぱり響が心配で…でも良かった…!」

 

安堵の表情を浮かべる未来。それを見ていたカリバーはその場を後にした。

 

「おい!大丈夫か!」

 

そこへギアを纏ったクリスもやって来る。

 

「クリスちゃん…私は大丈…うっ!?」

 

突如、胸に激痛が走り、ギアが解除されて倒れる響。

 

「響!? どうしたの響!!」

 

「おい! 大丈夫か!?」

 

悶え苦しむ響に未来とクリスが叫ぶ。そこへ翼がバイクに乗ってやって来た。ヘルメットを脱ぎ捨て、響に駆け寄る翼。

 

「立花ッ!!」

 

苦痛に歪んだ顔で苦しむ立花を見る翼。

 

「私は、立花を守れなかったのか…。」

 

「"私は?" お前!このバカがこうなる事を分かってたのか!おい!」

 

クリスは翼の胸ぐらを掴むが、翼は何も答えない。

 

「響!響!!」

 

その後響はすぐに二課の医療施設に搬送された。応急処置を終え、幸い命に別状は無いものの、胸に埋まった聖遺物のカケラが響の体を蝕んでいる事が弦十郎の口から未来に説明された。これ以上の進行は響が人で無くなってしまう。そこで弦十郎は、陽だまりである未来に響が穏やかに日常を過ごせるようにして欲しいと頼んだ。それを聞いた未来は響を守ると誓ったのだ。

 

 

 

 

 

ウェル達の戦いの後、カリバーは自宅に戻り変身解除した。

 

「何だよこれ…! あんな簡単に装者達を…!!」

 

隼人は戦慄していた。響達の前では冷静に振る舞っていたがジャアクドラゴンとは比べ物にならない強さを持ったジャオウドラゴンの力に隼人の手は震えていた。

 

 

 

その頃、ウェルの治療を受けたナスターシャはマリアと共に湖に来ていた。

 

 

「…これまでの事で、よく分かった…。私の覚悟の甘さ、決意の軽さ…。」

 

「……。」

 

「その結末が齎す物何なのかも…。」

 

「だからね、マム…私は――。」

 

「その必要は、ありません。」

 

「…え…?」

 

調と切歌は、食材の買い出しの途中、空き地でパンを食べていた。調曰く過剰投与したLiNKERの副作用を抜き切るまではおさんどんの担当だと言う。

 

「嫌な事もたくさんあるけど、こんなに自由があるなんて…。施設にいた頃には想像出来なかったデスよ。」

 

「うん…そうだね……」

 

「……。」

 

「フィーネの魂が宿る器として、施設に閉じ込められていたアタシ達…。アタシ達の代わりにフィーネの魂を背負うことになったマリア…。」

 

マリアと調と切歌はレセプターチルドレン。親の合意無しに引き取られ、フィーネの魂が宿る器として施設で暮らしていたのだ。

 

「……。」

 

「自分が、自分で無くなる怖いことを、結果的にマリア1人に押し付けてしまったアタシたち…。」

 

調と切歌の中に罪悪感が生まれる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あなたにこれ以上、新生フィーネを演じて貰う必要はありません…。」

 

「マム!何を言うの!?」

 

「あなたは、マリア・カデンツァヴナ・イヴ…フィーネの魂など宿していない…。ただの優しいマリアなのですから…。」

 

ナスターシャの言葉を聞いてマリアは口を開く。

 

「……知ってたわ。」

 

「えぇ?」

 

マリアの知っていたという発言に声を出すナスターシャ。

 

「あの時カリバーから聞かされたの。私がフィーネと名乗った事が何故無意味なのかを。」

 

マリアはカリバーと戦った時にある言葉を耳打ちされた事をナスターシャに教えた。

 

 

『フィーネの魂はもう存在しない。 私が完全に消した。』

 

『っ!?』

 

「カリバーが…魂を消滅させた事で、フィーネの魂はどの器にも宿らなかったのですね…」

 

 

そして2人の会話を木の影に隠れてウェルが聞いていた。




いかがだったでしょうか?遂にジャオウドラゴン登場ですが、やっぱり戦闘シーンって書くのが難しいです。きりしら推しの人には申し訳ない事をしたかなと思っています。終盤のシーンは原作と少し変えてみました。

今回はここまでです。感想お待ちしています。
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