【完結】月闇絶唱シンフォギア   作:ネガ

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アニメパートも残す所今回を入れて3話となりました。
今回も文章に自信があまり無いですね…
仮面ライダークロスセイバー、公開されましたね。
何か、フレッシュオレンジアームズ見たいです。
そして久しぶりの専用武器!ウィザード以来ですね。





第69話 そして僕は、神になる。

響達が生み出したエレメンタルドラゴンの力で隼人は覚醒。

しかし、絶唱によって切歌が倒れてしまう。

アダムが神の力を手に入れようとする野望を打ち砕く為に、

カリバー、響、サンジェルマンがアダムに立ち向かう。   

 

 

 

 

 

その頃、S.O.N.G.の指令室のモニターには赤い光の柱の中に浮かぶティキの姿が映し出され、右下に切歌を運ぶ緒川をはじめとした救護班が映し出された。

 

「救護班、切歌ちゃんの回収を完了ッ!」

 

「良かった…」

 

無事切歌が回収された事に安堵の声を出す調。

そこへ、クリスが調の肩に手を置く。

 

「付近住民の避難はッ!!」

 

「間も無くですッ!急がせていますッ!」

 

弦十郎の声に藤尭が住民の避難を急がせ、モニターを見ている翼が握り拳を作る。

 

「あんなものが、神を冠する力だというのか…」

 

「間に合わないの…!?」

 

すると、クリスが口を開く。

 

「そうだッ!神殺しッ!こっちにだって対抗策があった筈だろッ!」

 

神殺し。対抗出来るとすればそれだ。

一刻の猶予も許されない。早く手を打たなければ。

 

「緒川の指示で調査部が動いているッ!だが、新たな情報については…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カリバーはアダムに闇黒剣月闇を、サンジェルマンはスペルキャスターをアダムに突きつける。

 

「貴様の様な人間が、神になどなれるものかッ!」

 

「神の力は、人類の未来為にあるべきだッ!ただの1人が占有していいものではないッ!」

 

「未来? 人類の? …くだらないッ!」

 

サンジェルマンの言葉をアダムはくだらないの一言で切り捨てると、帽子を脱いで炎を纏わせてサンジェルマンに投げつける。

スペルキャスターを撃つが、弾丸は跳ね返される。

当たる瞬間に響が帽子を弾き返した。

 

「何故私を!?」

 

「わがままだと、親友は言ってくれました。」

 

「……わがまま?」

 

「群れるなよ、弱い者共が。」

 

「俺達は確かに弱い。でも、弱いからこそ強くなれる。」

 

アダムは無数の火球を3人に放つ。

すると、カリバーは闇黒剣月闇から水流を発射して火球を打ち消し、サンジェルマンが銃撃するが、アダムはそれを避ける。

そこへスペルキャスターに赤い弾丸を装填すると、エネルギー弾を撃つが、それも簡単に避けられてしまう。

 

「くッ……」

 

「誰かの力に潰されそうになってたあの頃、隼人さんに助けられて、今があります。もし支配に抗う人に助けられたら、何かが変わったのかもしれない。……そう考えたら、サンジェルマンとは戦うのではなく、話し合いたいと、体が勝手に動いてました。」

 

「ッ!?」

 

響の言葉で、サンジェルマンの中に何かが芽生えた。

 

「……立花響。お前が狙うはティキ。神の力へと至ろうしている、人形だッ!」

 

「奴を破壊すれば、あいつは神の力を手に入れる事は無いという訳だな。」

 

「ティキ……ティキ、ティキ……ア、ティキ……テラ………」

 

ティキは、何やら呪文の様に自分の名を呟いている。

 

「そういう事だ。器を砕けば、神の力は完成しない……この共闘は馴れ合いではない……私のわがままだッ!」

 

「立花響に影響されたか。だったら俺もそうさせてもらう。わがままなのはお前だけじゃない。」

 

どうやらカリバーも響に影響された様だ。

誰かの為に。これもまた彼のわがままなのかもしれない。

 

「わがままだったら仕方ありませんねッ!誰かの為に……隼人さんとサンジェルマンさんの力を貸してくださいッ!」

 

「……俺は元よりそのつもりだよ。」

 

そして3人の元へアダムが降りて来る。 

カリバーと響はアダムへ突っ込み、サンジェルマンは死角から銃撃。

 

「思い上がったか……どうにかできると。3人でならッ!」

 

カリバーの斬撃と響の拳を避けるアダム。

空中へ浮かぶとカリバーは風の力で、響はバーニアを点火して向かいそこから水流を発射し、パンチを繰り出すが避けられる。

余裕の表情でサンジェルマンの弾幕を避け、木に足をつくがそこに稲妻が走る。

それを見たカリバーは水流を発射してアダムの動きを鈍らせ、そこを狙いカリバーが拳に炎を、響がギアを大型化させ、アダムの腹にパンチを浴びせる。

カリバーは仮面の下で、響とサンジェルマンは笑みを浮かべる。

 

 

 

 

「鉄火場のど真ん中で、やり合ってた相手の手を取るなんて…どんな戦いだッ!」

 

「それが存外ガツンと来る事を知らぬ雪音ではあるまい。」

 

翼に指摘されて、顔を険しくするクリス。

 

「う……、だ、だからって、簡単に倒せる相手ではないぞ…」

 

「そうね。盤面は刻一刻と不利になっているもの……」

 

 

 

 

 

 

その頃、アダムにカリバーが斬りかかると、アダムも緑色のエネルギーを響とサンジェルマンに放つ。

すると、カリバーが土壁を形成してエネルギーから2人を守り、地中移動でアダムのすぐそばまで移動すると、今度は風と炎を発射して怯ませた後に水流を腹に発射し、闇と光のエネルギーで周囲を爆発させてアダムを後退りさせた。

 

「凄い…!」

 

「自然界の四大元素と相反する2つの属性の力を操れるのか…!」

 

エレメンタルプリミティブドラゴンとなったカリバーの能力に響とサンジェルマンも驚きだ。

負けてられない。カリバーがアダムを引きつけている間にサンジェルマンもスペルキャスターで空中に魔法陣で足場を形成する。

そこをひらりひらりと飛び移り、ティキの元へ移動する響。

 

「させはしない……好きにッ!」

 

「それはこっちの台詞だッ!」

 

カリバーがアダムを阻止しようとするが、アダムがカリバーにエネルギ

ー波を発射し、一瞬の隙をついてエネルギーで響を叩き落とした。

 

「うわッ!?」

 

「僕だけなんだよ!触れていいのは…ティキのあちこちにッ!」

 

「貴様は何を言ってるんだッ!?」

 

「メガミンズッキューンッ!」

 

アダムの発言にティキが大きく反応し、光が強くなる。

 

「光が強くなっただとッ!?」

 

「このままじゃッ…!」

 

すると、サンジェルマンがある事をアダムに気づく。

 

「ですが局長…ご自慢の黄金錬成はいかがいたしましたか? 私達に手心を加える必要も無いのに、何故あのバカ火力を開帳しないのかしら?」

 

「…ッ!」

 

サンジェルマンの皮肉な発言に、カリバーの脳裏にアダムが金を錬成しようと巨大な光球を生成したした光景がよぎる。

あんな力を出せるなら、自分達など取るに足らない存在。

何故出さないのか。

その時カリバーの中である推測が生まれる。

 

(力を消費して…弱体化している…!?)

 

「チッ…!」

 

アダムが舌打ちをする。図星の様だ。

 

「図星の様だな。つまり貴様は力を消耗して弱体化しているから出せないんだろう? ここでそのツケが回ってくるとは実に滑稽だ。」

 

「天のレイラインからのエネルギーチャージは、局長にとっても予定外だったはず。門の解放に消耗し、黄金錬成させるだけの力が無いのが見て取れるわッ!」

 

「…聞いていたな?」

 

「はいッ!」

 

響はギアを大型化させる。

 

「つまり仕留めるなら今だ!」

 

サンジェルマンの発言にカリバーと響は答える。

憤慨したアダムは眉間に皺を寄せた。

 

「嫌われるぞ……賢しすぎると。」

 

「元から嫌われている貴様に言われたくは無いな!」

 

【月闇居合!読後一閃!】

 

カリバーは闇黒剣月闇を納刀してトリガーを押して抜刀、斬撃波を発射、サンジェルマンもスペルキャスターから狼型のエネルギーを放つ。

アダムも炎を帽子に纏わせて飛ばし、相殺させるが、爆炎の中からカリバーと響が突撃し、ギアを点火させる。

アダムは響のパンチを左手で受け止めるが、そこへカリバーが風と炎を組み合わせてアダムの下半身を拘束する。

 

「今だッ!」

 

「つえええええぃ──ッ!」

 

カリバーの声にサンジェルマンがスペルキャスターを剣へ変形させ、アダムの二の腕を斬り裂いた。

 

「ぐぁぁぁぁぁッ!」

 

腕を斬られた痛みに声を上げるアダム。

そして着地する3人。

 

「今だッ!立花響ッ!ティキが神の力に至る前にッ!」

 

「お前が奴を打ち砕けッ!」

 

その時、アダムが3人の目の前に降りて来る。

そして衝撃的な事実を目の当たりにすることになる。

 

「ッ!?」

 

「……ッ!? 貴様は…ッ!?」

 

驚愕する3人。

服が焦げ左腕を斬られたアダムの二の腕から稲妻が走り、血が流れていない。

そう。彼は…

 

人間……じゃない……!?

 

「錬金術師を統べるパヴァリア光明結社の局長が、まさか……」

 

人形……!?

 

ここで知るアダムの秘密。彼は人間ではなく人形だったのだ。

 

「人形だと…?人形だとォォォォォォォォォォッ!?」 

 

「ユルサナイ……アダムヲヨグモ……イタクサセルナンテェェェェ──ッ!!

 

3人の発言に激昂するアダム。

そして同調するかの様にティキも激昂する。

彼女は本当に彼の事が好きなのだろう。

その時彼女から強烈や光が放たれ、周囲を閃光で包み込む。

 

「これは…!」

 

「光が…生まれるッ!」

 

 

 

 

その光はS.O.N.G.の指令室のモニターに何も映さない。

 

「あっちはどうなって嫌がる…!?」

 

「──モニター、回復ッ!」

 

「映像を回します──はッ!?」

 

閃光が無くなり、モニターに映し出された光景は弦十郎達を驚愕させた。

 

「ッ!?」

 

「何……だと……ッ!?」

 

 

 

 

 

 

 

「何だあれは……!?」

 

「「………!?」」

 

驚愕の声を漏らすカリバーと言葉を失う響とサンジェルマン。

3人の目の前には、全体的に女性の身体つきをしているも、下半身に脚は無い。

そして胸にはティキが棺に眠る様に収められている。

神の力を纏ったティキの姿だ。

 

「神力顕現……持ち帰るだけのつもりだったんだけどね。今日の所は。」

 

「ゴメンナサイ……アタシ……アダムガヒドイコトサレテタカラ、ツイ……」

 

アダムに謝罪するティキ。彼が攻撃されていたから神の力を顕現させた。

これは彼女の中の愛ゆえの行動なのだろうか?

 

「仕方ないよ、済んだことは……だけとせっかくだから、知らしめようか、完成した神の力をッ!ディバインウェポンの恐怖をッ!」

 

すると、ティキの両肩が光り出す。

 

「来るぞッ!」

 

カリバーの叫びと共に、光が放たれる。

3人は避けるも、地面を吹き飛ばす威力。

 

「あぁッ!」

 

その時、響が爆発に巻き込まれてしまう。

そして光線を街に放ち、破壊の限りを尽くす。

煙が晴れる中、響はカリバーに風の力で爆発の威力から守られていた。

 

「うぅ……」

 

「おい……大丈夫か……?」

 

カリバーに言われて目を開けると、そこは変わり果てた東京の光景だった。

建物は瓦礫の山と化しあちこちから爆煙が立ち込めている。

その様子を見て指令室の皆も戦慄していた。

 

「これだけの破壊力…!闇黒剣月闇やシンフォギアで受け止められるの…?」

 

 

 

 

「人でなし……サンジェルマンはそう呼び続けたね。何度も僕を…そうとも…人でなしさ…僕は…何しろ人ですらないのだから…」

 

完成に開き直って自身を人でなしと称するアダムをカリバーが仮面の下で睨みつけている。

 

「開き直りやがったな…あの野郎…!」

 

「アダム・ヴァイスハウプト…貴様は一体…!」

 

そしてアダムは3人の前に降り立った。

 

「僕は作られた彼等の代行者として。」

 

「作られた…?」

 

「……彼等?」

 

アダムの発言に疑念の声を出すカリバーと響。

 

「だけど廃棄されたのさ。試作体のまま。完全すぎるという理不尽極まる理由をつけられてッ!」

 

「’……?」

 

「ありえない…完全が不完全に劣るなど……そんな歪みは正してやる……完全が不完全を統べる事でねぇぇぇぇッ!」

 

アダムの声と共に再びティキが光線を放とうとする。

すると、響が身構える。

 

「何をッ!?」

 

「お前まさか…」

 

そのまさかだ。

 

「さっきみたいに撃たせる訳にはッ!」

 

響はバーニアを点火して大きく飛び上がった。

 

「ハァァァァァァァァァァァァッ!!」

 

ティキをら殴りつけた。殴られた部分がひび割れ、空を向く。

 

「ティキッ!」

 

空に向けて破壊光線が放たれる。

そしてゆっくり落ちていく響を腕で弾き飛ばした。

 

「うわぁぁぁッ!」

 

放たれた破壊光線は雲を突き破り、宇宙まで駆け抜け人工衛星に命中、爆発を起こした。

その光景を見て戦慄する2人。

 

「何だこの凄まじい破壊力は…!桁外れだ…ッ!」

 

「こんな力の為に…カリオストロは…プレラーティは…ッ!」

 

この力を手にするアダムの欲望の為だけに散っていった2人の仲間。

心が痛む。悔しい。その思いがサンジェルマンに芽生えた。

 

 

 

そして人工衛星が破壊されたと同時に、S.O.N.G.の指令室のモニターは閃光に包まれ、やがてNo Signalの文字が出た。

 

「周辺防犯カメラからの映像、途絶…!」

 

ティキは東京の街を浮遊する。

倒れた響の元へカリバーとサンジェルマンが駆け寄る。

響のギアからは稲妻が走っていた。 

 

 

 

 

その頃、リディアンの寮では未来が目を覚ましていた。

空には人工衛星の残骸が流れ星と化して降り注いでいる。

 

 

「シエルジェ自治領から通達。放たれた指向性エネルギー弾は、米国保有の軍事衛星に命中。蒸発させたと……」

 

「響君達の様子は?」

 

「周辺のカメラはダウンしたままです。急ぎ、別視点からの映像を──」

 

「司令ッ!各省庁からの問い合わせが殺到していますッ!」

 

この壊滅的被害でS.O.N.G.には各省庁から問い合わせが殺到しているが、そんなものに構っている暇などない。

 

「全て後回しだッ!放って──」

 

放っておけと言う弦十郎に、ある人物から入電が入る。それは…

 

『……どうなっている?』

 

「……ッ!」

 

『どうなっていると聞いておる。』

 

その人物に、弦十郎は驚愕した。

何故ならモニターに映し出されているのは風鳴訃堂だからだ。

 

「は……はい。目下、確認中であり……」

 

『儚き者が……此度の騒乱は既に各国政府の知る所。ならば、次の動きは自明であろう。共同作戦や治安維持などと題目を掲げ、国連の旗を振りながら武力介入が行われる事が何故分からんッ!』

 

訃堂の言い分は間違っていない。このままでは各国政府が国連の旗の元武力介入が行われるのは目に見えている。

 

「ですがッ!きっと打つ手はまだありますッ!その為の我々であり─」

 

弦十郎の言葉を遮り訃堂は通信を切った。

 

「聞くに堪えん…やはり、この国を守護せしめるは、真の防人たる我と、宵闇の剣士を置いて他に無し…」

 

 

 

 

 

 

「今の通信って…」

 

「この戦いに、風鳴宗家が動くという事だ。」

 

「モニター、出ますッ!」

 

藤尭の声と共にモニターには地面に伏す響と、彼女の元に駆け寄るカリバーの姿が映し出された。

 

「隼人さんッ!響さんッ!」

 

「あのバカッ!地面が好きすぎるだろッ!あいつでもダメなのかッ!?」

 

 

「ア……アダム……ティギ……ガンバッダ……ホホホメテテデ…」

 

機械のバグの様に自分を褒めて欲しいと言うティキ。

 

「いい子だね…ティキはやっぱり。」

 

「ダッダラ……ハグジデヨ…ダギジメデグレナイト…ツタワラナイヨ………」

 

「やまやまだよ、そうしたいのは…だけど出来ないんだ。手に余るそのサイズではね…」

 

アダムの言う通り確かにこの巨体では抱擁するのは不可能だろう。

 

「イゲズ……ソゴモマタ……スギナンダケドネ…」

 

ティキはどうやら本当にアダムが好きな様だ。

しかし、カリバーとサンジェルマンはティキに攻撃する。

なお、この時カリバーは何度も暴走した時の疲労が蓄積しており、体力もかなり消費して頭が回っていない。

 

「ふざけやがって…!これならどうだッ!」

 

【月闇居合!読後一閃!】

 

カリバーは闇黒剣月闇を納刀してトリガーを押して抜刀、斬撃波を放つ。

 

「全力の銃弾でッ!」

 

サンジェルマンはスペルキャスターを銃に変形させ銃撃するが、ダメージを無効化させる。

カリバーも炎と風を発射して攻撃するが、やはり無力化される。

 

「それでもか…!」

 

「あの時と同じか……ッ!」

 

バルベルデで戦った時もダメージを無効化したヨナルデパズトーリを思い出す。

しかし、それだけじゃ無い。響が一撃で葬った事も思い出した。

 

(まさか、ガングニールに神殺しが……?)

 

 

 

「さっきのは、ヨナルデパズトーリと同じ…!」

 

「無かったことにされるダメージッ!」

 

そして、ティキの一撃によって吹き飛ばされる2人。

 

「圧倒的な攻撃と、絶対的な防御……」

 

「あぁ、反動汚染の除去が間に合ったとして……どう立ち回ればいいんだよ……ッ!」

 

ラボではエルフナインが必死にギアの反動汚染の除去の作業を進めている。

急がなければ間に合わない。一刻の猶予も許されない。

 

 

 

 

 

 

「不完全な人類は……支配されてこそ、完全な群体へと完成する。人を超越した僕によってッ!」

 

「世迷うなよ人形…!」

 

「不完全だから良いんだよ…!それが人間の可能性だからだッ!」

 

「錬金術師失格だな君は。支配を受け入れたまえ。完全を希求するならばッ!カリバー、君もだッ!」

 

「支配からの解放……その全てが利用され、無駄に消えてしまった…思想も理想も、生贄と捧げた数多の命までも……ッ!」

 

全て策略の中で踊らされ、7万人以上の人々の命を無駄にしてしまった。自分自身の行動が目の前の1人の人形の欲望の為だけに。

 

「だったら今やるべき事は1つだろ…奴を倒す…それがお前の贖罪となるなら…!」

 

カリバーはサンジェルマンにアダムを倒す事が贖罪じゃないかと語りかけた。

 

 

「もはやディバインウェポンを振るうまでもないね、この幕引きには。手づから僕が始末しよう。君だけは入念に……」

 

アダムが響の近くまで地上に降り立った。

 

 

 

 

「有為に天命を待つばかりかッ!」

 

その時、指令室に入電が入る。

 

『諦めるなッ!……あの子なら、きっとそう言うのではありませんか?』

 

その声は、1人の男性の声だ。しかし…

 

「発信源…不明。暗号化され、身元も特定出来ません。ですが……これは……ッ!?」

 

そして送られてきた物に、驚愕する。

 

「解析されたバルベルデドキュメントッ!?」

 

モニターに映し出されたのは失われたはずのバルベルデドキュメントだった。

一体何故。どの様に解析してここに送られてきたのか全く分からなかった。

 

『我々が持ちうる限りの資料です。ここにある神殺しの記述こそが、切り札となり得ます。」

 

「神殺しッ!? 何でまた…!?」

 

クリスが驚く中、通信で緒川が答える

 

『調査部で神殺しに関する情報を追いかけていた所、彼等と接触、協力を取り付ける事が出来ました。』

 

そしてモニターに映し出されるのは、1振りの槍。

 

「これはッ!?」

 

『かつて、神の子の死を確かめる為に振われたとされる槍…遥か昔より伝わるこの槍には、凄まじき力こそ秘められていたものの、本来、神殺しの力は備わっていなかったと資料には記されています。』

 

「それなのに…どうして…?」

 

『2000年以上に渡り、神の死に関わる逸話が本質を歪め、変質させた結果であると。』

 

匿名の男性の声に翼が1つの推測を出す。

 

「まさか、哲学兵装……先のアレキサンドリア号事件でも中心にあったという……」

 

『前大戦時にドイツが探し求めていたこの槍こそ…』

 

そして明かされる槍の名と浮かぶ文字は…

 

GUNGNIR

 

「ガングニールだとぉッ!?」

 

そう。ガングニールだ。

 

『そう……なんですね……』

 

地面に伏していた響が立ち上がる。

 

「立花ッ!」

 

「まだ、何とか出来る手立てがあって……それが、私の纏うガングニールだとしたら…」

 

「気取られたのか…」

 

そして響は立ち上がる。この逆境を覆す為、未来の為。

 

「もう一踏ん張り……、やってやれない事は無いッ!」

 

「……ッ! やはりガングニールが神殺し…!」

 

疑念が確信へと変わった。

神を殺す一撃。突破口。彼女の拳が、勝利を導く。

 

「──ティキッ!」

 

ティキは響に向けて光線を放つ。

しかし、それをひらりひらりとかわしながらティキへ接近する。

 

「うおおおおおお────ッ!」

 

「生かせるものかッ!神殺しッ!」

 

アダムが帽子を響に向けて帽子を投げるも、それを放たれた斬撃波と銃撃が阻止する。

カリバーとサンジェルマンだ。

 

「───ッ!?」

 

「立花響の邪魔はさせないぞ…ッ!」

 

「なるほど、得心がいったわ。あの無理筋な黄金錬成はカリバーとシンフォギアに向けた一撃ではなく、局長にとって不都合な真実を葬り去る為だったのね。」

 

「だがこれで神は死ぬ事になる。残念だったな。お前の欲望はここで潰えるッ!」

 

「言ったはずなんだけどな…賢し過ぎるとッ!」

 

サンジェルマンは突っ込むアダムに銃弾を、カリバーは水流を放つがそれを避けながら接近する。

そこへスペルキャスターを剣に変形させる。 

その時、アダムが何と自身の左腕を引きちぎると、剣の様に固くさせた。

 

「バカなッ!」

 

「あいつ…自分の腕をッ!」

 

「潰えて消えろッ!理想を夢想したままでッ!」

 

アダムは腕で2人に斬りかかる。

カリバーとサンジェルマンも応戦する。

そこへカリバーがアダムに炎を発射し、怯ませると風のエネルギーを腹に浴びせる。

 

「く…ッ!!」

 

「行け…行け…そのまま行けッ!立花響ッ!」

 

「お前の拳で、神を殺せッ!」

 

「───ッ!」

 

2人の言葉を背に響は進む。神を殺す為に。

 

「乗りすぎだ…調子にッ!……ッ!?」

 

響に気を取られたアダムにカリバーの裏拳が浴びせられる。

そこへサンジェルマンが斬りかかり、カリバーも加わる。

 

「俺は今を進むッ!未来を変えるッ!後ろは振り返らないッ!」

 

「私は進む、前に前にッ!ここで怯めば、取り戻せない程痕となるッ!屈するわけには──!」

 

 

2人は前に進むと誓った。後ろは振り返らない。屈しない。

その思いがアダムを押していく。

そして、カリバーが地中移動からの光で眩ませた隙にサンジェルマンが一撃を浴びせた。

 

 

 

 

響はティキのすぐ近くにまで接近した。

 

「ッ!寄せ付けるなッ!蚊トンボを───ッ!」

 

「余所見をするなッ!」

 

カリバーがアダムを殴りつけ、サンジェルマンが蹴り飛ばす。

そして響が右腕のギアを大型化、ナックルガードを展開してティキの拳とぶつかる。

 

「おおおおおお……はあああああッ!!」

 

「アダムヲコマラセルナァァァァァァァ────ッ!」

 

響の一撃でティキの腕が砕ける。

無効化しようとしても、されない。攻撃が効いている。

 

「ギャアァァァァァァァァ────ッ!」

 

砕けた腕を見てティキが悲鳴を上げた。

 

 

 

 

 

「ディバインウェポン復元されず!」

 

「効いてるわ…まさか本当に……」

 

「神殺しの…哲学兵装…!」

 

皆が驚愕している中、指令室に回復した切歌が入ってくる。

 

「切ちゃんッ!」

 

 

 

そこへ、資料を送った男性が通信で口を開いた。

 

『バルベルデから最後に飛び立った輸送機…その積み荷の中に、大戦時の記録が隠されていたのです…』

 

そう。あの時分身カリバー達と調と切歌が守ったあの輸送機。

そこに逆転の切り札があったのだ。

調と切歌達の無茶は無駄では無かったのだ。

 

「あの時の無茶は、無駄では無かったのデスね…」

 

「教えて欲しい…君の国が手に入れた機密情報を、何故我々に…?」

 

弦十郎は質問する。確かに何故自分達に機密情報を渡したのか。

 

『歌が……聞こえたって。』

 

「歌……?」

 

「先輩が教えてくれたんです。燃え尽きそうな空に、歌が聞こえたって。そんなの、私も聞いてみたくなるじゃ無いですか。」

 

話す男性の机のパソコンには、2人の宇宙飛行士が並ぶ写真が立てかけてあった。つまり彼は…

 

 

 

「ぐあッ…!」

 

一方響は、ティキの繰り出した一撃で空中に投げ出されていた。

それを見て勝利を確信するアダム。

 

「終わりだ、これで……ッ!」

 

「「立花響────ッ!!」」

 

2人の叫びに響はハッとする。

そして体勢を立て直し、マフラーが輝き始める。

 

「神殺しッ!止まれぇぇッ!」

 

「止めさせるかぁぁっ!」

 

動こうとしたカリバーが叫びと共にアダムに炎と水、闇と光のエネルギーを放って黙らせる。

そして響はギアをドリルの様に高速回転させてティキ目掛けて一心不乱に突っ込む。

 

「八方極遠に達するはこの拳ッ!如何なるものも、打壊はたやすいッ!」

 

 

 

するとアダムは…

 

「ッ! ハグだよティキッ!さぁ、飛び込んでおいでッ!神の力を手放してッ!」

 

アダムはティキに自身の胸に飛び込む様手を広げた。

 

「アダムゥゥゥ、ダイスキィィィ────ッ!」

 

胸の棺から飛び出したティキはアダムの元へ向かっていった。

しかし、それを響が許しはしない。

 

「おおおおおおおおあああああああッ!」

 

ティキの下半身を粉々に粉砕した。

 

「キャアァァァァァァァァ!?」

 

器となったティキが破壊された事でディバインウェポンは黄金の光を解き放ち、消滅していった。

その光景をカリバーとサンジェルマンは目を見開いて見ていた。

勿論S.O.N.G.の指令室の皆もだ。

 

「ここ一番でやっぱりッ!」

 

「バッチリ決めてくれるのデスッ!」

 

調と切歌は喜びの声を出した。

 

 

 

 

 

 

「ッ!!」

 

「どうした!? カリバー!」

 

頭痛と共にカリバーがこめかみを抑え、膝を付く。

ここに来て闇黒剣月闇の未来予知が発動したのだ。

 

「こ、これは…ッ!? ま……不味い……立花響に……!神の力が…!何だこれは!?」

 

「どういう事だッ!?」

 

 

 

 

 

 

 

「アダムスキ、ダイスキ…ダカラダキシメテ、ハナサナイデ。ドキドキシタイノ…」

 

上半身だけになりながらも、ティキはアダムに自分を抱擁する様求めた。しかし…

 

「恋愛脳め。いちいち癇に障る……だが間に合ったよ、間一髪。人形を……神の力を付与させる為の…」

 

神の力が粒子となり空に渦巻く下、アダムはティキを蹴り飛ばした。

 

「ナンデマタッ!?」

 

「断然役に立つ…こっちの方がッ!」

 

自身の左腕を役に立つと称し、天へ掲げた。

 

「付与させるッ!この腕にッ!その時こそ僕は至るッ!アダム・ヴァイスハウプトを経た、アダム・カダモンッ!新世界の雛形へとッ!」

 

しかし、アダムの腕に神の力は付与しない。

 

「どういう事だ…?」

 

「ま、不味いッ!」

 

「カリバーッ!?」

 

響に向けてカリバーは身体に鞭を打って未来を変える為響の元へ走り出す。

何故なら、神の力はカリバーが見た未来の通り、響に流れ始めているのだから…

 

「何…これ…」

 

起き上がった響も、自身に黄金の粒子が流れていく事に戸惑うばかり。

その光景にサンジェルマンも驚きを隠せない。

 

「立花響ッ!」

 

「隼人…さん…」

 

「どうしたの、えッ……?」

 

その時、響の胸に激痛が走る。そして…

 

「あ…あ…ウァァァァァァァァ────ッ!」

 

響の悲鳴と共に黄金の閃光が放たれる。

その光はS.O.N.G.指令室にも放たれている。

 

「お…おい…何やってんだよ…」

 

 

響から放たれた光は残骸と化したビルとビルの間に糸を張り巡らせ、昆虫の蛹の様な形になり、鼓動が響いている。

 

「何だあれは…! 蛹……ッ!?」

 

「宿せないはず…穢れなき魂でなければ、神の力を…ッ!」

 

「生まれながらにして、原罪を背負った人類に宿る事など…!」

 

驚愕する3人を尻目にその蛹は赤く光を放ち、心臓の鼓動の様な音を響かせていた。

 

 

(立花響……ッ!このままじゃ……ッ!)

 

 

この時、カリバーは知らない。

自身の持つワンダーライドブックと自宅の光るワンダーライドブックの力に引かれ、ワンダーワールドに1冊のワンダーライドブックが迷い込んでいた事を…

 

 

 




いかがだったでしょうか? 響が生み出したエレメンタルドラゴンは初期設定では神殺しの力を持つ響から生み出されたから神殺しを秘めているとしてましたが、流石にこれはダメだと判断して没にしました。
ちなみにカリバーはかなり動いてますが何度も未来予知と暴走を繰り返した事によって疲れが溜まり、頭も回らずまともに睡眠も取れてなくて倒れてもおかしく無い状態です。 

アニメパートも残すところあと2話となりました。
ちょっと明日から仕事が忙しくなるので更新に少し時間が空くかもしれませんが、ご了承下さい。
今回はここまでです。感想お待ちしています。















「海の向こうから…何かが飛んで来る…!あれは…兵器…戦略ミサイル…!? 何処からだ…!? 何処から飛んでくる!? …アメリカ!?」

「自衛隊の奴等…!立花響を……ッ!」

「何で…ッ!こんな時に……ッ!」

「貴様が手にするのは神の力じゃないッ!破滅だッ!」


「隼人さん…?」

「変身……ッ!!」



THE FEAR IS COMING SOON!

次回「目覚めし、破壊神。」
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