【完結】月闇絶唱シンフォギア   作:ネガ

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もう少し早く更新したかったんですがなかなか執筆スピードが上がらず遅れてすみません。
スーパーヒーロー戦記見て来ましたが、すごく面白かったです。小説を書いていると何か飛羽真の言葉が重く感じました。

新ライダーの仮面ライダーリバイスも解禁されましたね。9月が楽しみです。
実はこの小説の最終回にスペシャルゲストを出そうとしているんですが…




第81話 拳を開く、勇気の花。

エルザ、ミラアルク、そしてヴァネッサの3人組のパヴァリア光明結社の残党集団、ノーブルレッド。彼女らはアメリカのロスアラモス研究所を襲撃し、シェム・ハの腕輪を強奪。

そして、ノーブルレッドに命令を下していたのは、風鳴訃堂だった。彼女達と訃堂の目的とは一体…?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ノーブルレッドのアジトにて、ベットに横になって眠るエルザを体や顔に絆創膏を貼り腕の包帯をさすりながらミラアルクは見ていた。

 

「力を使えば、血中のパナケイア流体が濁り澱む……怪物と恐れられても、所詮はこの程度。情けないゼ。」

 

「怪我の具合はどう? ミラアルクちゃん。」

 

自分達の力に情けなさを感じるミラアルクの元に、ヴァネッサがやって来る。

 

「ザババの刃…物質的、霊的に作用するってのは本当らしい。どうにも治りが遅いみたいだゼ。それにカリバーのあの力…想像以上の力だ…下手すりゃこの程度では済まなかったと思うゼ…」

 

「そう…」

 

カリバーの力とシュルシャガナとイガリマの力に危機を覚えるミラアルクを心配そうに見るヴァネッサは、アタッシュケースの中のシェム・ハの腕輪を手に取る。

 

「利用する者される者……それを蜜月と呼ぶのなら……一体いつまで続けられるのかしら……ね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、リディアンの食堂にて響と未来はサンドイッチを食べながら話し合っていた。

 

「放課後、また本部に行くの?」

 

「うん……困っている人達がいるから……」

 

昨晩の事もあり、再び本部に召集がかかったのだ。

 

「響らしい。…でもね───」

 

「でも、本音言うとちょーっと休みたいッ! 遊びに行きたい今日この頃ッ! お年頃ッ!」

 

「ふふ。それもまた響らしい。」

 

未来の声を遮り休みたい、遊びたいと言いながらパクパクとサンドイッチを食べる響。戦う彼女もまた青春を謳歌し、遊びたい年頃なのだ。

そんな響を微笑ましく見つめる未来であった。

 

「今度さッ!時間が取れたら遊びに行こうッ!カラオケとかさッ!」

 

「じゃあ…前みたく思い切って翼さんとか誘っちゃおっか? 」

 

「そうだねッ!翼さんにも元気になってもらいたいもんね!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ノーブルレッド…奴等は何をしようとするんだ…」

 

隼人は自宅の寝室で椅子に座りながらノーブルレッドが何をしようと企んでいるのか考えていた。シェム・ハの腕輪を強奪したのならその力を何かの為に使うはず。そしてもう1人…

 

「未来で見たあいつ…風鳴訃堂…」

 

未来予知で災いを起こしていた訃堂。何故彼が出て来たのか疑問だ。

 

「奴が災いを起こすと言うのか…しかし、奴に災いを起こす程の力を持っているのか…? 何か能力があるとは思えない…」

 

どう見ても普通の人間。奴にアダムやキャロルの様な力を持っているとは思えない。すると…

 

「ッ! うぅ……ッ! またか……ッ!一体どういう事だ……ッ!?」

 

再び頭痛と共に闇黒剣月闇の未来予知が発動。また同じ2つの未来が啓示された。

最近この未来が何度も啓示させる。一体どういう事なのか。

 

「分かる事は…この戦いはこれまでとは根本的に違うという事だ…」

 

隼人の頭痛が治まる。残党相手とはいえ、敵を侮ってはいけない。

これまで以上に激しくなるであろうこの戦いに危惧する隼人の後ろで闇黒剣月闇と無銘剣虚無、プリミティブドラゴンとオムニフォースが何かを知っている様に妖しく光っている事をジャアクドラゴン、ジャオウドラゴン、エレメンタルドラゴンだけが知っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「新たな敵…パヴァリア光明結社の残党、ノーブルレッドか…その狙いは一体…」

 

夕方、装者達は昨晩の報告も兼ねてS.O.N.G.の指令室にて集結していた。

 

「一連の事件をきっかけに、Rhソイル式の全血製剤は1カ所に集められて警護される事になったそうです。」

 

「しっかし残党相手にこうも苦戦を強いられるとは思っても見なかったな…」

 

「確かに…幹部級3人の方がずっと手強かった…隼人さんがいなかったら、勝てなかったかも…なのに何故…?」

 

調の言う通り、残党のノーブルレッドの3人よりも、ラピスの力を持つサンジェルマン、カリオストロ、プレラーティの3人の方が遥かに強かった。しかし、彼女らはサンジェルマン達に比べて弱い。何故苦戦したのか。

 

「なりふり構わないやり方に惑わされただけデスともッ!」

 

「だよね。サンジェルマンさん達の思いが宿ったこのギアで負けるなんて、あり得ない。それに隼人さんもいる。」

 

「待って。いくら残党相手だからって侮ってはダメよ。何か必ず仕掛けてくるはず。」

 

負けるわけが無いと言い切る響に相手を侮ってはダメと言うマリアを尻目に翼は指令室を後にしようとする所を、マリアが引き止める。

 

「ちょっと翼ッ!何処に行くの?」

 

「鍛錬場だ。相手が手練手管を用いるのなら、それを突き崩すだけの技を磨けばいいだけのこと。」

 

指令室から廊下に出た翼を響が呼び止めた。

 

「翼さんッ! 今度時間が出来たらカラオケに行こうって、だから翼さんも…」

 

「すまない。他を当たってもらえないか。」

 

響の誘いを断り、翼は背を向けて去って行った。そんな翼の背中を響は見つめるしか出来なかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ノーブルレッドのアジトにて。ヴァネッサ達がシェム・ハの腕輪の起動実験を開始しようとしている所に、エルザが誰か来た事に気づく。

護衛を2人連れた訃堂がやって来たのだ。

 

「あ…ッ!」

 

「お早い到着。せっかちですのね。」

 

「腕輪の起動、間も無くだな?」

 

ヴァネッサが起動装置を操作すると、天井に無数の星座が映し出された。

 

「聖遺物の起動手段は、フォニックゲインだけではありません。7つの音階に照応するのは、7つの惑星…その瞬き…音楽と錬金術は在り方こそ違えど、共にハーモニクスの中に真理を見出す技術体系。」

 

ヴァネッサの説明とともに中央の球体を取り囲む球体が音階を奏で、中央の球体に光を放ちやがて輝き、上から光が放たれる。

 

「この日この時の星図にて、覚醒の鼓動はここにありッ!」

 

やがて繋がれたケーブルに光が走り、装置に設置された腕輪に流れ込み、強烈な閃光を放った。

やがて閃光は治まったが、起動したのかどうかは分からない。

 

「起動完了…なのよね?」

 

試しにミラアルクが歩み寄り腕輪を手に取ろうとすると、突如、訃堂が手首を掴んで引き剥がし、阻止した。

 

(何だ…ッ!? ジジイの力とは思えないゼ…ッ!?)

 

ミラアルクは感じている。老人の力とは思えない訃堂の力。只者ではない。分かるのはそれだけだ。

 

「お前の役目は他にある。」

 

そこへ、1人の男に拳銃を突きつけられた男2人が両手を頭の後ろで組みながら歩いて来た。

 

「あの時の人達で…ありますか?」

 

彼らはミラアルクとエルザに全血製剤を渡した男達だ。

 

「片付けよ。使いも果たせぬ木っ端だ。」

 

ミラアルクに片付けよと命令し、手首を離す訃堂。つまり、殺せという訳だ。痛みを感じる手首を押さえるミラアルク。そして、1人を睨みつけた。

 

「ひ……ひぃぃぃぃぃッ!」

 

怯えて悲鳴を上げる男は自分がこの後どうなるのかなんて分かりきっていた。間違いなく殺される。

 

「許せとは…言わないゼ…ッ!」

 

そのままミラアルクは男の手首を斬り裂き、殺した。そして男は緑色の炎を出して消滅していった。

 

「怪物めッ!怪物共めぇぇッ!うわぁぁぁぁぁッ!」

 

もう1人の男も逃げ出す。側にいた1人が拳銃を発砲するが、男は咄嗟に腕輪を掠め取り、逃走した。

 

「「「ッ!?」」」

 

「このまま殺されてなるものかッ!殺される辛いなら、こいつでぇぇぇッ!」

 

男は一か八か手首に腕輪を装着、天へ掲げる。

その時、不思議な事が起こった。腕輪が光を放ち、歌が流れ始めたのだ。

 

「この歌は……ッ! 」

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁッ!」

 

腕輪を装着した男は悲鳴を上げ、身体から光の棘が飛び出している。やがて閃光を放ち、大爆発を起こした。

 

「神の力…簡単には扱わせぬか…だが、次の手は既に打っておる。」

 

燃え盛る炎の中、訃堂は何故かとても嬉しそうにシェム・ハの腕輪の力に高揚していた。

 

「ディー・シュピネの結界がッ!」

 

「カリバーと連中が駆けつけてくるゼッ!」

 

結界が破られた今、間違いなくカリバーと装者達がやって来る。計画が水の泡になるのは時間の無駄だとヴァネッサとミラアルクが思う中…

 

「提案があるでありますッ!」

 

エルザはアルカ・ノイズの結晶を取り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、本部の鍛錬場の6本の蝋燭が立てられた広い畳の部屋にて、翼が袴姿で日本刀を腰に正座し、瞑想をしていた。

そして刀を抜刀し、蝋燭の炎を斬った。しかし、すぐに蝋燭は再び火を灯し、翼の顔を照らしていた。

 

(歌では何も…守れない…)

 

訃堂に言われた言葉がまだ頭の中に残っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ノーブルレッドを手駒にしているのは誰なんだ……ッ!?」

 

隼人がノーブルレッドを操っているのは誰なのか考えていると、突如、ガトライクフォンから電子音が鳴り響く。アルカ・ノイズの反応を検知したのだ。

こうしちゃいられない。隼人は闇黒剣月闇とブックゲートを手に取り向かう。その時…

 

「ッ!? うぅ……ッ!」

 

突如、胸に一瞬痛みが走った。それもかなりの激痛。痛みに顔を歪ませる隼人。

 

「何だ…この胸を槍で貫かれた様な痛みは……ッ!?」

 

そして痛みが治まる。あれは一体何だったのか。考えながらも隼人は反応の場所へと向かって行った。

この時隼人には見えていなかったが、その背後で妖艶な笑みを浮かべた響と未来にそっくりな紫と青白い少女と、赤と白の少女が恍惚な笑みを浮かべていた。まるで隼人の胸の痛みを知っているかの様に…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アルカ・ノイズの反応を検知ッ!」

 

「先行して、装者2名を向かわせていますッ!」

 

S.O.N.G.本部でも反応を検知し、響とマリアが先行して急行中だ。

 

 

 

 

 

 

 

そしてアジトの外ではアルカ・ノイズの群れで溢れていた。

その様子を見ているのは、残念そうにため息を吐くヴァネッサだ。

空を見上げると、S.O.N.G.のヘリが上空に。

 

「こちらもお早い到着だ事…」

 

「私もいるぞ?」

 

ヴァネッサが振り返ると、カリバーがブックゲートを使いやって来た。

上空のヘリから響とマリアが飛び降りる。そして…

 

「Balwisyall nescell gungnir tron」

 

「Seilien coffin airget-lamh tron」

 

宵闇の空に2つの聖詠が響き渡り、響とマリアはギアを纏う。

着地したマリアは歌いながらダガーでアルカ・ノイズを斬り裂く。そのまま次々に斬り伏せ、左腕を大型のレールガンに変形させ、HORIZON†CANNONで2体の巨大アルカ・ノイズを木っ端微塵にした。

 

【月闇居合!読後一閃!】

 

カリバーは闇黒剣月闇を納刀してトリガーを押し、アルカ・ノイズの群れを纏めて斬り裂く。

背後から迫る個体には地面に切先を突き立て、紫色の闇のエネルギーの柱を自身の周りに勢いよく飛び出させ、殲滅する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヴァネッサは左腕から銃弾の弾幕を放つが、響はそれをもろともせず接近し、拳と蹴りでヴァネッサの腕を弾き、大きく後退りさせた。

息を切らすヴァネッサの前に響が立つ。

 

「目的を聞かせてくれませんか?」

 

まずは相手の目的を聞き出す為に対話を試みる響。すると、予想を超える言葉がヴァネッサの口から飛び出して来た。

 

「降参するわ。まともにやっても勝てそうにないしね。分かり合いましょ?」

 

何と、いきなり降参すると言い出したのだ。これには響も一瞬驚きだ。

そしてヴァネッサは自慢の豊満な胸を強調しながら響に迫って来た。

 

「い、いやッ! そこまで分かり合うつもりは…ッ!」

 

まさかの展開に響も顔を赤らめて焦っている。

そしてヴァネッサは自慢の胸を見せながら上着のファスナーを開け…

 

「うわぁぁぁぁぁぁッ!」

 

顔を手で押さえ、ちゃっかり指の隙間から目を覗かせる響。まさか胸を出そうとするとは普通思わない。しかし…

 

「…なんてね。」

 

ヴァネッサは勿論分かり合うつもりはなく響を攻撃するつもりだった。2発のミサイルを不意打ちで響に放ち、そこで大爆発を起こした。

 

「ウフフ……あら…?」

 

ほくそ笑むヴァネッサだが、何かに気づいた。

 

「………ッ!」

 

ミサイルが直撃したと思った響も何故か受けていない。その答えは目の前にあった。

爆煙の中から紫色のマントが現れ、それを身につけている者はマントを大きく翻す。

 

【ジャオウドラゴン!誰も逃れられない…】

 

そう。カリバーだ。

赤い複眼をギラリと光らせ、カリバーはジャオウドラゴンとなってミサイルが直撃する前に響を守っていたのだ。

 

「あら。何だか悪趣味。」

 

ヴァネッサもジャオウドラゴンの姿は悪趣味と言った。

 

「狡賢い奴だ。聞かせてもらおうか。貴様等の目的を。」

 

「私達の目的は…そうね。普通の女の子に戻って、みんなと仲良くしたいじゃ、ダメかしら?」

 

「貴様、人間では無いのか。それは無理だな。」

 

ヴァネッサの言葉にカリバーが挑発すると、気に入らなかったのか右手首を曲げ、そこから小型ミサイルを発射した。

2人に直撃するかと思いきや、カリバーが闇のエネルギーで、割り込んだマリアがバリアを張っていた。

 

「あっちゃー…」

 

「もう終わりか? ならばこちらから行かせてもらおう。」

 

【エレメンタルドラゴン!】

 

【エレメントマシマシ!キズナカタメ!】

 

エレメンタルプリミティブドラゴンとなったカリバーとマリアはヴァネッサに向けて一直線に加速する。マリアの斬撃を交わせば、カリバーの水流をくらい、カリバーの攻撃を避けようとすればマリアが斬りかかる。マリアの斬撃を後ろに大きく跳躍して交わす。

 

「やばいかな…やばいかもね…」

 

形勢が不利と判断するヴァネッサ。だが、カリバーが風を巻き起こし地面に叩きつける。

 

「うぅ……ッ!」

 

叩きつけられながらも体制を立て直すと、ヴァネッサは逃げながらワイヤー付きの左腕を発射する。マリアもダガーを蛇腹剣に変形させて打ち合い、その隙にカリバーが地中移動でヴァネッサの懐に一撃を食らわせ、後退させる。

 

「これで決まりだ。」

 

【必殺リード!ジャオウドラゴン!】

 

カリバーはジャオウドラゴンを闇黒剣月闇にスキャンし、マリアはダガーで十字の軌跡を描き、左腕を大型化させてヴァネッサ目掛けてDIVINE†CALIBERを放つ。

 

【月闇必殺撃!習得一閃!】

 

カリバーの放つ紫色の斬撃波と、マリアの放つ光線がヴァネッサ目掛けて放たれ爆発が起きた。

 

「ハァ… ハァ…!」

 

2人の必殺技を受けたヴァネッサは膝を付いて息を切らし、服のあちこちが焦げている。

 

(ヴァネッサッ!)

 

ここでエルザがテレパシーで話しかけて来た。

 

「腕輪と保護対象を連れて、戦域から離脱出来たでありますッ!」

 

エルザはテレパシーで話しながら車のボンネットに乗り、その車をミラアルクが持ち上げながら飛行している。

 

 

 

 

 

「了解…こちらも撤退するわ…例の場所で落ち合いましょう…」

 

「待ってくださいッ!」

 

テレパシーでエルザと話すヴァネッサを響が呼び止める。

 

「やっぱり、話しても無駄ですか? 分かり合えないんですか?」

 

話し合い、分かり合いたい響はそれでも何とかして話し合いたいとヴァネッサに聞くが…

 

「分かり合えないわ…だって人は、異質な存在を拒み、隔てる者だもの…」

 

その言葉とともにヴァネッサの目が緑色の閃光を放ち、そのまま両足をロケットの様に点火し、撤退していった。

 

「異質な存在を…」

 

「拒み…隔てる…?」

 

宵闇の空を見上げながら、カリバーと響はヴァネッサの言葉を呟くのだった。

その後、ノーブルレッドのアジトではS.O.N.G.の捜査員達が調査している。すると、タブレットを持った緒川が何かを見つけた。

 

「これはッ!? 急ぎ解析をお願いしますッ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何だったんだ…あの胸の痛みは…」

 

自宅に戻った隼人は、向かう前に感じた胸の痛みについて考えていた。あれは一体何だったのか。今まであんな事は無かったのに。

もしかすると、自分の見た未来と関係があるのか。

だとしたら、不吉な予感が走る。これまで感じた事がない不安が頭の中を掻き回す。

そんな隼人の後ろで闇黒剣月闇と無銘剣虚無、プリミティブドラゴンにオムニフォースが妖しく光っていた。何かを知っている様に…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(勝てなかった…私はまた…それでも……分かってきたモノもある……あの人達の力……勝利の源にあるのは拒絶……だったら、私は…そして…)

 

深い深い心の中、響はあの時分かり合えと拒絶された事を考えていた…ヴァネッサの言っていた拒絶。それが鍵を握るのでは無いかと。また拒絶されるかもしれない。だとしても…

そんな中、心電図の音が響をハッとさせる。そこはメディカルルーム。響が入っているベッドのカバーが開く。

 

『響ちゃん。お疲れ様。大きな異常は見られなかったわ。支度が出来たら、発令所まで来てくれるかしら? 今後の対策会議が始まるわ。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、アジトを失ったヴァネッサ達は、山の中に廃車が積み重なり、投棄されている場所の捨てられたミニバンの中で3人、雑魚寝をしていた。

 

「アジトを失うって、テレポートの帰還ポイントを失うだけでなく、雨風を凌ぐ天井と壁も失うって事なのね…お姉ちゃん、また1つ賢くなりました。」

 

「おかげで次のねぐらが見繕われるまで、まさかの車中泊…世間の風は、やっぱウチらに冷たいゼ…」

 

当然だ。アルカ・ノイズを用いる彼女らは、カリバーからもS.O.N.G.からも、世間からも敵と見做されている。

 

「あの時は仕方なかったであります…アルカ・ノイズの反応を追って、カリバーとS.O.N.G.が急行してくるのは分かっていたであります…それでも……足がつく証拠や、起動実験の痕跡をそのまま遺しておくわけには…」

 

と、エルザが申し訳無さそうに言った。すると、ヴァネッサがエルザを抱きしめた。

 

「心配ないない。何とかなるなる。だってエルザちゃん、しっかり者だもの。」

 

その時、エルザの耳が逆立った。突然ヴァネッサの下半身を何やら弄りだした。

 

「ちょっとッ! どうしたのったらどうしたの? エルザちゃんッ!」

 

そして顔を出したエルザの手には、赤く光る小さな物が。

 

「「ッ!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同じ頃、指令室に響が制服に着替え駆け込み、装者達が全員が揃った。

 

「全員揃ったな。」

 

「まずはこれをご覧下さい。」

 

エルフナインがキーボードを操作すると、モニターにピンク色のアウフヴァッヘン波形が表示された。

 

「これは…ッ! アウフヴァッヘン波形…ッ!」

 

「それも…あたしらとは別の…ッ! まさか…ッ!」

 

そのまさかだ。

 

「あぁ。奪われた腕輪が起動したとみて、間違いないだろう。」

 

「アルカ・ノイズの反応に紛れ、見落としかねないほど微弱なパターンでしたが、かろうじて観測出来ました。」

 

「恐らくは、強固な結界の向こうでの儀式だったはず…例えば、バルベルデでのオペラハウスの様な…」

 

「そして、観測されたのはもう1つ。」

 

ノイズが混じってあるが、何やら音楽の様なめちゃくちゃな音のメロディが流れ始めた。

 

「な…何…これ? 音楽…?」

 

「だとしたら、デタラメがすぎるデスッ!」

 

(聞いた事のない音の羅列…だけど、私はどこかで……ん?)

ノイズ混じりの音の羅列に何やらマリアがある事に気づいた。が、ここで止める。

 

「音楽の正体については、目下の所調査中…ですが、これらの情報を総合的に判断して、ノーブルレッドに大きな動きがあったと予測します。」

 

「やはり、こちらから打って出るべき頃合いだな。」

 

「でも、打って出るって…どうやってですか?」

 

「マリア君。」

 

彼女達の居場所も分からないのにどうやって打って出るのか。すると、弦十郎がマリアを呼ぶ。

 

「さっきの戦いで発信機を取り付けさせてもらったのよ。ノーブルレッド……弱い相手とは戦い慣れていないみたいね。」

 

マリアの左手には小型の発信機、そしてモニターにはノーブルレッドの居場所を示す赤丸が。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、ヴァネッサ達がいる場所へ2機のヘリが向かう。ライトが照らす先にはヴァネッサ達が立っていた。

 

「迎え撃つとは殊勝なッ!」

 

「行きますッ!」

 

響達がヘリから飛び降りる。そして…

 

「Balwisyall nescell gungnir tron」

 

「Imyuteus amenohabakiri tron」

 

「Killter Ichaival tron」

 

「Seilien coffin airget-lamh tron」

 

「Various shul shagana torn」

 

「Zeios igalima raizen tron」

 

宵闇の空に聖詠が響き渡り、響達はギアを纏い目標へ降下しようとする。

そこへ、カリバーもブックゲートで現れるが何やら慌てた様子で着地した響達に叫ぶ。

 

「そこから離れろッ! 」

 

「えッ!?」

 

しかし、時既に遅し。その時地面に仕掛けられた地雷の起爆装置が起動、装者達を巻き込み大爆発を起こした。

 

「「「「「「うわぁぁぁぁぁッ!」」」」」」

 

「何だとッ!?」

 

これには指令室の弦十郎も想定外。

 

「何でこんな時に…!」

 

実は、自宅で「響達がヴァネッサ達の所へ出撃し、降下ポイントに着地した時、大爆発で重症を負う」未来を見たカリバーは急いで向かおうとするが、そこで頭痛と共にあの2つの未来が啓示され、そのせいで到着が遅れてしまったのだ。

 

 

 

 

「敢えてこちらの姿を晒す事で、降下地点を限定させるであります。後は、そこを中心に地雷原とするだけで…」

 

「他愛ないゼッ!」

 

岩場から見下ろすヴァネッサ達が仕掛けた簡単な罠だった。実はカリバーと装者達が来る前…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

発信機を取り付けられていた事に気付いた為、どうするか作戦を立てていたのだ。

 

『発信機とはやられたゼ…どうする?』

 

『逃げるにしても、逃げる先のアジトは無いわ。ここはもう迎え撃つしかないわね。』

 

『だから、どうやって…!』

 

『あッ! 方法は……あるであります…』

 

閃く。エルザの脳裏に突破口。

 

『迫り来る危機的状況……だけど私めらは3人揃い、必要数の全血製剤も揃っているであります…』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

思わぬ不意打ちを受けた装者達の元へカリバーが駆け寄る。

 

「大丈夫か…ッ!お前達…!」

 

「辺り一面地雷原なら…」

 

「一度爆発したところは、もう地雷は埋まってないのデスッ!」

 

「ま、待てッ! 」

 

装者達は1ヶ所に集まる。駆け寄るカリバーは何度も啓示される未来予知や胸の謎の痛みについてなどで頭が回らない状態だ。

 

「それもまた予測の範疇でありますッ!」

 

この時を待ってたと言わんばかりにヴァネッサ達はカリバーと響達を3方向から取り囲む。

 

「行くぜぇぇぇぇぇッ!」

 

ミラアルクの声と共に青い16個の立方体が出現。カリバーと響達の前に積み重なっていく。

 

「させるかよぉぉぉぉッ!」

 

クリスがそれらを破壊しようとMEGA DETH PARTYを放つが、傷一つ付いていない。

 

「バカなッ! 雪音の火力で砕けぬとは…ッ!」

 

「ッ!? うぅ…ッ!くッ…!」

 

「まさか、未来予知が発動したのかッ!?」

 

ここに来て闇黒剣月闇の未来予知が発動した。ここで啓示させる未来は「全員が謎の三角錐の場所に閉じ込められ全員が死亡する」という物。しかし、すぐに掻き消され何度も見ている2つの未来が激しい頭痛と共に啓示された。

 

「不味い…ッ!」

 

「そう…あれかし…」

 

そしてカリバーと装者達の前にどんどん積み重なり、気がつけば、謎の模様と共に青い空間の中に閉じ込められていた。

 

「こ、ここは…!」

 

「閉じ込められた……ッ!!うぅ…ッ! まただ…ッ! どういう事だ…!?」

 

再び胸を謎の痛みが襲う。一体これは何なのか、啓示される未来の事で頭が埋まっており原因は全く分からなかった。

 

「こんな所で…死んでたまるか…ッ!」

 

「切ちゃんッ! みんなッ! どこッ!?」

 

辺りを見回すと、7人全員が別々の場所に閉じ込められていた。切歌が鎌を振り下ろすが、壊れない。

 

「刃が通らない…簡単には脱け出せないと言う事デスか……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何が起きているッ!」

 

指令室の弦十郎も何が起きているのか全く分からない。

 

 

そしてヴァネッサ達の目の前には巨大な青い三角錐状の物体が。装者達が走る中、カリバーは移動している間にも何度も何度も未来予知が発動し、頭の中が破裂しそうだ。

 

「名匠ダイダロスの神髄をここに。怪物が蠢くは迷宮…神話や伝承、果ては数多の創作物による積層認識が、そうあれかし、と引き起こした事象の改変…哲学兵装ッ!」

 

「怪物と蔑まれた、私めら3人が形成する全長38万キロを超える哲学の迷宮は、捕らえた獲物を逃さないでありますッ!」

 

「それだけじゃないんだゼッ!」

 

 

 

 

 

 

「ハァ…ハァ………ッ!? 何だと…ッ!」

 

「何これぇぇぇぇぇぇぇッ!?」 

 

「あなた達…ッ!」

 

何と、カリバーと響達の後を謎の光のエネルギーが後を追いかけてくる。やがて7人は1箇所に集まった。

 

「来るぞッ! 衝撃波だッ!」

 

「このままでは…うぅ…ッ!またか…ッ!」

 

頭が回っていないカリバーはブックゲートや空間移動、無銘剣虚無を使おうと考えるもそれも未来予知が掻き消してしまう。

 

「「「ダイダロス…エンドッ!」」」

 

そして、凄まじい衝撃波がカリバーと7人を飲み込んだ。

 

「「「「「「うわぁぁぁぁぁぁぁッ!」」」」」」

 

「ぐぁぁぁぁぁぁぁッ!」

 

カリバーと装者達の声が宵闇の空に響き渡った。

 

「行き場のない閉鎖空間にてエネルギーを圧縮…炸裂させれば…!」

 

「私めらの様な弱い力でも、相乗的に威力を高め、窮鼠だって猫を噛むでありますッ!」

 

「だが、敵は流石のカリバーとシンフォギア…簡単にはいかないみたいだゼ…ッ!」

 

衝撃波を受けたカリバーとシンフォギアは、解除こそされていないものの、身体から煙を出し倒れていた。まさかここまで苦戦するとは思わなかった。このままでは全滅してしまう。闇黒剣月闇の未来の通りになってしまう。

 

「なら、もう一撃にてッ!」

 

 

 

 

 

 

 

「皆さんッ!」

 

指令室でエルフナインが叫んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「勝てない……どうして……サンジェルマンさん達の想いが宿った、このギアで……」

 

赤い宝石の様な空間で響は何故勝てないのかと考えていた。想いはこの胸にあるはずなのに。負けるわけが無いと相手を侮ったからだろうか?すると…

 

「勝てない…ならば問おう……お前は何に負けたのだ?」

 

何と、自分を守って命を燃やし切って散ったサンジェルマンが現れたのだ。

 

「サン…ジェルマンさん?」

 

「誰に負けた? 立花響。」

 

その言葉に響は何に負けたのか、気づいた。ノーブルレッドではない。あの凄まじい力でもない。

 

(そうだ…負けたのは自分自身に…「勝てない」と抗い続ける事を忘れた私に…)

 

そう。負けたのは自分自身だ。勝てないと勝手に決めつけ、抗うことから逃げていた。だったら、もう逃げない。

響の目が闘志を取り戻す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こんな所で…終わらせてたまるか…!ん…ッ?」

 

こんな所で終わらない。未来を変える。最悪な未来をこの手で覆す。

闇黒剣月闇を支えに立ち上がったカリバーの持つオムニフォースが自分を使えと言っているかの様に光っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

「私が手を貸そう。だから忘れるなッ! 立花響ッ! 想いを徹する為に握る拳をッ!」

 

サンジェルマンが響に手を差し伸べた。

 

「忘れないッ!すれ違った想いを繋ぐ為に、拳を開く事をッ! そしてッ!」

 

 

「信じた正義を握りしめる事をッ!」

 

「未来を、この手で変えるッ!」

 

勿論手を繋がない訳にはいかない。響はサンジェルマンに手を伸ばす。別の場所ではカリバーがオムニフォースを邪剣カリバードラゴンに装填し、闇黒剣月闇のグリップエンドでボタンを押してページを開いた。

 

そして響とサンジェルマンが手を取ったその時、不思議な事が起こった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

外では、閉じ込められたカリバーと装者達を抹殺すべく、ヴァネッサ達がダイダロスエンドの出力を最大限にして放っていた。が、その分の負担も大きく、体力を消耗していた。

 

「ダイダロスエンドッ! フルスロットルで……ありますッ!」

 

「今度は迷宮ごとぶっ飛ばし、カリバーの力を頂くゼッ!」

「この威力ではなら…」

 

勝てる。勝利を確信するヴァネッサ達。この威力なら確実に殺せる。

そして、迷宮は大爆発を起こし、巨大なキノコ雲が登った。だが、夜明けと共に朝日の逆光を浴びながら、2人が姿を現した。

 

「だとしてもぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!」

 

【OPEN THE OMNIBUS

  FORCE OF THE GOD!

  オムニフォース!】

 

【FEAR IS COMING SOON!】

 

オムニフォースに姿を変えたカリバー、そして、変化したギアインナー姿の響、黄金の球体に包まれた翼達5人だった。

 

 

 

 

 

その様子は勿論指令室にも映し出されていた。

 

「黄金のバトルフィールド…!」

 

 

 

 

「これは…一体…!」

 

気がつけば、響以外のギアインナーも変化している。そして胸には花の様な模様が。その疑問は響が答える。

 

「サンジェルマンさんが手を繋いでくれましたッ!」

 

「何ッ!?」

 

「力を貸してくれたんですッ!」

 

(やっぱりお前は凄いよ…立花響…)

 

カリバーは心の中で幾多の奇跡を起こしてきた響に賞賛の言葉を送った。そして、夜明けと共に反撃の狼煙が上がる。

 

「行くぞ。」

 

「はいッ!」

 

響は歌いながら、右手を天に掲げ巨大な黄金の光球を生成、殴りつける。その金は新たなギアをリビルド。両肩に巨大な黄金の両腕を形成した。

そしてカリバーと共に走り出す。2人に向けて青い立方体が襲いかかる。

サンジェルマンの想いが重なった力を秘めた響はもう止まらない。巨大な拳で殴りつけ粉々に砕く。

次にカリバーにも襲いかかるが、カラドボルグで次々に斬り裂き、響と共に粉々に砕く。

 

 

 

 

エルフナインは指令室でキーボードに指を走らせ解析する。

 

「賢者の石によってリビルドしたシンフォギアの、秘められた力…ギアの構築するエネルギーを解き放ち、高密度のバリアを形成…」

 

そして2人の目の前にミラアルクが降り立ち、翼をブーメランに変形させる。

 

「ダイナミックッ!」

 

2人目掛けて投げつけるが、カリバーが闇黒剣月闇で弾き、オムニフォースのページを閉じて、開いた。

 

【OMNIBUS LOADING!】

 

【SOLOMON BREAK!】

 

「フンッ!」

 

「ぐぁぁぁぁぁぁぁッ!」

 

カラドボルグから衝撃波が放たれ、ミラアルクを大きく吹き飛ばし岩に叩きつけた。次に上空からエルザが奇襲をかけるが、響はその巨大な腕を飛ばしてテール・アタッチメントを掴んだ。

 

「不味いでありますッ!」

 

テール・アタッチメントを切り離して脱出する。響も飛ばした腕を再び肩に装着した。

 

「さらに、エネルギーの大半を攻撃へと転化する事で可能とする不退転機能、それはッ!シンフォギアとファウストローブの融合症例、アマルガムッ!」

 

そう。これこそシンフォギアと賢者の石が1つとなり、発現した新たな決戦機能、アマルガムだ。

 

 

 

 

「こんな所で、諦める訳にはッ! いかないでありますッ!」

 

「その通り…ッ!ウチらはここで退くわけにはいかないんだゼッ…!」

 

エルザが再びテール・アタッチメントを装着、自信を包み込み、高速回転しながら迫る。カリバーの一撃を受けたミラアルクも片翼を右腕に巻き付け大型化させる。

 

そして響にまずエルザが迫るが弾かれる。次にカリバーに迫るが、

 

【OMNIBUS LOADING!】

 

【SOLOMON STLASH!】

 

「おおおおおああああああッ!」

 

カリバーがオムニフォースのページを閉じ、邪剣カリバードライバーのボタンを2回ボタンを押してページを開き、巨大なカラドボルグを生成し、エルザを斬りつけて吹き飛ばした。

次にミラアルクが殴りかかるが、響の巨大な腕で殴り飛ばされ、上空から両足に翼を巻き付け、飛び蹴りを仕掛けるが今度はカリバーが手から赤黒い光球を放ち、吹き飛ばす。

 

「エルザちゃんッ! ミラアルクちゃんッ! それでも私達は神の力を求め欲するッ!神の力でもう一度、人の身体と戻るためにぃぃぃぃッ!」

 

エルザとミラアルクが押されている所へヴァネッサが降り立ち、神の力で人間へ戻る事を叫び、クリスの様に両腕や腰から小型ミサイルを解き放つ。が…

 

【OMNIBUS LOADING!】

 

【SOLOMON BREAK!】

 

カリバーの放つ衝撃波によって全弾が消滅。

 

「ッ!?」

 

呆気に取られるヴァネッサにその隙を見逃さんと響が全速力で突っ込む。

 

 

「「だとしても、貫けぇぇぇぇぇぇぇぇッ!」」

 

巨大な拳を突き出し、一心不乱に突っ込む響。顔面に当たる事は確実だ。ヴァネッサが当たる寸前恐怖で目を閉じる。が、響の拳は目と鼻の先6cmで止まった。トドメをささなかったのだ。

 

「どうして…!」

 

ヴァネッサは何故響がトドメをささなかったのか分からなかった。自分を倒す絶好のチャンスだったのに。どうして。

 

「本当か嘘かは分かりません。だけど、みんなと仲良くしたいと聞きました。だから…」

 

響はヴァネッサに手を差し伸べる。例え敵でも分かりあう為にどこまでも手を伸ばし、輝く。それが立花響なのだ。

 

「ッ! こ、これは…ッ!」

 

ここに来て闇黒剣月闇の未来予知が発動。その直後、思いもよらない命令が装者達に下される。

 

『現時刻をもって、装者全員の作戦行動を中止とするッ! 日本政府からの通達だッ!』

 

何と、ノーブルレッドを追い詰めたのに作戦行動中止が言い渡されたのだ。

 

『どういう事だオッサンッ!』

 

クリスの問いに弦十郎は答えない。

指令室では、リーダー格の男性。そして、6人の兵士に背後から銃を突きつけられ、両手を上げる藤尭、友里、エルフナインが。

 

 

 

 

(不味い……ッ! S.O.N.G.が乗っ取られた…ッ!)

 

カリバーがS.O.N.G.が乗っ取られた事を知る。

 

「一体どういう……んッ!?」

 

この時また、翼にだけ見えていた。カリバーに寄り添う響と未来に瓜二つの紫と青白い少女と、赤とオレンジ色の少女が…

 

(あれは…南極の時の…ッ!)

 

南極の時に見た4人の少女と全く同じだ。一体何者なのか。私にだけ見えているのか。それは分からない。そんな思考を張り巡らせていると突然、響に瓜二つの紫の少女が目を大きく見開き、口が三日月を彷彿とさせた笑みを浮かべながら勢いよく翼の方へ振り向いた。

 

「ッ!?」

 

いきなりの事で驚き、目線を逸らしてしまう。再びカリバーに視線を戻すが…

 

(消えた……ッ!?)

 

先程までいた少女達は消えていた…

 

(一体何者だ……ッ!?)

 




いかがだったでしょうか?最近執筆スピードが落ちてしまってなかなか更新ができない状態です。何だか文章も粗末になってきた様な…
本当に申し訳ありません。

さて、隼人が胸を痛めてましたが、ヤンデレ共は何か知っているようですね。もしかしたら…?
何故翼にだけ見えたんでしょうね。同じ剣を持つ者だから…?
隼人が胸を痛めた今回の話はXVの4話…
あれ…? また4の要素増えてますね…そういえばこの小説のカリバーの形態の数はクリスマス限定の奴も入れて6つなんですよ。

ジャアクドラゴン
ジャオウドラゴン
プリミティブドラゴン
エレメンタルプリミティブドラゴン
オムニフォース
ハッピージャアクドラゴン

6って確か…
そういやこの小説ほとんど原作通りに進んでますね。それなら彼の存在意義って… 彼って紅生姜でしたっけ?
今回はここまでです。感想お待ちしています。




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