ジャアクドラゴン「闇黒剣達のヤンデレ度が上がってる件」
ジャオウドラゴン「隼人の事をかっこいいはまだしも可愛いって言ってるのがヤバい」
エレメンタルドラゴン「下手に手出したらオムニフォースに操られて詰み確定。でも何で風鳴翼はヤンデレ達が見えたんだろう…?」
ノーブルレッドの3人による作戦により、苦戦を強いられたカリバーと響達装者。
しかし、響がサンジェルマンの想いを握りしめ、シンフォギアとラピスが1つになった新たな姿、アマルガムを発現。
カリバーと共にノーブルレッドを追い詰めるが、ここで響達に作戦中止が下された。政府によってS.O.N.G.が乗っ取られたのだ。
「お前達…S.O.N.G.が制圧されたぞ…ッ!」
「制圧ッ!?」
未来を見たカリバーの言葉にマリアが驚愕の声を出す。まさか、そんな事ありえない。でも、突然弦十郎が作戦中止を宣言したなら考えられる。
「預けるであります…ッ! カリバー…ッ、シンフォギア…ッ!」
「離脱するゼ…ッ! ヴァネッサ…ッ!」
カリバーの攻撃を受けてフラフラになったエルザをヴァネッサが抱え、疲労したミラアルクも翼を展開して飛び去って行った。
「ヴァネッサさん…」
「神の力で人間になるだと…ッ?」
飛び去っていくノーブルレッドをカリバーと響は見つめていた。
「まさか…本当に…」
「本部が制圧されるなんて…」
本部に帰還した装者達は、カリバーの言う通りS.O.N.G.が制圧された事を知る事となる。ライフルで武装した兵士と、赤い服を着た者達がいるなか、スーツ姿の査察官が口を開いた。
「制圧とは不躾な。言葉を知らぬのか。」
「護国災害派遣法、第6条。日本政府は、日本国内におけるあらゆる特異災害に対して優先的に介入する事が出来る…だったな?」
弦十郎の言葉に査察官はニヤリと笑みを浮かべながら特別捜索差押 許可状を見せた。
彼と赤い服を着た者達は日本政府がS.O.N.G.の査察の為に送り込んだ査察団なのだ。
「フフン……そうだ。我々が日本政府の代表としてS.O.N.G.に査察を申し込んでいる。威力による制圧と同じに扱ってもらっては困る。世論がざわっとするから本当に困るッ!」
制圧と違うと言っておきながらライフルで武装した兵士に銃を向けさせた事を棚に上げる査察官。誰もがそう思っている。
「どう見ても同じなんだけど…」
「あの手合いを刺激しないのッ!」
不満げに言う藤尭に友里は刺激するなと聞こえない様に言った。
「国連直轄の特殊部隊が野放図に威力行使出来るのは、あらかじめその詳細を開示し、日本政府に認可されている部分が大きいッ! 違うかな?」
「違わいでかッ! 故に我々は、前年に正式な手続きの元…」
査察官の発言に納得しない弦十郎は正式な手続きの元介入していると言おうとしたその時、査察官が弦十郎に待ったをかけた。
「先程見させてもらった武装、そして彼との接触…開示資料にて見かけた覚えも聞いた事もないのだが、さて?」
「そんなッ! アマルガムとカリバーを口実にッ!?」
「この口張り…最初から難癖つけるつもりだろ…ッ!」
「くッ…!」
完全にしてやられた。響が発現させたアマルガムとカリバーとの共闘。それを知らない事を理由に査察だ。
「風鳴司令……ここは政府からの要求を受け入れるべきかと。」
これには反論出来ないと判断した翼は弦十郎に政府からの要求を受け入れるべきと提案した。下手に背けばS.O.N.G.が動けなくなり、最悪の場合組織の総入れ替えが行われる可能性もあり得る。
「そうデスともッ! ……って、え? えええ?」
「切ちゃんッ! 今難しい話をしてるからッ!」
いきなりの事で話についていけない切歌に静かにする様に言う調。
「後ろ暗さを抱えてなければ、素直に査察を受け入れてもらいましょうか。」
「むぅぅ……いいだろうッ! だが、条件があるッ! 装者の自由とコンバーターユニットの携行許可ッ! そしてカリバーについては手出し無用ッ! 今は戦時ゆえ、不測の事態の備えくらいはさせてもらうッ!」
弦十郎は、装者の自由とギアの携行、カリバーに付いては手出し無用を条件に査察を許可した。現在はノーブルレッドと戦時。いざという時に戦えないなら元も子もない。それに世界から目をつけられているカリバーこと隼人を守る為でもあった。
「折り合いの付け所か…その言い方、まるでカリバーを自分達の物だと言っている様だ…」
「何…ッ!?」
「まさか、カリバーを独占する為に彼の弱みを握ってるとか、何かを口実に協力を強要しているのでは? そうだとしたら、おお…怖い怖い。カリバーは君達の物ではない。日本にいる以上我々日本の物であり、本来ならば我々が所有するのに相応しい。が、私は優しい。仕方がないから承諾しよう。」
「……ッ!」
査察官の嫌味な言い方に顔を歪め、憤慨する弦十郎。明らかに隼人を狙っているのは目に見えている。
「ただし、あの不明武装については、認可が下りるまで使用を禁止させてもらおう。」
アマルガムの使用禁止を認可する事を突きつけられた弦十郎は憤慨の表情を浮かべ、勝手にしろと吐き捨てた。
「では、勝手を開始する。」
査察官が2回手を叩き、その音を合図に査察団が動き出した。そんな中、響は開いた拳を見つめていた。
(あれは不明武装なんかじゃない…拳を開く勇気なのに…隼人さんだって…私達の為に…)
「ふざけた真似を…ッ!」
その頃、自宅に戻っていた隼人はS.O.N.G.が日本政府による査察の様子をシャボン玉を通して見ていた。
ここで自分が査察団を蹴散らすのは簡単だ。
だが、下手に自分が介入すれば装者達が拘束されて戦えなくなってしまう。ノーブルレッドとの戦い、未来に似た人物と訃堂が災いを起こす未来、さらに謎の胸の痛みなど、解決しなければならない問題が山積みだった。
「とにかく…最悪な未来を変えな……ううッ……!」
ここに来て再び未来予知が発動。何度も何度も見せられる2つの最悪な未来。ここ最近頻繁に発動している。どういう事なのか。さらに…
「うぁぁ…ッ! またか…ッ!しかも前より痛みが増している…ッ!」
再び胸を槍で貫かれた様な痛みが隼人を襲い、床に倒れた。
しかも、前感じた痛みよりも更に増している。これは一体何なのか。
そして、しばらくして痛みが治る。
「ハァ……ハァ……ハァ……何なんだよ本当に…ッ!」
息を荒げる隼人の後ろで、闇黒剣月闇と無銘剣虚無、プリミティブドラゴンとオムニフォースが妖しく光り、見えていないが響と未来に瓜二つの紫色と青白い少女と、赤とオレンジ色の少女が何やら凄く嬉しそうかつ怪しげな笑みを浮かべていた…
「灯台下暗しであります…」
「まさか、ここをあてがわれるとは思っても見なかったゼ。」
敗走したヴァネッサ達は街のはずれの災害跡地まで来ていた。そこへ、アタッシュケースを持った護衛2人を連れた訃堂がやって来た。
「護災法の適用以来、国内における特異災害の後処理は全て儂の管理下にある。裏を返せば、ここは誰も簡単に手が出せぬ聖域に他ならぬ。」
「つまり、アジトとするにはうってつけという訳ですわね。」
つまり災害跡地は護災法に適応され訃堂の好きに出来るという事。誰も手が出せない所故に、ヴァネッサ達を支援出来るのだ。
「計画の最終段階に着手してもらおう。神の力を、防人が振るう一振りに仕立て上げ、宵闇の剣士を物とするのだ。」
護衛の1人がアタッシュケースのフタを開け、シェム・ハの腕輪をヴァネッサ達に見せ、エルザに渡した。
「ここにはその為の環境を整えてある。設備稼働に必要なエネルギーも事前に説明してある通り。手筈は既に進めてある。」
もう1人がアタッシュケースを開け、血液が充填された輸血パックを見せた。行き場を失った彼女達にとっては至れり尽くせりの環境。
「だが、果敢無き哉…」
突然、訃堂は突然輸血パックを1つ掴んで地面に叩きつけて踏み潰し、辺りの地面を血に染めた。
訃堂の行為に驚愕の表情を浮かべる3人。
「「「…ッ!!」」」
「ロクに役目をこなせぬ者がいると聞く。おかげで儂の周辺で犬が嗅ぎ回る様になっているとも。」
「それは……く……ッ!」
悔しそうな表情を浮かべるヴァネッサ。そして、脳裏に浮かぶ忘れたくても忘れられない自分達の過去…
(私達ノーブルレッドは蔑まれ、モノ同然に扱われてきた。パヴァリア光明結社において、ファウストローブの研究者であった私は、不慮の事故にて瀕死の重傷をおってしまう。失われた生体部分を自身の研究対象であるファウストローブに換装され、命を取り留めたものの…)
かつてヴァネッサはファウストローブを研究していたが、突然光り出し、爆発事故によって身体を失ってしまった、そこで身体をファウストローブに換装され、命を繋いだ。だが…
(完全なる命を至上とする結社において、この事実は私の位階を下げるばかりかデータ採集用の臨床検体という更なる辱めを受ける結果となってしまった。)
結社で非人道的な人体実験を繰り返され、モルモットとして扱われる日々…
(屈辱と苦痛の地獄…それでも耐えてこられたのは、同じ検体として出会ったミラアルク、エルザの存在に他ならない。)
ミラアルクとエルザもまた、結社においてモルモットして扱われていた。だが、彼女らが支えとなり地獄を耐えた。
(やがて地獄にも終焉が訪れる。結社の崩壊は軛からの解放でもあった。だがこの身は、特別な血液無くしてままならぬ不自由を抱えている。その時出会ったのが、風鳴訃堂…)
結社壊滅後、逃走していた3人。そこで訃堂と出会った。
(私兵を持たないこの男は、血液の提供と成就を条件に、私達に計画の参加を呼びかけてきたのだ。)
彼女らが必要とする血液と成就を条件に彼の計画の…神の力とカリバーを手に入れる為、従うように言ってきた。こうして彼女達は訃堂の手駒として動いていたのだ。
「怪物ならば、怪物なりに務めを果たしてもらうぞノーブルレッド。」
訃堂はヴァネッサ達に怪物と吐き捨て、護衛はミラアルクにアタッシュケースを投げ渡した。
「チッ!」
「計画は走り出したのだ。もはや何人たりとも止めさせぬ。」
外では雪がちらほら降っている。
彼らがいた場所…そこは、かつてキャロルが世界の分解の為に作り出したチフォージュ・シャトーの残骸の内部だった。
その頃、S.O.N.G.では査察団による査察が引き続き行われている。
その様子を藤尭と友里はつまらなさそうに眺めていた。
同じ頃、日本政府にいる八紘の電話が鳴り響く。
「そろそろだと思っていたが、盗聴は大丈夫か?」
「御用牙時分から昵懇の情報屋回線を使わせてもらっている。もちろん念の入れようは十重に二重だ。」
タバコ屋の公衆電話から八紘にかけているのは弦十郎。その近くでは緒川が尾行されていないか監視している。
「…お前の読み通りだ。今回の一件、正式な手続きの査察ではあるが、担当職員の中に不明瞭な経歴の者が含まれているようだ。」
『そうか…』
「そして、巧妙に秘匿されてはいるが、鎌倉の思惑と思わしき痕跡が見受けれるな。」
やはり、鎌倉がこの査察に絡んでいると思われる。
「こちらも米国と例の交渉が佳境だったとは故、後手に回らざるを得なかったのだが…」
「兄貴…結社残党のノーブルレッドを擁してあるのはやっぱり…」
弦十郎は八紘に問う。「ノーブルレッドを操っているのは訃堂では無いのか」と。正解ではあるが…
「早まるな弦。詳らかとなるまでは疑うな。私とて信じたいのだ。風鳴訃堂は曲がりなりにもこの国の防人。何より私達の父親では無いか。」
『あぁ…だがしかし…』
そう。訃堂は弦十郎と八紘の父親。彼なりにもこの国を守ろうとしている。息子だから、親を信じたい。それが八紘の考えだった。
「私は人を信じている。最終的に信じ抜く覚悟だからこそ、いかなる手段の行使すら厭わない。」
「八紘兄貴…」
「だから私は、政治を自らの
勿論八紘もカリバーがアメリカの行為を全世界に公開した事を知っている。これで協力体制を実現出来なければ、反応兵器の発射も含めてアメリカを見限る事も頭に入っている。
「そいつは堪える。やっぱスゲェな八紘兄貴は…兄貴の中でも一番おっかない。」
「前線は託すぞ弦。計画が綻びを見せるのは、いつだって走り始めてからだ。この先にチラつく尻尾を逃さず掴めば、必ず真実が明らかとなる。疑うのはそれからでも遅くは無い。」
「あぁ。」
弦十郎は受話器を置いて通話を終え、USBメモリを抜き取って置いた。
「ばぁちゃん。ありがとね。」
「またいつでもおいで。」
実はこのお婆さんこそ情報屋だったのだ。
その夜、リディアンの寮の浴場にて響と未来は湯船に浸かっていた。
「せっかくお休みを貰ったのに、しょんぼりな感じね…」
「うん…色々ありすぎてさ…」
査察が行われている中、装者達は休暇という名の特別警戒待機を命じられていた。これに対してマリアはますますもって気に入らないと納得のいかない様子だったが、翼は正式な命令ならば拒否権は無いと受け入れた。だが、その後は休みの日は何をしているのかという雑談をしたりと響が暇潰しにうってつけだと言われたりとたわいもない話をして盛り上がった。
他にも隼人の連絡先と住んでいる所が分かれば誘えるのになと響は残念がっていた。
「せっかくのお休み、どうする?」
「どうしよう…」
「久しぶりのお休み。響は何がしたいの?」
「私がしたい事か…」
装者達が解散した後、翼は1人本部のレクリエーションルームで何やら考え事をしていた。
(上條に寄り添っていたあの立花と小日向に瓜二つの少女と、もう2人の少女…)
南極の任務の時と響がアマルガムを発現させた時、カリバーに寄り添っていた4人の少女。自分以外は見えていない様子だった。何故自分だけ見えていたのか。彼女達は一体何者なのか。
脳裏に過ぎるのは、響に瓜二つの少女が歪んだ笑みで自分に振り向いたあの光景。
(何故私だけ見えて、立花達は見えていなかったのだ…? 彼女達は…一体何者だ…?)
そして休日。響は未来と翼、エルフナインと共にスイーツ巡り、ショッピング、カラオケと休暇を満喫していた。が、何処か翼は思い詰めた表情を浮かべていた。
「響…何がどうなってるの?」
「おっかしいなぁ…最近しょげている翼さんを一緒に盛り上げるつもりだったのに…」
「すまない…突然予定が空いた故、立花の申し出を受けてはみたが…私に余裕が無いのだろうな…今は歌を楽しむより、防人の業前を磨くべきだと心が逸る…焦るのだ。」
エルフナインが歌う中、翼は目の前の敵を殲滅する為自身を
「翼さん…」
「あの日以来…震えが止まらない…弱き人を護れなかった自分の無力さに…全ては自分の所為と…」
ミラアルクによって幼い命が目の前で奪われた時から、ずっと心の中で震えていた。自分を責めていた。
「楽しいですッ!これもまた休日の過ごし方ッ!たまにはいいですねッ!」
そこでエルフナインが歌い終わった、その時だった…
「響は勝手すぎるよッ!」
「何もそんな言い方しなくても…ッ!」
突然、未来が声を荒げたのだ。これには翼もエルフナインも驚きだ。何故2人が喧嘩しているのか。
「ちょっと待て…どうして2人が…」
「翼さんの事、私にも相談くらいしてくれても良かったじゃないッ! もっと別の方法だってッ!」
「私だって、私なりに考えて……ッ!」
「私なりにじゃなくて、翼さんの事も考えたのッ!? 」
「じゃあ未来は、翼さんの気持ちが分かるのッ!?」
響も言い返す。善意のつもりで考えたのに何故勝手すぎると言われなければならないのか。
未来も翼の気持ちが分かるのかと言われ、目を逸らしてしまう。
「…分かるよ…だって私…ずっと自分がライブに誘ったせいで、大好きな人を危険な目に遭わせたと後悔してきた…それからずっと、危険な目に遭わせ続けている自分を許せずにいるんだよ…」
4年前のライブの惨劇で自分がライブに行けなかった事で響が重傷を負い、カリバーが無くしたとはいえ迫害の対象にされてしまった事を今でもずっと、許せずにいた。
「ごめんって言葉、ずっと隠してきた…それがきっと、その人を困らせてしまうと分かってたから…」
「未来…何で…」
その時、響の通信機のアラームが鳴り響く。
「響です。翼さんとエルフナインちゃんも一緒です。」
「現在、査察継続中につき、戦闘指令は査察官代行である私から通達します。」
「えッ!? どちら様ですかッ!?」
通信の相手は弦十郎ではなく査察官代行の女性職員だった。
「第32区域に、アルカ・ノイズの反応を検知。現在当該箇所より最も近くに位置するSG01とSG03ダッシュは直ちに現場へと急行し、対象を駆逐せよ。」
上空には無数の飛行型アルカ・ノイズが編隊を組んで街を蹂躙していた。
同じ頃、隼人もガトライクフォンでアルカ・ノイズを反応を検知し、闇黒剣月闇を手に向かおうとすると…
「うぁぁ…ッ! ハァ…ハァ…ッ! まただ…ッ!」
再び謎の胸の痛みが襲う。前よりも痛みが増している。そして痛みが治まり、隼人は向かうのだった。
カラオケから4人が出ると、人々が一斉に逃げ惑っている。
「あれは…ッ!」
エルフナインが上空を見上げると、巨大な飛行型アルカ・ノイズがまるで護衛の様に飛行型アルカ・ノイズを率いて飛行している。
「2人は安全な所にッ!」
「うん。行こう。エルフナインちゃん。」
「未来ッ!」
エルフナインを連れてシェルターへ避難しようとする未来を響が呼び止めた。何か言いたげだが、言葉が詰まってしまう。
「また…後で…」
「うん…響も…気をつけてね…」
そう言うと未来とエルフナインは走って行った。
「行くぞ立花。刃の曇りは、
「はいッ!」
アルカ・ノイズが上空から解き放たれる中、2人は走り出す。そして…
「Balwisyall nescell gungnir tron」
「Imyuteus amenohabakiri tron」
冬の空に聖詠が響き渡り、響と翼はギアを纏った。
翼は刀でバッタバッタとアルカ・ノイズを斬り捨てていく。
同時にカリバーも到着し、闇黒剣月闇を手にアルカ・ノイズを斬り裂く。翼は脚部ブレードを展開して道路を滑りながら移動し、アルカ・ノイズを一網打尽にする。
路地裏に逃げた個体も逃さず、壁を三角飛びでひらりひらりと飛び、ビルの上のアルカ・ノイズを千ノ落涙で貫く。
【月闇居合!読後一閃!】
カリバーが闇黒剣月闇から放たれる斬撃波でアルカ・ノイズを纏めて斬り裂く。
「おかしい…奴等がいない…どこにいる…?」
アルカ・ノイズを召喚したであろうノーブルレッドの姿は見当たらない。
「ぶっ飛べッ!」
アルカ・ノイズに囲まれた響は己の拳と脚でアルカ・ノイズを纏めて吹き飛ばす。ここで指令室から通達が入る。
「SG01、SG03ダッシュに通告。不明武装の認可はまだ降りていません。くれぐれも使用は控えたし。」
要するにアマルガムを使用するなと言う事だ。
「分かってます。アルカ・ノイズを相手に、サンジェルマンさん達の力を借りなくても…ッ!? まさか…ッ!」
そのまさかだ。
『本部ッ! 付近一帯の調査をお願いしますッ! アルカ・ノイズがただ暴れているなんて事、おかしいですッ!』
「現在、カリバーと装者周辺にアルカ・ノイズ以外の敵性反応は見られません。SG03ダッシュは、こちらの指示に従ってアルカ・ノイズの掃討に専念されたし。」
敵性反応は見られないとの事。そこへ、翼がやってくる。
「立花ッ! 避難誘導が完了するまでは、本部からの指示に従うのだッ!」
「でも…ッ!」
「SG03ダッシュ。これ以上指示に従わない場合は、行動権を凍結し、拘束される事に────」
納得のいかない響に査察官代理が響の行動権が凍結される事を警告しようとするが…
「査察は中止だッ!令状はここにあるッ!」
指令室に令状を突きつける弦十郎と、拳銃を突きつける緒川、マリアが入って来た。しかし、査察官が見当たらない。
「該当査察官、見当たりませんッ!」
「くッ…! 鼻が利く…ッ!」
こちらの動きを察したのか、既に居なくなっていた。そして藤尭と友里が戦闘管制を続行。
「戦闘管制、引き継ぎますッ!」
「天羽々斬、敵中心部へと突貫ッ!」
「ハァァァァァッ!」
翼は逆羅刹でアルカ・ノイズの群れを次々斬り伏せていく。
(
自分は剣だ。弱き人を護る防人だ。もう二度と誰も死なせない。二度あの様な惨劇を起こさせない。
そして、アルカ・ノイズが立ち塞がる先に、ミラアルクが不敵な笑みを浮かべて立っていた。
「そこにいたか…
目の前にいるのは歌を血に染め幼い命を奪った悪魔。憎悪が滾る。殺意が殺せと突き動かす。
貴様ァァァァァァァァァァァァァァァッ!」
激昂した翼は刀を大型化させ怒りに任せて蒼ノ一閃を放つ。この時、翼の瞳はステンドガラスの様になっていた。
斬撃波はアルカ・ノイズを斬り裂き、ミラアルクと止まっていた乗用車を真っ二つにした。
「何ッ!?」
気がつけばすぐ後ろにミラアルクがいた。再び斬り裂き同時にビルの窓ガラスが全て割れる。
そして次から次へと現れるミラアルク達。どういう事なのか全く分からなかった。
翼は刀を元に戻し、ミラアルク達を斬り裂いていく。
「翼さん…ッ!」
「一体どうした…ッ!?」
その光景をカリバーと響は見ていた。そう。翼にはアルカ・ノイズがミラアルクに見えているのだ。
そして、巨大アルカ・ノイズを見つけ走り出す。脚部ブレードを展開しビルの壁を滑っていき、歌いながら刀を薙刀状にしてに炎を纏わせ、すれ違い様に斬り裂いた。
翼の目の前にいる。ミラアルクだ。再び憎悪と殺意が滾り、巨大な薙刀を形成。エネルギーを纏わせ怒りと憎しみのこもった歌と共に解き放つ。これこそ炎乱逆鱗斬だ。
薙刀はそのままビルに突き刺さり辺り一帯を蒼い炎が包み込み、作られていた雪だるまが溶けた。
薙刀に突き刺さっていたミラアルクは瞬きと共にアルカ・ノイズの姿に。
息を切らす翼の周りに広がるのは余波で残っている炎や黒焦げになった木に辺りが倒壊したビルだった。
「翼…何を…一体…?」
翼の怒りと憎しみに満ちたその戦い振りは指令室にも映し出されており、マリアも一体何があったのかと思うほどだった。
戦闘後、響は未来に電話をかけるが、一向に繋がらない。
「何で…何で繋がらないの…ッ!?」
その遠くで引き上げようとするカリバー。しかし…
「うぅ……ッ! うぅ……ッ!!」
頭痛と共に闇黒剣月闇の未来予知が発動した。ここで啓示された未来は「未来とエルフナインがミラアルクによって惨殺される」というもの。
「ま…不味い…ッ!」
カリバーは急いで空間を斬り裂き、闇の中へ入っていった。
その頃、響の着信に気づかない未来はエルフナインと共に路地裏を走って逃げていた。そこに、ミラアルクが現れる。
「手間をかけさせやがるゼ。」
そう言うとミラアルクは防犯カメラを叩き割った。
そして道路に出た2人だが、エルフナインが転倒してしまう。
「エルフナインちゃんッ! 大丈夫ッ!?」
そこへミラアルクが現れた。
「エルフナインってのは、そっちの鈍臭い方だろ? それでもちょこまかと逃げ回ったもんだゼ。」
「友達には手を出させないッ!」
「ダメですッ! 未来さんッ!」
未来が両手を広げてミラアルクに立ち塞がる。そこへ思わぬ人物がやって来る。
「ヘッヘッヘ…こうも簡単にお前を本部の外に連れ出せるとはな…」
何と、あの査察官だった。
「何であなたが…ッ!?」
「確保を命じられたのは、エルフナインただ1人。さて、あんたの扱いを、ウチ1人じゃ決めあぐねるゼ。」
(ピンポンパンポン。)
そこへ、ヴァネッサがテレパシーでミラアルクに話しかけて来た。
「ヴァネッサ…」
(ミラアルクちゃんに連絡です。)
「逃げてッ! エルフナインちゃんッ!」
「未来さんッ! いけませんッ!」
未来はエルフナインに逃げる様に言うが、エルフナインも未来を見捨てて逃げる訳にはいかないのだ。
「あぁ。了解したゼ。悪く思わないで欲しいゼ。」
ヴァネッサから何かを引き受けたミラアルクは人差し指の爪を長く伸ばした。明らかに殺意がある。
「エルフナインちゃんッ!」
「ハァ…ハァ…このままでは2人が…ッ!」
カリバーは闇への空間移動で未来とエルフナインの元へ急ぐために闇の中を走る。しかし…
「ぐぁぁぁぁ…ッ! ぐぅぅぅ……ッ!」
再び謎の胸の痛みがカリバーを襲い、膝を突いてしまう。明らかな先程よりも強い。さらに追い討ちをかける様に前から啓示されている2つの未来と、未来とエルフナインが惨殺される最悪の未来が激しい頭痛と共に啓示される。
まるで痛みと未来の災いの啓示に振り回されるカリバーが可愛いと言いたげに闇黒剣月闇が光っている。
「こんな所で…ッ!」
カリバーは胸の痛みと頭痛に耐えながらも立ち上がり、再び闇の中をふらつきながらも走り出す。
「未来さん逃げて下さいッ!」
自分のせいで未来が危険に晒されている。せめて未来だけでも逃げる様に言うエルフナインの目からは涙が溢れていた。
「イェーイッ! テレビではすっかりお目にかかれなくなったシーンに私、あちこちの昂りを抑えられないッ!」
身体をくねらせ恍惚の表情を浮かべる査察官。これから行われる事に興奮している。
「未来さん逃げてッ!」
その言葉と共に、ミラアルクの毒牙により惨殺される 大量の血が噴き出した…
とある場所のリビング。富加宮がコーヒーを飲んでいると、何やら急いでいる様に深刻な顔をした白いおっさん…ではなく神様が新しいノートパソコンを手に入ってきた。
「どうした?そんな深刻そうな顔をして。」
「いいからこれを見てくれッ! 」
神様はノートパソコンを立ち上げ、映像を見せる。すると富加宮は驚愕の表情を浮かべた。
「こ、これは…ッ!」
富加宮が見ているのは、隼人が謎の胸の痛みを拗らせている映像だった。
「恐れていた事が遂に起きた。アイツに伝えなければならないッ!」
「恐れていた事? それは一体何だ?」
「アイツの身に降りかかる運命だ。それに何故あいつが無銘剣虚無に選ばれたのか、何故使えるのかも判明した。」
「それは本当か?」
神様はノートパソコンを操作し、2つのフォルダに保存されていた映像を見せた。
そこに映し出されたのは、並行世界で賢人が無銘剣虚無とエターナルフェニックスを封印の間に置いて後にしたその直後、無銘剣虚無からオレンジ色の少女のエネルギー体が現れ、抜刀した無銘剣虚無とエターナルフェニックスを持ち出す場面だった。
「まさか…」
「あのヤンデレだ。そしてもう1つ…」
神様がノートパソコンを操作すると、隼人の寝室が映し出される。そこへオレンジ色の少女のエネルギー体が現れる。
「奴の手元を見ろ。」
「あれは…ッ!」
その少女のエネルギー体が持っていたのは何と、プリミティブドラゴンの禁書だった。
数秒後、少女のエネルギー体は消え映像が途切れた…
「まさか奴が禁書を…ッ!?」
「あのヤンデレ、もしかしたらヤンデレのプリミティブドラゴンにあいつを守らせようとしていたのかもな……とにかく、アイツに危険が迫っている事を知らせなければならないッ!」
「分かった。私が話す。前みたいに意識に繋げてくれ。」
神様と富加宮は隼人に危険が迫っている事を知らせるために動き出すのだった。
いかがだったでしょうか?8月になって最近執筆スピードが遅くなっている気がします。
もうすぐ仕事も忙しくなるのでさらに更新が遅れてしまうかもしれません。
次回、少し早いですがこの小説についてと、あの胸の痛みと無銘剣虚無についての話です。賛否両論を覚悟の上で書きますのでよろしくお願いします。
ヒント「おい、紅生姜は?」
今回はここまでです。感想お待ちしています。
次回はXVの6話…また6…
「お前は本来この世界の物語に存在しない…いわば、虚無の存在だ。」
「本当の主人公は…立花響…」
「このまま変身し続ければ、お前自身が滅ぶ事になるだろう…」
「人を斬ったツケが、今になって回って来たんですね…」
「こんなはずでは無かった…完全に想定外だ…ッ!」
「いくらお前が神でも、それは身勝手過ぎるだろッ!」
「身勝手なのは分かっているッ!だがようやく前に進み始めたあいつにとってどれほど残酷な運命なのか分かるはずだッ!」
「邪魔しないでよ…!」
次回「虚無の中の、偽りの
「邪魔する奴は…神だろうが…先代カリバーだろうが…叩き潰す…ッ!」
「俺は何故この世界に存在しているんだぁぁッ!?」