【完結】月闇絶唱シンフォギア   作:ネガ

82 / 111
仮面ライダーソロモン、めちゃ強かったですね。変身音めちゃくちゃカッコいいです。
ますますオムニフォースをカリバーの究極形態として出しちゃいたくなります。
そして隼人を更に戦慄させたい…!望まない力がやって来て震える顔を見ただけで顔がニヤけます。




第66話 それでもあなたに、手を伸ばす。

愚者の石によって対消滅コーティングを施したイグナイトによってカリオストロを撃破。しかし、アダムが企む邪悪な野望が加速していく。最悪な未来は変えられるのか。隼人は心を閉ざしたままだ。

 

 

 

 

 

 

 

ビルの屋上で闇黒剣月闇を手に佇む隼人。

無数のビル群を見つめるその目に光は無い。人々が歩き交わる交差点から聞こえる声や車の音。

平和なこの日常を響達と手を繋げは自分が壊してしまう。世界を滅ぼしてしまう。だからこそ、手を繋がない。

 

「未来は…変えられない…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ごめんなさい!対消滅の際に生じる反動のせいで、ギアのメンテナンスになってしまって…」

 

エルフナインがクリスとマリアに頭を下げて謝罪した。

カリオストロとの戦いの後、急拵えという事もあってか反動がギアに伝わってしまい、メンテナンスになってしまったのだ。

 

「気にしないの。むしろ急拵えでよくやってくれたわ。ありがとう。」

 

「おかげで、抱え込まなくていいわかだまりもスッキリ出来たしな。」

 

クリスとマリアの言葉にホッとするエルフナイン。

 

「反動汚染の除去を急ぎます。」

 

すると、クリスがエルフナインの頭に手を乗せて撫でる。

 

「頼もしいちびっ子だ。」

 

「クリスさんだって…」

 

「ん?あたしは大きいぞ?」

 

 

 

 

 

 

 

そんなやりとりをしている中、翼と調はギアを纏い特訓をしていた。

アルカ・ノイズの攻撃を避け、攻撃体制に入る。

 

「呼吸を合わせろッ! 月読ッ!」

 

「ッ!!早い…!!」

 

調の方へアルカ・ノイズを蹴り飛ばす。

しかし、間に合わずに直撃を受けて吹っ飛ばされてしまう。

 

「あぁぁぁぁッ!!」

 

「大丈夫かッ!?」

 

どうも上手くいかない。

自分の最高のパートナーがいたら出来るのに。

 

「切ちゃんとなら…合わせられるのに…」

 

 

 

 

 

 

 

 

その様子はガラスの向こう側から弦十郎達も見ていた。

 

「調君は、翼のリードでも合わせられずか…」

 

ユニゾンの特訓にて、調は切歌以外では合わせる事が出来ず、悩んでいた。

しかし、再び立ち上がり、アルカ・ノイズの元へ突っ込みα式 百輪廻を繰り出して一掃した。

 

「こんな課題…続けていても…」

 

続けても意味がない。そう思ったその時、調の目の前に小さな竜巻が現れ、中から緒川が現れた。そう。彼はNINJAだ。

 

「緒川…さん…!?」

 

「微力ながら、お手伝い致しますよ。」

 

「その技前は、飛騨忍軍の流れを汲んでいるッ!力を合わせねば、影さえ捉えられないぞッ!」

 

自信が揺らぐ調に、遠くのビルの屋上から切歌が叫ぶ。

 

「調ッ!無限軌道で市中引き回しデスよッ!」

 

「うんッ!」

 

やる気が出てきた。

切歌が励ましてくれるなら、負ける気がしない。

 

「出来れば、お手柔らかに…」

 

緒川は少し自信なさげそうな笑みを浮かべて身構える。

翼やクリス達が見守る中、2枚の巨大丸鋸を展開して緒川に斬りかかる調。

しかし、緒川はいとも簡単に後ろに大きく跳躍してかわした。

今度は地面に刃を滑らせて斬りかかるも避けられる。

これならと言わんばかりに脚のローラーの丸鋸を大型化させ緒川に迫る。

 

「隙だらけ!」

 

その時、緒川の姿が消え、丸鋸はアスファルトを砕く。

 

「嘘ッ!?」

 

「僕はここに。」

 

調の後ろ。道路照明灯にいつのまにか緒川が立っていた。

今度こそと言わんばかり調はヨーヨーを緒川に繰り出すも、再び緒川が消えた。

そこから目にも止まらない速さで移動する。

 

「追いかけてばかりでは、追いつけませんよ!」

 

「逸るな月読ッ!」

 

翼の言葉を聞きながらも緒川を追う調。

 

(切ちゃんはやれてる…誰も組んでも…でも私は…切ちゃんでなきゃ…)

 

走る緒川にヨーヨーを飛ばすも、再び残像となって緒川が消える。

 

(1人でも、戦えなきゃッ!)

 

自分は最高のパートナーである切歌で無ければタッグは組めない。だからこそ、1人で強くならなければならない。

焦る調の中に1人で強くなるという気持ちが芽生えていた。

 

「連携だ、月読ッ!動きを封じる為に──」

 

「だったら面で制圧ッ!逃がさないッ!」

 

調は大きくジャンプ、α式 百輪廻を繰り出す。

 

「ダメデス調!むしろ逃さないとッ!」

 

切歌の叫びも虚しく、逃げる緒川に攻撃を仕掛ける調。

その時、丸鋸が緒川の身体を斬り裂いた。

 

「「ッ!!」」

 

その光景に誰もが絶句し、エルフナインは目を隠してしまう。

 

「どえらい事故デス……っ?」

 

その時、斬られた緒川の身体が煙と共に消え、スーツのジャケットと丸太だけの姿になった。

 

「思わず、空蝉を使ってしまいました。」

 

調の後ろには緒川が笑みを浮かべて立っていた。空蝉…簡単に言えば、変わり身の術だ。

生身でこれだけの能力を持つ彼ならば、風の聖剣 風双剣翠風に選ばれ、仮面ライダー剣斬として戦えるだろう。

 

「力はあります。後はその使い方です。」

 

緒川の言葉に悔しそうな表情を浮かべ、床に座り込んでしまった。

そして市街地の投影が消え、いつものトレーニングルームに戻った。

 

「調ちゃん!」

 

「調!大丈夫デスか?」

 

響と切歌が駆け寄る。その時、翼は調を見て何かを思い出していた。

 

「あれは…いつかの私だ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして指令室にて。

 

「各装者のユニゾンパターンを全て試した事になりますが…」

 

「調さんだけが、連携によるフォニックゲインの引き上げに失敗しています。」

 

やはり調だけ連携が合わない。

 

「思わぬ落とし穴だったな。」

 

すると、指令室に通信音が響く。

 

「司令。内閣府からの入電です。」

 

「繋いでくれ。」

 

藤尭が繋ぐと、モニターに弦十郎の兄 八紘が映し出された。

 

「八紘兄貴。何かあったのか?」

 

「あぁ…神社本庁を通じて情報の提供だ。」

 

「神社本庁と言えば…」

 

「各地のレイライン観測の件かもしれない。」

 

パヴァリア光明結社が利用するであろうレイライン。

もしかしたら有力な情報が入ってきたのかもしれない。それなら内閣府からの入電も納得だ。

 

「曰く、神いずる門の伝承。」

 

「神…パヴァリア光明結社の求める力…」

 

「詳細については直接聞いて欲しい。詳細については直接聞いて欲しい。必要な資料は送付しておく。」

 

そして通信は終わり、一息つく弦十郎。

 

「どうしますか?司令。」

 

「気分転換も必要かもしれんな。」

 

モニターに映る調を見て弦十郎はそう言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1台の車と翼の乗るバイクがある場所に向かっていた。

車を運転しているのはマリアで助手席にはクリス、後部座席には響、調、切歌が乗っている。

 

 

「埼玉県の…つき神社? そこに何かあるの?」

 

「多くの神社はレイライン上にあり、その神社も例外ではありません。更に神出ずる伝承があるとすれば…」

 

「つまり、指しての筋を探る事で、逆転の一手を打とうとしている訳ね。」

 

クリスの持つタブレット端末にエルフナインが通信で話す。

縁の地を訪れ、そこに記されている伝承を知る事で先手を打つという訳だ。

 

そんな中、後部座席では切歌が呑気にポテトチップスを食べている。

 

「つーか、特訓直後だってのに元気だな。」

 

「いやデスよ、ホメ殺すつもりデスかッ!」

 

「褒めてねぇよ!どういう理屈でそうなるッ!」

 

クリスの言う通り、褒め言葉では無い。

そんなやりとりが車内で繰り広げられている中、調は1人窓から景色を見つめていた。

 

 

そして思い出す、F.I.S.の施設にいたレセプターチルドレン時代。

大きな部屋に調と切歌、そして2人の少女がいた。

自分の私物を纏めていた調に切歌が話しかける。

 

『これ、何て読むのデスか?』

 

『つくよみ…しらべだって…』

 

『しらべ…ヤジロベーみたいでイカすデスッ!』

 

『本当の名前は思い出せなくて…ここの人たちが持ってた物から付けてくれた。』

 

実は、調は事故で記憶のほとんどを失っており、名前も本名ではなく施設の人達が名付けてくれた名前なのだ。鞄には血痕が付着しており、調というのは御守りに書かれていた文字からだった。

 

『アタシの誕生日も、ここに来た日にされたデスッ!似た者同士、仲良くするデスッ!』

 

そう。切歌の誕生日も本当の誕生日では無いのだ。

そしてこれが2人が初めて会った日だった。

 

 

「調ッ!」

 

そんな過去を思い出していたら、切歌に呼ばれハッとする調。

 

「どうしたデスか調?ノコギリじゃないから車酔いデスか?」

 

「ううん…何でもない…」

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、橋を渡り車とバイクは進んでいくと…

 

「……ん? っ!! マリアさんッ!ちょっと止めてくださいッ!」

 

「どうしたのッ!?」

 

響がすれ違い様に何かを見つけ、マリアに車を歩道沿いに一時駐車するよう頼む。

クリス達も一体どうしたと疑問を持った。車を降り歩道を走り、翼達も響を追う。何を見つけたのか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここで立花響達が来る…」

 

「隼人さんッ!」

 

見つけたのは、負のオーラを出しながら廃人の様な暗い顔で死んだ魚の様な目をして歩道を歩き、響達が来る事を予知した隼人だ。

気分転換に歩いている所を響が偶然見つけたのだ。

 

「上條…」

 

「………何の用だよ。」

 

淡々と暗い声で話す隼人。

 

「私、もう一度隼人さんと話がしたいんですッ!」

 

「話す事なんて無い…」

 

隼人は立ち去ろうとするが、翼に手首を掴まれる。

 

「待て。お前は私達の話を聞くべきだ。」

 

翼の言葉にこれは話を聞いてくれるまで動かないと判断したのか隼人は響に話せと言った。

 

「隼人さん。調ちゃんやマリアさんに聞きました。錬金術師との戦いで隼人さんが見た未来と違う未来になった事。それって未来が変わったんじゃないんですか?」

 

「……」

 

響の未来が変わったと言う発言に隼人は黙ったままだ。

 

「あなたがあの時見た未来って、私やクリス、調と切歌が死ぬ未来じゃない?」

 

「でも、あたし達はこうして生きている。これって、未来が変わったって事だろ?」

 

「そうデスよ!未来が変わったんデス!」

 

「うん…だから…未来を諦めないで…」

 

「隼人さん。未来は変えられるんです。だから私達が手を繋げば、きっと未来は変わりますッ!」

 

「上條…もう良いだろう。お前にだって未来を見る資格はある。」

 

未来は変えられる。隼人が見たであろう未来とは違う未来になったのなら必ず。翼の言葉に響達が頷く。だが…

 

「その未来も見た…最悪な未来は…変わっていない…!お前達が変えた未来は…誤差の範囲内に過ぎない…未来への道筋が多少変わっても、最終的な未来が変わってないなら意味が無い…!」

 

例え途中の未来を変えてもその果て…終着点の未来が変わってなければ意味が無い。

隼人は変わっていく未来を見る度に僅かに希望を持ちそうになるが、その度に最悪な未来に必ず行き着き絶望のどん底に叩き落とされるを何度も何度も繰り返していた。

手にした一握りの希望を闇黒剣月闇が嘲笑うかの様に容赦無く叩き潰していた。

精神があまりにも擦り切れ過ぎたのか、最近は闇黒剣月闇から幻聴が聞こえる気もする。

 

 

 

 

 

 

『未来は変えられる…?俺が誰かと手を繋げば…未来は…』

 

僅かに希望を持とうとしたその時…

 

『そんな事が許される訳がない…』

 

『ッ!!』

 

闇黒剣月闇から声が聞こえ、妖しく光り出す。そして発動する未来予知。

 

『お前は誰とも手を繋げない…』

 

『あぁ…!あぁぁ……!!』

 

容赦無く叩き潰される僅かな希望。変わりにやって来るのは、絶望だ。

 

『未来永劫…誰ともな…』

 

『うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』

 

 

暗い寝室で発狂する隼人。実際はただ未来予知が発動しているだけで何も聞こえていない。

しかし、精神も擦り切れ心も壊れかけた隼人には、闇黒剣月闇から声が聞こえる様に感じているのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これで話は終わりだ…!」

 

隼人が話を終わらせて去ろうとすると、響が先回りして隼人の前に立ち、両腕を掴んだ。

 

「勝手に終わらせないで下さいッ!自分だけ分かった様な事を言ってどうして1人で背負い込むんですかッ!? 私は隼人さんを失いたくないんですッ!このまま隼人さんが破滅するのが嫌なんですッ!助けたいんですッ!」

 

必死に訴える響。繋がりたい。助けたい。失いたくない。破滅へ向かっていく隼人を助けたい。未来は変えられる事を証明したい。ただそれだけなのに。

 

「……」

 

「私、分かったんです。あのプリミティブドラゴンの話が、まだ未完のままだって。もしかしたら、物語を完成させれば、きっと暴走も無くなる筈です。」

 

「そんな事をしても未来は変わらない…!」

 

隼人がプリミティブドラゴンの話を完結させれば暴走が無くなるという事を聞いても未来は変わらないと言う。すると…

 

「立花の話が信じられないのか?」

 

翼の言葉に隼人は黙り込む、

 

「もしかして…信じるのが怖いんじゃないんですか?」

 

「……?」

 

「本当は誰かと繋りたい。信じたい。でも、騙されたり裏切られるのが怖い。だから人を信用しないって言い聞かせているんじゃないんですか?」

 

「何を証拠にそんな事…!」

 

突然自分が人を信じないのは信じるのが怖いと言われ、何を訳の分からない事を言っていると思う隼人。

 

「だって…隼人さんの手…震えてますから。」

 

響に言われ自分の手を見ると、僅かに震えていた。震える左手を右手で抑える隼人。

 

「ビビってんだろ? また自分が騙されて裏切られるかもしれないって。」

 

「私達に協力しないと言いつつも、手を貸して共に戦ってきたのはどうして?普段見せている冷酷無情の振る舞いは、思いやりの裏返しじゃない?」

 

「私には分かります。隼人さんが本当は心優しい人だって。ただ…素直になれないだけだって…」

 

響達の言葉に余計に表情を暗くする隼人。

彼女らが何を言っているのかさっぱり分からない。

自分が人を信じないのは信じるのが怖い?騙されて裏切られるのが怖い?素直になれない?もう訳が分からない。

 

「勝手な事を言うな…!お前達がどう言おうと、未来は変わらない…!誰かと手を繋ぐ資格も…未来を生きる資格も…俺には無い…! もう放っておいてくれよ……ッ!」

 

隼人はそのまま立ち去った。

 

(私…諦めません…!どれだけ隼人さんが拒み続けても、手を伸ばし続けます…!)

 

響は隼人がどれだけ拒み続けても手を伸ばし続ける事を心の中で決意した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして一行は埼玉県のつき神社に到着した。

 

「およー?ここ、狛犬じゃなくてうさぎがいるのデスッ!」

 

通常の神社には狛犬がいるのだが、ここにはその代わりにうさぎがいるのだ。

 

「…」

 

珍しがる切歌とは裏腹に調の表情はどこか暗い。

 

「うさぎさんがあちこちに…可愛い。」

 

マリアが神社の至る所にうさぎを見つけ、可愛いと言う。

すると、響達の元へ眼鏡をかけた宮司がやって来る。

 

「話には伺ってましたが、いやぁ皆さん、お若くていらっしゃる。」

 

「もしかして、ここの宮司さん?」

 

「はい。皆さんを見ていると、事故で亡くした娘夫婦のを思い出しますよ。生きていれば、ちょうど皆さんの位の年頃でしてな…」

 

「……ん? おいおい、あたしら上から下までバラけた年齢差だぞ? いい加減なこと抜かしやがってッ!」

 

宮司の発言にクリスが突っかかる。

 

「冗談ですとも。単なる小枠な神社ジョーク。円滑な人付き合いに不可欠な作法です。」

 

宮司のジョークにクリスは何言ってんだこいつと言う表情を見せた。

 

「初対面ではありますが、これですっかり打ち解けたのではないかと。」

 

「むしろ不信感が万里の長城を築くってのはどういうこった…」

 

響もこれには苦笑いを浮かべている。

 

「では早速、本題に参りましょうか。」

 

宮司が背を向けて歩き出すと、突然止まりだし振り向く。

 

「ところで皆さんは氷川神社群というのをご存知ですかな?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、神社内の和室にて宮司が机に古い地図の様な物を広げる。

そこには、赤い点と線が結ばれ、オリオン座の形をしていた。

 

「これは、オリオン座…?」

 

「正しくは、ここつき神社を含む、周辺の7つの氷川神社により描かれた鏡写しのオリオン座とでも言いましょうか…受け継がれる伝承において、鼓星の神門…この門より神の力がいずるとされています。」

 

やはり読み通り。神の力の伝承が記されていた。

切歌はタブレットに映し出されたオリオン座を確認している。

 

「憶測と推論に過ぎないが…それでも、パヴァリア光明結社の狙いと合致する部分は多く、無視は出来ない…」

 

「…神いずる門…」

 

すると、響の腹が鳴る。

 

「うわぁッ!?」

 

「けたたましいのデス…」

 

「わ、私は至って真面目なのですが、私の中に獣がいましてですね…」

 

いきなり腹が鳴って恥ずかしい気持ちになる響。

 

「では、晩御飯の支度をしましょうか。私の焼いたキッシュは絶品ですぞ。」

 

「そこは和食だろッ!神社らしくッ!」

 

クリスが突っ込む。ごもっともだ。

神社なのに何故洋食のキッシュなのか。

 

「ご厚意はありがたいのですが──」

 

「ここにある古文書…全て目を通すには、お腹いっぱいにして元気でないと。」

 

腹が減っては戦は出来ぬ。宮司の言い分はごもっともだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして夜。ホテルの一室でプレラーティが窓から外を見つめる。

 

「あのおたんちん…元詐欺師が1人で格好つけるからこうなったワケダ…」

 

クリスとマリアとの戦いで散ったカリオストロをおたんちんと言い、グラスに牛乳を注ぐ。そしてカリオストロと献杯を交わす。

治療をされていた時に、カリオストロの言葉を聞いていた。

 

『大祭壇の設置に足りない生体エネルギーは、あーし達から錬成する…仲間に犠牲を強いるアダムのやり方は受け入れられない…! きっとあいつは他にも何か隠している…まぁ、女の勘だけとネ…』

 

 

「女の勘ね。フッ。生物学的に完全な肉体を得る為に、後から女となったくせに一丁前な事を吠えるワケダ。」

 

そう言うと、ワイングラスの牛乳を飲み干す。

 

「だけど…確かめる価値はあるワケダ。」

 

 

 

 

 




いかがだったでしょうか?
もしかしたら彼は誰かを信じる事が怖いんじゃないんでしょうか?
響達に何かと甘いのは本当は誰かと繋がりたい。でも騙されて裏切られるのが怖い。冷酷無情な振る舞いは思いやりの裏返しかもしれません。

ちなみに闇黒剣月闇から声が聞こえたのは大秦寺さんの音銃剣錫音の声が聞こえるを、最悪な形で隼人に聞かせてみました。


余談ですが弦十郎が土豪剣激土に選ばれる資格があるなら、緒川さんは絶対に風双剣翠風に選ばれる資格があると思います。

彼もそろそろ変わらないと…いや、彼だけではありません。響達が愚者の石で賢者の石を無効化したみたいに、闇黒剣月闇も…。

今回はここまでです。感想お待ちしています。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。