【完結】月闇絶唱シンフォギア   作:ネガ

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今回フィーネの魂が消滅した事で調と切歌の戦闘は改変する事となりました。きりしら推しのファンの人に納得していただけるかどうか不安です…。








第36話 交わる想いと、復活の撃槍。

フロンティア浮上によってウェルが月と地球の距離を縮めてしまい、クリスも二課を裏切ってしまう。マリアとウェルを止める為、響は走り出し、翼と調はそれぞれクリスと切歌と全力でぶつかる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翼はクリスの弾丸を大型化させた刀で跳ね返し、蒼ノ一閃を放つ。しかし、クリスが上から2丁拳銃で発砲。翼は弾丸を斬り裂き、刀を元に戻す。

 

「何故弓を引く!? 雪音!」

 

翼はカリバーが何故クリスが裏切ったのかは聞いた。しかし、それでも疑念が晴れずに問いかけるが、クリスは銃口を向けたまま何も答えない。

 

「その沈黙を、私は答えと受け取らなければならないのか!?」

 

クリスは走り出し、翼の斬撃を避けて後ろから銃撃する。そして斬りかかってくる翼の刀を受け止めた。

 

「何を求めて手を伸ばしている!?」

 

そしてまた銃撃と刀の応酬。

 

「あたしの十字架を他の誰かに背負わせる訳にはいかねぇだろ!」

 

クリスの言葉を聞いて疑念が確信へと変わる。

 

「やはりカリバーの言った通りか………ん?」

 

クリスの首に赤く光る首輪が巻かれていた。

 

「あれは…! ぐぁぁっ!!」

 

クリスの銃撃を受けて翼は吹っ飛ばされた。

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、調は巨大な丸鋸2枚を展開し、切歌も鎌を構えていた。

 

「切ちゃんが生きている内にってどういう事?」

 

「アタシはこの先戦いで死ぬかもしれないデス。だからせめて、アタシが生きた証をドクターのやり方で残すんデス。」

 

切歌の言葉に調は…

 

「だったら私は切ちゃんを止める。大好きな切ちゃんを死なせない為に全力で。」

 

「大好きとか言うな! アタシの方が調がずっと大好きデス! だから、大好きな人達がいる世界を全力で守るんデス!」

 

感情的になって鎌を構える切歌。

 

調は丸鋸を回転鋸をローターに変形、緊急φ式 双月カルマを放とうとする。切歌も負けじと肩のアーマーから鎌の刃を4本展開、封伐・PィNo奇ぉで迎え撃つ。

 

 

「「大好きだって…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

言ってるでしょーーーーーー!!!」」

 

 

回転鋸と鎌の刃が激しくぶつかる。2人の全力がぶつかる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、弦十郎と緒川は潜水艦に格納されているジープに乗り込んでいた。

 

「世話の焼ける弟子のおかげでこれだ」

 

「きっかけを作ってくれたと、素直に喜ぶべきでは?」

 

すると、突然アラームが鳴り響く。藤尭だ。

 

「司令!」

 

「どうした?」

 

「出撃の前にこれを見て下さい!」

 

緒川がタブレットを取り出すと、マリアの姿が映し出された。

 

「私は、マリア・カデンツァヴナ・イヴ。月の落下がもたらす災厄を最小限に抑える為、フィーネの名を語った者だ。三か月前……」

 

「フロンティアから発信されている映像情報です。世界各地に中継されています」

 

「この期にF.I.S.は、何を狙って……」

 

映像のマリアを睨む弦十郎。マリアの演説は世界中に中継されている。その映像を国民は勿論板場達も見ていた。

 

 

 

その頃、制御室にナスターシャは1人マリアと通信で話していた。

 

「月を…私の歌で…?」

 

「月は、地球人類より相互理解を剥奪するため、カストディアンが設置した監視装置……ルナアタックでカリバーによって修復されたものの、一部不全となった月機能を再起動出来れば、公転軌道上に修正可能です……ッ?! ゴホッ!ゴホッ!」

 

既に残された時間が少ないナスターシャは吐血する。

 

「マム!? マム!!」

 

 

 

「あなたの歌で、世界を救いなさい……!」

 

ナスターシャは血を吐きながらもマリアに世界を救う様言った。

 

「全てを偽ってきた私の言葉が、どれほど届くか自信はない。だが、歌が力になるという真実だけは、信じて欲しいッ!」

  

マリアは目を瞑る。そして…

 

「Granzizel Bilfen Gungnir Zizzl」

 

世界中の人間の前で、かつて革命を起こした様にギアを纏った。

 

 

 

「私一人の力では、落下する月を受け止めきれない……!だから力を貸して欲しい! 皆の歌を、届けて欲しい!」

 

この星の人類を救う為、マリアは歌う。力強く歌う。彼女の歌に同調するかの様に、ギアが赤く輝き始めた。

 

(セレナが助けてくれた私の命で、誰かの命を救って見せる。それだけが、セレナの死に報いられる!)

 

そうだ。これが今は私の出来る事。最愛の妹に助けられたこの命で今度は自分が命を救う番だ。その信念を胸に彼女は歌う。

 

「緒川!」

 

「分かっています!この映像の発信源を辿ります!」

 

緒川はマリアの歌が流れる中、アクセルを踏み込みジープを発進させた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃響はマリアがいるブリッジ目指して走っていた。

 

 

(誰かが頑張っている……!私も負けられない……!進む事以外、答えなんてある訳無い!)

 

するとその時、後ろから咆哮と共にライオンセンキが飛び出し、響の目の前に勢い良く着地した。

 

「青いライオン!?…っ!!カリバーさん!」

 

ライオンセンキに驚く響だが、カリバーの姿を見て落ち着きを取り戻した。

 

「ギアも纏わず飛び出してくるとはな。マリア・カデンツァヴナ・イヴの元へ行くのか?」

 

「はい! 調ちゃんと約束したんです! マリアさんを止めるって!」

 

響の言葉を聞いたカリバーは…

 

「フッ。丁度良い。私も奴に用がある。なら行くぞ。」

 

「一緒に行ってくれるんですか!?」

 

「勘違いするな。お前と目的が同じだけだ。それにお前を死なせる訳にはいかないからな。」

 

カリバーはあくまで響と目的が一緒だと言うが、心の中ではギアも纏わず飛び出した響を放っておけず、彼女を死なせる訳にはいかなかったのだ。

 

カリバーの言葉を聞いて響は表情を明るくする。

 

「ありがとうございます!」

 

「ならさっさと乗れ。」

 

「はい!」

 

響はライオンセンキに乗り、後ろでカリバーの腰に手を回した。

 

「行け!」

 

カリバーの声と共にライオンセンキは咆哮を上げ、走り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、翼はクリスの銃弾を刀で次々に弾いていた。弾かれた弾丸を見て舌打ちをするクリス。その様子をウェルは高みの見物。ソロモンの杖を揺らしながらニヤニヤししていた。

 

 

 

 

「さっさと仕留めないと、約束の玩具はお預けですよ?」

 

(ソロモンの杖…人だけを殺す力なんて、人が持ってちゃいけないんだ!)

 

通信機から聞こえてくるウェルの声がクリスを焦らす。点滅する首輪を翼は睨む。

 

(あれが雪音を従わせているのか…!)

 

そして互いにアームドギアを構える。

 

「犬の首輪をはめられてまで、何をなそうとしているのかッ!?」

 

「汚れ仕事は、居場所の無い奴がこなすってのが相場だ。違うか?」

 

翼は小さく笑みを浮かべる。

 

「首根っこ引きずってでも連れ帰ってやる。お前の居場所、帰る場所に。」

 

翼の言葉に反応するクリス。

 

「お前がどんなに拒絶しようと、私はお前がやりたいことに手を貸してやる。それが、片翼では飛べぬことを知る私の、先輩と風を吹かせる者の果たすべき使命だ!」

 

(そうだったよね、奏……)

 

(そうさ!だから翼のやりたい事は、あたしが、周りのみんなが助けてやる!)

 

翼の中に亡き天羽奏の言葉がよぎる。

 

クリスが涙を目に浮かべながら叫ぶ。

 

「その仕上がりで偉そうな事をッ!」

 

「何をしているのですか?その首のギアスが爆ぜるまでもう間もなくですよ?」

 

クリスはウェルの言葉に従うしかなかった。その時…

 

「風鳴…先輩…!」

 

「!?」

 

何と、クリスの口から先輩という言葉が飛び出してきたのだ。これには翼も驚いていた。今まで自分の名を呼んでこなかったのに。どうして。

 

 

「次で決めるッ!昨日まで組み立ててきた、あたしのコンビネーションだッ!」

 

「ならばこちらも真打をくれてやる!

 

そして2人は全力でぶつかり合う。お互いに必殺技の応酬だ。

 

「ああああっ!!」

 

「ぐぁぁぁぁ!!」

 

そしてお互いの必殺技を受け、爆発が起きた。

 

「イヤッホオオオオオオオオウウウ!!願ったり叶ったりぃ~!!!してやったりぃ~!!!! 」

 

ハイテンションになったウェルはソロモンの杖を片手にまるで子供の様に叫んで飛び跳ねた。

 

 

 

その頃、ジープに乗って向かっていた弦十郎と緒川は友里から翼とクリスのギアの反応が消えた事を通信で聞いていた。

 

「天羽々斬とイチイバルの反応……見失いました……」

 

「翼……クリス君……」

 

弦十郎は目を瞑る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、調と切歌も必殺技の応酬でぶつかり合っていた。調の非常Σ式 禁月輪に対して切歌は一対の鎌を組み合わせて高枝切りばさみの様に作り、双斬・死nデRぇラで迎え撃ち、調の攻撃を受け止める。

 

「どうして分かってくれないんデス! ドクターのやり方じゃないと、調も世界も救えないんデス! 」

 

「分かってないのは切ちゃんだよ! ドクターのやり方じゃ大勢の人が犠牲になっちゃうの!! 私はもう人が死ぬのを見たくないの!! その為に切ちゃんを止める! 」

 

「調はカリバーとあいつに騙されてるだけデス! 目を覚ますデス!」

 

「目を覚ますのは切ちゃんだよ!」

 

そしてまたお互い必殺技を繰り出し、ぶつかる。大好きな人を守る為。2人は全力でぶつかる。そしてお互いを見据える。

 

「切ちゃん、どうしても引けないの?」

 

「引かせたいのなら、力尽くでやってみせると良いデスよ!」

 

切歌は調にある物を投げる。LiNKERだ。

 

「ままならない思いは、力尽くで押し通すしかないじゃないデスか……!」

 

切歌は迷いなく首に突き刺し投与。調も投与した。そして…

 

「「Gatrandis babel ziggurat edenal」」

 

2人が奏でる絶唱。

 

「「Emustolronzen fine el baral zizzl」」

 

大好きな人を守る為、大好きな人を止める為に歌う。

 

「「Gatrandis babel ziggurat edenal」」

 

お互い全力でぶつかる為に。

 

「「Emustolronzen fine el zizzl」」

 

フォニックゲインが溜まり、切歌が言う。

 

「絶唱にて繰り出されるイガリマは、相手の魂を刈り取る刃ッ!分からず屋の調から、ほんの少し負けん気を削ればッ!」

 

鎌を突き刺し、持ち手が長くなりブースターが装着された巨大な大鎌を構える。

 

「分からず屋はどっち…!?私の望む世界は、切ちゃんもいなくちゃダメ!寂しさを押し付ける世界なんて、欲しくないよ!」

 

調のギアが巨大化、丸鋸が装備された巨大なロボットの様な形となる。

 

「アタシが、調を守るんデス! たとえ全てを敵に回して、この命を投げ出しても!」

 

大鎌にエネルギーが充填され、緑色の光となり高速回転しながら突っ込む切歌。

 

「ドクターのやり方で助かる人達も……私と同じように、大切な人を失ってしまうんだよ!?」

 

調も負けじと丸鋸にエネルギーを纏わせ、切歌の攻撃を弾く。

 

「そんな世界に残ったって、私は二度と歌えない……!」 

 

「でも、それしかないデス!そうするしか無いデスッ!……例え私が調に……嫌われてもぉぉッ!!」

 

切歌の一撃で右腕の丸鋸と腕が破壊され、粉々に砕け散る。

 

「切ちゃん…もう戦わないで…!私の大好きな切ちゃんを奪わないでぇぇぇ!!」

 

涙を浮かべた調の左腕のギアが叫びに共鳴し、エネルギーを纏って切歌の大鎌の刃を砕いた。

 

「あっ…!!」

 

呆気に取られて着地する切歌に丸鋸を突きつける調。

 

「勝負…ありだよ…!」

 

切歌は尻餅を突いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてライオンセンキに乗ったカリバーと響は、フロンティアの遺跡の階段を駆け上がり、その入り口まで来た。

 

「…行くぞ。」

 

「はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ブリッジでは、力の限り歌い終わったマリアが息を切らしていた。その様子を世界中の人間達が見守っていた。

 

 

「月の遺跡は依然沈黙……」

 

ナスターシャは無情にも現実を突きつける。膝を付くマリア。

 

「私の歌は、誰の命も救えないの……?セレナッ……!」

 

ボロボロと涙が溢れる。自分が情け無い。自分のせいで人類が、世界が滅亡しようとしている。

 

啜り泣くマリアを街頭テレビで板場達は見ていた。

 

「この人、ビッキー達と同じだね……」

 

「うん、誰かを助けるために……」

 

「歌を歌うなんて……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃ウェルは翼とクリスとの戦いで出来た巨大な穴の中に入っていた。

 

「シンフォギア装者は僕の統治する新世界には不要……!」

 

慎重に入るウェルだが足を滑らせてしまい、情け無い声を出して滑る。

 

「その手始め目にぶつけ合わせたのですがぁ……こうもそうこうするとは……チョロすぎるぅ~……ああ?」

 

ウェルの目の前には横たわる翼の前に佇むボロボロのクリス。

 

「はぁぁ!?」

 

思わず声を上げるウェル。

 

「約束通り、二課所属の装者は片づけた……だから、ソロモンの杖をあたしに…」

 

クリスは振り向き、右手を差し出すがウェルは最初から渡すつもりはなかった。

 

「こんな飯事みたいな取引に、どこまで応じる必要があるんですかねぇ? ええ?」

 

ウェルは顔を歪ませてスイッチを取り出して押した。しかし、爆発しない。何度押しても結果は変わらない。

 

「何故爆発しない!?」

 

「壊れてんだよ。約束の反故とは悪党のやりそうな事だ。」

 

クリスは首輪を破壊する。ウェルは腰を抜かしてしまうが、ソロモンの杖でノイズを召喚する。 

 

「今更ノイズ…!」

 

クリスはアームドギアを構えようとするが、体に激痛が走る。辺りには赤い煙が出ていた。

 

「Anti-LiNKERは忘れた頃にやってくる…!フヘヘヘヘヘ…!」

 

そう。フィーネのアジトに突入した時にギアの出力が下がり、力が出なかったのはAnti-LiNKERの影響だったのだ。

 

「なら…ぶっ飛べ! アーマーパージだ!!」

 

クリスの声と共にイチイバルの装甲が粉砕し、ノイズ目掛けて放たれる。

 

「ひゃぁぁぁぁ!!」

 

ウェルは慌てて岩影に隠れる。ノイズ達は次々と炭素と化していく中、ウェルが顔を覗かせると、全裸になったクリスがソロモンの杖をウェルの手から弾き飛ばす。そしてクリスとウェルを取り囲むノイズ。悲鳴を上げるウェルは尻餅を付くが、クリスは叫ぶ。

 

「先輩ッ!」

 

その時、千ノ落涙がノイズ達を次々と貫く。クリスの目の前にはギアを纏い刀を持った翼が立っていた。

 

そのギアは……!馬鹿な!Anti-LiNKERを抑えるため、敢えてフォニックゲインを高めず、出力の低いギアを纏うだと……!?そんな事が出来るのかッ……!」 

 

驚愕するウェルにクリスは当たり前の様に答える。

 

「出来んだよ…!そういう先輩だ……!」

 

そして翼は歌いながらノイズ達を斬っていく。

 

「付き合ってられるかッ!!」

 

ウェルはそのまま逃走した。彼を追わずに翼は刀に炎を纏わせ、ノイズ達を全滅させる。そしてクリスも制服の姿に戻り、彼女の手にはイチイバルのペンダントが握られていた。ギアを解除した翼はクリスに近づく。

 

 

 

「回収完了。これで一安心だな」

 

ソロモンの杖をクリスに渡した。クリスが顔を赤くする。

 

「一人で飛び出して、ごめんなさい……」

 

「気に病むな。私も一人は何も出来ない事を思い出せた。何より……こんな殊勝な雪音を知ることが出来たのは僥倖だ。」

 

恥ずかしくなってさらに顔を赤く染めるクリス。

 

「それにしたってよぉ……なんで、あたしの言葉を信じてくれたんだ?」

 

そっぽを向くクリス。

 

「雪音が先輩と呼んでくれたのだ。続く言葉を斜めに聞き流すわけにはいかぬだろう?」

 

「それだけか?」

 

「それだけだ。さぁ、カリバーと立花に合流するぞ。」

 

そんな翼の背中を見ながらクリスも向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、逃走したウェルはエレベーターの様な物でブリッジへと向かっていた。

 

 

「クソッ!ソロモンの杖を手放すとはッ……!こうなったらマリアをぶつけてやるッ!」

 

ウェルは屈辱で顔を歪ませていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、全力でぶつかった調と切歌はギアを解除してお互いを見つめていた。

 

「どうしてとどめを刺さなかったんデスか? アタシは調を…」

 

「その必要は無いから。私は切ちゃんに生きて欲しいの。」

 

「アタシだって調に生きて欲しいんデス!だから命を投げ出しても…!」

 

するとその時、調が切歌に平手打ちを浴びせ、抱きしめた。

 

 

「死んじゃダメ!! 私にとって切ちゃんはかけがえの無い存在なの!! 例えドクターのやり方で世界を守っても、私は切ちゃんのいない未来なんて考えられない!! 」

 

「調…」

 

ここまで感情的になった調に戸惑う切歌。

 

「私は大人になりたい!! マリアみたいな素敵な大人になって、切ちゃんと一緒に未来を生きたい!! だから1人で苦しんでいるマリアを止めたいのッ!! この星の人々を守りたいの!!」

 

 

調は涙を流しながら心の中の思いをぶちまけた。

 

「調……うぅ……」

 

調の思いを聞いて切歌も涙がボロボロと溢れる。

 

「切ちゃん…もう良いんだよ…私の為にそんな辛い思いをしなくても…だから…笑って…」

 

調は切歌の目をじっと見ながら涙を流す。そして切歌は調を抱きしめ、号泣した。涙を流しながら泣いた。

 

「アタシだって…調と未来を生きたいデス! でも…!」

 

マリアと共に世界を敵に回してしまった切歌が自分にはその資格は無いと言おうとするが…

 

「大丈夫だよ。 今からでも遅くないから。みんなが私を助けてくれている……だから切ちゃんの力も貸して欲しい……一緒にマリアを救おう?」

 

「あ……うん……!今度こそ調と一緒に、みんなを……助けるデスよ……!」

 

 

全力でぶつかった2人はお互いの思いを受け止め、苦しんでいるマリアを止めると誓ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「マリア、もう一度月遺跡の再起動を……!」

 

「無理よ……!私の歌で世界を救うなんて……!」

 

月の落下を防げなかったマリアは心が折れ、泣いていた。

 

「マリア……!月の落下を食い止める、最後のチャンスなのですよ……!」

 

そこへウェルがやって来る。かなり苛立ちを見せた様子で。

 

「この野郎ッ!!」

 

「あぁ!」

 

ウェルは左腕の裏拳でマリアを殴り飛ばす。

 

「月が落ちなきゃ、好き勝手出来ないだろうがッ!」

 

そう吐き捨てると、球体の元へ向かい、手を触れるウェル。そして再び光を取り戻す。

 

「マリア!」

 

「あぁん!?」

 

ナスターシャの声にウェルは声を荒げる。

 

 

 

「やっぱりオバハンか!」

 

「お聞きなさいドクターウェル!フロンティアの機能を使って収束したフォニックゲインを月へと照射し、バラルの呪詛を司どる遺跡を再起動出来れば、月を元の起動に戻せるのですッ!」

 

ウェルはナスターシャの言葉を無視して操作を続ける。

 

「そんなに遺跡を動かしたいのなら!あんたが月に行ってくればいいだろッ!!」

 

ウェルは球体からフロンティアの遺跡に指示を出すと、ナスターシャのいた制御室のあった場所が突然打ち上がり、月へと上昇を始めた

 

「マムッ!」

 

「有史以来、数多の英雄が人類支配をなし得なかったのは、人の数がその手に余るからだッ!だったら支配可能なまでに減らせばいい!英雄である僕だからこそ気付いた必勝法! 僕ってあったま良い〜!!!フハハハハハハハハハハ!!」

 

高笑いをするウェルにマリアは立ち上がり、槍を構える。

 

「よくもマムをッ!!」

 

「手に掛けるのか!? この僕を殺すことは、全人類を殺すことだぞッ!?」

 

「殺すッ!」

 

マリアは槍を構え、ウェルを殺そうとする。するとウェルはさっきの態度とは裏腹に怯えた表情をする。すると…

 

「あぁっ!!」

 

「ぐぁぁ!!」

 

マリアとウェルの体に痛みが走る。カリバーが2人の影を斬り裂いて動きを止めたのだ。そこへ響がマリアの前に両手を広げて立ち塞がる。マリアは響に槍を向ける。

 

「そこをどけッ!融合症例第1号!」

 

「違うッ!」

 

「私は立花響!16歳!融合症例なんかじゃないッ!ただの立花響が、マリアさんとお話ししたくてここに来てるッ!」

 

「お前と話す必要はないッ!マムがこの男に殺されたのだッ!ならば私もこいつを殺すッ!世界が守れないのなら、私も生きる意味はないッ!」

 

マリアが響を槍で突こうとすると、響は片手で受け止めた。しかし、手からは血が流れている。

 

「何…?」

 

「お前…!」

 

驚愕の表情を浮かべるマリア。カリバーも仮面の下で驚いている。

 

「意味なんて、後から探せばいいじゃないですか。だから、生きるのを諦めないで!

 

響の叫びにマリアの動きが止まる。かつて響が亡き天羽奏に言われた言葉だ。そして…

 

「Balwisyall Nescell Gungnir Trooooon!!!」

 

何と、消滅した筈のガングニールの聖詠を唱えたのだ。その時、不思議な事が起こった。

 

マリアのガングニールが光の粒子となって消滅。辺り一面が光り輝く。その光はフロンティアを美しく煌びやかに照らした。

 

「あれは…。」

 

「マリアを助けるデス!」

 

「あのバカの仕業だな」

 

「ああ。だけど立花らしい」

 

4人が光を見て呟いた。その様子は世界中の人間も見ていた。勿論弦十郎や緒川、藤尭と友里、未来もだ。

 

「まさか、成功するとはな…」

 

実は、マリアの元へ向かう途中、カリバーはある事を響に話していたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『お前が再びギアを纏う方法が1つだけある。』

 

『え?』

 

『お前とマリア・カデンツァヴナ・イヴのガングニールが同じならば、お前の聖詠で纏う事が出来るかもしれない。』

 

その言葉に響は…

 

『そんなの聞いた事ないですよ! 師匠や翼さんからも!』

 

流石にカリバーの言葉は信じられなかった。

 

『確かに信じられないが、今はそれしか方法は無い。奴を止めると月読調と約束したんだろう?』

 

カリバーの言葉に響は…

 

『分かりました! やってみます!』

 

そして響はカリバーの案に乗り、気合い根性でマリアのガングニールを奪ったのだ。ありえない状況に戸惑うマリア。

 

「何が起きているの……こんな事ってありえない……!融合者は適合者ではないはず!これはあなたの歌、胸の歌がして見せたこと……!あなたの歌って何ッ?!何なのッ?!」

 

「行っちゃえ響!ハートの全部でッ!」

 

未来が叫ぶ。そして響はギアを纏い、力の限り叫ぶ。

 

 

 

「撃槍ッ!ガングニールだぁぁぁッ!!!」

 

 

今ここに、人と人を繋ぐ撃槍が復活したのだった。

 




いかがだったでしょうか? フィーネの魂が無くなった事で調と切歌の戦闘が大幅に改変する事となりました。原作だと名シーンの部分も改変しないといけないのできりしら推しの人達は本小説の展開は納得がいかないと思ってしまうかもしれません。

次回いよいよ第2章完結。

今回はここまでです。感想お待ちしています。
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