【完結】月闇絶唱シンフォギア   作:ネガ

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いよいよ原作に突入します。


第06話 生まれる、覚醒の鼓動。

カリバーが日本国民に忠告をしてしばらく経ち、ライブ生存者に対して迫害は無くなっていた。それからというもの、隼人はノイズが現れては変身し撃破、二課の人間が来る前に撤退していた。時々風鳴翼との戦闘もあったが、幾度となく退けた。そんないたちごっこを繰り返し、気がつけば2年経っていた。

 

「この世界に転生してもう2年か…。」

 

隼人は21歳になっていた。これがいつまで続くのか、いつになったら日常に戻れるのか、心の中で思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

海を臨む高台の校舎から、歌が聞こえる。そこは私立リディアン音楽院高等科。女子校であり、今年で設立10周年を迎える。今日は入学式だったのだ。大勢の生徒の中に、ボブカットの少女と黒髪のショートヘアーにリボンを付けた少女がこの学校の校歌を歌っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「立花さんっ!!」

 

「ひぃっ!!」

 

教室に金髪の女性、恐らく先生であろう人物が、猫を抱いた少女を叱っていた。

 

「この子が木に登ったまま降りられなくなってて…」

 

「それで?」

 

「きっとお腹を空かせてるんじゃないかって…」

 

「立花さんっ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ〜!疲れた〜!!入学初日からクライマックスが100連発気分だよ…私呪われてる…」

 

床に大の字になって寝転がってる少女の名は立花響。人助けが趣味がどこにでもいるお節介な普通の女の子だ。

 

「半分は響のドジだけど、残りはいつものお節介でしょ?」

 

響のドジを指摘するリボンを付けた少女は小日向未来。響の親友だ。

 

「人助けと言ってよ〜人助けは私の趣味なんだから〜!」

 

「響の場合度が過ぎてるの。同じクラスの子に自分の教科書貸さないでしょ?」

 

未来は本を整理しながらそう言うと、

 

「私は未来から見せてもらうから良いんだよ〜!ヒヒッ!」

 

響はいたずらっ子の様な笑顔を浮かべ笑いながら言うと、パソコンが置いてある机に移動した。

 

「……バカ。」

 

何やら思い詰めた様な表情で響を見ながらそう呟いた。

 

「おぉ〜!!CD発売は明日だっけ!うっはー!やーっぱかっこいいな〜!翼さんは!」

 

そう言いながら響は雑誌を抱きしめた。

 

「翼さんに憧れて、リディアンに進学したんだもんね。大したものだわ。」

 

「だけど影すらお目にかかれなかった…そりゃトップアーティストだから簡単なら会えないと思ってるけどさ…」

 

 

 

 

ふと響は自分の胸を見る。そこには傷があった。

 

 

(あの日、私を助けてくれたのはツヴァイウィングの2人に間違いなかった。だけど退院してから聞いたニュースは、奏さんや多くの人々が世界災禍であるノイズの犠牲になった事だけ…。戦っているツヴァイウィング…あれは幻…?)

 

 

その夜、響は未来と共に同じベッドで寝ていた。

 

(そしてもう1人…2年前、私を迫害から救ってくれたあの剣士さん…。あの人は一体誰…?)

 

2年前の出来事とカリバーの正体を疑問に思いながら、眠った。

 

 

 

 

その頃、隼人は…

 

「ハックションッ!!……風邪かなぁ…?」

 

その直後、ガトライクフォンから電子音が鳴る。それを見た隼人は闇黒剣月闇を手に部屋を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

その夜、何処かの山で、爆発音や銃声が響く。上空にはヘリコプターが飛んでおり、何かを照らしている。カラフルな色、人型やカタツムリの様な形や、中には巨大な個体。そう。ノイズだ。ノイズは家屋を破壊し、進撃する。兵士はアサルトライフルを放ち、戦車などで砲撃するも、全て擦り抜けてしまう。ノイズには通常兵器は効かないのだ。

 

 

「やはり通常兵器では無理なのか!?」

 

隊長らしき男が声を挙げたその時…

 

【月闇居合!】

 

【読後一閃!】

 

音声と共に紫色の斬撃波がノイズ目掛けて放たれた。その斬撃波を受けたノイズは粉微塵になり、炭素の塊と化した。

 

隊長の男が振り向いた先に、カリバーがいた。

 

「か…仮面の剣士…!」

 

「生身でノイズと戦うとは、命知らずだな。後は任せろ。」

 

カリバーはそう言うと、ノイズの元へ歩いていった。すると、青い人型のノイズが向かってきたが、カリバーはこれを闇黒剣月闇で斬り、炭素の塊に還した。すると今度は、オレンジ色のカタツムリの形をしたノイズが大量に姿を表すと、カリバーは蛍光イエローのワンダーライドブックを取り出し、それを起動すると、闇黒剣月闇にスキャンした。

 

【ニードルヘッジホッグ!】

 

【必殺リード!ジャアクヘッジホッグ!】

 

【月闇必殺撃!習得一閃!】

 

カリバーが闇黒剣月闇を掲げると、上空に紫色の無数の針が現れた。そしてカリバーが闇黒剣月闇を振り下ろすと、そのままノイズ目掛けて針が落下し、ノイズの大群が爆発と共に炭素の塊と化す。

 

「す…凄い…!」

 

隊長の男は驚いていた。自分達では歯が立たないノイズをこうも簡単に倒せるからだ。他の兵士が関心しているのを尻目にカリバーは目の前のピンク色の巨人の姿をしたノイズと対峙していた。すると今度はカリバーはクリムゾンのワンダーライドブックを取り出し、起動すると、闇黒剣月闇にスキャンした。

 

【西遊ジャーニー!】

 

【必殺リード!ジャアク西遊ジャー!】

 

【月闇必殺撃!習得一閃!】

 

音声と共に闇黒剣月闇が赤くなり、カリバーが振るうと、如意棒の如く伸び、ノイズを切り裂いた。そのままノイズは爆発し、他のノイズも誘爆と共に炭素の塊となり、ノイズ達は全滅した。カリバーは闇黒剣月闇を納刀すると、そのまま去ろうとしたが、隊長の男に呼び止められた。

 

「待ってくれ!」

 

「私に何か用か?」

 

「助かった。ありがとう。」

 

隊長の男は礼の言葉を話すと、

 

「別に礼を言われる事はしていない。」

 

カリバーはそう言い残すと、紫色の炎の渦を出して姿を消した。その後、翼が遅れて到着したが、すでにノイズは殲滅され、カリバーの姿もなかった。兵士の証言や隊長の男の話を聞いた翼は、精悍な顔付きで拳を握りしめていた。

 

 

 

 

翌朝、リディアンの食堂では、響と未来が食事をしながら話をしていた。

 

「『仮面の剣士によってノイズは殲滅され、自衛隊と特異災害対策機動部による避難誘導は完了しており、被害は最小限に抑えられた。』だって。ここからそう遠く離れてないね。」

 

未来の話を聞きながら響は頷き、白米をかき込んでいると…

 

「風鳴翼よ!」

 

「芸能人オーラ出まくり!」

 

「孤高の歌姫って感じ!」

 

その言葉を聞いて響は立ち上がり、探そうとすると、目の前に自身が憧れていた風鳴翼がいた。響は憧れの人物を目の前に震えていた。すると、翼が自身の右の口元を指した。響の口元にご飯粒が付いていたのだ。

 

 

 

 

 

一方その頃、隼人は部屋で朝食を食べながらニュースを見ていた。ニュースの内容は昨夜のノイズ出現についてだ。自衛隊と特異災害対策機動部によって避難誘導は完了していたという。隼人はテレビを切ると、朝食のカップ味噌汁を飲み、お茶で流し込んだ。

 

「やはり特異災害対策機動部が絡んでいたか。面倒な事になりそうだな。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「CD!特典!CD!特典!」

 

夕方、響は未来に言われて風鳴翼のCDを買いに胸を躍らせて走っていた。そしてコンビニの近くで止まると、後ろから何が風に乗せられ、吹いた。ふとコンビニを覗くと、炭素の塊が残されていた。そして目の前にも。そして彼女は言う。

 

「ノイズ!?」

 

「嫌〜!!」

 

その時、少女の悲鳴が聞こえる。響は悲鳴が聞こえた方へ走る。

 

 

 

 

 

 

 

 

「状況を教えて下さい!」

 

「現在、反応を絞り込み、位置の特定を最優先しています!」

 

一方その頃、特異災害対策機動部二課ではノイズ出現を察知、オペレーターがノイズの位置を調べていた。モニターに表示された地図を、弦十郎、了子、そして、風鳴翼が見ていた。

 

 

 

 

「ハァ…ハァ…!」

 

響は少女を連れて逃げていた。そして、路地裏の出口に着き、角を曲がろうとした時、周りをノイズが取り囲む。

 

「お姉ちゃん!」

 

「大丈夫!お姉ちゃんが付いてる!」

 

響は意を決して少女と共に用水路に飛び込み、その中を泳ぎ、向こうの通路に渡った。少女を背負い、必死に走っていたが、とうとう疲れて倒れてしまった。

 

「シェルターから離れちゃった…!」

 

呼吸が乱れる。背後には、ノイズの群れ。もはや万事休すと思ったその時…

 

 

 

 

 

 

 

 

「生きるのを諦めるなッ!!」

 

 

 

 

2年前、自分の命を救った天羽奏の言葉が脳裏をよぎった。その言葉を思い出し、再び響は走り出す。

 

(あの日、あの時、間違いなくあの人に救われた。私を救ってくれたあの人は、とても優しくて、力強い歌を口ずさんでいた。)

 

響と少女は建物の屋上に辿り着き、その場で息を切らし、倒れた。

 

「死んじゃうの…?」

 

少女の問いかけに響は優しい笑みを浮かべ、首を振る。そして後ろを振り返ると…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ノイズの大群が後ろにいた。

 

少女は響に抱きつき、響はノイズ達を睨む。一歩、また一歩とノイズ達が迫る。

 

「私に出来る事…」

 

今自分がやるべき事。

 

「出来る事がきっとあるはず…!」

 

そうだ。この子を守る事だ。

 

「生きるのを諦めないでッ!!」

 

一度助けられたこの命で、今度は自分がこの子を助けるんだ!!

頭の中に聖詠が浮かぶ。少女はそれを口ずさむ。戦う為に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「Balwisyall Nescell gungnir tron」

 

 

 

 

 

 

 

その時、不思議な事が起こった。

響の胸から強い光が、溢れ出したのだ。そして天に向かってその光は伸びる。

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、特異災害対策機動部二課では…

 

「反応を絞り込みました!位置、特定!」

 

「ノイズとは異なる高出量エネルギーを検知!」

 

「波形を照合、急いで!」

 

「まさかこれって…アウフヴァッヘン波形!?」

 

オペレーターが慌ただしく動く中、了子も驚いていた。そしてモニターに映し出される文字は、

 

 

 

 

 

code:GUNGNIR

 

 

 

「ガングニールだとぉ!?」

 

弦十郎が驚きの声を上げる。その声を聞いた、その場にいた翼が驚愕の表情を浮かべる。

 

 

 

 

 

その頃、響の体に異変が起きていた。心臓から何かが自分を蝕む。血管、細胞が侵食され、変化していく。そして響の体はオレンジと黒のスーツに変化し、腕から脚に鎧が装着され、頭にはヘッドギアが。その顔は真っ黒で白く丸い眼、牙を剥き出しにしている。

 

 

 

今、立花響は新たな戦姫として覚醒した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




いかがだったでしょうか?今回は響が覚醒するお話。次回は主人公と接触します。今回はここまでです。

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