【完結】月闇絶唱シンフォギア   作:ネガ

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今回も主人公の夏休みのエピソードとなります。次回から本格的にスタートさせるのでよろしくお願いします! 最近ネオライダーシリーズの主題歌をよく聴いています。第4章のイメージソングをどうしようかなと考えていたりしてるので何かいい曲があったら教えて下さい。ゲンムズの主題歌を聞いて「分かり合える」や「乗り越えてゆける」のフレーズがあってちょっと合ってるかなと思ってしまいました。






第54話 謎が謎を、深める真夏。

まだまだ夏真っ盛りの8月。寝室でどういうシステムで使えるのか分からない冷房を付けながらベッドで眠りにつく隼人は、夢を見ていた。それは自分が海岸の砂浜で流木に腰掛けながら海を眺めている物だった。ここ最近は夢を見るほど寝付きはいい。すると…

 

「また会ったな。」

 

背後から聞き覚えのある男性の声が聞こえた。まさかと隼人はハッとする。そのまさかだ。横を向くと、前に夢で会った様に富加宮が歩いて来たのだ。

 

「富加宮さん…!」

 

「私もまたお前に会うとは思わなかった。」

 

富加宮が歩いて来た所を見た隼人は自身の座る場用から右にずれ、座る場所を空けると、富加宮は流木に腰掛けた。

 

「どうして再び俺に会いに来たんですか?」

 

「お前が並行世界で戦ったと知り合いから聞いた。」

 

(知り合い…? もしかして神様…?)

 

富加宮は隼人が並行世界にて飛羽真達と出会い、ファルシオンこと鳳真司と戦って世界を救った事を知り合いから聞いたと話した。

隼人は富加宮の言う知り合いが神様なのではないかと考えた。これまで自分の事を知っているのは神様から聞いたと話した事を思い出していたのだ。

 

「…知ってたんですね。俺が富加宮さんの世界で何をしたのか。」

 

「あぁ。知り合いから聞いた。お前が賢人達の前で私になりすました事も、鳳を倒した事も。」

 

それを聞いて隼人は神様は何でもお見通しなんだなと悟った。なら自分がするのは1つ。

 

「ごめんなさい…富加宮さんになりすまして、息子さんや仲間の皆さんを絶望させてしまって…」

 

当然、謝罪だった。

 

「やけに素直だな。私の無念を晴らそうとしただけと言うと思ったぞ。」

 

「…俺にそんな事を言う資格はありませんよ。そもそも俺は赤の他人ですから。」

 

隼人は赤の他人である自分が富加宮と彼等との関係に首を突っ込んでも何の意味もない事は分かっていた。しかし、自身の中の過去と重なり剣を振るってしまったのだ。

 

「…まぁ、過ぎた事を悔やんでも仕方ない。これからはもう少し冷静になって行動するんだな。」

 

「はい。精進します…」

 

富加宮から軽い叱りを受け、隼人はもう少し自分自身が冷静になれる様にしようと心に思った。

 

「そうだ! 実は富加宮さんに聞きたい事があったんです。」

 

「何だ?」

 

「俺が並行世界で戦ったファルシオンの聖剣についてなんですが…」

 

隼人はファルシオンこと鳳が持っていた無銘剣虚無について何も知らなかったので富加宮に聞きたいと前から思っていたのだ。

 

「無銘剣虚無か…」

 

「無銘剣虚無? どんな能力を持ってるんですか?」

 

すると、途端に富加宮の表情が真面目になる。隼人はもしかしたらとてつもなく危険な力を秘めているんじゃないかと考えた。

これは絶対に聞いておかなければならない。今後何が起こるか分からないからだ。そして、富加宮の口から衝撃的な言葉が飛び出す。

 

 

 

 

「…知らん。」

 

「えぇ!? 知らないんですか!? そんな真面目な顔して!? 1つくらい知ってますよね!?」

 

何と、富加宮は知らないと言ったのだ。

 

「いや、本当に知らん。無銘剣虚無はあまりにも危険すぎるが故に長年封印されていた聖剣。その力を知る物はもう誰もいない。だがこれなら知っている。無銘剣虚無は無属性。を司る聖剣。属性が無いという訳ではなく、全てを無に帰すから無属性という意味だ。」

 

「全てを…無に帰す…」

 

隼人は富加宮の口から聞いた無銘剣虚無について、長年封印されていた聖剣、無属性、全てを無に帰すと言い伝えられているという話を聞いて、もしかしたら闇黒剣月闇と同じくとんでもない力が秘められているんじゃないかと考えていた。

 

「だがいきなり何故無銘剣虚無の事を私に聞いた? まさかあの事か?」

 

「はい。実は、奇妙な事があったんです。あの時ファルシオンを倒した時、無銘剣虚無とエターナルフェニックスを拾った時に軽い気持ちで変身を試みたら、出来たんです。その後に奴にトドメを刺したんです。それで…」

 

「それで?」

 

「奴が持っていた本と共に富加宮さんの仲間に返して、元の世界に帰ったんです。そしたら…」

 

「そしたら?」

 

何故か俺の家にあったんです…

 

隼人は、破滅の本と無銘剣虚無とエターナルフェニックスを飛羽真達に返したのにも関わらず何故か自分の家に置いてあった事を富加宮に話した。

 

「確かに奇妙だな。」

 

「ちゃんと返したんですよ…でも…何故か置かれていたんですよ…!」

 

隼人はその時の様子を思い出して顔を引き攣らせたながら話した。まだあの時の戦慄が残っているようだ。

 

「俺の予想だと、もしかしたら神様があの世界から勝手に俺の部屋に送ったと思うんですが…」

 

隼人は、自分の家に無銘剣虚無とエターナルフェニックスが置かれていたのは神様が自分の家に置いたのではないかと推測した。

転生した時も闇黒剣月闇やワンダーライドブック等を与えたのも神様だから、そんな事が出来るのは神様以外ありえないという訳だ。

 

「お前の話を聞いて私もそう思った。だが聞いた所、「一体何の事だ?」と知らない様子だったぞ。」

 

「は!? 神様が渡したんじゃないんですか!?」

 

何と、神様が送った訳ではない事が富加宮の口から語られた。それを聞いた隼人の中で更に戦慄が走る。そこで、もう1つ予想していた推測を話した。

 

「じゃ、じゃあ、神様が同じ奴を用意して俺の家に置いたとか…?」

 

神様が送っていないなら、同じ物を複製して置いたと考えた。しかし…

 

「私もそう思った。だが彼は「そんな事をした覚えはない」と言っていた。」

 

「嘘ですよね…!? じゃあ誰が…!?」

 

隼人は焦った。自分の身に起きたこの奇妙な出来事が神様の仕業では無いなら、一体誰の仕業なのかますます分からない。

戦慄するのも当然だ。すると、富加宮の口からその戦慄を増す出来事が語られる。

 

「実はあの世界でも奇妙な出来事が起きていたらしい。聞いた話によると、お前が賢人達に返して、元の世界に帰ってから起きた。賢人達はノーザンベースの封印の場所に無銘剣虚無とエターナルフェニックスを封印したらしい。そうしたら…」

 

「そうしたら?」

 

そして富加宮の口から衝撃的な事実が語られる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「封印の場所から無銘剣虚無とエターナルフェニックスが無くなっていたらしい。」

 

「えぇ!? じゃ、じゃあ俺の家にある無銘剣虚無とエターナルフェニックスって…あの世界の物!?」

 

隼人は驚き、戦慄した。つまりあの世界にあった無銘剣虚無とエターナルフェニックスが世界を越えて隼人のいる世界にやって来たという事だ。

 

「…そういう事だな。」

 

「ちょっと待ってくださいよ…!完全なホラーじゃないですか! 返さなきゃダメですよね!?」

 

ごもっともだ。自分の予想はどれも外れ、一体誰が自分の家に送ったのか全く分からなくなった。

しかし、勝手に持っていてはいけない。返さなければいけないという気持ちが隼人の中に芽生えていた。

 

「偉いな。私もそう思った。だが知り合いに言ったら、「あの世界で全知全能の書が復活する事は無い上、絶対お前の役に立つから持っておけ」と言っていた。」

 

「は…はぁ…」

 

(良いのかなぁ…?)

 

隼人は富加宮が神様が自分に無銘剣虚無とエターナルフェニックスは絶対役に立つから持っておけと言っていた事を聞き、自分が他所の世界の物を勝手に持っていて良いのか疑問に思いながらも富加宮の話に耳を傾けた。

 

「それともう1つ。無くなったのはそれだけじゃない。」

 

「え…?」

 

何と、富加宮が無くなったのは無銘剣虚無とエターナルフェニックスだけではないという。なら一体何が無くなったのか。

 

「ソードオブロゴスには危険な本を厳重に保管する場所があるんだが、その中から1冊の本が消えたと知り合いから聞いた。」

 

「1冊の本? どんな本なんですか?」

 

「それは、はるか昔から人類に災いを齎すと言われている、禁書だ。」

 

「禁書!? そんなヤバいものが突然無くなるとかセキュリティガバガバじゃないですか!」

 

隼人は突然無くなったその禁書といい無銘剣虚無やエターナルフェニックスといいソードオブロゴスのセキュリティが甘いんじゃないかと疑問を抱いた。

 

「その本の見た目は、背の部分に複数の骨が纏わり付き、表紙に骨や爪で引き裂かれたような傷跡がある黒い本だ。」

 

「見た目からしてヤバそうですね…」

 

しかし、何故自分に禁書の事を話したのか。そこが引っかかる。

 

「何故俺にそれを話したんですか?」

 

「もしかしたら、お前の家にあったりしてな…」

 

富加宮は邪悪な笑みを浮かべて隼人の家にあるんじゃないかと話した。

 

「やめて下さいよ!不吉じゃないですかッ!」

 

隼人は富加宮の邪悪な笑みに怯み、声を上げた。

 

「冗談だ。」

 

「ハァ…」

 

富加宮の冗談という言葉を聞いて安堵のため息を漏らす隼人。

 

「そういえば、富加宮さんに話しておきたい事があったんです。」

 

「何だ?」

 

「俺…見たんです。未来を。」

 

隼人の言葉を聞いた富加宮は、途端に顔色を変えて聞いた。

 

「まさかお前、闇黒剣が見せる未来を見たのか!?」

 

「一瞬だけ見えたんです。 立花響がファルシオンに斬られる未来を。まさか、アレが未来予知の力なんですか?」

 

「あれはあらゆる可能性における災厄を再現、擬似体験させるもの…恐らくその前兆…これから先お前は幾つもの災いを見るだろう…まだ闇黒剣はそこまで力を出していないが、必ず来る。」

 

「富加宮さん…」

 

富加宮が真剣な表情で隼人に語りかけた。

 

「闇の剣士の宿命からは、誰も逃れられない。それを忘れるな。」

 

「……分かりました。」

 

富加宮の真剣な表情を見ながらこれから見るであろう闇黒剣が見せる最悪の未来が何なのか、その宿命からは逃れられない事を肝に銘じた隼人は頷いた。

 

「さて、私はこれで失礼するか。」

 

「あの!」

 

富加宮は立ち上がり、隼人に芹沢を向けて歩き出す。すると、隼人が呼び止める。

 

「上條さんとは…仲直り出来ましたか?」

 

「…それは、お前の想像に任せる。」

 

そういうと富加宮のいる場所から光が放たれ、辺りを包み込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

隼人は目を覚ました。時刻は午前9時30分。隼人は起き上がり、洗面所で顔を洗って部屋着に着替えて朝食を取った。

そして隼人は寝室での紫表紙に自分の名前を書いたリングノートに何やら書いている。

実は、夢で富加宮と最初に会った時から闇黒剣月闇やワンダーライドブック、全知全能の書などに付いて、自分なりに纏めているのだ。ご丁寧にカラーマーカーや赤のボールペン等も使用している。

 

「ハァ…とりあえず今これらについて知っている事を大体纏めたけど、これとこれは本当に誰が置いたのか…」

 

シャーペンを机に置くと、隣の椅子に立て掛けてある無銘剣虚無とライドブックホンダナーに収納してあるエターナルフェニックスを手に取る。

返した筈なのに何故。富加宮曰く「神様は絶対お前の役に立つ」と言っていたが、妙に腑に落ちない。

それに神様がくれた物ではないなら尚更だ。そんな事を考えてると、机から紫のカラーマーカーを落とした。拾おうとして屈み、何気なくベッドの方へ目をやる。

 

「…ん?」

 

ベッドの下に、何やら本らしき物が2つ見えている。カラーマーカーを机に置き、ベッドの下を覗くと、大きい本と一回り小さい本が見える。

とりあえずベッドの下に手を伸ばし、小さい本を手に取る。取り出すと、その本は茶色の表紙の少し古びた本だった。この家に住んで3年経つがこんな物が見つかるとは思わなかった。

それはさておき再び手を伸ばし、もう一冊の大きめの本を掴み、引き摺り出す。

 

「おいおい…俺はまだ夢を見ているのか…!?」

 

取り出した大きめの本を見て隼人は震えながら絶句していた。何故ならその本は…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夢で富加宮が言っていたソードオブロゴスから紛失した人類に災いを齎す禁書だったからだ。

 

「何で俺の家にあるんだよ…!! 」

 

隼人は戦慄した。何故自分の家にあるのか。見た目は富加宮が話していた通り背の部分に複数の骨が纏わり付き、表紙に骨や爪で引き裂かれたような傷跡がある黒表紙の本。

富加宮の冗談が本当になるとは。嘘から出たまこととはまさにこの事。明らかに禁書というのはこれだろう。何故世界を超えてここにあるのか。

誰が何の為に自分の家に置いたのか全く分からなかった。一先ず禁書らしき物を置き、茶色の本を手に取ると、ページの間に栞が挟んであり、隼人は本を開く。

 

「うわぁ…細けえ字…何て書いてあるのか分からん…」

 

文字の細かさに顔をを顰める隼人。しかし、書いてある文字がある事に気づく。

 

「これもしかして…!」

 

隼人は本を手にして机に向かうと、リングノートを開いて本を縦向きにしてページの文字を見る。

そしてシャーペンを手にして本に書かれた文字をアルファベットと共に書いていく。隼人はこの文字がアルファベットをデフォルメした物と気づいたのだ。そして…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やっと出来た…」

 

隼人は書かれていた文字の解読表を作り、それを見ながら栞が挟んであったページの文字を日本語に直しながらリングノートに書き終えた。そして読んでみると、ある物語になっていた。

 

 

 

「悲しすぎんだろこの物語…」

 

隼人はこのページに書かれていた物語を読んで悲しい物語だと評した。

 

「俺から言わしてみれば…何だろう…こいつの気持ちが分かるというか…」

 

隼人がそう言うと、ベッドの側に置いてあった禁書が一瞬だけ青黒いオーラを放った。それを察したかの様に隼人は禁書を見るが、何ともない。

 

「今一瞬…何かを感じた様な……いや、気のせいか。とりあえず小腹空いたから何か食うか。」

 

そう言うと隼人はリングノートと本を閉じ、禁書を椅子の上に置いて部屋を後にしドアを閉めた。

すると、ドアを閉めた後に禁書が再び青黒いオーラを放ち、それに同調するかの様に闇黒剣月闇も妖しく光った。

この禁書が、後の戦いの鍵を握っている事など、隼人は知るよしも無かった。そして晩夏に、平和の代償とも言える新たな戦いの幕が開けようとしていたのだった。

 




いかがだったでしょうか?再び夢で富加宮さんと邂逅です。何と白いおっさんと知り合いという。そしてラストで出てきたアレは…我慢できずに出しちゃいます。もしこれで本編でカリバーの新強化形態が出たら欲張りですがそちらも第4章で出すつもりです。

いよいよ次回から第4章を本格的にスタートさせます!ちなみに次回最初はアニメだとバルベルデ突入がありますが、今回どうしてもやりたい事がいくつかあります。まず1つ目が、バルベルデでカリバーを大暴れさせちゃおうかなと思っています。シンフォギア世界において最強の抑止力とされているカリバーをどんな形で大暴れさせようか考えています。
問題は不浄を浄化する力を持つラピス・フィロソフィカスこと賢者の石が魔剣ダインスレイフの力を持つイグナイトに特効と聞いて邪剣である闇黒剣月闇を持つカリバーとは相性が悪いのではないかと思う所ですね。とりあえず対抗策は3つ考えています。

1つ目は邪剣の闇黒剣月闇が仮に対抗できるなら聖剣の封印能力を応用して自身に対するラピスの不浄を浄化する力を封じ込めるという感じになります。後は邪剣から聖剣に覚醒させるかです。
2つ目はアレが本能のまま動く純粋な力として作用して対抗するか。
そして3つ目は無の聖剣である無銘剣虚無です。不浄を浄化する力を無に帰す事で対抗するという形です。Twitterで見たんですが、無銘剣虚無とエターナルフェニックスはもともと禁書を封印する役割を持った剣と本らしいと言われていたので…

是非シンフォギアと仮面ライダーを愛して下さる読者の皆様の意見を聞かせて下さい。こんな作者で申し訳ありません。

今回はここまでです。感想お待ちしています。
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