【完結】月闇絶唱シンフォギア   作:ネガ

72 / 111
先に謝ります。どうしてもやりたかったんです。申し訳ありません。ほとんど原作と変わらない流れになってしまってるので少しでも変えようと必死に考えています。こんな作者で申し訳ありません。





第56話 形為す、神の力。

南米バルベルデ共和国にてアルカ・ノイズを軍事利用するバルベルデ軍の制圧にあたるS.O.N.G.装者達。そして、フロンティア事変、魔法少女事変に関与したパヴァリア光明結社の出現。平和の代償とも言える新たな戦いの幕が開けたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

藤尭と友里の危機にマリア、調、切歌がギアを纏って参上。一方、響、翼、クリスは工場長を追ってステファンの運転するトラックで村へと向かっていた。ちなみにカリバーも暇潰しでライドガトライカーで同行している。

 

 

「化学兵器プラントは緒川さんにお任せして、こちらは逃亡した管理者をカリバーと共に追跡中。…え? マリア達が?」

 

翼はトラックの荷台に乗り、弦十郎に状況報告を行なっていた。そしてS.O.N.G.の指令室ではマリア、翼、調が龍と対峙していた。

 

「藤尭、友里の救助に対し、錬金術師とエンゲージ。緊急事態に最後のモデルKを使っている。」

 

そう。天羽奏が使っていたモデルK。手持ちのLiNKERはこれで最後。遂に底を尽きたのだ。

 

「LiNKER…!ですが、その効果時間は本人に合わせた調整されていない以上あまり長くは持たないはず…!」

 

「急いで戻らなきゃ!」

 

「バカ!こっちも任務のど真ん中!仲間も信じるんだ!」

 

急いで戻るべきと主張する響と仲間を信じて自分たちがやるべき事をやるべきだと主張するクリスのやりとりを聞くエルフナイン。

 

「ウェル博士のチップに記録されたLiNKER製造のレシピ…その解析はボクの役目なのに…」

 

魔法少女事変にてウェル博士が託したチップ…そこにはLiNKERのレシピが記録されているのだ。しかし、厳重なロックがかけられており未だに解析に至っていないのだ。

 

「いつまでもグズグズしてたから…」

 

すると、突然弦十郎がエルフナインの頭に手を置いて撫でる。

 

「うわっ!? な、何を!?」

 

「仲間を信じるのは俺達も同じだ。」

 

「仲間を…信じる…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「2人とも大丈夫?」

 

「ええ!」

 

「後は私達…」

 

「任せるデス!」

 

そして3人の元に分身カリバーも歩いてくる。

 

「出てきたか。シンフォギア。」

 

目の前には蛇の様な龍と、パヴァリア光明結社の錬金術師のサンジェルマン、プレラーティ、カリオストロ。

 

「ようやく会えたわね。パヴァリア光明結社!今度は何を企んでるの!?」

 

マリアはダガーを構え、目的を聞き出す。

 

「革命よ!」

 

「紡ぐべき人の歴史の奪還こそが積年の本懐!」

 

サンジェルマンの言葉と共に龍が4人に襲いかかる。マリアは歌いながら飛び上がりダガーで螺旋状に斬っていくが、効いている様子はない。

 

「攻撃が効いていないデス!」

 

「真正面からぶつかっても勝ち目はない。ここは奴等を逃がせ。」

 

分身カリバーはひとまず藤尭と友里を避難させる様に調と切歌に言う。やはりここは人命を優先したのだ。そこへ龍が地面に勢いよく潜り込む。調、切歌は藤尭と友里を抱え、藤林カリバーもジャンプして避ける。

 

「や〜だ!ちょこまかと!」

 

「だったらこれで動きを封じるワケダ。」

 

 

プレラーティがアルカ・ノイズの群れを召喚した。

 

「こしゃくな…!」

 

分身カリバーは闇黒剣月闇を手にアルカ・ノイズを斬っていく。マリアもダガーを手に、調と切歌もヨーヨーに丸鋸、鎌で切り刻む。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「この体もキャロルがくれた物…いつだってボクは無力で足手纏いだ…!!」

 

仲間の為に頑張っているのに何も出来ない自分をエルフナインは指令室で責めていた。

 

 

 

 

 

 

その頃、分身カリバーとマリア達が戦っている中地面がひび割れ、地中から龍が飛び出し、アルカ・ノイズとマリアごと吹き飛ばした。

 

「不味い!」

 

「マリア!」

 

分身カリバーはジャッ君と土豆の木を取り出して起動、闇黒剣月闇にスキャンし、調と切歌は飛び上がる。

 

【ジャッ君と土豆の木!】

 

【ジャアクリード!ジャアクな豆の木!】

 

調はヨーヨーを合体、大型化させて飛ばし、切歌は鎌の刃を投擲。分身カリバーは闇黒剣月闇から蔓を伸ばしてマリアの体に巻き付け龍から遠ざけると、直後に調と切歌の一撃が命中し、爆発した。

 

「決まった!」

 

「などと思っているワケダ。」

 

藤尭はそう言うが、プレラーティがそれを言う事を分かっていたのか冷静だった。煙が晴れても龍は健在だ。

 

「効いてない!?」

 

「ノイズと同じ、位相差なんとかデスか!?」

 

「だとしたら、シンフォギアの攻撃で調律出来てないのはおかしい!」

 

仮にノイズと同じならばシンフォギアの攻撃が効くはずだ。しかし、目の前の龍は攻撃が効かない。

 

「言える事はアレはノイズと同じではない。闇雲に攻撃しても勝ち目はない。」

 

「ダメージを減衰させているのなら、それを上回る一撃でッ!」

 

「待て! 闇雲に突っ込むな!」

 

分身カリバーの静止を効かずにマリアはガントレットから蛇腹剣を引き抜き、高速回転させて自身に纏う。そして巨大な竜巻と化し、龍に向けてTORNADO†INPACTで龍の口に一撃を与えて沈黙させた。しかし、突如エネルギー体として分裂、再び動き出した。

 

「再生…!?」

 

「違う…これは…!?」

 

ダメージの無力化だ…!」

 

分身カリバーはあの龍が自身のダメージを無力化したという事を悟る。

 

「そう。なかった事になるダメージ。」

 

「実験は成功したワケダ。」

 

「不可逆であるはずの摂理を覆す、埒外の現象…ついに錬金術は人知の到達点、神の力を完成させたわ。」

 

「神の力だと…どうやらここは引いた方が良いな。そうだろう?」

 

「そうね。三十六計が通じない相手には!」

 

マリアは短剣をサンジェルマン達に向けて発射。

 

「この隙に!」

 

分身カリバーとマリア達、藤尭と友里は走り出す。

 

「逃がさないんだから。」

 

カリオストロが魔法陣を展開して短剣を防ぐが、その内の1本が頬をかすり、傷が出来る。

 

「いった〜い! 顔に傷〜!やだも〜う!」

 

カリオストロはぶりっ子の様に顔に出来た傷を押さえる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「この先が俺の村です! 軍人達が逃げ込むとしたらきっと…!」

 

そして響達はステファンの村へと到着。そして目の前で衝撃的な光景を目の当たりにする。それは、工場長が子供を人質にし、アルカ・ノイズで村人達を取り囲んでいたのだ。

 

「アルカ・ノイズ…!」

 

「分かってるだろうな? おかしな真似をしてくれたら、こいつら全員アルカ・ノイズで分解してやる!」

 

「あんにゃろう…!」

 

工場長は醜悪な笑みを浮かべ、クリスは怒りを滾らせる。すると、ステファンが物陰に隠れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、退却中の藤尭と友里は弦十郎から指令を聞きながら走っていた。

 

「こちらで割り出した逃走経路は異常だ。やれるな!?」

 

そして2人は断崖絶壁の川が流れる場所に到達。

 

「やって見せます!」

 

「無茶だって! 一体何メートルあるんだ!?」

 

そこへ分身カリバーとマリア達が到着するが、竜がしつこく追いかけて来る。

 

「蛇の様にしつこい…!」

 

「実際…とてつもない蛇野郎デス!」

 

分身カリバーが闇黒剣月闇を、マリアが短剣を構える。

 

【ジャアクドラゴン!】

 

【ブレイブドラゴン!】

 

分身カリバーは先に4人を逃すべく、ブレイブドラゴンとジャアクドラゴンを召喚し、4人の元へ向かわせた。

 

「乗れ!」 

 

「お願い!この下に向かって!」

 

「よろしくデス!」

 

調はブレイブドラゴンに切歌はジャアクドラゴンに藤尭と友里と乗ると、そのまま崖下に急降下。そしてタイミングよく列車が通過し、2人は列車に飛び降り、ジャアクドラゴンとらブレイブドラゴンは夜空へ飛び去っていった。そして後から分身カリバーとマリアも飛び降りるが、まだ追いかけて来る。

 

「しつこい奴め…!ここまで追って来るとは…!」

 

「粘っこいデス…!」

 

しかし、迫る中エネルギーを帯び、そのまま粒子となって消滅した。

 

「消えた?」

 

「いや、見逃されたな。」

 

分身カリバーは役目を終えたと判断して消滅。そして粒子はサンジェルマンの手のひらに集まった。

 

「なぁに〜? ヨナルデパズトーリをけしかけちゃわないの?」

 

どうやら先程の蛇のような龍はヨナルデパズトーリというらしい。

 

「神の力の完成は確認できたわ。まずはそれで充分よ。」

 

「追跡は無用というワケダ。」

 

「それよりもティキの回収を急ぎましょう。」

 

オペラハウスの地下の結晶の中に眠る少女…それがティキだ。

 

「そしてカリバーの持つ本と闇黒剣月闇…あの力はいずれ私達に栄光を齎す…」

 

パヴァリア光明結社はカリバーのワンダーライドブックと、闇黒剣月闇も狙っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてステファンの村では工場長の卑劣な取引により膠着状態が続いていた。

 

「要求は簡単だ。俺を見逃せ!さもないと出なくてもいい犠牲者が出るぞ!」

 

「卑劣な…!」

 

「お前も、余計な手出しをしたらっ!?」

 

突如、工場長が持つ獅子の顔飾りが斬撃波によって破壊され、村人を取り囲んでいたアルカ・ノイズがジャアクドラゴンによって倒される。

動いたのはカリバーだ。そしてカリバーに注意がいったところに工場長の頭にサッカーボールが命中する。蹴ったのはステファンだ。

 

「ステファン!」

 

ソーニャが叫ぶ。真っ先に反応したのはクリスだ。

 

「行くよ!」

 

ステファンが少女を連れて駆け出す。その隙をついて響達が動く。

 

「続くぞ!立花!」

 

「はい!」

 

「Balwisyall nescell gungnir tron」

 

「Imyuteus amenohabakiri tron」

 

「Killter Ichaival tron」

 

「やっちまえ!」

 

聖詠が響き渡る中、工場長はアルカ・ノイズを召喚。カリバーと響達は次々にノイズを倒していく。そして工場長は逃げるステファンと少女に向けてアルカ・ノイズの群れを召喚。クリスがアルカ・ノイズを倒す中、ステファンと少女にアルカ・ノイズが立ち塞がる。

 

「君は逃げて!」

 

ステファンは少女に逃げる様言う。

工場長を殴って気絶させたカリバーはステファンと少女の元へ向かおうとするが、アルカ・ノイズが行手を阻む。そんな中、ステファンの右足にアルカ・ノイズの解剖器官が巻きつく。

 

「ステファン!」

 

「っ!!」

 

ステファンの悲鳴が響く中右足がどんどん分解していく。そんな中、クリスは苦渋の決断を下す事になってしまう。

 

「くそったれがぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!」

 

「ああぁぁぁぁぁぁァァァァァァァァァッ!!」

 

月がのぞく夜空にステファンの絶叫が響き渡った。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして工場長は拘束された事を報告する翼。

 

「プラントの管理者を覚悟。ですが…民間人に負傷者を出してしまいました…」

 

そう。クリスは、ステファンの足を撃ち抜いたのだ。幸い一命は取り留めたものの、右足を失ってしまったのだ。

 

「ステファン!ステファン!どうしてこんな…!」

 

「ソーニャ…」

 

クリスの声にソーニャが反応する。

 

「クリス…あなたが弟を…あなたがステファンの足をッ!!」

 

怒りと悲しみがこもった声でクリスに叫ぶソーニャ。

 

「あぁ…撃ったのは…このあたしだ…でも…さっきはああするしか…!アルカ・ノイズの分解から救うのは、足を吹っ飛ばすしか無かった!仕方なかったんだ…!」

 

確かにクリスの言い分は間違っていない。彼女の咄嗟の判断でステファンは一命を取り留めた。しかし、そのせいで片足を失ったステファンはソーニャにとってどれだけ残酷なのかは理解していた。

 

「あなたの選択は正しいのかもしれない!だけど…あなたはステファンのを奪ったのよ!」

 

「夢…」

 

ソーニャのステファンの夢という言葉に反応するクリス。そこへその様子を見ていたカリバーがステファンの元へやって来る。

 

「カリバーさん…?」

 

「見せてみろ。」

 

カリバーはステファンの足に巻かれた包帯をほどき、傷口を見る。

 

「まだ傷が塞がっていない。やるなら今だ。」

 

「おい!あんた何する気だ!?」

 

「いいから見てろ。」

 

カリバーは男性の声を無視してエターナルフェニックスを取り出して起動し、闇黒剣月闇にスキャンした。

 

【エターナルフェニックス!】

 

【ジャアクリード!ジャアクフェニックス!】

 

「痛みは一瞬だ。」

 

カリバーは切先をステファンの右の足に向け、オレンジ色のエネルギーを放つ。直後にステファンが顔を歪めた。

 

「ちょっと! あなた何やって……っ!?」

 

「あっ……あぁ……!!」

 

「そんな…バカな…!!」

 

「ありえない…ありえない…!」

 

ソーニャと響、男性2人がその光景を見て口を手で押さえて絶句する。同時にクリスと、やって来た翼もその光景に震えている。そしてステファンも突然痛みが引いて来たと思って自分の失った足を見るが、驚愕と恐怖に満ちた表情を出す。

 

「な……何だと……!?」

 

「お前…何やってんだよ…!!」

 

彼らの目線には恐るべき光景が目の当たりになっている。何故なら、切断されたステファンの足を、カリバーがエターナルフェニックスの力で再生しているのだ。足はみるみる再生していき、膝小僧、脛と戻っていき、足首、そして足の指まで遂に失った部位を完全に再生したのだ。そして再生された足をステファンが恐る恐る涙目になりながら触る。

 

「足が……ある………!」

 

「「あぁ……うわぁぁぁぁぁ!!」」

 

男性2人は情けない悲鳴を上げて腰を抜かした。しかし、ソーニャが口を開いた。

 

「あなた…何なのよッ! いきなり現れて何してるのよ!」

 

それはカリバーへの感謝の言葉でもなく、喜びではなく、恐怖と嫌悪に満ちた叫びだ。本来戻るはずのない失った足を再生される光景を見て当然だろう。

 

「足を再生出来たのは雪音クリスがあの時咄嗟の判断があったからだ。」

 

開き直った言い方をするカリバー。ステファン足を再生したのは、命が助かったのはクリスが咄嗟の判断のおかげと考え、彼女の過去に何があったのかは知らないが、ステファンの足を切断して最小限に食い止め、命を助けたクリスに向けられていたソーニャの怒りの矛先を自分に向けさせ、憎まれ役を買ったのだ。

 

「何でそんな力を持ってるのよ!そんな力を持っているならあなたが助けてくれれば良かったのに!こんな事して自分がいい事をしたと思ってるんでしょ!ただの自己満足よ!あなたは化け物よ!」

 

カリバーに対して化け物と叫ぶソーニャ。もちろんそんな事は分かっている。ただの自己満足だ。

 

「憎みたければ雪音クリスではなく私を憎め。自己満足なのは分かっている…」

 

 

カリバーはソーニャに憎むならクリスではなく自分を憎めと言い、その場から去っていった。確かに自分が助ければクリスはステファンの足を切断しなくて良かったはずだ。化け物と言われても仕方がない。

 

「カリバー…!」

 

去りゆくカリバーの背中をクリスは悔しげに見ていた。

 

 




いかがだったでしょうか? 本当に申し訳ありません。いくらどうしてもやりたい事でも調子に乗り過ぎました。本当に申し訳ありません。ただ何故ステファンの足を再生したというのは、

・原作通りで大きな変化がなく単調になっている事
・カリバーがいてもいなくても変わらない事になっている事
・どうにかして原作と違う流れにしたいと言う事

以上が主な理由です。そしてステファンの来日理由も彼の夢に関係する出来事に改変するつもりでいます。本当に申し訳ありません。あとソーニャがカリバーを化け物と罵ったのは彼の事を快く思っていない人もいるという意味で表現しました。

今回はここまでです。感想お待ちしています。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。