【完結】月闇絶唱シンフォギア   作:ネガ

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人ほど変わりやすい生き物はいません。誰もが心の中に闇を抱えてる中、向き合わなければならない、受け入れなければならない時、皆様はどうしますか?






第47話 向き合う勇気を、大切な人達の為に。

再開した父親の変わった姿を見て怒りと悲しみを向ける中、現れたミカとアルカ・ノイズの戦闘で響、調、切歌は倒れてしまい、カリバーもミカを取り逃してしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

目が覚めると響は、S.O.N.G.のメディカルルームにいた。

 

「検査の結果、大きな怪我は見られませんでした。でも、安静は必要です。」

 

「良かった…」

 

エルフナインの言葉を聞いて安心する未来。

 

「まさかお前があれほど感情的になるとはな。」

 

突然声がしたと思って響と未来とエルフナインが振り返ると、近くにカリバーが立っていた。あの後何故響が感情的になったのか気になって来たのだ。

 

「カリバー…!」

 

思わずエルフナインが声を上げる。

 

「カリバーさんには…関係無いですよ…」

 

カリバーに答える響の表情は僅かに暗い。すると…

 

 

 

 

 

 

「調が悪いんデス!」

 

「切ちゃんが無茶するからでしょ!」

 

頭に包帯を巻いた調と顔にガーゼと絆創膏を貼り付けた調が喧嘩していた。

 

「調が後先考えずに飛び出すからデス!」

 

「切ちゃんが、私を足手纏いに思ってるからでしょ!」

 

「2人が喧嘩するなんて…」

 

そこへエルフナインが割り込む。

 

「傷に障るのでやめてください!そんな精神状態では、イグナイトモジュールを制御出来ませんよ!」

 

エルフナインの言葉を聞いてお互いを見る2人だが、そっぽを向いてしまう。

 

「ごめん…2人共…最初にペースを乱したのは、私だ…」

 

響が2人の手を取り、重ねる。

 

「さっきはどうしたデスか?」

 

「うん。」

 

調と切歌の問いに黙り込む響。

 

「2人に話してみろ。このまま塞ぎ込むよりは良い。」

 

カリバーは響に話してみる様に言った。この時彼の口調は少し優しくなっていた。

 

「あれからまた、お父さんに会ったんだ…ずっと昔の記憶だと…優しくてかっこよかったのにね…凄く嫌な姿を見ちゃったんだ…」

 

「嫌な姿…?」

 

「自分のした事が分かってないお父さん…無責任でかっこ悪かった…」

 

響の目から涙が溢れる。

 

(あの時俺が見た立花響の父親…そういう事か…)

 

カリバーはあの日シャボン玉を通して響の家庭で何が起きていたのか分かっていた。

 

「見たくなかった…こんな思いをするなら…二度と会いたくなかった…!」

 

涙を流し泣きながら話す響。

 

「私が悪いの…私が…」

 

自分が響が辛い思いをする原因を作った罪悪感が込み上げてくる。

 

「違うよ…未来は悪くない…悪いのはお父さんだ…」

 

「でも…」

 

未来の目からはボロボロと涙が溢れる。そんな未来の肩に手を置く響。

 

「へいき、へっちゃら。だから泣かないで。未来。」

 

そんな2人を見つめるカリバーと調と切歌。カリバーはそのまま姿を消し、2人はメディカルルームを出た。しかし、お互い目が合うと再びそっぽを向いてしまった。そこへエルフナインがやって来る。

 

「これを、調さんと切歌さんに。」

 

それは、LiNKERが入ったピストル型注射器だった。

 

「モデルK?」

 

「オートスコアラーの再襲撃が予想されます。投与はくれぐれも慎重に。体への負担もそうですが、ここに残されているLiNKERも、限りがありますので。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃、翼とクリス、マリアはシャワーを浴びていた。

 

「やはり父親の一件だったのね。」

 

「こういう時は、どんな風にすればいいんだ?」

 

「どうしていいのか分からないのは、私も同じだ。一般的な家庭の在り方も知らぬまま、今日に至る私だからな。」

 

そんな翼の話をマリアもクリスはシャワーを浴びながら聞いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「敵の狙いは電気経路の調査だと!?」

 

「はい。発電施設の破壊によって、電力送力が低下した現在、政府の拠点には優先的に電力が供給されています。ここを辿る事により…」

 

「表からは見えない首都構造を探る事が可能となるが…」

 

その頃、指令室では弦十郎へ緒川が通信でオートスコアラー達の狙いは電気経路の調査だと推測していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、チフォージュ・シャトーではファラ達3体が揃っていた。

 

エネルギーが無数のパイプの様な物を通って閉ざされた扉の様な物へと流れている。

 

「これで〜!どうよ〜!!」

 

ミカは床に魔法陣を形成し、台座から降りた。

 

「派手に暇いたな。」

 

「どこへ行くの?ミカ。間も無く想い出のインストールは完了すると言うのに。」

 

「自分の任務くらい分かってる!きちんと遂行してやるから!後は好きにさせて欲しいゾ!」

 

ミカはだいぶご機嫌斜めな様で去っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夕方、調と切歌は神社の近くを歩いていた。

 

「私に言いたい事、あるんでしょ?」

 

「それは調の方デス!」

 

「私は…」

 

切歌に言いたい言葉は喉まで出かかっているのに言えない。その時…突如爆発が起き、辺りに棒状の赤い宝石が降り注ぎ爆発が起き、人々は悲鳴を上げた。

 

 

 

「 っ!!」

 

その頃、S.O.N.G.から出たカリバーも爆発で起きた煙を見て神社の方へ向かって行った。

 

 

 

 

 

「これは…」

 

そして2人の背後でも爆発が起きる。

 

「アタシ達を焚き付けるつもりデス!」

 

そして破壊された鳥居の上に立っているのは、ミカだ。

 

「足手纏いと、軽く見てるのなら…!」

 

調は顔のガーゼと絆創膏を剥がした。そして…

 

 

「Various shul shagana torn」

 

「Zeios igalima raizen tron」

 

聖詠を唱え、2人はギアを纏った。そして挨拶代わりにα式 百輪廻を繰り出す。ミカはそれを棒状の宝石で弾く。

 

 

 

 

 

 

「今から応援をよこす!それまで持ち堪えっ!! ぬおお!?」

 

指令室にて2人に翼達を増援に行かせようとしたその時、突如衝撃と共に本部が揺れる。モニターには巨大な人影が本部を掴んでいた。

 

「海底に巨大な人影だと!?」

 

 

 

 

 

 

地上で海面を見つめるのはレイア。

 

「私と妹が地味に視野にしてやる。だから存分に暴れろ。ミカ。」

 

そう。あの巨大な人影こそ、レイアの妹なのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミカは調目掛けて手のひらから宝石を発射する。調は避けながらミカにΔ式 艶殺アクセルを繰り出す。さらに切歌が受け止めたミカの宝石を弾き、斬りかかるも、蹴り飛ばされてしまうが受け身を取る。

 

「これっぽっち?これじゃあギアを強化する前の方がマシだったゾ〜。」

 

ミカが不満げに言う。すると…

 

「足りないのなら、私が満たしてやろう。」

 

調と切歌とミカが横を見ると、カリバーが歩いて来た。

 

「カリバー…!」

 

「お前も来たかカリバー!」

 

ミカは嬉しそうに言った。

 

「どうして…?」

 

「奴を斬りに来たに決まってるだろう。それに今のお前達では奴には勝てない。」

 

カリバーはそう言うとミカに斬りかかり、闇黒剣月闇と宝石が打ち合う音が響き渡る。

 

「そんな事…あるもんかデス!」

 

「ダメ!」

 

調の静止も聞かさずに切歌はミカに斬りかかる。ミカがジャンプで避けると、切・呪りeッTぉを繰り出し、ミカに命中して爆発する。

 

「どんなもんデス!」  

 

「いや、まだだ。」

 

自信満々に言う切歌とまだ倒れてない事を悟るカリバー。そして煙が晴れると…

 

「こんなもんだゾ!」

 

ミカが髪のブースターで飛行しながら2人目掛けて無数の宝石を投下して来た。それを避けるカリバーと切歌。

 

「典型しないと無理だゾ!」

 

「かわさないなら…受け止めるだけデス!」

 

「よせ!」

 

避けずに受け止めようとする切歌にカリバーは声を荒げた。そして直撃する瞬間、調が丸鋸4枚を為に宝石を防ぎ、カリバーは斬撃波で相殺した。

 

「何で後先考えずに庇うデスか!」

 

感情的になって調を押す切歌。それを見てカリバーはため息をつ切りながらもミカに斬りかかる。ミカの攻撃を左腕で受け止め、闇黒剣月闇のグリップエンドで腹を殴ると、さらに左手で殴る。

 

「やっぱり…私を足手纏いと…!」

 

「違うデス!調が大好きだからデス!」

 

そして切歌も走り出し、ミカに斬りかかって蹴り飛ばす。闇黒剣月闇と鎌、宝石がぶつかる音が響き渡る。

 

「大好きな調だから、傷だらけになる事が、許せなかったんデス!」

 

「じゃあ…私は…」

 

「アタシがそう思うのは…あの時調に庇ってもらったからデス…! みんなが私達を怒るのは、私達を大切に思っているからなんデス!」

 

「私達を大切に思ってくれる…優しい人達が…」

 

その時切歌がミカの放った炎を受けて、地面に倒れてしまう。さらに追撃に放つと、カリバーが闇黒剣月闇を納刀してトリガーを押す。

 

【月闇居合!読後一閃!】

 

そして抜刀して炎を闇黒剣月闇で吸収した。

 

「奴等はお前達の事は足手纏いとは全く思っていない。大切な存在であり、必要とされている。」

 

調と切歌の前に立ちながらカリバーは言った。

 

「カリバー…」

 

「私達が…必要とされている…」

 

 

 

 

「何となくで勝てる相手じゃないゾ!」

 

調と切歌を嘲笑うミカ。

 

「マムが残してくれたこの世界で…カッコ悪いまま終わりたくない…!」

 

『無責任でかっこ悪かった…』

 

響の言葉が脳裏に浮かんだ。

「だったら…かっこ良くなるしかないデス!」

 

「自分のした事に向き合う強さを…!」

 

「なら使うか? 呪われた魔剣を。」

 

カリバーの問いに調は頷く。そして…

 

「イグナイトモジュール!」

 

「「抜剣!」」「デス!」

 

調と切歌はペンダントマイクを起動し、掲げた。

 

【Dáinsleif.】

 

ペンダントマイクが変形し、2人の胸に突き刺さる。禍々しいオーラと共に激痛と破壊衝動が襲いかかる。

 

「「うああああああああああああああ!!」」

 

「底知れず、天井知らずに高まる力!!」

 

2人の様子を見て興奮するミカは身体に炎を纏った。

 

「ごめんね…切ちゃん…!」

 

「いいデスよ…それよりもみんなに…」

 

「そうだ…みんなに謝らないと…!!」

 

自分達を大切に思ってくれる人達の為に。強くならないと。

 

「お前達を必要とし、大切に思ってくれる仲間と友がいる。さぁ、今こそ魔剣を引き抜け!」

 

 

「その為に…!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「強くなるんだッ………!!」

 

その思いに答えたのか、2人のギアが黒く染まり、鋭利な姿となってイグナイトが発現した。

 

そして切歌が斬りかかり、調がヨーヨーを巨大化させて攻撃するも弾かれて調は倒れてしまう。

 

「調!」

 

「最強の私には響かないゾー!もっと強く激しく歌うんだゾー!」

 

素の体が剥き出しとなったミカは飛び上がり棒状の宝石を両手の手のひらから発射する。切歌はそれを弾くもミカに蹴り飛ばされて壁に激突してしまう。さらに上から降って来た宝石が切歌に襲いかかるがカリバーがニードルヘッジホッグを取り出して起動し、闇黒剣月闇に1回スキャンした。

 

【ニードルヘッジホッグ!】

 

【必殺リード!ジャアクヘッジホッグ!】

 

【月闇必殺撃!習得一閃!】

 

闇黒剣月闇から放たれた無数の針が宝石にぶつかり相殺させる。その隙にミカが右手から2人に向けて炎を発射しようとする。

 

 

 

 

 

 

「向き合うんだ!!でないと乗り越えられない!!」

 

そこへ上空から調が強化されたα式 百輪廻を放つ。2人は避け、ミカは上空に飛び上がると魔法陣を形成してそこから無数の炎を纏った宝石を落下させてきた。それを走りながら避けるカリバーと切歌。

 

「闇雲に逃げてたらジリ貧だゾ!」

 

そこへミカが巨大な宝石を落下させようとすると、カリバーが闇黒剣月闇から斬撃波を放ち、宝石を真っ二つに斬り裂き、さらにジャアクドラゴンがミカに体当たりを仕掛けて地面に落下させる。その隙を突いてイガリマのワイヤーがミカを拘束し、更にシュルシャガナのヘッドギアに接続されると、挟み撃ちになった。これは調の非常Σ式 禁月輪と切歌の断殺・邪刃ウォttKKKを同時に放つ事で相手を確実に仕留める合体技、禁殺邪輪 Zあ破刃エクLィプssSSだ。そこへ更にカリバーがトライケルベロスを取り出して起動し、闇黒剣月闇に1回スキャンする。

 

【トライケルベロス!】

 

【必殺リード!ジャアクケルベロス!】

 

【月闇必殺撃!習得一閃!】

 

闇黒剣月闇から放たれたトライケルベロスのエネルギー体がミカに食いついた。

 

「足りない出力を掛け合わせてーー!?」

 

そしてミカに調と切歌の刃が迫る。すると…

 

「っ!?」

 

カリバーはミカが笑っていた事に気が付いた。そして攻撃を受けたミカは大爆発を起こしたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして現場にはS.O.N.G.の職員と消防隊が到着して、隊員は消火活動を行った。

 

 

「こっちの気も知らないで!!」

 

「たまには指示に従ったらどうだ?」

 

2人は弦十郎とクリスにこっぴどく叱られた。その光景を遠くからカリバーは見ていた。

 

「独断が過ぎました…」

 

「これからは気を付けるデス…」

 

素直に謝る2人に戸惑うクリスと弦十郎。

 

「珍しくしおらしいな。」

 

「私達が背伸びしないで出来るのは、受け止めて、受け入れる事…」

 

「だから、ごめんなさいデス…」

 

2人は改めて頭を下げて謝った。

 

 

「分かれば、それでいい…」

 

2人は背中を向けてその場を後にした。

 

「全く…」

 

「先輩が手を引かなくたって…一丁前に歩いて行きやがる…」

 

 

(あたしとは…違うんだな…)

 

自分が手を引かなくても先へと進んでいく調と切歌を見て自分とは違うと改めてクリスは感じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「足手纏いならない事…それは強くなるだけじゃない…自分の行動に責任を伴わせる事だったんだ…」

 

「責任…」

 

責任の意味をスマートフォンで調べる切歌。

 

「自らの義に正しくある事…でも、それを正義と言ったら、調の嫌いな偽善っぽいデスか…?」

 

『それこそが偽善…!』

 

『いずれ貴様は後悔する。立花響を偽善者と罵った事をな。』

 

かつて自分が未熟な故言ってしまった響に対して言った言葉とカリバーに言われた事を思い出す調。

 

「カリバーの言う通りだった…ずっと謝りたかった…薄っぺらい言葉で、響さんを傷つけてしまった事…」

 

そんな調の肩にポンと手を置く切歌。

 

「ごめんなさいの勇気を出すのは、調1人じゃないデスよ…」

 

「調を守るのはアタシの役目デス!」

 

切歌は笑顔で答えた。

 

「切ちゃん…ありがとう…いつも、全部本当だよ。」

 

戦いを通じて2人は一歩成長したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あいつ…笑っていた…」

 

自宅に戻った隼人はミカが倒される寸前笑っていた事を思い出していた。そして彼の中に渦巻く思考。世界の解剖をすると言いながら響達がイグナイトを習得した後自ら命を絶ったキャロルが言っていた、世界の解剖に使うであろう呪われた旋律。そして命令も無しに動くオートスコアラー達。ガリィの1番乗りという台詞と倒される寸前ミカが笑っていた事。エルフナインが持ってきた魔剣ダインスレイフのカケラから作られた呪いを持つイグナイト。そして海で一瞬だけ感じたエルフナインの目の違和感。

 

 

 

「そういう事か………!!」

 

隼人の中で、1つの結論が生まれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、チフォージュ・シャトーではミカがいた台座から光が伸び、化学記号が映し出された。そして動き出す歯車。そして扉から出て来たのは、命を絶ったはずのキャロルだった。

 

「お目覚めになりましたか?」

 

跪くファラとレイア。

 

「そうか…ガリィとミカが…」

 

キャロルはガリィとミカが倒された事を悟った。

 

「派手に散りました。」

 

「これからいかがなされますか?」

 

「言うまでもない。万象黙示録を完成させる。この手で奇跡を皆殺す事こそ、数百年来の大願…」

 

キャロルの目には、何故か響が映っていた。

 

「聞いた?調ちゃんと切歌ちゃん強いね。ホントに強くなったと思う…そう思うでしょ?エルフナインちゃんも。」

 

そう。キャロルは見ていたのだ。エルフナインを通して。全て。

 

「ああ、思うとも。故に世界の終わりが加速するッ!!」

 

 




いかがだったでしょうか? GX編も半分を超えました。XD編が並行世界と聞いて響達がセイバーの世界に行くか、セイバー達が響達の世界に来るかどうかで迷ってます。後はカリバーの正体バレをどうするか…悩み所です。

今回はここまでです。感想お待ちしています。
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