【完結】月闇絶唱シンフォギア   作:ネガ

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プリミティブドラゴン登場、ヤバかったです。そしてカリバー復活にテンションが上がってます!新しい姿が出るんじゃ無いかと期待してます!







第44話 呪いを斬り裂け、黒き魔剣(イグナイト)

強化型シンフォギア完成の束の間、ダウルダブラのファウストローブを纏うキャロルの猛攻に対抗すべく翼とクリスは、イグナイトモジュールを起動させるも、魔剣ダインスレイフの力により心の闇を増幅させられ、破壊衝動に飲み込まれそうになってしまう。

 

 

 

 

 

翼が深い闇の意識に堕ちたと同時にクリスもとある光景を目にする。気がつけば、クリスはリディアンの教室でクラスメートと授業を受けていた。

 

(教室…? )

 

ふと振り返ったクラスメートと目が合う。恥ずかしくなって数学の教科書で顔を隠すクリス。

 

(あたしがいてもいい所…ずっと欲しかった物なのに…まだ違和感を覚えてしまう…)

 

彼女が見つけた居場所。そして合唱の授業や、学院祭で皆の前まで歌った事を思い出す。

 

(それでも、この春からは、新しい後輩が出来た。)

 

フロンティア事変で敵対した調と切歌だ。今やクリスは先輩なのだ。

 

(なのに…あたしの不甲斐なさで…あいつらがボロッカスになって…!)

 

アルカ・ノイズとの戦いに敗れ、守るべく2人に守られた事、自分達の為に時間稼ぎに出て2人がボロボロになった事。自分の無力さと不甲斐なさが込み上げてくる。

 

(独りぼっちや…仲間とか…友達とか…先輩とか後輩とか求めちゃいけないんだ! でないと…でないと…!)

 

幼少期に味わった孤独と絶望。そして彼女は1人、変わり果てた街の真ん中にいた。

 

「おい…!何でだ…!」

 

側には調と切歌の亡骸が。

 

(残酷な世界がみんなを殺しちまって…本当に独りぼっちになってしまう…!)

 

号泣しながら走る彼女の手首を誰かが掴む。翼だ。

 

「すまないな…雪音の手でも握ってないと…底無しの淵に飲み込まれてしまいそうなのだ…!」

 

「お陰でこっちもいい着付けになったみたいだ…!危うくあの夢に溶けてしまいそうで…!」

 

「っ…!! これは…!」

 

カリバーは2人の手が光出した事に目を見開いた。そして、彼女らの禍々しいオーラが消え、2人は元に戻った。

 

「不発?」

 

キャロルが機嫌悪く言った。

 

 

 

 

 

 

その様子は勿論指令室でも映し出された。

 

息を荒げる翼とクリス。安心したのも束の間、新たな危機が迫る。突如指令室に鳴り響く警報。

 

「不味い!」

 

「装者、モジュールの使用に失敗!」

 

藤尭と友里が焦り出す。

 

「ボクの錬金術じゃ、キャロルを止められない…」

 

エルフナインが悔しそうに言うと、未来が口を開いた。

 

「大丈夫。可能性が全て尽きた訳じゃ無いから。」

 

そして、エルフナインの手の中にあるペンダントを見る。

 

「それって…」

 

「回収したガングニール…」

 

エルフナインの手を取る響。

 

「ギアも可能性も、2度と壊させやしないから。」

 

響はエルフナインに2度と壊させやしないと誓った。

 

 

 

 

 

 

 

 

キャロルはカリバーと翼、クリスのいる所へ降りた。

 

「尽きたのか? それとも折れたのか?いずれにせよ、立ち上がる力位はオレがくれてやる!」

 

「何…!?」

 

キャロルは空に宝石を投げると、巨大なアルカ・ノイズが出現。さらにそこから鳥形のアルカ・ノイズの大群が現れた。

 

「ここに来て、アルカ・ノイズ…!」

 

「おのれ…!」

 

アルカ・ノイズ達は街へと突っ込んでいき、爆発を次々に起こす。

 

「いつまでも地べたに膝を付けていては、被害は抑えられまい…!」

 

翼とクリスの体は限界に近く、体に痛みが残っている。

 

「歌えないのなら、分解される物どもの悲鳴をそこで聞け!」

 

爆発と共に街からは人々の悲鳴が溢れている。

 

「こうなったら…!!」

 

カリバーがアルカ・ノイズ達の元へ行こうとすると、キャロルが口を開く。

 

「いいのか? 今お前が動けば、オレはそいつらをここで殺す! それでもいいなら行けばいい。それが嫌なら、お前の本と闇黒剣月闇を渡せ!」

 

「くっ…!!」

 

キャロルの言葉と要求にカリバーは仮面の下で顔を歪ませた。今行けば翼とクリスが殺される。こぶた3兄弟で分身を作る手もあるが、そこを狙われてあの弦で奪われてしまう可能性もある。それに2人はボロボロだ。援護も満足に出来ないだろう。

 

「カリバー!」

 

「あたし達の事は…ん?」

 

すると、何かが飛んでくる音が聞こえる。S.O.N.G.本部から発射されたミサイルだ。そしてミサイルに乗っているのは…

 

 

 

 

 

「どおりゃああああああああああ!!!」

 

響だ。拳でアルカ・ノイズを砕き、ミサイルで空中にいる大部分が殲滅された。

 

「ようやく揃うか…」

 

 

 

そして3人の元へ降り立った。

 

「立花響…」

 

「すまない…お陰で助かった!」

 

「とんだ醜態を見せちまったけどよ…」

 

すると、響の口から思わぬ案が出る。

 

「イグナイトモジュール、もう一度やってみましょう。」

 

「だが、今の私達では…」

 

それもそうだ。また破壊衝動なら飲み込まれてしまう可能性がある。

 

「この状況を打破するにはそれしか方法は無い。ここは立花響の案に乗ってみたらどうだ?」

 

「カリバー?」

 

「お前まで…!」

 

響の案に賛同するカリバーに翼とクリスが驚く。

 

「未来が教えてくれたんです。自分はシンフォギアの力に救われたって。この力が、本当に誰かを救う力なら、身に纏った私達だって、きっと救ってくれるはず!だから強く信じるんです!ダインスレイフの呪いを破るのは…!」

 

「いつも一緒だった、天羽々斬…」

 

「あたしを変えてくれた、イチイバル…」

 

「そして、ガングニール!信じましょう!胸の歌を!シンフォギアを!」

 

3人は決意した。呪いの魔剣に打ち勝つ為に。

 

「このバカに乗せられたみたいでカッコつかないが…」

 

「もう一度行くぞ!」

 

 

「何をしようと無意味だ!」

 

そこへキャロルが、3人に向けて魔法陣から炎と水を発射する。3人の前にカリバーが入り込み、闇黒剣月闇を納刀してトリガーを押して抜刀する。

 

【月闇居合!読後一閃!】

 

闇黒剣月闇で炎と水を受け止め、吸収した。

 

「邪魔はさせん…! さぁ、今こそ魔剣を引き抜け!」

 

「はい!」

 

カリバーの言葉に響は答え、そして…

 

「イグナイトモジュール!」

 

「「「抜剣!」」」

 

ペンダントマイクを起動し、構える。

 

【Dáinsleif.】

 

そして変形し、赤い稲妻を放ちながら3人の胸に突き刺さった。

 

「あああああああああああああああ!!」

 

「ぐぁぁぁ…あああ…ああ……!!」

 

「がぁぁああ…ああ…ああ…ああ…!!」

 

禍々しいオーラ共に3人に激痛と破壊衝動が襲いかかる。

 

 

指令室でも3人の苦痛の声が響き渡る。

 

「このままではさっきみたいに…!」

 

「呪いなど斬り裂け!」

 

「撃ち抜くんデス!」

 

「恐れずに砕けばきっと!」

 

指令室にいるマリア達が3人に向けて祈り、言葉を送る。

 

 

 

 

「覚悟を超えた先に、希望はあるッ! お前達の心と叡智で、呪いを破り、魔剣の力を掴み取れッ!!」

 

カリバーが後ろにいる3人に向けて言った。

 

 

激痛と破壊衝動に耐えながら響は未来とカリバーに言われた事を思い出す。

 

「未来が教えてくれたんだ…力の意味を…背負う覚悟を…カリバーさんが思い出させてくれたんだ…!…戦うという事を…傷つく覚悟を…!! だからこの衝動に塗りつぶされて…!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「なるものかッ!!!」」」

 

 

叫びと共に3人のギアが黒く変色、鋭利な姿となり、呪いを打ち砕いてイグナイトモジュールを制御出来る様になったのだ。

 

「黒くなった…!」

 

カリバーは響達の姿を見て仮面の下で目を見開いている。

 

 

 

 

 

「モジュール可能!セーフティーラインまでのカウント、開始します!」

 

カウントダウンが始まった。マリアはアガートラームのペンダントを握りしめる。

 

(悪を貫く強さ…)

 

モニターには黒いギアを纏う3人が映し出されていた。

 

 

「よく呪いに打ち勝ったな。お前達の心の強さに敬意を称し、私も仲間に入れてもらおう。」

 

【ジャオウドラゴン!】

 

カリバーは少し嬉しそうに言いながらジャオウドラゴンを取り出して起動し、ページを開いた。

 

【邪道を極めた暗闇を纏い数多の竜が秘めた力を解放する…。】

 

ライドスペルによる朗読が流れ、闇黒剣月闇にスキャンした。

 

【ジャオウリード!】

 

【闇黒剣月闇!】

 

【Jump out the book. open it and burst.

 The fear of the darkness.

 You make right a just,no matter

 dark joke. Fury in the dark.

 ジャオウドラゴン!】

 

 

【誰も逃れられない…】

 

禍々しいオーラと5匹の竜がカリバーを包み込み、ジャオウドラゴンへ姿を変えた。

 

 

キャロルはアルカ・ノイズの群れを召喚する。モニターのマップには、無数の反応が出現した。

 

「検知されたアルカ・ノイズの反応、約3000!」

 

「3000!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「たかだか3000!!」

 

「我々の敵では無い!」

 

カリバーと響は走り出す。闇黒剣月闇で斬り裂き、響は己の拳でアルカ・ノイズの群れを次々に消滅させていく。さらにカリバーはこぶた3兄弟を取り出して起動、闇黒剣月闇にスキャンした。

 

【こぶた3兄弟!】

 

【ジャアクリード!ジャアクぶた3!】

 

カリバーの姿が3人に増え、分身2人は別の方向へと向かう。翼は黒くなった刀で強化された蒼ノ一閃を放ち、巨大ノイズや群れを真っ二つに斬り裂き、爆発させた。クリスもミサイルポッドを展開、MEGA DETH QUARTETでアルカ・ノイズ達を木っ端微塵にする。分身カリバー達も、それぞれ黄色のワンダーランドブックと、ライオン戦記を取り出して起動、闇黒剣月闇にスキャンした。

 

【トライケルベロス!】

 

【ライオン戦記!】

 

【必殺リード!ジャアクケルベロス!ジャアクライオン!】

 

【月闇必殺撃!習得一閃!】

 

2人の分身カリバーはそれぞれトライケルベロスとライオンセンキを模したエネルギーを放ち、ノイズ達にぶつけて粉微塵にした。

 

 

4人が戦うその様子をキャロルは見下ろしていた。

 

「臍下辺りがむず痒い!」

 

キャロルは飛び上がり、弦を伸ばし、陣から光線を放つなどして攻撃するが、それをカリバー達は避ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

「強大なキャロルの錬金術…ですが、カリバーと装者達もまた、対抗出来る力を…!!」

 

緒川が戦闘風景を見ながら言った。

 

(それでも響は、傷つけ傷つく痛みに泣いている…私は何も出来ないけれど…響の笑顔も、その裏にある涙も、拳に包んだ優しさも、全部抱きしめて見せる…!だから…)

 

戦う響を見て未来は全てを受け入れると心の中で誓った。

 

「負けるなぁぁぁ!!」

 

未来の叫びが指令室に響き渡った。

 

 

 

 

キャロルの伸ばした弦が、響の右腕に絡みつくが、それを引っ張ってキャロルを引き寄せると、カリバーがキャロルを斬りつける。

 

「ぐぅぅっ!!」

 

斬り裂かれたキャロルは苦痛の声を上げる。 

 

「稲妻をくらえぇぇ!!」

 

弦十郎が叫ぶ。クリスはクロスボウから矢を放ち、翼は斬撃波を放つ。キャロルは右腕に弦を巻き付け、ドリル状にする。そこへ響が加速して自らを炎と化してキャロルを押していく。さらにそこへカリバーがジャオウドラゴンに乗って加わり、更に勢いをつける。キャロルは吹き飛ばされて壁に激突させられる。カリバーと響は飛び上がり、カリバーはジャオウドラゴンを閉じた。

 

【ジャオウ必殺読破!】

 

そして闇黒剣月闇のグリップエンドでボタンを押して、ジャオウドラゴンを開いた。

 

【ジャオウ必殺撃!】

 

カリバーと響はそのまま重力の勢いを付けてキャロル目掛けて蹴りを放った。

 

 

「光あれぇぇぇぇぇぇ!!!」

 

響の叫びと共に2人の蹴りがキャロルに命中し、大爆発が起きた。

 

【You are over.】

 

 

 

 

 

そしてカリバーと響の前には元の姿に戻ったキャロルが。その様子は指令室に映し出された。

 

「勝ったの?」

 

「デスデス!」

 

調と切歌が安堵の表情を浮かべる。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハァ…ハァ…」

 

息を荒げる響とキャロル。

 

「キャロル…」

 

そんな姿のキャロルを見てエルフナインは呟く。

 

「キャロルちゃん…どうして世界をバラバラにしようなんて…」

 

手を差し伸べた響の手を払うキャロル。

 

「忘れたよ…理由なんて…」

 

「何だと?大勢の人間を殺しておいてか?」

 

キャロルの言葉にカリバーが僅かに声に怒りを混ぜながら言った。

 

「想い出の焼却…戦う力と変えた時に…」

 

そんなキャロルをカリバーと響は見つめる。

 

「その呪われた旋律で誰かを救えるなどと思い上がるな…」

 

その瞬間、不敵な笑みを浮かべると、突然倒れ、体から緑色の炎で包むと体が黒焦げとなった。

 

「キャロルちゃん!?」

 

「こいつ…自ら命を…!!」

 

キャロルは自殺したのだ。その光景を見て響の悲しい叫びが響き渡った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

燃えるキャロルの亡骸を見つめる響。

 

(呪われた旋律…誰も救えない…そんな事ない。そんな風にはしないよ…キャロルちゃん。)

 

立ち込める煙を見ている響を見つめるカリバーは、ある事を考えていた。

 

(どういう事だ…何故あっさり命を絶った…奴の目的は世界の解剖と言っていた…大勢の人間を殺しておきながらここで野望を諦める筈が無い…まさか…これがもし…奴の策謀だったら…?死んだ奴は実は替え玉の可能性も…………どうやら、本当の戦いはこれからの様だ…!)

 




いかがだったでしょうか?イグナイトの初陣と、2章最終回ぶりのジャオウドラゴンの登場です。今週のセイバーを見ましたが、プリミティブドラゴンヤベーイフォームでしたね。制御出来るのかなぁ…そして来週カリバーが復活。凄い嬉しいです。新しい姿にならないかなぁと思っています。

今回はここまでです。感想お待ちしています。
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