イグナイトの自我を保つ特訓の為に筑波に来ていた響達はガリィの強襲に遭いながらもイグナイトを習得させたマリアはカリバーと共にガリィを撃破。しかし、その夜買い出しに行った響はかつて自分と家族を置いて逃げ出した父親、立花洸と再会したのだった。
とある喫茶店にて。響は洸と向かい合わせで座っていた。未来に連絡先を聞いたのだ。勝手に逃げた当の本人は娘がいる事も気にする事なくサンドイッチをパクパクと食べている。
「前に月が落ちる落ちないの事件があっただろ?」
洸の言葉に僅かに反応する響。彼女の目は僅かに怒りが混ざっていた。
「あの時のニュース映像に映っていた女の子が、お前によく似ててなぁ…以来お前の事が気になってもう一度やり直せないかと考えてたんだ。」
「やり直す…」
「勝手なのは分かってる…でもあの環境でやっていくなんて、俺には耐えられなかったんだ。なぁ?またみんなで一緒に、母さんに俺の事伝えてくれないか?」
洸の言葉に響は怒りに震えて、握り拳を作っていた。
「無理だよ…一番一緒にいて欲しい時にいなくなったのは、お父さんじゃない…」
「ハァ…やっぱ無理かぁ。何とかなると思ったんだけどなぁ。」
呑気に答える洸に響の中の怒りが込み上げてくる。
「いい加減時間も経ってる事だし、覚えてるか響。どうしようもない事をどうにかやり過ごす魔法の言葉。小さい頃、お父さんが教えただろ?」
とうとう我慢出来なくなった響は立ち上がり、立ち去ろうとした。
「待ってくれ響!」
洸が響を呼び止める。何だと思って振り返ると伝票を差し出した。
「持ち合わせが心許なくてなぁ…」
何と、支払う様言って来たのだ。どこまで図々しいんだ。勝手に居なくなって、会ってみればもう一度やり直したいと言い、あろうことが自分が捨てた娘に奢れと。響は奪い取る様に伝票を受け取ると店内を走って行った。そんな響を洸は苦笑いをしながら頭を抱え、サンドイッチを口にした。
(オートスコアラーを一体倒したのはいいが、奴らの目的は一体…キャロル・マールス・ディーンハイムの自殺と呪われた旋律…そしてガリィって奴の1番乗りとは…)
隼人は歩きながら昨日倒したガリィの言葉とキャロルの自殺が何か関係しているのでは無いかと考えていた。
(そしてあのエルフナインとかいう奴…奴の目…何か違和感を感じた…あれは一体何だったんだ…)
そしてエルフナインの目に違和感を感じていた。すると、隼人の横を響が走りながらすれ違った。
「立花響…?」
走っている彼女の目には、涙が浮かんでいた。
その頃、オートスコアラー達がいるアジトには、倒されたガリィもミカ以外の2体が台座に立っていた。ファラは取り出したSDカードを舌に乗せると、口を開いて魔法陣を形成し、フォトスフィアをレイアの目の前に映し出した。
「筑波で地味に入手したらしいな。」
「強奪もありでしたが、防衛の為にデータを壊されては元も子もありません。1本1本が地球に眠らされた血管の様な物…かつてナスターシャ教授はこのラインに沿わせてフォニックゲインをフロンティアへと収束させました。」
「これが、レイラインマップ…」
「世界解剖に必要なメスは、ここ、チフォージュ・シャトーに揃いつつありますわ。後はカリバーが持つ本と、闇黒剣月闇が手に入れば…」
そう。エルフナインが言っていたチフォージュ・シャトーとは、今2体がいるこのアジトの事なのだ。
「そうでなくては、このままだと暴れ足りないと、妹が言っている。」
「今朝の計測数値なら、イグナイトモジュールを使えるかもしれないデス!」
調と切歌は自販機で飲み物を買っていた。そしてりんごジュースを飲む調。
「後は、ダインスレイフの衝動に抗えるだけの強さがあれば…ねぇ切ちゃん。」
調の言葉を聞かずに何やら指を自販機のボタンの前で動かす切歌。
「これデス!」
そして、ボタンを5つ同時に押す。すると、コーヒが出てきた。
「あぁ〜!! 苦いコーヒーを選んじゃったデスよ〜!!」
コーヒーを出してしまった事に慌てる切歌。
「誰かの足を引っ張らない様にするには、どうしたらいいんだろう…」
調はペンダントを取り出しながら言う。
「きっと自分の選択を後悔しない様、強い意思を持つ事デスよ…!」
切歌からコーヒーを取り、代わりに自分のりんごジュースを手渡す調。
「私、ブラックでも平気だもの。」
「ご、ごっつぁんデース。」
切歌は自分の頭をコツンと小突いた。すると、突然2人の端末からアラームが鳴り響く。
「アルカ・ノイズの反応を検知した!場所は、地下68メートル、共同溝内であると思われる。」
「共同溝?」
「何デスかそれは?」
「電線を初めとする、エネルギー経路を埋設した地下溝だ。すぐ近くにエントランスが見えるだろう。」
橋を走る2人に入り口に目が入る。
「あれが…!」
その頃隼人もガトライクフォンで反応を検知していた。
「地下だと…ここからなら…」
隼人も走りながら反応の場所に向かっていった。
「本部は現場に向かって航行中。」
「先んじて立花を向かわせている。」
通信にマリアと翼、クリスも答える。
「緊急事態だが、飛び込むのはバカと合流してからだぞ!」
その頃響は小声でへいき、へっちゃらと何度も呟きながら涙を流して向かっていた。
「あ、ここデース!」
そして響は調と切歌と合流した。しかし響は涙を拭いながら2人を無視して入り口で立ち止まった。
「何かあったの?」
「……何でもない。
「とてもそうは見えないデス…」
「2人には関係ない事だから!!」
つい父親に会った事の影響で感情的になって2人に叫ぶ響。
「確かに…私達では力になれないかもしれない…だけど…それでも…」
そういう調を見て表情を暗くする響。
「……ごめん。どうかしてた。」
響がそう言うと3人は中へと入って行った。
(拳でどうにかなるって、実は簡単な物ばかりかもしれない…だから…さっさも片付けちゃおう!)
響は自分の握り拳を見つめながら中を進んでいく。
「行くよ!2人とも!」
いつもの様に明るい表情を浮かべる響。そして…
「Balwisyall Nescell gungnir tron」
「Various shul shagana torn」
「Zeios igalima raizen tron」
暗い地下に3人の聖詠が響き渡り、3人はギアを纏う。そして暗い地下へ飛び降りて行った。
「この中か…」
隼人も遅れて到着すると、中へ入って行った。
【ジャアクドラゴン!】
【ジャアクリード!】
「変身。」
【闇黒剣月闇!】
【Get go under conquer than get keen.(月光!暗黒!斬撃!) ジャアクドラゴン!】
【月闇翻訳!光を奪いし、漆黒の剣が冷酷無情に暗黒竜を支配する!】
紫色のオーラと共に隼人はカリバーに変身し、中を進んでいき、反応の場所へ飛び降りた。
そして3人が着地して走り出すと、アルカ・ノイズの群れが響達を取り囲む。召喚したのはミカだ。
「来たな…だけど、今日はお前達の相手をしてるじゃ…」
「せやああ!!」
いきなりミカに殴りかかる響。
「まだ全部言い終わってないんだゾ!」
ミカはアルカ・ノイズの群れを召喚した。響はブースターで加速しながらひたすら歌いながらも泣きながら拳と脚でアルカ・ノイズ達を粉砕していく。
「泣いてる?」
「やっぱり様子がおかしいデス!」
「どうやら立花響に何かあった様だな。」
調と切歌がハッとすると、いつの間にかカリバーが2人の近くに立っていたのだ。
「カリバー!?」
「いつからいたんデスか!?」
「そんな事はどうだっていい。今は戦いに集中しろ!」
カリバーは闇黒剣月闇を手にアルカ・ノイズ達を斬り裂く。一方響はミカに攻撃するも、ミカはヒラリヒラリとかわす。
(何でそんな簡単にやり直したいだなんて言えるんだ…!! 壊したのはお父さんの癖に!お父さんの癖に!お父さんの癖に!)
洸への怒りを心の中でぶちまける。
「お父さんの癖にーーッ!!」
天井に叩きつけられたアルカ・ノイズを天井ごと破壊した。その時ハッと思い出す。
(違う…壊したのはきっと…私も同じだ…)
「しょんぼりだゾ!」
ミカは手のひらから棒状の宝石を発射し、響の胸に命中させる。吹っ飛ばされた響はそのまま勢いで足場に叩きつけられた。
「言わんこっちゃないデス!」
切歌が駆け寄る。
「大丈夫デスか?」
響は気を失っている様子だ。
「歌わないのか?歌わないなら…」
ミカは手のひらから巨大な炎を発射した。
「死んじゃうゾーーーッ!!」
「っ!!」
カリバーはアルカ・ノイズを倒し終わると、響と切歌の元へ向かうが…
「邪魔はさせないゾ!」
ミカが再びアルカ・ノイズの群れをカリバーにけしかける。
「こしゃくな…!」
カリバーは再びアルカ・ノイズを斬り始める。そして炎が2人に襲い掛かろうとしたその時、何かが響と切歌の前で炎を防いだ。目を瞑っていた切歌の目の前にいたのは、巨大な丸鋸で炎を防いでいた調だ。しかし、限界が近づいているのか、じわじわと押され、膝を突く。呆然とする切歌。
「切ちゃん…! 大丈夫…!?」
「な…訳…ないデス…!」
「え…?」
「大丈夫な訳…ないデス!!」
調に向かって叫ぶ切歌。すると…
(守らなきゃいけない後輩に守られて、大丈夫な訳ないだろ!)
あの時助けたクリスの言葉を思い出す。
「こうなったらイグナイトで…」
切歌はペンダントマイクに手を添える。
「ダメ!無茶をするのは、私が足手纏いだから?!」
そのやりとりを見てほくそ笑むミカ。すると…
「道草は良くないわ。」
ファラから撤退する様言われる。
「正論かもだけど…鼻に突くゾ!!」
突然ミカは叫ぶと、炎の勢いを出して3人を吹っ飛ばした。調と切歌は天井に叩きつけられる。すると、ミカにアルカ・ノイズの群れを倒し終わったカリバーが斬りかかる。ミカは棒状の宝石で受け止める。
「お前に用はないゾ!」
「お前になくても私にはある。お前の目的、聞かせてもらうぞ。」
カリバーとミカはお互いに攻防を繰り返す。そしてミカは手のひらから炎の発射すると、カリバーは闇黒剣月闇を納刀してトリガーを押す。
【月闇居合!読後一閃!】
「預けたゾ。だから次は歌うんだゾ〜。」
カリバーが闇黒剣月闇で炎を吸収している内にミカはテレポートジェムを地面に落として撤退した。
「待つ…デス…よ…」
「切…ちゃん…」
切歌は手を伸ばそうとするも、調と共に気を失う。
「………っ!!」
カリバーも悔しそうに手を震わせながら闇黒剣月闇を納刀した。
そして戦いの後、翼とクリス、マリアとS.O.N.G.の職員が調査に来ていた。そこへ、タブレット端末を持った緒川がやってくる。
「大きく破損した箇所は、いずれも響さん達の攻撃ばかり……っ!これは…!」
緒川は、破壊を免れた機器に目を付けた。
「オートスコアラーの狙いは…まさか…!!」
「急ぎ、司令に連絡を!」
「はっ!!」
緒川は職員に連絡する様に命じた。緒川は一体何に気づいたのか…?
いかがだったでしょうか?GX編も後半戦に突入しました。第3章の後はXDにあたる断章を書こうかなと思っています。理由は隼人が見た夢で裏切りの罪を着せた組織と、カリバーを斬ったセイバー達を出そうかなと思った事と、エターナルフェニックスの力で面白い能力を思い付いたからです。ただ自分はプレイしていないので時系列や設定等はイマイチ分からないので教えてもらえれば嬉しいです。
今回はここまでてす。感想お待ちしています。