【完結】月闇絶唱シンフォギア   作:ネガ

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てれびくんのセイバーの新たな情報を見て、仮面ライダーソロモン オムニフォースを見たら思った事が「これカリバーの強化だって言われたら信じる」でしたね。完全にマスクがジャオウドラゴンのリペイントでしたから。ああいうの見ると無性に出したくなってしまいます。


第58話 歯車が描く、人形の瞳。

「だけど私は、ここにいるッ!」

 

「竜擬きの蛇は消えた。さぁ、ここからが本番だ。」

 

カリオストロとプレラーティにカリバーと響が対峙する。そして翼とクリスも到着した。

 

「そこまでだ!パヴァリア光明結社!」

 

「こちとら虫の居所が悪くてな、抵抗するなら容赦は出来ないからな!」

 

翼は刀を、クリスはクロスボウを2人に突きつける。

 

「生意気に〜! 踏んづけてやるわ!」

 

カリオストロがそう言うと、直後に魔法陣が展開されサンジェルマンが現れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺が…化け物…」

 

隼人は自宅のリビングでソーニャに言われた事を呟いていた。どうやらまだ引きずっているようだ。しかし、何を言われようと自分の意思は貫く。そんな気持ちに反応するかの様に隼人の知らない所で闇黒剣月闇が妖しく光り、禁書から青黒いオーラを放っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わって日本のリディアンにて。新学期の9月1日を迎え音楽の授業で校歌を歌う響達。そしてその日は課題提出日なのだが、やはり響は終わっていなかった。S.O.N.G.の任務で忙しかったとはいえ、終わらせる事は出来ずお説教を受ける事に。そんな響を見て「あちゃあ…」と声を漏らし担任のお説教に頭を抱える未来。その後は水泳の授業を後、更衣室にて未来に髪を整えてもらう響。 

 

「大変だったのね…急に飛び出していったと思ったら、地球の反対側でそんな事が…」

 

 

「うん…そこでまた…錬金術師に出会ったんだ…」

 

バルベルデで出会った、パヴァリア光明結社の錬金術師、サンジェルマン、カリオストロ、プレラーティ。あの時何を聞いたのか響は未来に話した。

 

 

 

『フィーネの残滓…シンフォギア…だけどその力では人類を未来に解き放つ事は出来ない!』

 

『フィーネを知っている!? それに、人類を解き放つって…!』

 

『まるで、了子さんと同じ…!バラルの呪詛から解放するって事…!』

 

サンジェルマンの口からフィーネの名前が出た事に驚くマリア。そして彼女らの目的が人類を解き放つと言う事。それはかつてバラルの呪詛を解き放つ為に月を穿とうとしたフィーネを連想させる物だった。

 

『まさか、空がお前達の目的なのか!?』

 

『お前達の様な輩が人類を導こうとするのは気に入らん。その前にここで始末させてもらう。』

 

カリバーはサンジェルマン達に闇黒剣月闇を向ける。

 

『カリオストロ、プレラーティ。ここは引くわよ。』

 

『ヨナルデパズトーリがやられたものね。』

 

『体制を立て直すワケダ。』

 

『未来を、人の手に取り戻す為私達は時間も命も費やしてきた。この歩みは誰にも止めさせやしない。カリバー、あなたにも。いずれ我々に栄光を齎せる為、その力は必ず頂く。』

 

サンジェルマンはテレポートジェムを取り出して地面に落とし魔法陣を展開させた。

 

『未来を人の手に……って待って!』

 

響の声も虚しくサンジェルマン達は姿を消した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「目的が了子さんと同じだとしたら…」

 

「そうしなければならない理由があるかもしれない…だけど…その為に沢山の人を傷つけていいなんて事にはならないよ…」

 

響の脳裏に浮かぶステファンがアルカ・ノイズに足を分解されそうになりクリスが撃ち抜いた事でクリスが責められ、ステファンの足を再生した事で化け物と罵倒されたカリバーの事を。ただそれは再び戦わなければならないと言う事だ。出来れば戦いたくない。でも戦わざるを得ないのだ。

 

「響、他にも何か心配事があるんじゃない?」

 

「え!? …あぁ〜つ、翼さんとマリアさんが現地に残って調査を続ける事になったんだ〜! リディアンの始業式には戻るって言ってたからもう帰ってくるはずなんだけど〜!」

 

思い出したかの様に頭を掻きながら慌てる響に未来はポカンと見つめていたが、響はすぐに表情を暗くする。

 

「ねぇ未来…ちょっと聞いてくれるかな…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、日本に向けて飛ぶ飛行機の中には、翼とマリアが。窓から外を見つめる翼の隣には何やら大きいケースが置かれていた。

 

同じ頃、海岸にある豪華なホテルの様な建物。そこは、パヴァリア光明結社のアジトだ。その中の部屋のベッドに機能停止したティキが眠っている。そこサンジェルマンが手から魔法陣を展開し、ティキの腹を開くと、空洞が。そして魔法陣の中央に錆びついた歯車を浮遊させ、発光を始めた。

 

(ティキは、惑星の運行を正図と記録する為に造られた自動人形(オートスコアラー)…機密保護の為に休眠状態となってていても、アンティキティラの歯車により再起動し、ここに目覚める!)

 

そう。キャロル・マールス・ディーンハイムが率いていたガリィ達と同じくオートスコアラー。そしてティキの中に輝きを取り戻したアンティキティラの歯車が納められ、天井に光と共に星座表が映し出された。そして頭のヘッドギアに情報が納められ、眠れるティキは今目覚めたのだ。

 

ヘッドギアを外してふうと息を吐くティキ。

 

「久しぶりね。ティキ。」

 

「サンジェルマン? あぁ〜! 400年近く経過してもサンジェルマンはサンジェルマンのままなのね!」

 

キョトンとしながら元気いっぱいに答えるティキ。

 

「そうよ。時は移ろうとも、何も変わってないわ。」

 

「つまり、今もまだ人類を支配の軛から解き放つ為とかナントカ、辛気臭いことを繰り返してるのねッ!良かった!元気そうでッ!」

 

子供みたいにはしゃぐティキを見てお前も変わらないのねと言うサンジェルマン。すると、ティキは誰かを探す様に部屋を見渡した。

 

「ところでアダムは? 大好きなアダムがいないとあたしはあたしでいられない〜!」

 

ティキが駄々をこねる様に言うと、ベランダの手摺りに置いてある電話が鳴り響く。サンジェルマンは電話の元へ行き受話器を取った。

 

「局長…」

 

「え!? それ何!? もしかしてアダムと繋がってるの!?」

 

サンジェルマンから受話器を取り上げると、電話の向こう側の人物と通話を始めた。

 

「アダム!いるの!?」

 

「久しぶりに聞いたよ。その声を。」

 

電話の向こう側から聞こえてきたのは、落ち着いた男性の声だ。

 

「やっぱりアダムだ!あたしだよ!アダムの為なら何でも出来るティキだよ!」

 

「かしましいな…相変わらず。だけど、後にしようか。積もる話は。」

 

「アダムのいけず!つれないんだから!そんなところも好きなんだけどね!」

 

どうやらティキはアダムに好意を持っている様だ。満足したのかサンジェルマンに受話器を渡す。

 

「申し訳ありません局長…神の力の構成実験には成功しましたが、維持にかなわず喪失してしまいました。」

 

「やはり忌々しいものだな…フィーネの忘れ形見、シンフォギア…」

 

「擬似神とも言わしめる、不可逆の無敵性を覆す一撃、そのメカニズムの解明に時間を割く必要がありますが…」

 

「無用だよ。理由の解明は。シンプルに壊せば解決だ。シンフォギアをね。そして手に入れるんだ。カリバーの持つ本と闇黒剣月闇を。証明してあげよう。あの力を持つのに相応しいのは誰なのかを。」

 

アダムはサンジェルマンにカリバーの持つワンダーライドブックと闇黒剣月闇を手に入れる様命じた。

 

「了解です。カリオストロとプレラーティが先行して討伐作戦を進めています。私も急ぎ合流します。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「当機は間も無く着陸態勢に入ります。安全の為シートベルトの着用をお願いしま──」

 

「「!?」」

 

アナウンスが聞こえたと同時に突如機体が大きく揺れ動いた。マリアが外を見ると、アルカ・ノイズが飛行していたのだ。

 

「アルカ・ノイズ!?」

 

その様子を管制塔の上でカリオストロとプレラーティが見ていた。

 

「命中命中!さて、攻撃の第2段3段と行きましょうか!」

 

「出迎えの花火は派手で大きいほど喜ばれるワケダね。」

 

 

 

 

 

そして同じ頃、ガトライクフォンでアルカ・ノイズの反応を検知した隼人はワンダーワールドから現実世界の路地裏に移動した。

 

「場所は…成田空港上空!? 奴等…日本まで来たのか!」

 

隼人はジャアクドラゴンを取り出して起動し、ページを開く。

 

【ジャアクドラゴン!】

 

【かつて世界を包みこんだ暗闇を生んだのはたった一体の神獣だった…。】

 

【ジャアクリード!】

 

【闇黒剣月闇!】

 

「変身。」

 

【Get go under conquer than get keen.(月光!暗黒!斬撃!) ジャアクドラゴン!】

 

【月闇翻訳!光を奪いし、漆黒の剣が冷酷無情に暗黒竜を支配する!】

 

 

紫のオーラと共に隼人はカリバーに変身してブックゲートで反応の場所へと向かった。

 

 

 

 

同じ頃、アルカ・ノイズの襲撃で操縦士が犠牲となっていた。

 

「着陸直前の無防備な瞬間を狙うなんて…!」

 

「日本まで追ってきたと言う訳か…!」

 

その時、アルカ・ノイズの一撃を受け機体に穴が空き、ケースが飛ばされそうになる。間一髪マリアがキャッチするが外に投げ出されてしまう。しかし…

 

「imyuteus amenohabakiri tron」

 

翼は聖詠を唱え、ギアを纏って外へ飛び出す。そして機体は跡形も無く爆発した、しかし爆煙から飛び出し蒼ノ一閃を放ちマリアに迫るアルカ・ノイズを粉砕した。そして縦横無尽に次々撃破していく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「特別機206便、反応途絶!」

 

「翼さんとマリアさんの脱出を確認!ですが…!」

 

「このままでは、海面に叩きつけられてしまいます!」

 

その様子を指令室から見ていた藤尭、友里、緒川が言う。このままでは海面に叩きつけられたら元も子もない状況だ。

 

「翼!マリア君をキャッチし、着水時の衝撃に備えるんだ!」

 

弦十郎が通信で翼に指示を出した。

 

 

 

 

 

 

「そうはいかないワケダ。」

 

「畳みかけちゃうんだから!」

 

プレラーティとカリオストロがそう言ったその時、2人に闇黒剣月闇が振り下ろされる。2人は避けると、カリバーが目の前に現れた。

 

 

「あら、カリバーじゃない。」

 

「わざわざ会いに来たワケダ。」

 

「また会ったな。ここでお前達を始末する。」

 

カリバーはプレラーティとカリオストロに向けて闇黒剣月闇を構えて斬りかかろうとする。

 

「あらいいの? 大ピンチのあの子達と私達。あなたにとってはどちらが大事?」

 

カリオストロの挑発を仕掛けるが、カリバーは気にしない。

 

「そう言うと思った。だが無意味だ。」

 

カリバーの後ろに1体の分身カリバーがストームイーグルの力で飛行し、翼とマリア達の元へ向かった。これはかつてガリィに言われた事が経験となっていたのだ。

 

「えぇ〜!? 嘘!?」

 

「あいつらの元に行かなかったのも、あからじめ対策を立てていたワケダ…!」

 

そしてカリバーとプレラーティ、カリオストロは狭い管制塔の上で戦闘に入った。闇黒剣月闇で斬りかかるカリバーにプレラーティとカリオストロは光弾やバリアで応戦する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして空中でアルカ・ノイズを斬っていた翼がマリアに迫る編隊を粉微塵にしたものの、更に第2陣が迫る。

 

 

「マリアさん!」

 

指令室でエルフナインが叫ぶ。そして直撃を受けそうになる瞬間…

 

【月闇居合!読後一閃!】

 

紫色の斬撃波がアルカ・ノイズの群れを斬り裂いた。そしてマリアの左から分身カリバーが飛行してやって来た。

 

「カリバー!?」

 

 

 

「カリバー!? 何故彼がここに!?」

 

「アルカ・ノイズの反応を検知して来たと思われますね。」

 

指令室でも分身カリバーの登場に皆驚いたものの、マリアが助かった事で安心した。

 

 

【ランプドアランジーナ!】

 

【ジャアクリード!ジャアクアランジーナ!】

 

分身カリバーはランプドアランジーナを取り出して起動し、闇黒剣月闇にスキャンした。そして空飛ぶ絨毯を召喚すると、マリアと共に着地し、降下する翼にも乗るよう指示して翼を乗せた。

 

「後は任せろ。」

 

【ニードルヘッジホッグ!】

 

【必殺リード!ジャアクヘッジホッグ!】

 

【月闇必殺撃!習得一閃!】

 

闇黒剣月闇から放たれた無数のトゲがアルカ・ノイズの群れを全て一掃した。

 

「すまないな。カリバー。」

 

「助かったわ。ありがとう。」

 

「礼などいい。ここから離れるぞ。」

 

分身カリバーはそのまま翼とマリアを乗せてその場所から離脱。それをプレラーティとカリオストロと戦いながら見届ていたカリバーは心の中で安心し、2人と対峙する。

 

「流石にしぶといワケダ。」

 

「続きはサンジェルマンが合流してからね。」

 

「合流などさせるか。ここで斬らしてもらう。」

 

カリバーはそう言うと、闇黒剣月闇を納刀してトリガーを押す。

 

【月闇居合!読後一閃!】

 

紫色の斬撃波を2人に向けて放つカリバー。2人は魔法陣で展開。そしてぶつかり合い爆発が起こる。しかし、煙が晴れると2人の姿が消えていた。

 

「逃したか…!」

 

悔しそうにカリバーは言うと、闇黒剣月闇を納刀した。

 

 

 

 

 

 

「手厚い歓迎を受けてしまったわね…」

 

「果たして、連中の狙いは私達装者か、カリバーか、それとも…」

 

「……。」

 

分身カリバーと共に絨毯に乗りながらマリアと翼はパヴァリア光明結社の狙いを考えていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてS.O.N.G.本部にて…

 

「先輩!」

 

「翼さん!」

 

「マリア!」

 

指令室にクリス、響、調、切歌が駆け込んで来た。そして嬉しそうに切歌はマリアに抱きついた。

 

「大騒ぎしなくても大丈夫。バルベルデ政府が保有していた資料は、この通りピンシャンしてるわよ。」

 

マリアは皆に傷一つ付いていないケースを見せながら言った。

 

「そうじゃなくて!敵に襲われたんですよね!? 本当に無事で良かった…!」

 

翼とマリアが無事な事に安心して安堵の声を出す響。

 

「帰国早々心配をかけてすまない。気遣ってくれてありがとう。」

 

「だが、安心してばかりじゃいられないのが現状だ。これを見て欲しい。」

 

そして安心の雰囲気も、弦十郎の一言ですぐに消える。弦十郎がモニターを指差すと、結晶の中に眠るティキが映し出された。

 

「これは…?」

 

「私達がバルベルデ政府の秘密施設に潜入した際に記録した、人形の映像よ。」

 

「まさか、オートスコアラー!?」

 

響達にとってオートスコアラーといえば、キャロルが率いていたガリィ、ミカ、ファラ、そしてレイアが記憶に新しい。

 

「前大戦時、ドイツは化石燃料に代替するエネルギーとして多くの聖遺物を蒐集したという。その幾つかは、研究目的で当時の同盟国である日本にも持ち込まれたのだが…」

 

「私の纏うガングニール…」

 

「それに、ネフシュタンの鎧や雪音のイチイバルもそうであったと…」

.

第二次世界大戦中、響や翼、クリスの纏うギアの元の聖遺物はドイツから日本に渡って研究、そしてシンフォギアとして造られたという事となる。

 

「戦後に亡命したドイツ高官の手により、南米にも多くの聖遺物が渡ったとされています。」

 

「恐らくこの人形も、そうした経緯でバルベルデに辿り着いたものだと推察されます。」

 

つまりティキも、同じ様に南米へと渡り、密かに保管されていたと言う事だろう。

 

「全てを明らかにするには、このバルベルデ政府が保有していた機密資料を解析するしかありません。」

 

マリアからケースを受け取りながら説明する緒川。

 

「翼とマリア君が襲われた事から、パヴァリア光明結社の錬金術師が日本に潜入している事は明らかだ。くれぐれも注意を怠らないで欲しい。」

 

弦十郎の言葉に奏者達はしっかりと聞くが、クリスは髪を弄りながら何処か浮かない様子だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やはり日本に来ているか。それにオートスコアラー…また一癖も二癖もある奴等と相手をしなければならないのか…」

 

帰宅した隼人はその様子をシャボン玉を通して見ていた。これから苦しくなるであろう戦い。連中が自分を狙っているのは確実だろう。それに彼の頭の中には化け物と言われた事に対して引っかかる物がある。それは無銘剣虚無と禁書だ。富加宮曰く「神様は絶対お前の役に立つ」と言ったものの禁書は何故ここにあるのか。考えても考えても分からなかった。

 

「考えれば考えるほど分からんな…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夕方午後18時05分。未来は響と待ち合わせをしていると…

 

「未来〜お待たせ!」

 

「翼さん達大丈夫だった?」

 

「うん!2人とも元気で安心したよ!」

 

そして2人が歩き出すと、街頭テレビのニュースが流れた。

 

「次のニュースです。アメリカ合衆国の領海内で救出された遭難者が、バルベルデ共和国からの亡命を希望している事が明らかになりました──」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして響と未来は喫茶店にてかき氷を注文。夏が終わったとはいえまだまだ残暑はあるものだ。そして未来が響に問う。

 

「それで、今朝の話の続きを聞かせて?」

 

「うん…バルベルデでの事話したでしょ? クリスちゃん…あれからずっと落ち込んでいるみたいなんだ…カリバーさんが憎まれ役を買った事もあって余計に…何とか元気づけてあげたいんだけど…」

 

響があの一件で落ち込んでいるクリスを元気付けたいと未来に相談したのだすると…

「大きなお世話だ。」

 

何と、後ろの席にクリスが座っており、聞こえていたのだ。

 

「え!?」

 

「その言い草は無いだろう雪音。2人はお前を案じているんだ。」

 

座っていたのはクリスだけでなく、翼もいた。

 

「翼さんもいる!」

 

「私達だけでなく、皆雪音の事を心配している。」

 

「分かってる!けどほっといてくれ!あたしなら大丈夫だ。カリバーの助けがあったとはいえステファンの事はああするしかなかったし、同じ状況になればカリバーがいなくてもあたしは何度でも同じ選択をする!」

 

自分が心配されているとはいえ、状況が状況だったから苦渋の決断を下した。例えカリバーがいなくても自分は同じ選択を選ぶ。だから自分に構わないで欲しい。そんな気持ちがクリスに芽生えていた。

 

「それが雪音にとっての、正義の選択という訳か。」

 

「あぁ。」

 

「正義の、選択?」

 

翼の言葉に響が反応する。

 

「そういやお前、まだ夏休みの宿題を提出してないらしいな!」

 

響に反応したクリスは突然話を逸らし、夏休みの宿題がまだ終わっていない事を指摘した。

 

「ぎょ!! そうだった〜!どうしよう未来〜!」

 

未来の前で両手を合わせる響。どうやら忘れていた様だ。

 

「頑張るしかないわね。誕生日までに終わらせないと。」

 

「立花の誕生日は近いのか?」

 

「はい。13日です。」

 

そう。今月…9月13日は、響の17歳の誕生日なのだ。それまでに終わらせないといけない。

 

「あと2週間も無いじゃねぇか。このままだと誕生日も宿題にまみれ──」

 

先程の雰囲気からいつもの雰囲気に戻ったクリスが話すと、突然響の通信機から着信が来た。

 

「はい!響です!」

 

応答する響。相手は弦十郎だ。

 

「アルカ・ノイズが現れた!市場第19区域、北西Aポイント!そこから近いはずだ!急行してくれ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてアルカ・ノイズが現れたポイントに響、翼、クリスが集結。同じタイミングでブックゲートからもガトライクフォンで反応を検知したカリバーも現れた。

 

「カリバーさん!」

 

「お前達も来たか。ならする事は分かってるな?」

 

「はい!」

 

闇黒剣月闇を向ける先にはアルカ・ノイズの群れが立ちはだかる。そして…

 

 

「Balwisyall nescell gungnir tron」

 

「Imyuteus amenohabakiri tron」

 

「Killter Ichaival tron」

 

聖詠と共に3人はギアを纏いカリバーと共にアルカ・ノイズの元へ向かっていき、次々と駆逐していく。その様子をビルの屋上からプレラーティとカリオストロが眺めていると、サンジェルマンが現れた。

 

「ようやく到着というワケダ。」

 

「首尾は?」

 

「まだ誘い出した所よ。」

 

どうやらアルカ・ノイズを召喚したのは4人を誘い出す為の様だ。すると、サンジェルマンが何やらカプセル状の様な物を取り出した。

 

「試作に終わった機能特化型の使い時…その力、見せてもらいましょう。」

 

その中からアルカ・ノイズを召喚する結晶を1つ取り出し、建物の近くに投げた。

 

「あれはアルカ・ノイズか?」

 

「どうやら普段の個体と違う様だ。」

 

「新手のお出ましみたいだな!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「大型のアルカ・ノイズを確認!」

 

「消えただと!?」

 

弦十郎が叫ぶ。そう。カリバーと響達の姿が召喚と同時に消えたのだ。

 

「カリバーと装者達の映像を捉えられません!」

 

「ギア搭載の集音機より、辛うじて音声は拾えます!」

 

「空間を閉じてしまうアルカ・ノイズ…!」

 

エルフナインは召喚されたアルカ・ノイズの特性を呆然としながら見ていた。そして、街から土星が見える宇宙の様な空間にカリバーと響達は転送され、驚愕していた。

 

「さっきまで街中だったのに…!」

 

「亜空間への転送…いや、考える暇は無いようだな。あれを見ろ。」

 

カリバーが闇黒剣月闇で指す方向には大量のアルカ・ノイズの群れが向かって来ている。翼が二刀流に、アルカ・ノイズを斬り裂くが、すぐに再生してしまう。

 

「馬鹿な…!」

 

「攻撃が…!」

 

「全部通らねぇのか!?」

 

「恐らくアルカ・ノイズが作り出した空間の影響だろう。」

 

響やクリスが攻撃しても、通用しないのだ。その様子は指令室にて音声で辛うじて確認出来ている。

 

「まさかAnti-LiNKER!? でも、一体誰が!?」

 

「いえ、各装者の適合係数に低減は見られません!」

 

藤尭はAnti-LiNKERの影響と考えるが、友里は装者の適合係数は低減していないと言う。

 

「つまり、こちらの攻撃力を下げる事なく守りを固めているのだな?」

 

「お前達、聞こえるか?」

 

3人の通信機から弦十郎が答える。

 

「オッサン!どうなってやがる!?」

 

「そこはアルカ・ノイズが作り出した亜空間の檻の中と間違いない!」

 

「亜空間の…檻、ですか?」

 

「そこでは、アルカ・ノイズの位相差障壁がフラクタルに変化して、インパクトによる調律が阻害されています。」

 

「ギアの出力が下がった様に思えるのは、その為です!」

 

弦十郎、エルフナイン、緒川の情報を聞いた響は、突発口を見つける。

 

「だったら、ドカンとパワーを底上げでぶち抜けば!」

 

「呪いの剣、抜き所だ!」

 

「なら仕方がない。使うとするか。」

 

このままでは埒があかないと判断したのかカリバーはジャオウドラゴンを取り出して起動した。そして響達も呪われた魔剣を久しぶりに引き抜く事に。

 

【ジャオウドラゴン!】

 

「イグナイトモジュール!」

 

「「「抜剣!」」」

 

3人はペンダントマイクを起動して構えた。

 

【Dáinsleif.】

 

【ジャオウリード!】

 

【闇黒剣月闇!】

 

【ジャオウドラゴン!誰も逃れられない…】

 

カリバーはジャオウドラゴンへと姿を変え響達のギアも黒く鋭く変化しイグナイト形態へ移行した。そこから先はもう止まらない。さっきまでが嘘みたいに4人はアルカ・ノイズ達を次々に木っ端微塵にしていく。

 

【月闇居合!読後一閃!】

 

禍々しい斬撃波と共にカリバーはアルカ・ノイズの群れを斬り裂く。

 

(イグナイトの力でなら、守りをこじ開けられる…!だが…!)

 

「こいつらに限りはあるのか!?」

 

クリスがアルカ・ノイズを粉微塵にしながら叫ぶ。倒しても倒しても現れキリがないのだ。

 

「この空間内に奴等を発生させる母体が必ずあるはずだ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、指令室にはマリア、調、切歌が駆け込んで来た。

 

「抜剣した以上、カウントオーバーはギアが機能停止!立ち止まるな!」

 

「何も出来ないもどかしさ…」

 

「黙って見てるだけなんて嫌デスよ!」

 

LiNKERが底を尽きている今、3人は戦えない。悔しい。何も出来ない自分達が情けない。無力感が溢れる。

 

「ボクがLiNKERの研究に手間取ってるから…でも…!」

 

(何か、ボクにも何か出来るはず…! 位相差障壁を、亜空間の檻に、そして強固な鎧と使いこなす新型アルカ・ノイズ…出現した時に観測したフィールドの形状は半球……ハッ!?)

 

ここでエルフナインがある事に気づいた。

 

「皆さん!そこから空間の中心地点を探れますか!? こちらで観測した空間の形状は半球!であれば、制御器官は中心にある可能性が高いと思われます!」

 

(中心…相手の姿が見えないなら、探るならこれしか無い!)

 

突如クリスが辺りに向けて回転しながら放ち、弾丸を岩に食い込ませる。

 

「クリスちゃん!闇雲に撃っても…!」

 

「いや、これでいい。そうだろう?」

 

響がクリスに闇雲に撃ってもダメだと言うが、カリバーはクリスが何を狙っているのか悟っていた。

 

「あぁ!歌い続けろ!ばら撒いたのは、マイクユニットと連動するスピーカーだ!」

 

クリスの放った弾丸が変形し、スピーカーとなった。

 

「空間内に反響する歌声をギアで拾うんだ!」

 

「そうか!ソナーの要領で私達の位置と空間内の形状を把握出来れば…!」

 

「音はやがて中心に集まりアルカ・ノイズを発生される母体を見つける事が出来るという訳だ。」

 

【ブレーメンのロックバンド!】

 

【ジャアクリード!ジャアクブレーメン!】

 

カリバーはブレーメンのロックバンドを取り出して起動し、闇黒剣月闇にスキャンし、クリスが放ったスピーカーに向けてエネルギーを放つ。これは更に音を反響させて母体を見つける為だ。そして3人の歌声が響き渡り、遂に巨人の様なアルカ・ノイズが姿を現した。

 

「あそこだ。」

 

「喰らいやがれ!」

 

クリスは巨大アルカ・ノイズに向けてMEGA DETH PARTYを繰り出し、実体を現した。

 

「あれが、この空間を作り出したアルカ・ノイズ…!」

 

「それです!それを破壊して下さい!」

 

エルフナインが叫んだ。

 

 

「立花!乗れ!」

 

翼の声と共に響が刀に乗り、巨大なカタパルトを生成し、クリスがミサイルを合体して飛翔体を作り出す。これは3人の合体技、TRINITY RESONANCEだ。

 

【ジャオウ必殺読破!】

 

カリバーもジャオウドラゴンを畳んで闇黒剣月闇のグリップエンドで邪剣カリバードライバーのボタンを押して開く。

 

「決めるぞ。」

 

【ジャオウ必殺撃!】

 

ジャオウドラゴンと4匹の黄金の竜、響、翼、クリスが乗った飛翔体が突っ込み、そこから響がカタパルトから飛び出す。同時にジャアクドラゴンと4匹の竜が巨大アルカ・ノイズを貫き、そこへ飛翔体が突き刺さると大爆発が起きた。

 

【You are over.】

 

そして亜空間は消え去り、気が付けば夜になっていた。カリバーと響達の様子は指令室にも映し出された。

 

「どうやら、上手くいった様ですね。」

 

調と切歌がはしゃぐ中、エルフナインの肩に手を置くマリア。

 

「皆さんからもらった諦めない心は、ボクの中にもあります!だからきっとLiNKERを完成させてみせます!」

 

エルフナインもLiNKER完成に向けて改めて誓った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、その様子はサンジェルマン達も見ていた。

 

「あ〜あ。あわよくば、と思ったけど仕方ないわね。でも、目的は果たせたわ。」

 

すると、3人の元にティキがやって来た。

 

「そんなに呑気でいいの?」

 

「ティキ。アジトに残る様言ったはずよ。」

 

「だって〜アダムに会えるかと思って〜でも怒らないで!いい事が分かっちゃったの!ここはあたし達が神様に喧嘩を売るのに具合が良さそうな所よ!」

 

踊りながら天を仰ぐティキの瞳に星座が映る。

 

「これ以上に無いって位にね。」

 

そして夜空に浮かぶホロスコープと星座。それは、カリバーと装者達に迫る新たな脅威の前触れだった。

 

 

 

戦闘後に隼人が居酒屋で夕食を食べている中、暗い隼人の寝室にて禁書と闇黒剣月闇が前よりも妖しく、禍々しく光を放っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いかがだったでしょうか?今回アダムが台詞で登場しましたが倒置法ってこれで合ってますか?イマイチよくわからないので教えてくれれば嬉しいです。仮面ライダーソロモン、完全にカリバーの強化だと思うのは自分だけでしょうか?

今回はここまでです。感想お待ちしています。
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