マリアにフィーネの魂が宿っておらず、カリバーの手によって消された事をウェルの口から聞いた調と切歌はウェルの方法で世界を救おうとするマリアが優しいマリアでなくなってしまう事を恐れる。そして拉致された小日向未来は、紫色のシンフォギアを纏い、カリバー達の前に突如現れるのだった。
「神獣鏡をギアとして人の身に纏わせたのですね。」
ナスターシャが操縦室に車椅子に乗ってやって来る。
「マム!まだ寝てなきゃ…!」
「あれは封印解除に不可欠なれど、人の心を惑わす力…!あなたの差し金ですね、ドクター…!」
ナスターシャは口角を上げるウェルを睨みつける。
「ふん、使い時に使ったまでの事ですよ。」
未来がカリバー達の前に来る前…
『そんなに警戒しないで下さい…。少しお話でもしませんか?きっとあなたの力になってあげられますよ。』
『私の…力?』
『そう。あなたの求めるものを手に入れる力です…!』
そう言うとウェルは未来にペンダントを差し出した。そして水槽の中に未来はマスクをつけられて入れられた。
「マリアが連れてきたあの娘は融合症例第一号の級友らしいじゃないですか。」
「リディアンに通う生徒はシンフォギアへの適合力が見込まれた装者候補たち…。つまり、あなたのLiNKERによってあの子は何も判らぬまま無理やりに――」
「ん・ん・ん~、ちぉょっと違うかな〜。」
眉間に指を当てて違うと言うウェル。
「LiNKER使ってほいほいシンフォギアに適合出来れば誰も苦労はしませんよ。装者量産し放題です。」
「なら…どうやってあの子を!」
「愛!ですよ。」
ウェルが顔を歪ませて答える。
「何故そこで愛ッ!?」
ウェルの愛という発言に思わずナスターシャは突っ込みを入れた。
「LiNKERがこれ以上、級友を戦わせたくないと願う思いを神獣鏡に繋げてくれたのですよ!やばい位に麗しいじゃありませんか!」
ウェルは天を見上げ両手を広げテンションを上げながら言う。
「ウオオオオオオオオオオォォォーーーッ!」
剣を取り出し、雄叫びを上げる未来。
「小日向がっ!」
「何で…そんな格好してるんだよ…」
「あの装者はLiNKERで無理矢理に仕立てられた消耗品…私たち以上に急ごしらえな分、壊れやすい…。」
「ウェルが小日向未来を洗脳してギアを纏わせたと言う事か。」
調の無理矢理と言う言葉でカリバーは未来がギアを纏うはずが無いと思っている。考えられるとしたらウェルが未来の響を戦わせたくないという気持ちにつけ込んだと言う事になる。
「ふざけやがって…。」
カリバーと調の言葉を聞いて顔を険しくするクリス。
「行方不明となっていた小日向未来の無事を確認。ですが…」
翼は弦十郎に通信で答える。その様子を響は指令室で見ていた。
「無事だとッ!? あれを見て無事だと言うのか!? だったらあたしたちはあのバカに何て説明すればいいんだよ!」
翼の言葉に声を荒げるクリスの声が司令室に響き渡る。
「響ちゃん…」
「F.I.S.…何て事を…!」
藤尭は未来にこんな仕打ちをした事に怒りを見せた。
「……。」
響は呆然としながらモニターに映った未来を見つめていた。
その頃、未来のヘッドギアのバイザーが閉まり、光を放つ。そしてカリバー達にスピードを上げ接近する。
「こういうのはあたしの仕事だ!」
クリスはアームドギアのクロスボウを2丁取り出し、未来の方へと接近する。未来が放つ光線をクリスは避け、飛び上がりクロスボウから多数の矢を放つQUEEN's INFERNOを繰り出す。未来は弾幕を避けつつ、海上に移動した。それをクリスは追って行った。
「隙あ…!」
隙を突いて切歌が動こうとすると、カリバーが切歌の影を踏み動きを抑制、闇黒剣月闇の切先を背中に突きつけ、翼が剣を向ける。
「りじゃ無いデスね…」
(すまない…雪音…)
クリスは海上に移動した未来をクロスボウで撃ち続けるが、未来も避けながら移動する。クリスは別の艦艇に着地すると今度は3連ガトリングを展開、BILLION MAIDENで、未来を撃ちまくる。
その様子をマリア達は上空から見ていた。
「脳へのダイレクトフィードバックによって己が意思とは関係なくプログラムされたバトルパターンを実行!さすがは神獣鏡のシンフォギア!それを纏わせる僕のLiNKERも最高だ!」
ウェルはテンションを上げて神獣鏡と自身が開発したLiNKERに付いて語っていた。
「それでも偽りの意思ではあの装者たちには届かない…。」
二課指令室の映像ではクリスが未来をガトリングで撃ち、優位になっている所が映し出されている。戦闘経験もあってかクリスが有利になっていた。
「イチイバル、圧倒しています!」
「これなら…!」
攻撃を受ける未来をただ響は見ていた。
(未来…ごめんね…)
自分が何も出来ない事に心の中で未来に謝る響の頭に手を乗せる弦十郎。
「師匠…」
未来はクリスの弾幕を避けながら移動する。クリスも艦艇から艦艇へと移動していく。その様子は米兵達も目を見開いて見ている。そしてガトリングをひたすら撃ちまくる。
「クッ…やりずれェ!助けるとは言え、あの子はあたしの恩人だ!」
クリスにとって未来は恩人だ。助ける為に戦う事に複雑な思いが立ち込める。そして未来はカリバー達のいる艦艇に戻ってくる。そこへクリスが未来目掛けてMEGA DETH PARTYを繰り出す。放たれたミサイルを未来は避けようとするが、そこへクリスがガトリングで追撃を浴びせる。未来は撃ち落とされ、ミサイルは全弾未来へ命中した。
「未来…」
心配そうに声を上げる響。
煙が上がる中、クリスが未来のヘッドギアに手を出そうとすると、
「女の子は優しく扱って下さいね? 乱暴にギアをひきはがせば、接続された端末が脳を傷つけかねませんよ。」
未来のヘッドギアからウェルの声が聞こえてきた。すると未来は立ち上がり、持っていた剣を円状に展開した。
「避けろ!雪音!」
そして展開された剣から閃光が放たれる。クリスはそれを辛うじて避け、カリバー達の元まで下がった。
「まだそんなちょせえの!」
未来は剣を収納すると、浮遊しながら大腿部から円形にギアを展開させる。そして歌を歌うと、紫色に発光し始めた。
「だったらーーー!!」
クリスも負けじと腰部のアーマーを展開、金色の光を放ち始めた。そして未来から光線、流星が繰り出される。
「リフレクターでぇぇぇ!!」
クリスは光線をリフレクターで受け止めようとする。未来が放った光線は艦艇のあちこちに命中、大爆発を起こした。クリスは光線をリフレクターで必死で受け止める。後ろには無防備の調がいるのだ。
「調! 今のうちに逃げるデス!」
切歌が調に叫ぶ。
「消し去られる前に!」
「何?」
「どう言う事だ?」
切歌の言葉にカリバーと翼が反応する。
「イチイバルのリフレクタ―は月をも穿つ一撃すらも偏光できる!そいつがどんな聖遺物から造られたシンフォギアか知らないが、今更どんなのぶっこまれたところで――…って何で押されてんだ!?」
しかし、未来の光線を受けクリスが押されていく。
「無垢にして苛烈…魔を退ける輝く力の奔流…これが神獣鏡のシンフォギア…」
「何という力だ…!」
調の声にカリバーが声を上げる。
「リフレクターが分解されていく!?」
イチイバルのリフレクターのクリスタルが次々と消えていく。そしてクリスは光線の勢いに押されていく。その時、クリスの目の前に巨大な剣が甲板に刺さる。未来の光線は翼の剣を貫いていく。
「呆けないッ!」
カリバーは炎の渦を出して一度姿を消し、切歌は横は避け、翼はクリスと調を連れ、次々に背後に巨大な剣を突き刺していく。
(横にかわせば減速は免れない…!その瞬間に巻き込まれる!)
そして光線が翼達との距離を縮める。
「追いつかれる!」
「翼ぁ!!」
指令室で響と弦十郎が叫ぶ。
「どんづまり!?」
「喋っていると舌を噛む!」
翼は目の前に大型の剣を突き刺し、そこから勢い良く登りジャンプ。間一髪かわしたのだ。そして未来は再び翼達に狙いを定める。
「やめるデス! 調は仲間!アタシ達の大切な!」
切歌が攻撃をやめるよう叫ぶが…
「… 仲間と言いきれますか?僕たちを裏切り、敵に利する彼女を。月読調を仲間と言いきれるのですか?」
飛行機ではウェルが顔を歪ませ調を仲間だと訴える切歌を通信で揺さぶる。
「っ!!」
「違う…アタシが調にちゃんと打ち明けられなかったんデス…!アタシが調を裏切ってしまったんデス…!」
「切ちゃん!」
「っ!!」
震えながら話す切歌に調が叫ぶ。ハッとする切歌。
「ドクターのやり方では弱い人達を救えない!」
「貴様は大勢の人間を切り捨てる気か?」
「……。」
調と姿を現したカリバーの言葉を聞いて翼達を見る切歌。
「そうかも知れません。何せ我々はかかる災厄に対してあまりにも無力ですからね。」
「!!」
「シンフォギアと聖遺物に関する研究データはこちらだけの占有物ではありませんから…アドバンテージがあるとすればせいぜいこのソロモンの杖…!」
ウェルは上空から米国の艦隊に向けてノイズを放った。艦上では兵士達が抵抗しようとするも、炭素化されてしまう。
「ノイズを放ったか!」
「おのれ…!!」
【こぶた3兄弟!】
【ジャアクリード!ジャアクぶた3!】
【ジャアクリード!ジャアクぶた3!】
カリバーはこぶた3兄弟を起動し、闇黒剣月闇に1回スキャンして分身を生成。さらに3人がもう一度スキャンして9人の分身を生成、他の艦艇に向かわせた。分身達は炎の渦でそれぞれの艦艇に移動しノイズとの戦闘を始めた。
「クソッタレが!」
カリバーを見てクリスも走り出す。
(ソロモンの杖がある限りは…バビロニアの宝物庫は開きっぱなしってことか…!)
そして飛び上がり、3連ガトリングとミサイルポッドを展開、回転しながら飛行ノイズに弾丸とミサイルを浴びせていく。
「ハァァァ!」
「クッ!」
その間、カリバーと翼、切歌は再び交戦する。切歌が斬りかかってきた所を翼が受け止め、カリバーが切歌を斬りつける。斬りつけられた切歌はそのまま少し3人から距離を取る。
「こうするしか、何も残せないんデス!」
「そうそう、それそれ。そのまま時間を稼いで下さい?あとは彼女の仕上げを御覧じろ。」
未来は展開したギアを収納すると、そのまま飛び上がり、移動して行った。
「このまま手をこまねくしかないのか!?」
「何処へ行くつもりだ?」
カリバーはストームイーグルを取り出して起動、闇黒剣月闇に1回スキャンした。
【ストームイーグル!】
【ジャアクリード!ジャアクイーグル!】
カリバーは背中に羽根を生成すると、未来の後を追った。本心は切歌を斬ろうとしていたが、危険な状態である未来を放っておく訳にはいかなかったのだ。そこへ二課の潜水艦が浮上する。二課には艦艇で分身カリバー達とクリスがノイズと戦っている映像が映し出されている。
「未来ちゃん、交戦地帯より移動! カリバーが追跡!トレースします!」
「未来…」
「ノイズの殲滅はクリス君に任せろ!俺たちは人命の救助にまわるんだ!」
弦十郎が叫ぶ。
艦上では翼と切歌が戦い、鍔迫り合いとなる。
(振り切る事は不可能ではない。だが、そうする訳には…。)
すると、突然海上から巨大な水柱が立つ。注目する3人。そこから出てきたのは、何と緒川だった。
「調!」
「緒川さん!」
「人命救助は僕達にまかせて!それよりも翼さんはカリバーの後に続いて未来さんの補足を!」
緒川は調を拘束すると、カリバーの後に続いて未来を追うように言った。
「緒川さん! お願いします!」
翼は切歌の鎌を蹴り上げ、距離を取る。そしてカタパルトに左足を乗せて勢いを付けて飛び去って行った。
「調!」
「切ちゃん…」
緒川は調を抱えながら、海の上を走っていた。彼も弦十郎と同じくOTONAであり、NINJAなのだ。
「アタシが消えてなくなる前にやらなきゃならない事があるデス!」
切歌は今自分に出来る事をする為に翼を追う。そしてバーニアを起動、飛び上がった。その後翼は別の艦艇に移動、切歌も翼を見つける。
「行かせないデス!」
切歌は翼を棘か付いた鎖で拘束。鎌をギロチン状に変形させた。
「やるデス!」
切歌はバーニアで加速、翼に迫る。これは相手を拘束し、確実に相手を攻撃出来る技、断殺・邪刃ウォttKKKだ。だが翼は当たる寸前に千ノ落涙で鎖を破壊し脱出した。
「お前は何を求めて!」
翼は刀を構える。
「アタシが死んでも調には忘れて欲しくないんデス!」
切歌も鎌を構える。
二課のモニターには未来とカリバーが別の艦艇で対峙していた。
「小日向未来! 何故ギアを纏った!? 何がお前を動かした!?」
カリバーが未来に問うと…
「愛、ですよ。」
ウェルが通信で答える。
「…愛?」
「級友をこれ以上戦わせたくない。その彼女の愛が神獣鏡起動に繋がったんですよ。美しいではありませんか!」
「そのギアを起動させる為に小日向未来を洗脳したと言うのか!」
ウェルの言葉にカリバーが声を荒げる。
「洗脳? とんでもない。僕は彼女の望みを叶えただけですよ? 」
「望みだと!? ふざけた事を抜かすな!貴様の下らん欲望の為の捨て駒にしているだけだろ!」
カリバーは闇黒剣月闇を構える。
「あれあれ? 今彼女は非常にデリケートなんですよ?攻撃して良いんですか? 彼女を攻撃すると、死んじゃうかもしれませんよ? もし彼女を助けたいなら、あなたの闇黒剣月闇と本を渡してもらいましょう。」
「っ!?」
カリバーはウェルの言葉に反応する。
「彼女を殺したら級友に一生恨まれるでしょうねぇ。大人しく渡せば彼女を助けてあげても良いですよ? 僕の言葉を信じて。あ!そうか! あなたは人を殺した事がありますし、人を信じられないんでしたねぇ〜!!」
ウェルの挑発でカリバーの脳裏に2年前自分が人を斬った事を思い出す。仮面の下で顔を怒りで歪ませ、闇黒剣月闇をギリギリと握りしめるカリバー。
「未来ちゃんの纏うギアより発せられたエネルギー波は聖遺物由来の力を分解する特性が見られます!」
「それってつまり…シンフォギアでは防げないって事!?」
「この聖遺物殺しをどうやったら止められるのか…」
どうすれば良いのか考える弦十郎達。すると…
「………っ!!」
閃く。響の脳裏に突破口。
「師匠!」
「何だ?」
響の目は力強く弦十郎を見つめていた。
「少女の歌には血が流れている…フハハハ…人のフォニックゲインにて出力を増した神獣鏡の輝き…これをフロンティアへと照射すれば……フッ。」
「今度こそフロンティアに施された封印は解除される…。」
マリアとウェルは人類救済の方舟フロンティア起動まであと一歩まで来ていた。
「ゴホッ!ゴホゴホ!」
突如、ナスターシャが咳き込む。
「…!!マム!」
「……!」
ナスターシャの口から血が流れ、手のひらには大量の血が付いていた。
「ぁぁ…!?ドクター!マムを!」
「…いい加減、お役御免なんだけど…仕方がない……。」
ウェルは面倒くさそうにナスターシャを連れ、操縦室を後にした。
「私がやらねば…私が……!」
その頃、クリスは艦艇に虚しく残された炭素の塊を見ていた。兵士の手であろう所に、娘を抱いた兵士の写真を見つめる。
「分かっている…。あたしが背負わなきゃならない十字架だ……」
クリスの中で罪悪感と後悔が込み上げてくる。
(くそっ…! 野郎…こんな仕打ちを…!)
カリバーはウェルの挑発で攻撃すれば死ぬかもしれないと言われ、迂闊に手を出せずにいた。すると、潜水艦の艦上に響が現れる。
「立花響…」
「一緒に帰ろう。未来。」
「帰れないよ…だって私にはやらなきゃならない事があるもの。」
未来はバイザーを開く。
「やらなきゃならないこと?」
「何をするつもりだ?」
「このギアが放つ輝きはね…新しい世界を照らし出すんだって。そこには争いもなく、誰もが穏やかに笑って暮らせる世界なんだよ?響もカリバーさんも戦う必要ないんだよ?」
「争いの無い世界…。」
「私は響に戦って欲しくない…。だから響が戦わなくていい世界を作る。その為にカリバーさんの力が必要なの。だから闇黒剣月闇と本を渡して?」
未来はカリバーの方へ向くと、闇黒剣月闇とワンダーライドブックを要求する。
「未来…。」
「目を覚ませッ!!」
カリバーが突然大声を出す。
「本当にそれがお前の本心なのか!? お前は本当は戦う事を望んでいない筈だッ!! そんな方法で世界を創造して立花響が喜ぶとでも思っているのか!?」
「カリバーさん…」
「本心だよ。 私の命と引き換えに響の未来が叶うなら、何も惜しく無い。」
未来の言葉に響はショックを受ける。しかしカリバーは…
「お前はそれで満足かもしれんが、残された立花響はどうなるッ!? お前を救えずに死なせてしまった事を一生背負い続けてしまうんだぞッ!! 奴はお前を動かす源を愛と言っていたが、お前のしようとしている事は、立花響を苦しめるだけだッ!!それは愛では無いッ!! お前は立花響の親友として、陽だまりとして、何気ない日常を過ごし、共に未来へと歩いていく!!それがお前の本当の愛じゃないのかッ!?」
「……」
カリバーの叱咤を聞いて未来は黙り込む。
「…未来、カリバーさんの言う通り、そんなやり方で作った世界はあったかいかな…?」
「……?」
「私が一番好きな世界は、未来が側にいてくれるあったかい陽だまりなんだ…。」
「でも、響が戦わなくていい世界だよ…?」
「たとえ未来と戦ってでも…そんな事させない!」
「私は響を戦わせたくないのッ!」
「ありがとう…。だけど私…戦うよ!」
「Balwisyall Nescell gungnir tron」
響は聖詠を唱え、ギアを纏った。
そして潜水艦から飛び上がる。未来も響の元へ飛び上がる。
「響ちゃん、対話フェーズBへとシフト!」
「カウントダウン開始します!」
モニターに映し出された時間は、2分40秒。響と未来は激しくぶつかる。
「立花響…」
カリバーがぶつかる2人を見ていると、目の前に大量のノイズが召喚させる。召喚したのは、勿論ウェルだ。
「休ませないですよカリバー…! 」
ウェルは醜悪な笑みを浮かべた。空からも大量の飛行ノイズが編隊を組み、襲いかかってきた。
「やむを得ん…!」
【ジャオウドラゴン!】
カリバーは極力使うのを避けてきたジャオウドラゴンを起動し、闇黒剣月闇にスキャンした。
【ジャオウリード!】
【闇黒剣月闇!】
【Jump out the book. open it and burst.
The fear of the darkness.
You make right a just,no matter
dark joke. Fury in the dark.
ジャオウドラゴン!】
【誰も逃れられない… 】
5匹の竜がカリバーの体を包み込み禍々しいオーラと共にカリバーはジャオウドラゴンへ姿を変え、ノイズ達を斬っていく。上空では響の拳と脚、未来の剣がぶつかる。2人は潜水艦に着地。
(熱い…体中の血が沸騰しそうだ…!)
響は息を荒げ、体は熱が出ている。
『君の力で未来君のギアを解除する…だと!?』
『私がやりますッ!やってみせますッ!』
『だが君の身体は!』
『カリバーさんも翼さんもクリスちゃんも戦っている今、動けるのは私だけです!死んでも未来を連れて返りますッ!』
響は死んでも未来を連れて帰ると弦十郎に言った。
『死ぬのは許さんッ!』
『じゃあ死んでも生きて帰ってきますッ!それは……絶対に絶対ですッ!』
『過去のデータと現在の融合深度から計測すると、響さんの活動限界は…2分40秒になります!』
2分40秒。あまりにも短い時間だった。
『たとえ微力でも私達が響ちゃんを支えることが出来ればきっと…。』
『オーバーヒートまでの時間はごく限られている。勝算はあるのか?』
『思いつきを数字で語れるものかよ!』
弦十郎がかつて了子に言った言葉だ。
そして響は未来にひたすら攻撃を加える。未来も負けじと応戦。そして肩の鞭を響に伸ばす。それをガードする響。
『胸に抱える時限爆弾は本物だ!作戦超過、その代償が確実な死である事を忘れるなッ!』
弦十郎の言葉が脳裏によぎる。
(死ぬ…私が死ぬ!)
(死ねるかぁぁぁぁーーーッ!)
響は鞭を振り払い、サスペンションを展開して未来に膝蹴りを浴びせる。未来は距離を取り、流星を放つ。響はジャンプで避け、光線は艦艇に命中し、大爆発した。
未来はビット兵器の様な物で響に光線を放つ。響は避ける。その時、マリアが飛行機から大量のシャトルマーカーを射出した。
そして響の胸のカケラが疼き始める。
「まもなく危険域に突入します!」
タイムリミットは残り約20秒だ。刻一刻と迫る。
「戦うなんて間違っている。戦わない事だけが本当に暖かい世界を約束してくれる。戦いから解放してあげないと…。」
「ぐっ…ぐぅッ!グッ!ウァァ…!」
その時、響の胸や体から肥大化したガングニールの破片が飛び出す。
「違う!私がしたいのはこんな事じゃない!こんな事じゃないのにぃぃーー!」
未来の叫びと共に顔から血管が浮かび、バイザーが開く。
(誰が未来の身体を好き勝手にしてるんだ!!)
未来の光線を避けつつ接近、そして未来を抱きしめた。
「離して!」
「イヤだ!離さない!もう二度と離さない!」
「響―――ッ!」
そこへ円状に並んだシャトルマーカーがレーザー光線を放つ。
「離さない!」
「絶対に!絶対にぃーッ!」
「来る!フロンティアへと至る道!」
マリアは機器を操作した。円錐状に放射させる光。
「そいつが聖遺物を消し去るって言うのなら…」
「こんなの脱いじゃえ!未来ーー!!!」
その時、フロンティア復活の為の光弾が発射、2人に直撃した。そして光は海へと放たれる。直後に眩い光と共に海底から光の柱が立つ。
「っ!? アレは…!」
ノイズを倒し終えたカリバーが光の柱を見て言う。二課の指令室でも弦十郎と藤尭が光を見る。操縦室のマリアもだ。
「…?!」
「……!」
「作戦成功…なのか…?」
「作戦は成功です。封印は解除されました!さぁ、フロンティアの浮上です!」
ウェルが指差す先から巨大な遺跡が浮上した。今ここに、人類救済の方舟、フロンティアが蘇ったのだ。
「何が起きたのだ…」
呆然とする翼の背後から3発の銃声が響き、翼は倒れる。翼が振り返ると…
「雪音…!?」
翼に発砲したのは、雪音クリスだった。
「さよならだ。」
いかがだったでしょうか? 考えたら結果、台詞等が薄っぺらくなったりして、お粗末な文章になってしまいました…第2章最後も荒唐無稽だったり読者の皆様が納得いかない結果になってしまうかもしれません…。G編最終回を少しだけ見てみたんですが、装者が宇宙に行く所がありますがカリバーって宇宙行けるのかな…闇の力を纏えば行けるのかな…後はバビロニアの宝物庫とソロモンの杖をカリバーの力で消滅させようと言う案もありますが、GX以降って普通のノイズって出ないんでしたっけ…?とにかく解決しなければならない問題が山積みです。
今回はここまでです。 感想お待ちしています。