いよいよこれが終われば最終章!
まずはアニメパートに入る前にお正月の回からスタートさせますのでよろしくお願いします!
最後のシーンでは是非「戦場のメリークリスマス」の原曲を流してもらいながら読んで頂ければ幸いです。自分はピアノ版も好きですが、シンセサイザーの原曲も好きです。
季節はすっかり冷え込み、冬。もうすぐ2044年も終わる頃、寝室で寝ている隼人は、夢を見ていた。それは、前に見たどこまでも広がる青い空に白い雲の上にいる夢だった。
「あれ? 前に見た夢と同じ?」
「3ヶ月ぶりだな。」
声のする方向を見ると、富加宮がやって来た。
「そうですね。お久しぶりです。」
「あれから立花響達とどうなった?」
「少しずつですが、繋がっていきますよ。」
誰かと繋がる事を避けて来た隼人は、闇黒剣月闇の未来予知やプリミティブドラゴンの暴走を経て、過去に囚われていた自分に見切りをつけて前に進み、響達と仲を深めていく事を決意したのだ。
そんな隼人を見て、富加宮は僅かに笑みを見せた。
「そうだ、富加宮さん。実はちょっと気になる事があるんですが…」
「何だ?」
隼人には、最近気になる事があった。それは…
「俺が正式に継承する前に、聖剣を使えるって話ですが…」
正式に継承する前に特典として貰った聖剣とライドブックが何故使えたのか。前から気になって仕方がなかった質問を投げかけた。それに対して富加宮は…
「……物には魂が宿ると言われている。もしかしたら、闇黒剣も最初は渋々力を貸していたが、お前が変わる決意をした時に認めたんじゃないのか?」
質問に答える富加宮は何かに怯えている様な表情をしている。
言える訳が無い。ヤンデレの闇黒剣や無銘剣にプリミティブドラゴンとオムニフォースがやたらと隼人の事を気に入っているなんて口が裂けても言えない。
いっその事継承前に使えた理由なんてもうどうでもいいと言いたい位だ。
「どうしたんですか?」
「いや、何でもない。そろそろ行くとするか。これからも頑張ってくれ。」
富加宮の言葉と共に辺りは眩い光に包まれた。
気がつくと、隼人は目を覚ましていた。時刻は9時30分。隼人はベッドから起き、朝食にトーストを食べて顔を洗い歯を磨く。
そして、寝室で着替え終わると机に置いてあるジャアクドラゴンが光っていた。何だと思って手に取ると表紙の絵が変化した。
【ハッピージャアクドラゴン!】
ジャアクドラゴンの表紙に星や夜空に流れ星が描かれたハッピージャアクドラゴンに変化したのだった。
「何だこれッ!?」
思わず驚きの声を出す隼人。今までこんな事は無かったのに。一体どういう事なのか。
とりあえずどんな力を出すのか試すべく外で出てハッピージャアクドラゴンの表紙を開いた。
【かつて幸せを包み込んだ暗闇で笑ったのはたった1体の神獣だった…。】
ライドスペルから物語の朗読が語られ、隼人は表紙を閉じて闇黒剣月闇にスキャンした。
【ジャアクリード!ジャアクハッピー!】
「はぁッ!? ジャアクハッピーッ!?」
何とも言えない音声に隼人は驚くも、邪剣カリバードライバーにハッピージャアクドラゴンをセットし、グリップエンドでボタンを押した。
【闇黒剣月闇!】
「変身。」
【Get go under conquer than get keen.(月光!暗黒!斬撃!) ジャアクドラゴン!】
紫のオーラと共に隼人の姿が変わり、カリバーへと変身した。その姿は一件普段のジャアクドラゴンと変わらない。
そこでカリバーは洗面所へ行き、自身の姿を確認する事に。すると…
「何じゃこりゃあッ!?」
隼人は驚いた。その姿はジャアクドラゴンと変わらないが、アンダースーツや装甲に星の模様に流れ星、夜空の星が描かれた姿…そう。クリスマス限定の姿 仮面ライダーカリバー ハッピージャアクドラゴンとなった。
「えぇぇ…」
思いもよらない姿に困惑するカリバー。とりあえず変身を解いて寝室に戻ると更に思いもよらない事が起こる。
ライドブックホンダナーに収納してあるブレイブドラゴンが光っているのだ。まさかと思い、取り出してみると…
【ハッピーブレイブドラゴン!】
赤と緑に表紙にはサンタクロースの帽子を被ったブレイブドラゴンが描かれたハッピーブレイブドラゴンに変化したのだ。
隼人はこれで今日が何の日か思い出した。それは…
「そうだ…今日は年に一度のクリスマスだったな。」
「寒いな…」
紫のスーツジャケットに白のタートルネックのセーター、ベージュのズボンに黒の革手袋姿で出かける隼人。
街を歩くと、どこもかしこもクリスマスムード。店からは「ジングルベル」や「きよしこの夜」、「クリスマス・キャロル」が聞こえてくる。
店員もサンタクロースの格好をしており、どこの店もクリスマスという事もあって大忙し。
誰もが楽しみにしているであろうクリスマスムードが溢れる街を隼人は歩いて行くのだった。
時刻は正午12時25分。成田空港にて響、クリス、調と切歌はある2人の帰りを待っていた。そして…
「あ、翼さんッ!マリアさんッ!」
響が手を振る通路の奥から、翼とマリア、そして2人の荷物を持つ緒川がやって来た。ワールドツアーを終えた2人は、クリスマスから正月の間に休みを取り帰国して来たのだ。
「お疲れさん、先輩、マリア。」
「お帰りなさい。マリア、翼さん。」
「お疲れ様デスッ!」
帰国した3人を出迎える4人。彼女らに翼とマリア、緒川も笑みを浮かべた。
「出迎えありがとう。みんな。」
「私とマリアも、今日で今年の仕事納めだ。」
「ワールドツアーも無事終えて、お2人は、今年の最後まで皆さんと過ごす事を決めましたので、お正月明けの凱旋ライブまではお休みを取りました。
翼とマリアは、ワールドツアーを終えた後に、来年の正月明けに開かれる凱旋ライブの為に帰国し、今日から正月の間までは響達と過ごす事を決めた。
「翼さん、マリアさん。今日が何の日か分かりますよねッ?!」
「あぁ。今日は年に一度の…」
「ええ。クリスマスね。」
そして、緒川の運転するミニバンにてS.O.N.G.の本部へ向かう途中今年のクリスマスに付いて響達は話し合っている。
「じゃあ、クリスマスからお正月まではお休みなんですね?」
「あぁ。今年のクリスマスは立花達と過ごすとマリアと決めた。」
「だから今年は、早めに仕事納めしたの。クリスマスパーティーにも参加出来るわ。」
実は、今年のクリスマスはS.O.N.G.の食堂でクリスマスパーティーを開く予定なのだ。
「そうと決まれば早速本部へレッツラゴーデスッ!」
「切ちゃん。まずは買い物が先でしょ?」
皆でクリスマスパーティーの事を話しながら車は本部へ向かうのだった。
その後、本部で待っていた未来達と共にクリスマスパーティーの準備が始まり、買い出しへ出かけていった。響は隼人も誘おうと探そうとするが彼がそもそもどこに住んでいるのか分からなかったので見つける事は出来なかったが、それでも響は誘いたいと断言した。そのまま時間は過ぎていき…
「うん。思った通りの味が出た。」
「こっちもOKデスッ!」
厨房で料理の味見をする調と、出来上がった料理を盛り付ける切歌。
夕方、S.O.N.G.の食堂の厨房では、調や未来、クリスがクリスマスパーティーに向けての準備をしており、買い出しを済ませた響達も着々と準備をしている。
「クリスマスケーキ、買えて良かったよ〜!」
「良かったね響。 行列だったって聞いてたから買えるかどうか心配だったけど、一安心だね。」
「よし、これはこっちでいいな。後はこいつの飾り付けをっと…」
クリスも料理の盛り付けをし、響と未来は食器の準備をしている。そうこうしている間にも着々と準備は進み、そして…
「……」
聖なる夜、カリバーはビルの屋上から煌びやかに光る夜景や住宅街の灯りを眺めていた。
この1つ1つの灯りにそれぞれのクリスマスがある。誰もが家族、友人、恋人とこのクリスマス過ごすであろう。
この世界は海を満たす程の血と、そこに浮かぶ1粒のダイヤモンドの様な奇跡で作られているのではないかと感じていた。
それと同時に残酷な世界でもある。善を尽くした人々が命を落とし、悪に手を染めた物達が生き残る。純粋で大切な存在を護りたいが故に武器を手にした人達が悪になってしまう。
もしかしたら自分にも当てはまるのではないかと感じていた。
でも、この世界も捨てたものじゃない。
繰り返す何気ない日常の中にもいろいろな事がある。
その中にある小さな幸せを守る事が出来れば、自分は人と繋がる為にまた一歩進めるだろう。
「なら、今宵はクリスマスプレゼントでも配ろうか。」
【ハッピージャアクドラゴン!】
【ハッピーブレイブドラゴン!】
カリバーはハッピージャアクドラゴンとサンタクロースの帽子を被ったハッピーブレイブドラゴンを召喚した。
ご丁寧にサンタクロースが乗るソリもだ。
カリバーはソリに乗り込み、2匹の竜を従えながら東京の空を飛び回り、オムニフォースとキリンの恩返しの力を組み合わせて星の光を撒いた。
その光は住宅街や高層マンションにアパートいった民家に降り注ぎ、クリスマスプレゼントの箱に変化、寝ている子供達の枕元や、家族、友人、恋人を持つ人達、クリスマスでも仕事をしている社会人の人達にもクリスマスプレゼントが贈られた。
同時に響達が通うリディアンの寮や装者達の家にも光が降り注ぎ、響と未来の部屋には勿論、翼、クリス、マリア、調と切歌、そしてS.O.N.G.のメンバー達の家にもクリスマスプレゼントが置かれていた。
「さぁ今日はクリスマスだッ!皆、思う存分楽しんで食べてくれッ!」
「メリークリスマスッ!」
カリバーがプレゼントを配る為街や住宅街や街の空を飛び回ってる中、弦十郎の声の元、クリスマスパーティーが開かれた。
響はフライドチキンや大好物のごはん&ごはんをかきこみ、未来はそれを微笑ましく見る。弦十郎も「響君に負けてたまるかッ!」と豪快な食べっぷりを見せた。
翼や切歌は勿論、クリスもエルフナインも調の料理に舌鼓を打ち、少し早いが今年あった出来事を振り返りながらたわいもない話で盛り上がる。
一方、マリアや藤尭、友里に緒川も料理を食べながら、大人の特権としてシャンパンを飲んでいる。
「あッ! アタシ達もシャンパン飲みたいデスッ!」
「マリア、一口で良いから飲ませて。」
調と切歌がシャンパンを飲ませてもらおうとするが…
「だーめっ。お酒は
「「むうーッ!」」
「2人共、成人になるまで我慢しよ?」
マリアに断られ膨れっ面になる調と切歌に我慢するように言う未来。当然だ。調と切歌は未成年。あと4年辛抱しなくてはならない。
「私もあと1年すれば、マリアと乾杯出来るんだがな…」
残念そうに言う翼も後1年すれば成人だ。
その後、SNSで星が降り注いでいるとの情報で響達が外へ出ると、プレゼントを配り終わったカリバーが偶然S.O.N.G.の本部近くに降り、変身を解除して帰ろうとした隼人も響に連れられてクリスマスパーティーに参加する事になった。
地味に響達が驚いたのは隼人が22歳という事で酒が飲めるという事。マリアや緒川達とシャンパンで乾杯し、弦十郎からも「君とはいい酒が飲めそうだ」と言われた。
それから食事をしながらアメリカがやらかした事を全世界に公開した事などを突っ込まれたり、彼女達とクリスマスの聖夜を過ごした。
その時の隼人の顔は、とても穏やかで楽しそうな顔をしていた。
そしてクリスマスパーティーもお開きとなり、皆が帰路につく中、隼人と響と未来も本部を出る。
「悪いな。俺も誘ってくれて。」
「いえいえ。良いんですよ。隼人さんも誘いたかったのでッ!」
「響ったら、隼人さんを探してたんですよ。」
「……こうしてお前達と話しているのを、過去の俺が知ったら驚くだろうな。」
人も組織も信じられなかった自分が、今、こうして正体を明かして響達と話している。去年までの自分が知ったら確かに驚くだろう。
「カリバーさんって呼んでた頃が、懐かしいですね。」
「うん。今こうして話してるのも…あれ…?」
未来が何やら空からふわりと白い物が降ってくる物に気づいた。それは…
「雪……?」
そう。雪だ。ちらほらと粉雪が宵闇の空から降ってくる。いわゆる、ホワイトクリスマスだ。
「ホワイトクリスマスか……今宵は良いクリスマスを。風邪ひくなよ。」
粉雪がちらほら降る中、隼人は2人に背を向けて立ち去っていく。すると、響がある事を思い出したかのように隼人に向けて言った。
「メリークリスマスッ!」
「?」
立ち去る隼人に響が言う。立ち止まり、一体どうしたという表情をして振り返る隼人に再び響が笑顔で言った。
「メリークリスマスッ! 隼人さんッ!」
月闇絶唱シンフォギア 第4章 完
いかがだったでしょうか? 第4章はこれで完結です。今回はクリスマス回という事でジャアクドラゴンとブレイブドラゴンがクリスマス限定でハッピージャアクドラゴンとハッピーブレイブドラゴンに変わりました。次回からまた戻りますのでよろしくお願いします。
いよいよ次回から最終章に突入します。
短いですが今回はここまでです。感想お待ちしています。