GBN:ダイバーズコンピレーション   作:X2愛好家

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正真正銘の初投稿。


ダブル眼帯のヤベー奴
眼帯貴族とヴァルガでの一幕


ガンプラバトル・ネクサスオンライン

GBNと略されるそれは、そのタイトル通りのガンプラバトル以外にもユーザーであるダイバー同士の交流や、現実では中々お目にかかれない景色を観賞したりも出来るワールドワイドなネットワークゲームである。

 

GBNを楽しむ要素の一つとして、ゲーム内の自分の姿であるダイバールックのエディットがある。

リアルの姿から服装を変えたり、動物のような耳や尻尾を付けたり、動物そのものやロボット等の人外の姿に変身してみたり、ガンダムシリーズの登場人物に寄せてみたりと様々である。

 

そう、ガンダムシリーズの登場人物にもなれるのだ・・・

 

 

【ハードコアディメンション ヴァルガ】

ディメンションと呼ばれるGBN内のエリアの一つ。

本来は両者の合意がなければ行えないバトルを合意なしでいきなり開始ィ!していい場所。

なんならヴァルガに入って来た瞬間を狙ってもOKなのだ。「近くに居たお前が悪い」「避けられないお前が悪い」で片付けられるのだから。様々な悪名を持つヴァルガにエントリィィィィィィ!してくるのは、ダイバーポイントが欲しい者か、血に飢えた戦闘狂、騙され連れ込まれた初心者、鍛錬と称してヴァルガの民をスナック感覚で消し飛ばす上位ランカーのいずれかである。

 

そんなヴァルガを全力のブーストダッシュで駆け抜ける機体があった。

 

「クッソォ!しつこいんだよぉぉぉぉ!」

 

何者かから逃走中と思われる青年ダイバーが必死に操縦しているのは、クロスボーン・ガンダムX1を改造したと思われる機体。頭部のアンテナが四本に増え、両肩にX字になるようビームブーメランを4基計8基追加した改造機だったのだが・・・

頭部アンテナは三本がへし折れ、ブーメランは全て脱落、それどころか数少ない射撃武装のザンバスターも大破、ビームシールドにもなるブランドマーカーも破壊され腰のシザーアンカーは右側のみになり、残された武装は脚部に内蔵されているヒートダガーが二つだけという正に絶望的な状況。

駆動系は無事であり、今も逃げ続ける事が出来ているのが救いだろうか。

 

「おい!レーダーで分かるだけでも5人は居るだろ!見てないで助けてくれ!」

 

元々隠密の機能や装備が付いていないのだろう。破損したX1のレーダーにも五つの点が映っている。

一人が姿を見せたら三人はアンブッシュしているのがヴァルガという無法地帯だ。実際はもっと多くの機体が隠れているだろう。青年もそれを知っているからこそのSOSだったのだが・・・

 

「えぇ・・・」

「いつもなら喜んで天誅すっけど・・・」

「追われてるのって・・・あっ(察し)」

「巻き込みは勘弁」

「駄目みたいですね・・・」

「奴は全能力を使って勝てなかった!あんな奴に用は無い!」

「なんという非情な!」

 

ヴァルガの民は無情である。

 

そしてX1の背後からビームが放たれる。追跡者の射撃武装は健在らしい。

 

「クソッ!こうなりゃやってやるよ!」

 

青年は機体を反転させ、ダガーを抜いて構える。

 

それを見た追跡者は不気味に笑う。

 

「覚悟を決めたか・・・ククッ」

 

そして左手に保持していたザンバスターをサイドスカートにマウントしビームザンバーのみを引き抜く。追跡者の機体は、追われていたX1と細部の違いはあれど非常によく似ていた。

クロスボーン・ガンダムX2改のマイナーチェンジ機体、それが追跡者【THE Bi-ne】が操る機体であった。

 

映像通信ではない為、青年には見えていないがTHE Bi-neのダイバールックは少し、どころかかなり変である。

漫画作品【機動戦士クロスボーン・ガンダム】に登場するキャラクター【ザビーネ・シャル】そのものの姿なのだが、そのザビーネが着用していた戦闘用ゴーグルという説もある眼帯を何故か「両目」に付けているのである。

その為、機体外で出会う他のダイバーから高確率で二度見される。

 

『どうしたキンケドゥ?来ないのか?それとも怖気づいたか?ククッ、まぁシミュレーションでは7対3で私の方が勝っていたから無理もないがな』

 

人によっては安い挑発と流せるだろう。そもそも青年のダイバーネームはキンケドゥではないし、THE Bi-neとシミュレーションや模擬戦をした事も無く、なんなら初対面である。

 

「ふざけやがってぇ!」

 

青年は 挑発に 乗ってしまった!どうやら青年は血の気が多いらしい。訳の分からない言動のダイバーに機体を中破させられた事も苛立ちの原因の一つだろうか。

これで互いの姿が見えていたら、青年はマスクばりの叫びを上げていただろう。

言動に加え、前が見えているのかすら分からない相手に追い詰められたのだから。

 

(そもそもあのストライクがさっさと墜ちてればこんな事には・・・!)

 

しまいには心の中で八つ当たりである。迷い込んでしまった初心者と思わしきストライクガンダムの改造機を発見し、いいカモだと思っていたら予想外に粘られ、トドメを刺す寸前でTHE Bi-neに乱入されたのである。

横槍を入れられたと思ったら、何故か自分が追い回される始末。青年の混乱と苛立ちはピークに達していた。

 

「野郎ぶっ壊してやらぁ!」

 

機体にヒートダガーを持たせて叫ぶ青年ダイバー。彼が取った行動はダガーを腰だめに構えての突進。

それに対してTHE Bi-neは機体を正面に向けたままスラスターを吹かして後退。さらに頭部バルカン砲とビームサーベル兼用のビームガンを地面に向けて連射、舞い上がった粉塵で即席の目眩ましを行う。

 

「ハッ!怖気づいてんのはテメェの方じゃねぇか!こんな子供騙しで!」

 

視界が塞がれても、チャフのような特殊な効果は無い為X2の反応はレーダーに映ったままだ。

煙を迂回するように動き、射撃が飛んできても対応できるように注意しつつ距離を詰める。と、次の瞬間レーダーの光点が急に方向を変える。X1の真横に出るコースだ。

 

「何がしてぇんだよ!」

 

牽制射撃をするでもなく煙の中を後退したかと思えば、近接戦闘の間合いまで詰めようとしてくる。相手が何をしたいのか全く読めない状況の苛立ちと焦りから叫ぶ青年。

そして、ついに煙の中からX2が出てくる。

 

「この野郎──何っ!?」

 

近接警報がX2の接近以外に反応している。それを理解した瞬間、衝撃が彼を襲う。

 

「何が──っ!」

『その隙を見逃すとでも?』

 

大きく体勢を崩したX1に詰め寄るX2。ヒートダガーを持った右腕が肘関節辺りで斬り飛ばされる。さらにX2の右腕に装着されているショットランサーの穂先が高速回転し、ボディブローのようにX1の腹部に叩き込まれる。

 

「クソ・・・がぁ・・・!」

 

残った左腕を振りかぶるX1、せめて一矢報いるつもりだろうか。だが──

 

『ククッハハッハァッハハハハ!!』

 

X1の拳が届くより先にX2のビームザンバーがX1の胸部を貫いた。上下から串刺しにされたX1のデュアルアイから光が消える。

 

『さようなら!キンケドゥ!』

 

ザンバーとランサーを引き抜きながら、右脚でX1を蹴り飛ばす。完全に地面に倒れる前にX1はテクスチャの塵となり消えた。

 

「さて・・・この辺りで引き上げたいが」

 

先程の狂ったような笑いは何処へやら、急に冷静さを取り戻したTHE bi-neだったが──

 

「まぁ・・・そう簡単にはいかないか」

 

X2を包囲するように集まる機体が目に見えるだけで七機、アンブッシュしているのも居るだろう。

 

(特に右奥のジャスティス・・・強いな)

 

包囲には加わっていないが、THE Bi-neを値踏みするように見つめる青と黒で塗装されたジャスティスガンダムの改造機。この中でも別格の強さだろう。

 

(抜けるとしたら・・・左だな)

 

敵の包囲網は正面から右の方が厚い。左に展開しているエクセリアの改造機を突破できればどうとでもなるはずだ。

一番の難敵だろうジャスティスに注意を払うが・・・

 

(気が逸れた?)

 

ジャスティスの視線がX2から僅かに外れている。後ろを気にしているようだ。

 

「好機!」

 

一番近くに居た機体にショットランサーに内蔵されているヘビーマシンガンを撃ちながら、左側に向かって全力でスラスターを吹かす。そして何故かジャスティスはTHE Bi-neとは逆の方向に離脱していく。

 

「フッ・・・御眼鏡には適わなかったかな?」

 

ジャスティスは警戒対象から外し、目の前のエクセリアに集中する。

 

『GBNに存在する全ての格闘機よ、私に力を貸してくださいぃ・・・』

「真正面から来るか!」

 

本来はtype-レオスの形態の一つ、ゼノン・フェースの装備を纏ったエクセリアがその右拳を突き出してくる。

ただの右ストレートパンチではないだろう。フェイントでキックやエネルギー攻撃が来るはず。

・・・と思っていたのだが・・・

 

『あ?あれれ?』

「・・・?」

 

本当にただの右ストレートだけだった。フェイントや追撃を警戒していたのだが、普通に避ける事が出来た。回避した勢いのままエクセリアから距離を取り、そのまま離脱を図る。

 

『ああ!待って!止まってくださいぃ!』

 

ヴァルガでなくとも止まれと言われて止まる者は居ないだろう。相手がポリスメンとかでない限り。それにそろそろ他の機体からの攻撃も鬱陶しくなってきた。

 

『止まってくれないなら!・・・えぇと・・・バーンしちゃいますよ!』

(バーンって何だ)

『きょっ極限っ!ケジメフィンガー!』

「グーの次はパーか」

 

思わず口に出てしまった。シャイニングバンカーのセシア版と言った所か。

 

一瞬だけ機体を反転させ、左手に保持したままのビームザンバーを投げつける。

 

『うわわわわ!』

 

命中はしたがフィンガーのエネルギーに阻まれ、ダメージは軽微。さらに弾かれ明後日の方向に飛んでいってしまう。

 

(というかいつまでフィンガーのモーションで追い掛けてくるつもりだ?そのうちエネルギー切れに――)

 

視界の端で何かが光った。咄嗟に左腕のブランドマーカーからビームシールドを展開できたのは今まで積み重ねてきた経験の賜物か。

 

『ふぇ?なっ――』

 

追って来ていたエクセリアが光に飲まれ消滅する。エクセリアだけでなくその後ろから射撃を行っていた他の機体も全て。一方のTHE Bi-neはというと―――

 

「何の光と!言った・・・!所か!大方の予想は出来るが!」

 

光を回避し、どうしようもない物は防ぎ何とか持ち堪えていた。

光は正に雨のように降り注いでおり、光に触れた者から消えていく。元々離脱を目的として機体を操っていた為に光の雨の密度が薄い場所に居たのが幸いだった。

 

そしてようやく破壊の光を振り切りヴァルガからも離脱出来た。ヴァルガからの離脱直前に最初に光った方向に目を向けて納得する。

 

「ああ、やはりか・・・相変わらずの怪物だな」

 

そんな呟きと共にTHE Bi-neはヴァルガから生還したのであった。

 

遠目でも分かる異形の怪物、終末を呼ぶ竜がそこに居た。

THE Bi-neが離脱した後も破壊を振り撒き、阿鼻叫喚の地獄絵図を描く。

あるチンパンは果敢に挑み、またあるチンパンは絶望し、別のチンパンは稼いだポイントを失ってなるものかと離脱を図る。だがその何れも同じ思考に行き着く。

 

((((これ駄目なやつだわ))))

 

 

 

「ダレカタシュケテ・・・」

「この機体は何をしているんだ・・・?」

 

ボロボロになったストライクの改造機を青と黒のジャスティスが不思議そうに眺めていた。




「青いカンテラ」様の作品「GBN総合掲示板」(現在は跡地)と「サイド・ダイバーズメモリー」から設定等をお借りしています。
また、THE Bi-neはGBN総合掲示板の読者参加企画にて応募したキャラクターとなっており、青いカンテラ様から使用許可を得た上で登場しています。

【THE Bi-ne(ザ・ビーネ)】
両目に眼帯を着けたヤベー奴。ザビーネ・シャルとX2をこよなく愛するダイバー。
X1を追い回し、さようなら!キンケドゥ!をやってのけるヤベー奴。
傷だらけの初心者と万全な状態のX1なら、X1を追い掛けるヤベー奴。
喜々として、さようなら!しにくる上X1を追いながら他の機体を撃墜するという
離れ業を平然とやらかす為、珍しくヴァルガの民達が関わりたがらないヤベー奴。

【X1の青年ダイバー】
今日のさよキンに選ばれてしまった被害者。血の気が多い。
乗機は頭部アンテナを増設し、肩に風車のようにビームブーメランを追加装備した「クロスブメ・ガンダムX1」
被撃墜の切っ掛けになった体勢の崩れはTHE Bi-neの機体のとある武装が原因。

【セシーア・リア】
エクセリアの改造機に搭乗していた女性ダイバー。
本来はエクリプス・フェースの装備を纏ったエクセリアに搭乗するが、格闘の訓練としてゼノン・フェースの装備でヴァルガに放り出された。ある意味被害者。

【終末を呼ぶ竜】(出典 青いカンテラ様)
かつて、ヴァルガの全てを消し飛ばすほどの偉大な力を手にした神獣がいた
・・・ではなく現在進行形でランキングの四桁に位置するダイバーの乗機。
その殲滅力は凄まじく、まさに怪物。
ブレイブではなくむしろジャオウでは?
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