【完結】月闇絶唱シンフォギア   作:ネガ

66 / 111
いつのまにかお気に入りが1000を超えてました!こんな小説を気に入ってくれて本当にありがとうございます。今回は夢中になって長くなりました…主人公も出番は少なめです。そしてXDの醍醐味の1つのアレが…






EP11 剣士と戦姫、手を取る時。

飛羽真達に正体を明かした後に姿を消した隼人は、路地裏で壁にもたれかけて座り、今までこの世界で何をやって来たのか振り返っていた。

 

「俺は…何をやってるんだ…あいつらを騙して…何がしたいんだよ…!」

 

隼人は賢人が自分に見せたあの怒りと悲しみに満ちた表情を見て今まで自分がして来た事の結果がソードオブロゴスのメンバーを騙して絶望に落とし、賢人を悲しませてしまった事に彼は心を痛めてただ後悔と罪悪感に陥っていた。目からは涙がボロボロと溢れていた。人に騙された彼が他人を騙したのは何という皮肉だろう。

 

「どうして俺は…いつもこうなんだよ…!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「賢人さん達…カリバーさんと仲直り出来たのかな…」

 

その頃、響達はノーザンベースで芽依と一緒に飛羽真達の帰りを待っていた。

 

「賢人は、お父さんの事になると周りが見えなくなっちゃうのが玉に瑕だから…」

 

芽依の言葉に響達は不安な表情を浮かべる。すると、丁度ドアが開き飛羽真達が帰って来た。

 

「お帰り。賢人、お父さんとは話せた?」

 

芽依が聞くが、暗い表情を浮かべる賢人は弱々しい声で話す。

 

「父さんは…父さんじゃなかった…」

 

「おい…それって…」

 

「あぁ。全くの別人だった。」

 

大秦寺が答えた。

 

「別人!?」

 

「どういう事!? あなたのお父さんじゃなかったの!?」  

 

「そういやあの時、あいつが私はもうお前の父親じゃないって言ったのを聞いたんだけどよ、賢人のパパが賢人とてっきり縁を切ったと思ってたがまさか別人だからもう父親じゃないって言ってたのか…」

 

翼とマリアが驚きの声を上げる。そしてクリスもファルシオンの戦いでカリバーが言っていた事を耳にしていた。そして父親じゃないという言葉でカリバーが富加宮でない事を今理解したのだ。

 

「でも、もしかしたら転生して見た目も変わったもしれないデスよ?」

 

「賢人さん達の事を知っているなら記憶を受け継いでるのかも…」

 

しかし、あの場で全てを聞いていなかった調と切歌が口を挟んでしまう。

 

「そうですよ!だからもしかしたら本当は賢人さんのお父さ「そんな訳あるかッ!」

 

響の言葉を聞いて賢人が突如怒鳴った。賢人の怒鳴り声に響達は肩を震わせる。

 

「ごめんなさいデス…」

 

「ごめんなさい…」

 

調と切歌は口を挟んでしまった事を謝罪し、響達の表情を見た賢人は顔を俯かせる。

 

「いや………すまない。」

 

そのまま賢人は部屋を後にした。

 

「賢人!」

 

「賢人さん!」

 

賢人が部屋を後にした後、中を気まずい空気が支配しており、誰も何を話して良いのか分からなかった。

 

「何があったんですか?」

 

「カリバーの正体は…賢人の父ではなく、全くの別人が成りすましていた。それに怒った賢人と剣でぶつかり合った。だが彼は私達を騙した事に罪悪感を抱いていた。」

 

大秦寺は、カリバーの正体が富加宮ではなく、隼人がなりすましていた事、賢人とぶつかった事を伝えた。

 

「どんな人だったんですか?」

 

「飛羽真と同じ若い青年だった。」

 

「それにそいつの顔、若い頃の富加宮さんそっくりだったんだよ。俺あいつの顔を見たら富加宮さんが若返って転生したって一瞬思ったよ。」

 

「賢人さんのお父さんそっくり? どんな顔なんですか?」

 

響が聞くと、尾上が胸元のポケットから2枚の写真を取り出して響達に見せた。まず1枚目の写真が富加宮と上條、尾上、大秦寺と男性2人と女性1人が映った写真で、もう1枚は若い青年7人が映った古い写真だった。

 

「これが賢人の親父さん、富加宮隼人。そしてこっちが若い頃の富加宮さんだ。」

 

尾上は上條の隣で腕を組んで写っている富加宮を指した。2枚目の写真の富加宮は隼人そっくりだった。

 

「この人が賢人さんのお父さん…そしてカリバーさんはこの人にそっくりなんですね…」

 

「賢人のパパの隣のこのオッサンは誰だ?」

 

クリスは富加宮の右隣に立つ上條について質問した。

 

「上條大地さん。俺の前の先代セイバーで、富加宮さんと親友だった。でも、ファルシオンに斬られて命を落としてしまったんだ。」

 

飛羽真が上條についてクリスに説明した。クリスは飛羽真の説明に思い詰めた表情をしながら相槌を打った。

 

「では、この青い服を着た人は?」

 

翼は上條の左隣に立つ男性を指した。

 

「先代ブレイズの長嶺謙信さん。僕の剣の師匠で孤児だった僕の父親的存在です。」

 

翼の質問に答えたのは倫太郎だった。

 

「師匠…」

 

「お前のパパみたいなもんなのか…」

 

師匠と父親というフレーズを聞いて響とクリスは呟いた。響にとって弦十郎は武術の師匠、クリスにとっては保護者的存在だ。

 

「この人とこの女の人は誰なんデスか?」

 

切歌が指を指したのは長嶺の隣に立つ男性と女性だ。

 

「先代エスパーダで賢人君の師匠の新閃恭一郎さんと、先代剣斬で俺の師匠の鏡天祢さん。俺は鏡さんにひたすら鍛えられて強くなったんだ。」

 

切歌の質問に答えたのは蓮だ。

 

「でも3人は、15年前の戦いで命を落としてしまった。1番悲しんだのは、誰よりも仲間を大切にしていた富加宮さんだった。その後倫太郎に賢人、蓮が成長して悲しみを少しずつ無くしていった。でも、あの日俺達は鳳に騙されて富加宮さんを斬ってしまった。俺達は富加宮さんが恨んでいると思っていたが、あいつの話を聞いた所、夢で会って聞いたら俺達の事は一切悪く言っていなかったらしい。それを聞いて俺達は本当に富加宮さんは優しい人だなって思った。素直じゃない所はあるけど、誰よりも優しかった。」

 

「そして今のカリバーも、富加宮さんと同じように騙され裏切られたと言ってた。夢で何度も富加宮さんと俺達を見て、それが騙して裏切った奴等と重なって俺達が許せなかったんだろうね。」

 

尾上と蓮の説明を聞いて響達は複雑な気持ちになっていた。

 

「富加宮さんとその人、同じ目に遭って同じカリバーさんになって…」

 

「これは…運命だったのかも…」

 

調は、富加宮と隼人が同じカリバーの変身者である事を運命と称した。

 

「それで、そいつはどうしたんだ?」

 

「鳳を止めると言ってました。僕達や賢人を騙した罪滅ぼしなんでしょう。しかし無茶ですよ。いくら闇黒剣月闇の力を持ってしても、無銘剣虚無を持つ鳳を1人で止めようとするなんて…」

 

「無銘剣虚無?」

 

「無銘剣虚無はあまりにも危険すぎるが故に封印されていた聖剣。どんな能力を持っているのか私にも分からない。」

 

刀鍛冶である大秦寺でさえ知らない無銘剣虚無の力。あの聖剣に一体どんな力が秘められているのか。響達は不安を募らせた。

 

「対抗するのなら、やはり闇黒剣月闇を持つカリバーの力が必要だ。」

 

大秦寺は、対抗するのならカリバーの力が必要だと言った。

 

「でも彼は1人で鳳を止めるつもりです。それに賢人は彼の助けは借りないと言うでしょう。」

 

倫太郎は、賢人はカリバーの助けは借りないだろうと判断した。目の前にいたのは父親ではなく騙していた全く無関係の人物。賢人からしてみれば目の上のこぶだ。すると、飛羽真が動く。

 

「どこへ行くんですか?」

 

「賢人と話をしてくる。」

 

飛羽真が部屋を出ようとすると、響が呼び止める。

 

「私も行かせて下さい!」

 

「響ちゃん?」

 

響の目は力強く飛羽真を見つめていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「しかし、いなくなっていた闇の剣士が現れるとはなズオス。」

 

「まぁ奴等が来た所で俺達がする事は1つだレジエルストリウスもそう思うだろ?」

 

その頃、とある書斎の様な部屋でレジエルとズオスと呼ばれた男性2人と、ストリウスと呼ばれてた男性が話していた。

 

「えぇ。無駄な努力を積み重ねている剣士達はさておき、私達がするべき事は…1冊でも多くアルターブックを作る事ですから。」

 

ストリウスは手に持つ黒い表紙にズタズタに引き裂かれた様な表紙に、掠れたローマ字で表紙に見えにくいアヒルの子マシン売りの少女と書かれたアルターブックを2冊にしながらレジエルとズオスに話した。

 

「そして俺達、黒い本棚が全知全能の書を手にする………!」

 

レジエル、ズオス、ストリウスは不敵な笑みを浮かべた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、賢人はとある建物の屋上で1人思い詰めた表情をしていた。

 

「父さん…」

 

『賢人。また背伸びたんじゃないのか?』

 

『話を聞いてくれ!』

 

『カリバーの正体は……俺だよ。』

 

賢人の脳裏に幼き日の思い出と父を裏切り者と罵った事、そして隼人の姿が思い浮かぶ。幼い頃から優しくていつも笑顔で接してくれた父。自分はそんな父を信じてやれず、攻撃してしまった。ずっと謝りたかった父と再会したと思ったら、父は既に亡き者となり全くの別人。僅かに見えた希望の光が絶望の闇に呑み込まれたあの時。彼の話を聞かずにいきなり斬りかかってしまった。

 

「俺とした事が…」

 

「賢人。」

 

そこへ、飛羽真と響がやって来た。

 

「飛羽真…響…」

 

「賢人さん…さっきはごめんなさい…そんなつもりじゃなかったんです…」

 

先程隼人が実は富加宮が転生した姿と言いそうになった事を響は謝罪した。

 

「いや…いいんだ。」

 

「賢人…彼の事…恨んでいるのか? 富加宮さんになりすましていた彼を。」

 

飛羽真は隼人が富加宮になりすましていた事を恨んでいたのか賢人に聞いた。

 

「初めてあいつの顔を見た時、あいつが父さんを殺したと思って熱くなってしまった。父さんの若い頃にそっくりのあいつが。どうして正直に話してくれなかったのか。どうして父さんになりすましてまで1人で鳳を倒そうとするのか。それを話さなかったあいつが許せなかった。でも1番許せなかったのは父さんの意思…どんな時でも仲間と共に戦う事を拒否した事だった。父さんはいつだって仲間を傷つけたり、見捨てたりは絶対にしなかった。いつだって仲間を信じていた。でもあの姿であいつが尾上さん達を攻撃した事を知って、まるで父さんの意思を否定された様な気分だった。でも、本当に否定したのは俺や倫太郎達だった。裏切りの罪を着せられた父さんを俺は信じなかった。本当は俺が信じなきゃいけなかったのに…ずっと後悔してる…父さんは俺達の事を恨んでいると思ってたが、あいつが言うには一切恨んでいなかったって聞いて、本当に誰よりも優しいと思った。」

 

賢人の言葉に飛羽真と響は思い詰めた表情をしながら耳を傾けていた。

 

「賢人さん…お父さんの事をずっと背負い込んでいたんですね…私にもその気持ち、何となく分かります…私も前にお父さんの事でずっと悩んでいたんです。」

 

「響ちゃんの…お父さん?」

 

響は、自分の世界で起きたライブ会場の惨劇、自分を含めた生存者の迫害、父の蒸発について話した。

 

 

 

 

 

「そんな…事が…」

 

「目の前の事を鵜呑みにする…まるでかつての俺達だ…響も…心に深い傷を負って…父さんの事を背負いつけていたんだな…」

 

飛羽真と賢人は響の過去について、心を痛めていた。こんな元気いっぱいの少女が辛い過去を背負っていた事など、知らなかったからだ。

 

「いつまでこれが続くんだろうと思った時に、助けてくれたのが、カリバーさんでした。私達の世界で、カリバーさんは常に狙われているんです。全てを敵に回す覚悟で、私を含めた生存者の人々を助けてくれたんです。」

 

「自分が狙われる事を承知で…」

 

「全てを敵に…回してでも…あいつがそんな事を…」

 

飛羽真と賢人は、隼人が起こした行動に驚いていた。富加宮になりすましていただけの彼がそんな事をする覚悟があった事を。

 

「私や翼さん達に協力しないと言っておきながら助けてくれるんですよね。私の事も放っておけないって言ってました。もしかしたら本当は素直じゃない性格なのかも知れません。」

 

「素直じゃない、か…父さんも手を貸さないと言っていながら何だかんだ言って俺や倫太郎達の危機に助けてくれた。」

 

「お父さんと関係を戻せたのも、カリバーさんが私とお父さんの背中を押してくれたんです。だから、カリバーさんも本当は優しい人だって思ってます。」

 

飛羽真と賢人は響が話す隼人について耳を傾けて聞いていた。

 

「そうか。それに彼は、俺達と会った時に最後、彼は涙を流して、泣いていた。」

 

「泣いていたんですか!? カリバーさんが!?」

 

響は常に自分達の前で見せる姿と裏腹に隼人が泣いていた事に驚いていた。それを聞いて響はずっと仮面で涙を隠していた事を悟った。

 

「悪い人間なら騙していたら涙なんか流さず、泣きはしない。でも彼は泣いていた。賢人や尾上さんを騙した事に罪を抱いていた。それを見て俺は彼が悪い人間ではなく、優しい人間だって気づいた。」

 

「賢人さん、カリバーさんの事、許せないって言ってましたけど本当は?」

 

「………本当は、一緒に戦って欲しい。そして、上條さんと父さんの無念を晴らしたい…!」

 

賢人は隼人の事は許せないと言いながらも本当は一緒に戦って、上條と富加宮の無念を晴らしたいと打ち明けた。

 

「賢人。お前も素直じゃないな。」

 

「……そうだな。」

 

賢人は飛羽真に言われ、僅かに笑みを見せた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、鳳はとある採石場で破滅の本を使って何かを始めようとしていた。

 

「さぁ今こそ…!世界を無に帰す時ィ…!イッツ!!ショォォウタァァァィィィムゥ!!!

 

ハイテンションになった鳳は破熱の本の表紙を開いた。すると、本から虚無が溢れ出し、空を包み込んでいく。その様子は街の人々は勿論何が起こってるんだと騒ぎ、パニックに陥る。

 

「何が起きている…!?」

 

隼人も当然それを目撃した。突然暗くなった空の中心にブラックホールの様な物が出現し、ビルを、街を少しずつ吸い込んでいく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい!あれを見ろ!」

 

賢人が指差す方向には、ブラックホールの様な物から無数のシミーが現れている。

 

「何あれ…!」

 

【ガトリング!ガトリング!】

 

飛羽真のガトライクフォンから着信が鳴る。相手は芽依だ。

 

「もしもし!?」

 

「飛羽真大変!賢人と響ちゃん連れて早く戻ってきて!」

 

慌てた声で飛羽真達に戻ってくる様に芽依は飛羽真は戻ってくる様言った。そして3人がノーザンベースに戻って来ると、芽依が持つ本に街が少しずつ吸い込まれ、シミー達が溢れている光景が映し出されていた。

 

「何だよこれ!?」

 

「街が吸い込まれてるデス!」

 

「このままじゃ…!」

 

装者達もこの状況に驚きを隠せないでいた。だが、誰の仕業なのかは分かる。

 

「鳳だ…!」

 

「邪魔者を消す為に世界をリセットしてから全知全能の書を復活させるつもりだ!」

 

 

 

「私達も戦わせて下さ「ダメだッ!!」

 

響が自分達も戦わせて下さいと言おうとした時大声で遮ったのは飛羽真だった。飛羽真の声に装者達は驚いた。

 

「…これは俺達が果たさなければならない事なんだ。君達を俺達の戦いに巻き込む訳にいかないんだ。ここは俺達に任せてくれ。」

 

「飛羽真さん…」

 

「……必ず生きて還って来る。約束だ。」

 

そう言うと、飛羽真達は一斉に部屋を飛び出していった。芽依と響達はただ飛羽真達が飛び出して行った姿を見ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

飛羽真達は街へ出ると、シミーの群れが溢れ、空にはブラックホールが街や建物を少しずつ吸い込んでいる。飛羽真達は意を決した。

 

「今こそ、俺達の出番だ。絶対にみんなを救う!「待ってくださいッ!」

 

皆が声のする方向を振り返ると、響達が立っていた。

 

「みんな…! どうして!?」

 

思わず飛羽真は叫んでしまう。しかし、響達はそれを無視して答える。

 

「だって!飛羽真さん達だけに任せる訳にはいきませんから!」

 

「私達は神山さん達に助けてもらった。防人である以上、いてもたってもいられない!」

 

「あぁ。水くせぇぞ!あたし達にも手伝わせてくれよ!」

 

「元はと言えば私達がこの世界に来てから起きた事。だから…」

 

「最後まで付き合うデス!」

 

「これが私達が今するべき事…!」

 

「だから、聞いてください!」

 

「「「「「「私達の歌を!!」」」」」」

 

 

「……芽依ちゃんか。」

 

飛羽真は響達が来たのは、芽依に背中を押されたからと悟った。そう。響達はノーザンベースで待っていた時、芽依に奮起してもらったのだ。今自分達がやるべき事を、この世界を救う為にするべき事を。

 

「芽依さんってここぞと言う時に後押ししてくれますよね。」

 

「あぁ。誰よりも明るく、勇気を持ってる。」

 

「あの嬢ちゃんに背中を押されたか。しゃあねぇ!面倒見てやっか!」

 

「俺達の強さならアイツらなんて敵じゃないよ!」

 

「今なら、負ける気はしないな。」

 

すると、飛羽真達が持つワンダーライドブックが光り出し、そこから飛び出した光球が響達のペンダントに吸収された。

 

「今のは一体…?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「奴は俺が止める…!それが今俺がするべき贖罪…!」

 

隼人はシミーの群れと対峙し、ジャアクドラゴンを取り出して起動した。これが今自分がするべき事。この世界で自分がして来た事、賢人や飛羽真達を悲しませ、騙してしまった罪滅ぼし。例え許されなくても、罪を背負う覚悟だ。

 

【ジャアクドラゴン!】

 

【ジャアクリード!】

 

 

 

 

 

 

「絶対にこの世界を救う!」

 

飛羽真の言葉に剣士達と装者達は頷いた。そして…

 

【ブレイブドラゴン!】

 

【ライオン戦記!】

 

【ランプドアランジーナ!】

 

【玄武神話!】

 

【猿飛忍者伝!】

 

【ヘンゼルナッツとグレーテル!】

 

隼人がジャアクドラゴンを起動している同じ頃、6人もワンダーライドブックを起動し、ソードライバーに聖剣に装填すると、さらに飛羽真、倫太郎、賢人は更に2冊ずつワンダーライドブックを取り出して起動し、ガードバインディングを開いた。

 

【ストームイーグル!】

 

【西遊ジャーニー!】

 

【天空のペガサス !】

 

【ピーターファンタジスタ!】

 

【トライケルベロス!】

 

【ニードルヘッジホッグ!】

 

 

【この大鷲が現れし時、猛烈な竜巻が起こると言い伝えられている…。】

 

【とあるお猿さんの冒険記、摩訶不思議なその旅の行方は…。】

 

【かつて蒼白の翼を持つ神獣が天から輝き舞い降りた…。】

 

【とある大人にならない少年が繰り広げる夢と希望のストーリー…。】

 

【かつて冥界の入口に三つの頭を持つ恐ろしい番犬がいた…。】

 

【この弱肉強食の大自然で幾千もの針を纏い生き抜く獣がいる…。】

 

別の場所で同じタイミングに隼人はジャアクドラゴンを邪剣カリバードライバーに装填、グリップエンドで邪剣カリバードライバーのボタンを押していた。3人はガードバインディングを閉じ、ソードライバーの残りの空きスロットに装填し、尾上達もワンダーライドブックを装填した。飛羽真、倫太郎、賢人はソードライバーから聖剣を抜刀、尾上、大秦寺は聖剣のトリガーを押し、蓮は分断、響達はペンダントを構え、聖詠を唱えた。

 

【闇黒剣月闇!】

 

【烈火抜刀!】

 

【流水抜刀!】

 

【黄雷抜刀!】

 

【一刀両断!】

 

【双刀分断!】

 

【銃剣撃弾!】

 

 

「変身!」/「「「「「「変身!」」」」」」

 

1人と6人の掛け声が別の場所で同じタイミングで重なった。

 

「Balwisyall nescell gungnir tron」

 

「Imyuteus amenohabakiri tron」

 

「Killter Ichaival tron」

 

「Seilien coffin airget-lamh tron」

 

「Various shul shagana torn」

 

「Zeios igalima raizen tron」

 

虚無が溢れる中、聖詠が響き渡った。そして、飛羽真をブレイブドラゴン、燃えるストームイーグル、筋斗雲が、倫太郎をテンクウノペガサス 、ライオンセンキ、妖精の光が、賢人をトライケルベロス、無数の針、ランプドアランジーナが包み込み、姿を変化させる。

 

 

 

【Get go under conquer than get keen.(月光!暗黒!斬撃!) ジャアクドラゴン!】

 

【月闇翻訳!光を奪いし、漆黒の剣が冷酷無情に暗黒竜を支配する!】

 

隼人の身体をジャアクドラゴンが包み込み、カリバーへ変身した。

 

 

 

 

【語り継がれし神獣のその名は!クリムゾンドラゴン!】

 

【蒼き野獣の鬣が空に靡く!ファンタスティックライオン!】

 

【ランプの魔人が真の力を発揮する!ゴールデンアランジーナ!】

 

【ブった斬れ!ドゴ!ドゴ!土豪剣激土!】

 

【壱の手、手裏剣!弍の手、二刀流、風双剣翠風!】

 

【銃でGO!GO!否!剣で行くぞ!音銃剣錫音!】

 

セイバーの姿は真紅を基調とし、ブレイブドラゴンを模した右半身、胸と背中に鷲の姿を模した顔と羽に脚、左半身の肩には三蔵法師の錫杖、腕には筋斗雲に乗り如意棒を持つ孫悟空の姿。ブレイズの姿は青を基調とし、右半身にはテンクウノペガサスの頭部を模した肩と背中には翼、胸にはライオンセンキの頭部、左半身は背中に翼とピーターパンとフック船長を模した装甲と鉤爪。エスパーダの姿は黄金になり、右腕に肩マントとトライケルベロスの頭部、胸にはハリネズミの姿と脚には棘、左半身は肩マントと顔を覗かせている魔人がいる魔法のランプ。飛羽真達は3冊の同色のワンダーライドブックの力を宿したワンダーコンボに変身。

 

その時、不思議な事が起こった。クリスのイチイバルがクリムゾンドラゴン、翼の天羽々斬がファンタスティックライオン、そして響のガングニールもゴールデンアランジーナを模した姿に変化し、マリアのアガートラームもバスター、切歌のイガリマは剣斬、調のシュルシャガナはスラッシュを模した形状になった。

 

【烈火三冊!真紅の剣が悪を貫き、全てを燃やす!】

 

【流水三冊!紺碧の剣が牙を剥き、銀河を制す!】

 

【黄雷三冊!稲妻の剣が光り輝き、雷鳴が轟く!】

 

【激土重版!絶対装甲の大剣が、北方より大いなる一撃を叩き込む!】

 

【翠風の巻!甲賀風遁の双剣が、神速の忍術で敵を撃つ!】

 

【錫音楽章!甘い魅惑の銃剣が、おかしなリズムでビートを斬り刻む!】

 

「うぉ!? 何だこれ! 飛羽真とお揃いじゃねぇか!」

 

「天翔ける天馬と、百獣の王、永遠の子供と妖精…!」

 

「私は賢人さんとお揃いだ!」 

 

「なかなか渋いわね。でも、嫌いじゃない!」

 

「アタシ、忍者みたいデス!」

 

「ポップで可愛い…!美味しそう…」

 

それぞれのギアがセイバー達を模した形状になり、響達は驚いた。当然、セイバー達もだ。

 

「まるで俺達みたいだ…!」

 

「どういう原理なんでしょうか…!?」

 

「分からん…実に不思議だ…!」

 

「細けぇ事はともかく、これで奴等と戦えんだろ!」

 

「マジかよ…!凄ぇ…!」

 

「その時、不思議な事が起こったって奴だな。」

 

セイバー達と響達は驚きながらも、すぐに落ち着きを取り戻してシミーの大群と対峙した。

 

「物語の結末は…

 

「「「「「「俺達/僕達/私達が決める!!」」」」」」

 

力が漲る。歌詞が頭の中に浮かぶ。今なら戦える。世界を救う為の歌を。そして剣士達と戦姫は走り出す。世界を救う為に。

 

同じ頃、カリバーが闇黒剣月闇を手にシミーの大群の元へ歩き出す。

 

 

もし壁が見えたら それは運命の幕だ

 

セイバーは火炎剣烈火でシミー達を斬り裂いていき、炎の竜巻で吹き飛ばす。クリスは火炎剣烈火を模したクロスボウで炎の矢を放ってシミー達を撃ち抜き、クリムゾンドラゴンのタイセイブレーサーを模した左腕から如意棒を伸ばして貫く。炎の剣士であるセイバーの影響か炎属性が追加された様だ。ブレイズは流れる様な剣捌きでシミー達を斬り裂き、水勢剣流水から水の刃を飛ばして斬り裂く。翼も水勢剣流水を模した剣で斬り裂いていき、さらにファンタスティックライオンのデュエルブレーサーを模した左腕から鎖付きフックを伸ばしてシミー達を纏めて拘束すると、加速して一気に斬り裂いた。エスパーダは鮮やかな剣捌きでシミー達を斬り裂いていき、雷鳴剣黄雷から稲妻を放つ。更に無数の棘を乱射してシミーを攻撃する。響は両腕のギアに雷鳴剣黄雷のエンブレムが追加された事で雷属性が追加され、繰り出すパンチとキックに稲妻が走り、シミー達を次々蹴散らしていく。

 

「簡単に手を 繋げる様な 時代じゃないと!分かってるけどぉぉぉぉぉぉぉッ!!」

 

響の力強い歌声と共に稲妻を纏った拳を地面に叩きつけ、シミー達を吹き飛ばし、爆発させた。

 

バスターも土豪剣激土を振り回し、シミー達を薙ぎ払う。マリアも走りながらバスターの装甲を模したガントレッドから伸びた土豪剣激土に似た剣を地面に打ちつけ、シミー達を吹き飛ばす。いつもの彼女とは違う豪快な戦いぶりは、彼女の力強い歌声とベストマッチだ。剣斬も二刀流モードの風双剣翠風を手にアクロバティックな動きでシミー達を翻弄し、斬り裂く。切歌もマフラーを靡かせながら刃が風双剣翠風の刀身を模したアームドギアの鎌で次々とシミーを斬り刻む。更に鎌から風を吹き起こし、シミー達を吹き飛ばした所を剣斬が斬り伏せた。スラッシュも音銃剣錫音を手に無駄の無い剣捌きでシミー達を斬り裂く。調はローラースケートの様に滑りながらクッキーやキャンディを模したアームドギアのヨーヨーをシミーにくらわせ、更に回転しながら音銃剣錫音を模した髪のヘッドギアでシミー達を蹴散らし、空中のシミー達は銃奏モードに変形させて光弾を発射して撃墜していく。

 

 

 

そして別の場所でカリバーも闇黒剣月闇を手にしてシミー達を斬り裂いていく。しかし、彼の側には誰もいない。いるのはシミー達だけだ。人を騙した自分など、誰かと共に戦えるなど許される訳がない。自分の罪は一生消えない。かつてマリア達に言った言葉がこんな形で返ってくるとは皮肉なものだ。だが、彼にそんな事を考える暇は無い。目の前のシミーの大群をただ斬り伏せていく。例え許されなくても、自己満足であっても、今自分がやるべき事をするだけだ。

 

 

 

 

次々とシミー達を倒していくセイバー達と響達。すると、セイバーが遠くの採石場に鳳の姿を発見した。

 

「見つけた!」

 

すると、シミーを蹴散らしていたバスター達とマリア達が口を開く。

 

「ここは俺達に任せろ!」

 

「みんなはアイツを止めに行って!」

 

「分かりました!必ず奴を止めます!」

 

「はい!行ってきます!」

 

セイバー、ブレイズ、エスパーダと響、翼、クリスはシミー達を蹴散らしながら鳳の元へ向かって行った。残ったバスター達とマリア達をシミーの大群が取り囲む。

 

「姉ちゃんに嬢ちゃん!ここが正念場だ!」

 

「ええ!最高のステージにしましょう!」

 

バスターとマリアの言葉に剣斬とスラッシュ、調と切歌が頷く。

 

「「「「「「ハァァァァァァァァァ!!」」」」」」

 

雄叫びを上げながら6人はシミーの大群へ突っ込んで行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、採石場では、セイバー達と響達が鳳と対峙していた。

 

「クソガキ共が勢揃いか。それに何だメスガキ共の格好は。そんな物で私に勝てるとでも思ってるんですかー?」

 

響達のギアがセイバー達の姿に酷似していてもなお馬鹿にする鳳に賢人が口を開く。

 

「父さんや上條さんを、尾上さん達を利用したお前を倒す!」

 

「全然記憶にございましぇ〜ん!!」

 

鳳は飛羽真達と響達の前でわざとらしく記憶に無いとふざけた。

 

「貴様ッ!自分が何をしたのか分かっているのかッ!?」

 

翼がふざける鳳に噛み付いた。

 

「ジョークが通じないんでちゅかー? 無知なクソガキ共でちゅね〜!要はあのクサレ坊主とクソロン毛野郎の無念を晴らちたいんでちゅよねー!!」

 

鳳は赤ちゃん言葉で上條をクサレ坊主、富加宮をクソロン毛野郎と罵り飛羽真と響達を挑発する。もちろんわざとだ。

 

「てんめぇ…!!」

 

鳳のふざけ様に怒りを滾らせるクリス。勿論それはセイバー達も同じだ。

 

「もうやめましょうよ!こんな事「黙ってろよクズ。」」

 

「えっ…」

 

響はなおも鳳に世界を無に帰す鳳を止める様説得するが、鳳は響をクズ呼ばわりして切り捨てた。

 

「存在の真理は。全て何も無い無から始まった。だから全てを無に帰し、無から新世界を創造する!お前らみたいクズ共には分からないだろうがなぁッ!!」

 

鳳は存在の真理を無と称し、世界を破壊して無から自分が支配する新世界を創造するというあまりにも身勝手な理屈を言いながらセイバー達と響達をクズと罵った。

 

「そんな事はさせない!俺達は、この世界を守る!」

 

「それが防人である私達の務め!ここで貴様を止めるッ!」

 

翼の叫びと共に一同は聖剣とアームドギアを手に身構えた。

 

「何人束になろうが、クズはクズなんだよぉっ!」

 

鳳は飛羽真達と響達をクズ呼ばわりしながらエターナルフェニックスを取り出して起動した。

 

【エターナルフェニックス!】

 

「クズグズうるせぇ!お前の方がよっぽどクズだよッ!」

 

怒りを爆発させたクリスはクロスボウから炎の矢を数発鳳に向けて発射した。鳳がいた場所は爆発して爆炎が立ち込める。しかし…

 

【エターナルフェニックス!】

 

【虚無!漆黒の剣が無に帰す…!】

 

爆炎の中からファルシオンが現れ、無銘剣虚無を構えた。

 

「来いよクズ共…!」

 

ファルシオンの挑発に乗りながらもセイバー達と響達はファルシオンに雄叫びを上げながら突っ込んだ。まずはセイバーとブレイズが斬りかかり、ファルシオンも応戦する。剣戟の応酬の中セイバーとブレイズの肩をジャンプ台にして飛び上がったのは翼とクリスだ。クロスボウから炎の矢を放ち、怯んだ所に水流を纏わせた剣で翼が斬り裂く。追撃に響が右手からトライケルベロスの力で一撃が三連撃となるパンチを腹に浴びせ、エスパーダが無数の棘をファルシオンに向けて発射し、稲妻を纏わせた雷鳴剣黄雷を振り下ろし、ファルシオンに雷を流し込む。

 

「ぐぉぉぉぉぉぉッ!」

 

喋る暇も与えずセイバー達と響達はファルシオンに雄叫びを上げながら走って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして街ではバスター達とマリア達がシミーの群れを蹴散らしている頃、空のブラックホールの様な物からまたシミー達が降り立った。

 

「カッコつけたつもりが…キリがねぇな…!」

 

「倒しても倒しても来るんだけど!」

 

「どこまて増えるんデスかこいつら!」

 

「しつこい…!」

 

そんなシミー達にうんざりしていた時、思いもよらない人物が現れる。それは…

 

【読後一閃!】

 

音声と斬撃波と共にバスター達の目の前のシミー達が一掃される。飛んできた方向には、カリバーがいた。

 

「カリバー…!」

 

「……。」

 

しかし、カリバーは何も答えずにシミー達を斬り裂いていく。そこにバスターとスラッシュ、剣斬がやって来る。

 

「おいおいどうした?」

 

「どういう風の吹き回し?」

 

「私達と戦ってくれるのか?」

 

「…別に加勢する訳じゃない…俺は…俺の犯した罪を…償いに来ただけだ…」

 

カリバーはマリア達に聞こえない声量でバスターとスラッシュ、剣斬に答えると、すぐにシミーの群れへ突っ込んでいった。今は目の前のシミー達を倒す為だ。

 

「一緒に戦わないとか言っといて、俺達の所に来てんじゃん。」

 

「ああいう素直じゃないとこ、富加宮さんそっくりだな。」

 

「あぁ、本当にな。」

 

バスター達もカリバーについて話しながらシミー達を斬り裂いていく。どうやら彼らは富加宮ではないカリバーを邪魔者扱いしない様だ。そんな中カリバーがニードルヘッジホッグと天空のペガサス を取り出して起動し、闇黒剣月闇に1回スキャンした。

 

【ニードルヘッジホッグ!】

 

【天空のペガサス !】

 

【必殺リード!ジャアクヘッジホッグ!】

 

【必殺リード!ジャアクペガサス!】

 

そして、他のシミー達に気を取られている調と切歌に迫るシミーの群れへ走り出す。

 

「調!切歌!後ろ!」

 

マリアに言われて振り返ると、シミーの大群が迫り来る。しかし…

 

【月闇必殺撃!】

 

カリバーが上空に無数の棘を放ち、更に闇黒剣月闇に青いエネルギーを纏わせる。

 

【習得二閃!】

 

そのまますれ違い様にシミー達を斬り裂き、更に先程放った無数の棘がシミー達に降り注いで爆発と共に青い羽根が舞い散る。

 

「カリバー!」

 

「やっぱり来てくれたデス!」

 

カリバーが来た事にどことなく嬉しそうな声を出す調と切歌。

 

「あいつのライドブックの使い方はなかなかやるな。」

 

「剣士としてはまだまだだが、発想は悪くない。」

 

バスターとスラッシュは隼人の戦い方を剣士としてはまだまだだがワンダーライドブックを使用する時の発想は悪く無いと評価した。そんな事を言いながらも7人はまだ大量に溢れているシミー達と戦うのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   

 

 

 

 

 

 

 

「ぬぁぁぁッ!!」

 

一方ファルシオンは6人を相手に押されていた。セイバー達の強力なワンダーコンボに加え、響達もワンダーコンボと同じ姿をしている。いくら無銘剣虚無の力を持つファルシオンでも押されるのは当然だった。更にブレイズと翼の左腕の鎖付きフックで拘束されて振り回されて地面に叩きつけられて吹き飛ばされた所にセイバーとクリスが炎の竜巻で動きを封じた所に左腕の如意棒をくらい、地面落とされて立ち上がった所にエスパーダと響がすれ違い様に雷を纏わせたパンチと斬撃を浴びせられた。

 

「おのれ…! こんなクズ共に…!」

 

「全てお前の策略に踊らせれて身につけた力だ!思い知れ!」

 

賢人の声と共に6人が並ぶ。ファルシオンは無銘剣虚無からオレンジ色の斬撃波を放つが、6人はそれを打ち消す。 

 

「!?」

 

驚くファルシオンを尻目にセイバー達はソードライバーに聖剣を戻し、トリガーを押して抜刀した。

 

【【【必殺読破!】】】

 

【烈火!流水!黄雷!【【【抜刀!】】】】

 

「「爆炎紅蓮斬!」」

 

「「ハイドロ・ボルテックス!」」

 

「「トルエノ・デル・ソル!」」

 

【ドラゴン!イーグル!西遊ジャー!三冊斬り!】

 

【ペガサス!ライオン!ピーターファン!三冊斬り!】

 

【ケルベロス!ヘッジホッグ!アランジーナ!三冊斬り!】

 

そして剣士は響達と共に技名を叫ぶ。戦姫達も、頭の中に自然と技名が浮かぶのだ。

 

まずはブレイズと翼が水勢剣流水と刀から水流を発射してファルシオンを拘束し、そのまま飛び上がると2人がX字に斬り裂く。そこへエスパーダと響が雷鳴剣黄雷と拳に凄まじい雷撃を纏わせ、水に濡れたファルシオンに渾身の一撃を浴びせる。水が電気を通す事を想定していたのだ。そしてとどめにセイバーとクリスが周りに炎の輪を作り出し、同時に火炎剣烈火とアームドギアの拳銃から火の玉を発射して徐々に大きくしていき、巨大な火球を形成すると、セイバーが斬撃波を飛ばし、クリスが再びクロスボウで巨大な炎の矢を放った。火の玉をファルシオンは受け止めるが、斬撃波と巨大な炎の矢の追撃をくらった。

 

「バカな………!この私が……!ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!」

 

【ファ・ファ・ファ・ファイヤー!】

 

【ウォ・ウォ・ウォ・ウォーター!】

 

【サ・サ・サ・サンダー!】

 

断末魔と共にファルシオンは倒れ、爆発した。そして爆発と共に無銘剣虚無とエターナルフェニックスが地面に落ちる。これで終わった。誰もがそう思ったその時、思いもよらない出来事がおこる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

爆炎が徐々にファルシオンの身体を形成していき…

 

「私は……不滅だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!」

 

 

何と、叫び声と共にファルシオンの体が炎で再構築され、復活したのだ。

 

「そんなヘナチョコ攻撃で私を倒したと思ってたのかよ!バァァァァァァァァァァァカッ!!」

 

「嘘だろ…!?」

 

「そんな…! あれだけくらってピンピンしてるだと!?」

 

ファルシオンの言葉に苛立ちながらも身体が再生された事に驚きを隠せない一同。何故だ。手応えはあったはずなのに。どうして。

 

「エターナルフェニックスは再生の象徴であり不死身の神獣ッ! そんな簡単な事も分からないなら小学校からやり直して下しゃぁぁぁぁいッ!!」

 

ファルシオンは更に子供じみた言い方でセイバー達と響達を挑発する。これが鳳の本性。口喧嘩で悪口を言う子供じみた発言にエキセントリックな言動。まさに知恵と力を手にした精神年齢が子供の大人だ。

 

「不死身…!?」

 

「じゃあいくらボコっても…!」

 

 

ファルシオンは無駄とせせら笑いながらブレードライバーからエターナルフェニックスを引き抜き、無銘剣虚無に1回スキャンした。

 

【永久の不死鳥!】

 

【無限一突…!】

 

ファルシオンは無限剣虚無から不死鳥型のエネルギーと共に十字の衝撃波を放った。6人はそれを炎、水、雷を発射して相殺するが、爆発して煙が辺りを包み込む。すると…

 

【黙読一閃…!】

 

背後からオレンジ色の斬撃波が6人に命中して、爆発と共に吹っ飛んだ。

 

「「「「「「うわぁぁぁぁぁッ!!」」」」」」

 

斬撃波を浴びせられ、地面を転がる6人。煙が晴れると同時にファルシオンが現れる。

 

「ブァカめ!さっきのは囮だよォ!」

 

先程放った衝撃波は、セイバー達を引きつける囮として放ったのだ。

 

「それに良いのかなぁ?ワンダーコンボを使えばお前らの身体はボロボロだぁ!」

 

「……!」

 

ファルシオンの言う通り、ワンダーコンボは3冊のワンダーライドブックの力を最大限に引き出すが、使用者の潜在能力も強制的に引き出す為、身体への負担も大きいのだ。

 

「ワンダーコンボの特性を見抜いて、僕達を消耗させる為に…!」

 

「それに奴は不死身…!いくらボコってもダメージもリセットされる…!」

 

しかし、ここで倒れる訳にはいかない。セイバー達と響達は立ち上がり、ファルシオンに立ち向かう。そんな彼らを仮面の下で嘲笑いながらファルシオンは無銘剣虚無で斬りかかってきたセイバーとブレイズを2回斬り裂き、挟み撃ちで剣から水流を発射した翼と炎の矢を放ったクリスの攻撃をギリギリでかわして同士討ちさせた所に斬撃波を浴びせる。そしてエスパーダ目掛けて執拗に攻撃し、エスパーダも応戦するが、次第に押されていく。

 

「離れろぉぉぉぉぉぉッ!!」

 

背後から雷を纏った拳でファルシオンに殴りかかるが、気付いたファルシオンがエターナルフェニックスのページを押す。

 

【エターナルフェニックス!】

 

「お前がなぁぁ!」

 

ファルシオンは振り返り左手に握り拳を作ると不死鳥を模したエネルギーを纏わせて響の右脇腹にパンチを浴びせた。

 

「うああぁぁぁぁッ!!」

 

一撃を浴びせられた響は吹き飛ばされて地面を転がる。

 

「響!」

 

吹き飛ばされた響を見てエスパーダはファルシオンに斬りかかるが、無銘剣虚無で受け止められ、斬撃を浴びせられて蹴り飛ばされる。今度は背中に羽を生成して空中に飛翔し、オレンジ色の羽根を反撃しようとしたセイバー達にばら撒く。

 

「「「「うわぁぁぁぁッ!!」」」」

 

羽根に触れたセイバーとブレイズ、翼とクリスは爆発と共に叫び声を上げ、倒れる。

 

「飛羽真!倫太郎!」

 

「翼さん!クリスちゃん!」

 

エスパーダに狙いを定めたファルシオンは無銘剣虚無をブレードライバーに戻すと、トリガーを2回押した。

 

【必殺黙読!】

 

【不死鳥…!無双撃…!】

 

ファルシオンは右足に不死鳥型のエネルギーを纏わせて猛スピードで急降下し、エスパーダの胸に蹴りを入れた。蹴り飛ばされたエスパーダは地面を転がる。立ち上がろうとするが、ワンダーコンボの負担とファルシオンの攻撃でダメージが蓄積されて体に力が入らない。

 

「賢人!」

 

「賢人さん!」

 

「私がクソロン毛野郎の元へ連れてってやろう。あ!地獄の間違いだったなぁ!ウッヒャッヒャッヒャッヒャッ!」

 

狂った笑い声を放ちながら着地したファルシオンは無銘剣虚無をエスパーダに向けながら迫る。すると、ファルシオンの目の前に息を切らしながらも響が立ち塞がる。

 

「響…!」

 

「どいて。」

 

「退かないッ!」

 

ファルシオンの軽い口調の命令を響は強い声で拒否した。

 

「………どけっつってんだろッ!!」

 

響の返事に憤慨したファルシオンはドスの効いた声で叫び響を殴り付け、倒れた所を腹に蹴りを入れた。

 

「立花ッ!」

 

「響ちゃん!」

 

「響さん!」

 

「野郎…!」

 

蹴られた腹を押さえながら顔を歪める響。

 

「クソガキが…調子に乗ってんじゃねぇぞ…!」

 

倒れた響を見下しながらファルシオンは無銘剣虚無をブレードライバーに戻し、トリガーを押して再び抜刀した。

 

【必殺黙読!…抜刀!】

 

「今日がお前の命日だァ……!!」

 

【不死鳥…!無双斬り…!】

 

ファルシオンは響目掛けて刀身に羽根型のエネルギーを纏わせた無銘剣虚無を振り下ろした。振り下ろされる無銘剣虚無に絶望の表情を浮かべる響。翼とセイバーが叫ぶ。

 

「立花ァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!」

 

「止めろおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!!!」




いかがだったでしょうか? 長い割にはかなりお粗末な文章になってしまい申し訳ありません。自分の構成能力不足でこの様な結果になってしまいました。そして遂にXDの醍醐味の1つ、コラボギアの登場です。姿はご想像にお任せします。変身音の文章にくどいと思うかも知れませんがどうしてもこういう場面ではフルで書きたくなってしまいます。申し訳ありません。後鳳の本性については仁良光秀をモデルにしています。何気に隼人と響達がする事は反対になっています。そして写真だけですが、先代組の登場です。この小説では3人は故人となっています。

隼人=飛羽真達を騙してしまったから罪を償う
響達=飛羽真達に助けられたから恩を返す

「簡単に手を繋げるような時代じゃないと分かってるけど」=響の手を取り合いたいという心情

「仮面の中の瞳は一度限りの人生の外側を見ていた」=一度限りの人生を諦めた隼人への皮肉




ちなみにこの小説に出てくる破滅の本も、劇場短編に登場する物と全く別物です。今回楽曲コードを使ってみました。初めて使用したので使い方が間違っていたりしていたらすぐに報告をお願いします。

今回はここまでです。感想お待ちしています。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。