「揺るがない正義と正義が終わりのない戦いを生む。」
「正義の為なら、人間はどこまでも残酷になれるんだ。」
そして遂にソロモンが登場しますね。もしかしたら最終決戦でどうしても出したいと思う気持ちが抑えられなくて出してしまうかもしれません。
余談 エモーショナルドラゴンの愛と誇りの竜の名前はルーンブライトドラゴンとルーンディムドラゴンって言うらしいですね。
LiNKER開発の為にマリアとエルフナインは擬似ダイレクトフィードバックシステムでマリアの記憶内にエルフナインが入り意識を共有。その中で、今は亡きウェルと邂逅したのだった。
空中戦艦に乗るサンジェルマン、プレラーティ、カリオストロ。街には大量のアルカ・ノイズの群れが隊列をなして進んでいる。
「人類がこの星の完全な霊長となる為には、支配される存在であってはならない。完全を希求する錬金の理念ッ!カリバーとシンフォギアなどに阻まれる訳にはいかないッ!」
そしてヘリの降下地点で緒川と翼に、響とクリスが合流。S.O.N.G.本部には調と切歌が到着。
「マリアとエルフナインは、アタシ達が見ているのデス!」
「だからって発令所へ!司令が呼んでいる!」
「ありがとう。2人をお願いするわね。」
調と切歌は友里に指令室へ向かう様言い、友里は部屋を後にした。すると、マリアがうなされる様にあの男の名を言う。
「ドクター…ウェル…死んだはず…!」
マリアの言葉に調と切歌は驚く。何故ウェルの名前が出てきたのか。
「何だかよく分からないけど…」
「どうにも様子がおかしいのデス…」
「……」
そして市街地で、闇黒剣月闇を手にした人物が無言でジャアクドラゴンを取り出して起動する。
【ジャアクドラゴン!】
【ジャアクリード!】
【闇黒剣月闇!】
【ジャアクドラゴン!】
変身の声も言わず、カリバーに変身し、アルカ・ノイズの群れへ向かって行った。
「ヘッヘッヘッ!これもあれも多分きっとアレですよアレ。マリアの中心で叫べるなんて超最高ぉッ!」
死んでもなおウェルは相変わらずのテンションをマリアとエルフナインに見せつけた。
「あんな言動…私の記憶に無いはずよ…」
聞いた事のないウェルの言動に頭を抱えるマリア。相変わらずねと言いたげだ。
「だとすると、ウェル博士に対する印象や別の記憶を元に投影されたイメージ…という事になるのでしょうか…?」
つまり目の前にいるのはマリアの中のイメージのウェルという事だ。
「自分の記憶を叱りたい…!」
「もしかしたら、マリアさんの深層意識がシンフォギアと繋がる脳領域を指し示しているかもしれません。」
「アガートラームの導き…?だったらセレナとか、もっと適役がいたはずよ?」
もしこれがアガートラームの導きならば正規装者のセレナなどが適任のはず。よりによって何故ウェルなのか分からなかった。
「示しているのは…ウェル博士から直接想起される物…だとするならば…」
「生化学者にして英雄ッ!定食屋のチャレンジメニューもかくやという盛りすぎ設定ッ!そうともッ!いつだって僕はハッキリと伝えてきたッ!はぐらかしなんてするものかッ!」
何やら意味が分からないことも言いながらもハッキリと伝えてきたと言うウェル。何を伝えてきたのか?
「だったらッ!」
「忘れているのなら手を伸ばし、自分の力で拾い上げなきゃ。記憶の底の、底の底。そこには確かに転がっている。」
そう言うと突然煙が広がり、ウェルは姿を消した。
「マリアさんッ!」
「離れないでッ!エルフナインッ!」
エルフナインはマリアに手を繋がれ、共に向かった。記憶の底の底に。
「Balwisyall Nescell gungnir tron」
ヘリから飛び降りた響の聖詠が青空に響き渡り、ギアを纏う。クリスが召喚したミサイルでサーフィンの様に移動する3人。
「上條の件もあるが気になるのは錬金術師の出方だ…抜剣を控え、イグナイト抜きで迎え撃つぞッ!」
現在彼女達にはラピスの力に対抗する力はない。下手に抜剣をして返り討ちにあっては元も子もない。故にイグナイトを封じなければならないのだ。
「何のつもりか知らねぇが、たくらんけ相手に遅れは取らねぇ!」
クリスは前方のノイズの大群にむけて先手必勝!と言わんばかりにBILLON MAIDENで弾幕を展開して飛行するアルカ・ノイズを蹴散らし、響も拳で打ち砕く。
「この身を防人たらしめるのは、血よりも熱気心意気ッ!」
翼は刀を手に乗っていたミサイルからジャンプ、そのままミサイルは巨大アルカ・ノイズに激突。脚部ブレードを展開して逆羅刹で斬り刻む。
そして指令室に友里が戻ってくる。
「アルカ・ノイズ、残存数68%!」
「それでも出てこない錬金術師…」
一向に現れないサンジェルマン達に指令室の弦十郎も顎に手を当てて考える。
空では八岐大蛇型の巨大アルカ・ノイズが地上にアルカ・ノイズを投下しており、地上ではカリバーが黙々とアルカ・ノイズを倒している。ミサイルにはクリス、もう1発のミサイルには響と翼が乗っている。
「こうも奴らをウジャつかせているのはアイツの仕業かッ!?」
「つまりは狙い所ッ!」
「ぶっ放さすタイミングはこっちでッ!トリガーは翼さんにッ!」
響と翼はミサイルから飛び降り、翼は刀を大型化させ、響は右腕のギアを大型化させてナックルガードを展開させた。
「目に物見せるッ!」
翼の声と共に2人が交差して一撃を与える。
「そしてあたしは、片付けられる女だァァァ!!」
止めにクリスがMEGA DETH INFINITYで巨大アルカ・ノイズを仕留める。アルカ・ノイズは咆哮を上げ、3体に分散する。そして3人が着地すると、地上に放たれた分のアルカ・ノイズを倒し終わったカリバーを見つけた。
「隼人さん!」
響の声にカリバーが振り向くと、3人がカリバーの元へやってくる。
「上條。聞かせてくれないか? お前の事を。」
「こちとら話してくれなきゃ分かんねぇんだよ!」
翼とクリスがカリバーにそう言ったその時、カリバーの口から思いもよらない発言が飛び出す。
「ここでアルカ・ノイズが3体に分裂…」
「え?」
淡々と低い声で呟いたその時、カリバーの言う通りアルカ・ノイズが分裂して体が再生し、3つ首を持つ3体に増え別方向へ向かう。
「隼人さんの言った通りに!?」
「まさか…仕損じたのか!?」
【こぶた3兄弟!】
【ジャアクリード!ジャアクぶた3!】
カリバーはこぶた3兄弟を取り出して起動し、闇黒剣月闇にスキャンして分身カリバー2人を生成し、3人は闇黒剣月闇で空間を斬り、闇の中へ入って行った。
「分裂した巨大アルカ・ノイズ、個別に活動を再開しました!総数3!」
そこへ、緒川が指令室に駆け込んで来る。
「それぞれが、別方向へ侵攻…!」
「敵の狙いは装者の分断か…!」
ここで弦十郎はサンジェルマン達の狙いが装者達を分断させる事に気付いた。すると、S.O.N.G.から通信が入る。
「司令ッ!入間基地より入電!必要であれば応援を寄越してくれると!」
「無理だッ!相手がアルカ・ノイズでは空自の装備品じゃ足止めだってままならない!下手すれば被害が!」
航空自衛隊入間基地から応援に出ると入電が来たのだ。ノイズと違いアルカ・ノイズは通常兵器は効く様になっているが、それでも焼け石に水。かえって被害が大きくなってしまう。しかし、弦十郎が意外な命令を下す。
「いや、入間基地にはコード814を要請してくれッ!」
「ハリアーを、ここにですか?…了解しました!」
友里が弦十郎の命令を受け、入間基地にコード814を要請した。その頃響は空港へ侵攻する巨大アルカ・ノイズを追っていた。
「狙いが私達の分断だとしても、分裂後のサイズならそれぞれで対応出来ますッ!」
海上ではクリスがモーターボートを運転しながら追っている。
「3人とあいつとあいつの分身達で3体仕留めりゃいいんだろ?」
そして翼も脚部ブレードで海面を滑る様に移動しながら追っている。
「確かに、そうかもしれないが…」
どうやら翼もその意見に賛成の様だが不安が残っている様だ。その頃、響が追う巨大アルカ・ノイズが空港の滑走路に到着。同時に空間移動で闇から現れたカリバーがジャアクドラゴンにブレイブドラゴンやライオンセンキ、ランプドアランジーナを召喚して乗客を避難させている。
「これ以上、みんなを巻き込む訳には!」
響は空高くジャンプ、バーニアで加速、拳で一撃を与えて1つ目の首を消滅させるがもう1つの首が響を吹き飛ばし、咆哮を上げてアルカ・ノイズを召喚する。
「キリが無い…!」
(下手に攻撃すれば分裂してさらにアルカ・ノイズを召喚されてしまう…)
同じ頃、工業地帯に侵入した巨大アルカ・ノイズを追うのは翼。走りながら背後に回り込む。
【月闇居合!読後一閃!】
分身カリバーの斬撃波が地上に解き放たれたアルカ・ノイズを纏めて斬り裂く。回り込んだ翼が空高くジャンプし、首を切断した。が、すぐにまた分裂し、1つ首の2体に増える。
「くっ…!やはり、更なる分裂…!」
遊園地がある場所では分身カリバーとクリスが3体目の巨大アルカ・ノイズと対峙。腕を伸ばしてクリスを攻撃。クリスはMEGA DETH PARTYを繰り出すも、再び分裂し、2体に増え口からクリスに向けて光線を放つ。そこへ分身カリバーが闇黒剣月闇から斬撃波を飛ばして相殺した。
「どこまで頑張らせるつもりだ…!」
これでは倒して分裂の繰り返し。キリが無い。
同じ頃、S.O.N.G.本部ではマリアとエルフナインのいる部屋では魘されている2人の手を調と切歌が握っている。
「頑張って…2人とも…!」
「みんなも頑張っているデスよ…!」
これが成功すればLiNKERが完成する。2人はただそれを祈りながら2人の手を握っていた。
深い意識の中、マリアとエルフナインは不思議な空間に降り立った。辺りを見回しても何処なのか分からない。
「ここは…?」
「心象が描く風景…ではなさそうです…!」
そして2人の目の前に光が放たれ、声が聞こえた。
『強く…なりたい…』
「今の声は…私…?」
その声はマリアの声だった。
『弱い自分を…見せたくない…』
『誰に嘘をついてでも…』
『自分の心を偽ってでも…』
『でも本当は…』
『嘘なんてつきたくない…』
聞こえる。自分の心の中の声が。あの頃の自分だ。
「ここは…マリアさんの内的宇宙…」
「私の心の闇…!受け入れられない弱さに怯え、誰かと繋がることすら拒んでいた…!あの頃の…!」
思い出したくなかった。自分の弱さを受け入れられずにいたかつての自分の声に身体を震わせるマリア。
「マリアさん…?」
顔を手で覆い隠すマリア。
「誰かと手を取りあいたければ、自分の腕を伸ばさなければいけない。だけど…その手がもし…振り払われてしまったら…!!」
その時、エルフナインの身体が消えていく。同時にマリアの身体も消えていく。
「マリアさんッ!?」
マリアからエルフナインが遠ざかっていく。
「マリアさんッ!マリアさんッ!」
「マリアさぁぁぁぁぁんッ!!」
エルフナインの叫びも虚しく内的宇宙で2人は消えていった。
その頃、空港では生み出されたアルカ・ノイズをカリバーと響がひたすら倒していた。
【封神仮面演義!】
【必殺リード!ジャアク封神演義!】
カリバーは白いワンダーライドブック、封神仮面演義を取り出して起動し、闇黒剣月闇にスキャンした。響は巨大アルカ・ノイズに接近し、右腕のギアをスライドさせる。
【月闇必殺撃!習得一閃!】
闇黒剣月闇から九尾のエネルギー体が出現し、アルカ・ノイズを蹴散らす。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!」
響の渾身の一撃がアルカ・ノイズを粉微塵にするも、また1体が空港から離脱していく。工業地帯では地上にまたしてもアルカ・ノイズが解き放たれ、分身カリバーがひたすら斬っていく。翼は建物から建物へとひらりひらりと移動し、巨大アルカ・ノイズの首に乗ると、滑る様に接近。
「勝機!」
すかさず千ノ落涙を繰り出す。2体の巨大アルカ・ノイズは爆発四散するも、今度は地上にアルカ・ノイズが現れる。息を荒げ、着地した翼の汗がアスファルトを濡らす。
「はぁ…はぁ…はぁ…消耗戦を仕掛けてくると踏んでいたが…なかなかどうして…!」
空中から飛来する2体に狙いを定めるクリス。分身カリバーは地上に溢れたアルカ・ノイズに対応している。
「全発全中、持ってけ全部だぁッ!」
クリスは2体の巨大アルカ・ノイズにMEGA DETH FUGAを放ち、撃破するも膝を突く。
「増殖の元を断ちさえすれば…!」
そこへ分身カリバーも合流し、2人の目の前には解き放たれたアルカ・ノイズの群れが現れる。
「後は鴨撃つばかりだってーの…」
口では余裕を見せているクリスだが流石にこの状況は厳しくなってきた。分身カリバーもそんなクリスを見ながらも闇黒剣月闇を手にアルカ・ノイズの群れへ突っ込んでいった。
そしてカリバーと響の前に1つ首の巨大アルカ・ノイズが目の前に。そのまま腕を伸ばして2人を攻撃すると、2人は避けて響は腕を駆け、カリバーは無銘剣虚無を取り出す。
「分裂したって、増殖したって!何度だって叩き潰す!」
響が首を殴り右腕のギアを大型化させナックルガードを展開する。
【虚無居合!黙読一閃…!】
無銘剣虚無から放たれた斬撃波と響の拳がアルカ・ノイズを粉砕して斬り裂くも、再び分裂して1体が逃げていく。
「何度だって…!」
汗だくになりながも響は追いかけ、カリバーも空間を斬り裂いて闇の中へ入り後を追った。
深い深い意識の海の中…マリアはその中へ沈んでいく。自分自身の心の闇の海に。
(私は…自分で作った闇に溺れて…掻き消されてしまう…)
そんな事を思っている内に誰かの声が聞こえてきた。ウェルだ。
(シンフォギアの適合に奇跡というものは介在しない。その力、自分の物としたいなら、手を伸ばし続ければいい…)
マリアは光を放つ水泡を手にすると、突然光が放たれ、辺りに光が溢れ出す。
「マリアさんッ!マリアさんッ!」
エルフナインの声がすると、マリアは目覚めたのだ。
「ここは…白い孤児院…私達が連れてこられた…F.I.S.の…」
マリア、調、切歌がかつて幼少期を過ごした場所。すると、少女の泣き声が聞こえる。泣いていたのは幼き日のセレナ。そして彼女を守ろうと抱きしめているのは幼き日のマリアだ。女性職員が手を差し出すと、マリアが手を伸ばそうとする。すると、ナスターシャが鞭で叩く。
「今日からあなた達には戦闘訓練を行ってもらいます。フィーネの器となれなかったレセプターチルドレンは涙より血を流す事で組織に貢献するのです!」
冷酷な表情のナスターシャを見て恐れる幼き日のマリア。すると、再びウェルの声が聞こえてくる。
(本当にそうなのかい?本当に…君の記憶…)
その時、ある疑問を持ち始める。
(私の記憶はマムへの恐れ…だけだったの?…っ!)
すると、ナスターシャの表情からある事に気づく。
(そうだ…恐れと痛みから、記憶に蓋をしていた…いつだってマムは、私を打った後は悲しそうな顔で…)
鞭で叩いた後に見せるナスターシャの悲しそうな表情。LiNKERの投与の時も、戦闘訓練の時も。
『うぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!』
そしてマリアが黒いガングニールの起動実験の時も。
『無理よ…マム…やっぱり私は…セレナみたいになれやしない…!』
『マリア。ここで諦めるのは許されません。悪を背負い、悪を貫くと決めたあなたは苦しくとも、耐えなければならないのです。』
非情に言い放つナスターシャが唇を噛み締める。
そして場面は変わり、少年が左足を怪我した状態の松葉杖をついた状態で射撃訓練をしている場面。
(最初の…そうだ…私達にどれほどの過酷な実験や訓練を課したとしても、マムはただの1人も脱落させなかった…それだけじゃない…私達が決起する事で存在が明るみに出たレセプターチルドレンは、全員保護されている…全ては…私達を生かす為に…いつも自分を殺して…)
『トマトを美味しくするコツは、厳しい環境に置いてあげる事。ギリギリまで水を与えずにおくと、自然と甘みを蓄えてくるもんじゃよ。』
脳裏によぎるトマト農家の女性の言葉。ナスターシャはいつだって厳しくとも、誰一人切り捨てなかった。自分を殺して、冷酷な表情の後は悲しげな顔をしていた。
(大いなる実りは、厳しさを耐えた先にこそ…優しさばかりでは…今日まで生きてこられなかった…私達に生きる力を授けてくれた、マムの厳しさ。その裏にあるのは…)
そして目の前に広がるナスターシャ、幼き日のマリアとセレナ。そこへウェルが語りかけてくる。
(ナスターシャにも、マリアにも、いつだって伝えてきた…そう、人とシンフォギアを繋ぐのは…)
(可視化された電気信号が示すここは、ギアと繋がる脳領域…誰かを思いやる、熱くて深い感情を司るここに、LiNKERを作用させることが出来れば!)
そして、エルフナインの頭の中にも全てのピースが繋がる。見つけた。全ての逆境を跳ね除ける、突破口。
そしてエルフナインが飛び起きる。
「エルフナイン!?」
「どうなったデスか!?」
「もう一踏ん張り…!この後は、お願いします!」
ヘッドギアを外し、部屋を飛び出すエルフナイン。そして後からマリアも目を覚ます。
「マリア!」
「ありがとう…マム…」
マリアの顔には涙が流れ、笑顔があった。
その頃、カリバーと響は3体に分裂したアルカ・ノイズを2人で1体ずつ対応していた。
「何度分裂したって!」
2人が2体を倒したものの、1体が逃げてしまう。これではまた繰り返し。終わりがない。
「今逃げた奴を追いかけなきゃ…!」
「ここで奴等が来る…!」
「えっ…?」
カリバーが淡々と呟く。響が上を見上げるとカリバーの言った通りにバルベルデで撃墜された空中戦艦が現れる。
「あれって、バルベルデで隼人さんが壊した…!」
「っ!!」
空中戦艦は遠くからクリスと分身カリバーも見ていた。勿論、翼とストームイーグルの力で空を飛ぶ分身カリバーも。
そして空中戦艦の上で竜の首が施された杖のような物にキスをするカリオストロ。プレラーティ、そしてサンジェルマン。
「いくらカリバーとシンフォギアが堅固でも。」
「カリバーと装者の心は容易なく折れるワケダ。」
「総力戦を仕掛けるッ!」
サンジェルマンの声と共に空中戦艦から魔法陣が展開。巨大アルカ・ノイズが現れる。響の通信機に友里の通信が入る。
「アルカ・ノイズ、第19区域方面へと進行!」
友里の声に響が顔色を変える。
「それって…リディアンの方じゃ…!」
第19方面はリディアンがある場所だ。このまま行けばアルカ・ノイズの餌食になってしまう。そこへ今度はクリスから通信が入る。
「ボサっとしてねぇで、そっちに向かえ!」
クリスは響に通信で答えながらも、アルカ・ノイズを分身カリバーが闇黒剣月闇で斬り裂き、ガトリングを乱射してひたすら倒している。
「クリスちゃん!?」
「空のデカブツは、あたしと先輩、あいつの分身で何とかするっ!」
「で、でもそれじゃあッ!」
それではキリがない。故に響は放っておかない。
「あたしらに抱えられるもんなんてたかが知れている!お前はお前の正義を信じて握りしめろっ!せめて自分の最善を選んでくれっ!」
クリスの言葉に自分の陽だまりであり、かけがえのない存在の未来の笑顔が浮かぶ。
「ありがとう。クリスちゃん。だけど、私…」
そして再び現れるアルカ・ノイズの群れ。カリバーは闇黒剣月闇と無銘剣虚無を構える。そして響は封殺されたイグナイトを抜剣しようとペンダントマイクに手を添える。
「待っていたのは、この瞬間!」
待ってましたと言わんばかりにサンジェルマンはスペルキャスターを構える。
「イグナイトモジュール!「その無茶は後に取っとくデス!」」
突如、イグナイトモジュールを起動しようとした響の通信機から切歌の声が聞こえてきた。そして空中戦艦に向かう2機のハリアー。乗っているのは調と切歌だ。
「わがままなのは、響さん1人じゃないから!」
2人はハリアーから脱出。そして…
「Various shul shagana torn」
「Zeios igalima raizen tron」
青空に2人の聖詠が響き渡り、調と切歌はギアを纏う。ギアを纏ったという事は…
まずは調がヨーヨーで空中のアルカ・ノイズを蹴散らし更にα式 百輪廻で追撃。切歌も切・呪りeッTぉを繰り出す。そして空中戦艦に降り立った。その様子は勿論指令室にも映し出されている。
「シュルシャガナとイガリマ、エンゲージ!」
「協力してもらった入間の方々には感謝してもしきれないですね。」
どうやら彼女達をあの場所まで向かわせる為にハリアーを手配してもらったようだ。
「バイタル安定、シンフォギアからのバックファイアは期待値内に抑えられています。」
「こっちもよく間に合わせてくれた。感謝するぞ、エルフナイン君…」
弦十郎はエルフナインに感謝の言葉を口にする。つまり…
研究室でため息を突くエルフナイン。そこにはフラスコや試験管に入った緑色の液体。そう。完成したのだ。LiNKERが。
「LiNKER完成に必要だったのは、ギアも装者を繋ぐ脳領域を突き止める事…その部位を司るのは、自分を殺してでも誰かを護りたい無償の思い…それを一言で言うのならば…」
「愛よッ!!」
リディアンの屋根で叫ぶマリア。そう。愛だ。ウェルが言っていた事はとても重要な事だったのだ。そして飛来するアルカ・ノイズを迎え撃ち、EMPRESS†REBELLIONで縦真っ二つなら斬り裂き、着地する。
「最高…なんて言わないわ。」
(あなたは最低の最低よ。ドクターウェル…)
その頃、調と切歌が2体の巨大アルカ・ノイズを倒すと、そこへプレラーティが調に火炎弾を撃つ。調もα式 百輪廻で応戦する。そこへ切歌が鎌で斬りかかる。そこへカリオストロも乱入。光弾を放つち、切歌の鎌とぶつかり合う。
「結局、お薬頼りのくせして。」
「LiNKERを、ただの薬と思わないで欲しいデス!」
「みんなの想いが完成させた絆で!」
プレラーティが魔法陣を展開させて5本の巨大な針を飛ばす。調は避けながらΔ式 艶殺アクセルを仕掛け、プレラーティもバリアで防ぐ。しかし、2人の、皆の想いが1つになり、カリオストロとプレラーティが押されて挟み撃ちにされる。
そして手を繋ぎ、調の鋸と切歌の鎌が1つとなり巨大な丸鋸となってプレラーティとカリオストロに迫る。勢いよく
「きっと勝利を!」
「毟り取るデス!」
そこへサンジェルマンが入り込み、バリアを張るが2人は止まらない。更に勢いを増し、バリアを突き破って空中戦艦を貫き、大爆発を起こした。2人が着地する。
「あいつらは何処デスか!?」
そこへ、2人に向けてスペルキャスターが向けられ、弾丸が2発放たれる。3人はファウストローブを纏っていた。
「その命、革命の礎に。」
2人に迫る弾丸。しかし、そこへカリバーと響が割り込み、無銘剣虚無で斬り裂き、響が掌で受け止めた。
「何?」
「お前らの様な奴等の為に…!これ以上誰かを犠牲にさせてたまるか…!」
淡々とした口調ながらも感情的に言うカリバー。
「間違ってる…命を礎だなんて、間違ってるよ!」
「4対3になった所で…」
「気持ちが大きくなっているワケダ。」
カリオストロとプレラーティがそう言うと、そこへ無数の矢が降り注ぐ。振り返ると、翼、クリス、マリアが立っていた。
「いいや、これで7対3だ!」
「翼さん!クリスちゃん!」
「「マリア!」」
響と調と切歌が嬉しそうに言う。そしてここに1人の闇の剣士と6人の装者が集結した。
「いい加減に聞かせてもらおうか。パヴァリア光明結社。その目的を。」
「人を支配から解放するって言ったあなた達は、一体何と戦ってるの!? あなた達が何を望んでいるのか教えて!本当に誰かの為に戦っているのなら、私達は手を取り合える!」
響は理由を聞きながらもサンジェルマン達と手を取り合えると言う。しかし、サンジェルマンの答えは…
「手を取るだと?傲慢な…我らは神の力を持ってして、バラルの呪詛を解き放つ。」
サンジェルマンは響の言葉を傲慢と斬り捨て、神の力でバラルの呪詛を解き放つと宣言した。
「神の力で、バラルの呪詛を解き放つだと…?」
「月の遺跡を掌握する!」
「………。」
それぞれの思いがぶつかる時、行き着く先は破滅か、未来か、それとも──
いかがだったでしょうか?今回主人公が空気になってしまい申し訳ありません。空気なのはアレを見たからです。プリミティブも出番がなくて申し訳ありません。
次回、隼人がドナドナされた後に家に戻って見た未来を明らかにします。どんな未来なのか読者の皆様も考えて当ててみて下さい。ヒントは前回見た悪夢ともし響達と手を繋いだら…です。
今回はここまでです。感想お待ちしています。
「俺達は手を取り合ってはいけない!繋がっては…いけない…」
「上條隼人は、カリバーという仮面で涙を隠して戦っていたのね…」
「これで話は終わりだ…」
「隼人さん…どうして泣いているんですか…?」
次回「どうあがいても、絶望。」