GBN:ダイバーズコンピレーション   作:X2愛好家

34 / 44
00と宇宙世紀の設定が混ざりますゆえ
シリーズ間クロスが苦手な方はご注意
GBNならよくある事ですが


それぞれのレイドバトル 開幕編

その日、多くのダイバーが歓喜した。

ついに来たぞ、と。待ちわびたぜ、と。

常設である程度のパターンが組まれた物ではない、一度きりの祭り。

復刻されるかもしれないけど。

 

ある者は一攫千金を夢見て

 

ある者はランク上げ

 

ある者は腕試しに

 

ある者は好きなシリーズだから

 

参加動機は各々違えど多くが待っていたイベント

 

【レイドバトル】の開催が発表されたのだ。

 

 

▲▽▲▽▲▽

 

とある一室にて、誰に憚る事なく笑い声をあげる男が居た。堪えきれない感情を狂ったような笑みに乗せるダイバーの名はTHE Bi-ne。両目に眼帯を着けたザビーネ・シャルという一癖も二癖もあるGBNプレイヤーである。

 

「クッハハハハ!アッハハハァ!!ついに!ついにこの時が来た!今まで以上にメンテナンスをしなければならないなぁ!フハハハハハ!ヒャッハハハハハ!!!」

 

彼の手元に開かれたシステムコンソール。その画面に表示されていたのは、新たなレイドバトル開催を知らせるメッセージだった。今までのレイドは常設の物も含めて何度か参加した事のあるTHE Bi-ne。戦闘中は自らキンケドゥを話題に出し、セルフザビーネブーストでテンションと共に戦闘力を引き上げるTHE Bi-neだが、非戦闘中や指揮をとらなければならない状況では意外と冷静なのだ。そんな彼がお知らせの段階でこうなっているのは今回のレイドテーマが彼の趣味嗜好にどストライクだからだろう。

その内容とは────

 

▽▲▽▲▽▲

 

『お手伝いありがとうございました。やはり、アリムさんと一緒だとやりやすいですね。事前にお伝えしたとおり、今回の戦闘映像を勉強会配信で使わせていただきます。その時は是非視聴しに来てくださいね。では、また』

 

「ふへへ・・・イオリぃ・・・」

 

セントラルロビー外周部のベンチ。その一つに腰掛け、だらしなく足を投げ出し、緩みきった表情でメッセージを眺めているのは戦争屋こと傭兵ダイバーのアリム。普段の飄々とした傭兵アリムとはかけ離れただらしのない顔になっている原因は、彼女の推しであり親友でもあるダイバーのイオリから届いたメッセージである。委員長、またはイオリんと呼ばれる彼女は、委員長の呼び名通りの清楚な立ち振舞いと戦闘中のバトルジャンキーのギャップでリスナーを魅了するG-TUBERである。ひょんな事から偶然知り合った二人は今ではすっかり仲良し、というかアリムがイオリにベタ惚れしている関係だったりする。そんな愛しのイオリからのメッセージにニヤけきっているアリムのコンソールに別のメッセージが届く。

 

「なんだよ・・・もう少し余韻に浸らせろっての・・・くだらないメッセなら即削除してやっからな」

 

お知らせがいったい何をしたというのだろうか。一瞬にして不機嫌になったアリムが開いたメッセージは新レイドバトル開催のお知らせだった。

 

「へぇ・・・くだらないメッセではなかった訳だ」

 

再び一瞬で表情が変わるアリム。だがその顔はイオリのメッセージでニヤニヤしていた時とも、余韻を邪魔されて不機嫌さを隠そうともしなかった時とも違う───

 

「楽しい楽しい戦争の時間だ!」

 

凶暴な笑みだった。

 

▲▽▲▽▲▽

 

「うぼぁ~」

「・・・」

「ぬがぁ~」

「・・・」

「ぐぽぉん」

「さっきからうるせぇ!なんで最後だけモノアイが光ったんだよ!?」

 

いまだに名前の無い島のビーチでくつろいでいるのは、アロハシャツが特徴的な二人のダイバー。ミズキリとシゼである。リアルの気候に左右される事なく常に夏の状態が保たれている孤島のフォースネストでのんびり過ごしていたミズキリだが、見た目通りの精神年齢の少女ELダイバーであるシゼが静寂を壊しまくっている為に落ち着けず、とうとうキレたところである。

 

「シゼはヒマなんだよぉ~」

「そのセリフはお前の姉だか妹だかの迷言だろうが」

 

終末を呼ぶ竜-TUBERと酒呑みG-TUBERの娘という、何がどうなったのか宇宙バクゥになりかねない経緯で誕生したELダイバーの名言(迷言)を真似しながら退屈を全力でアピールするシゼ。それを見たミズキリは大きなため息を吐く。

 

「ひーまーなーんーだーよー!」

「暴れるな!鬱陶しい!リンカとでも遊んでこい!」

「リットと一緒にフォース戦なんだって~ヒマなんだよぉー!」

「・・・ったく、分かった分かった!適当にミッションでも受けりゃいいんだろ」

「どーしよっかなー」

「何ならいいんだ!?」

 

ミズキリのフレンドであるリット、その妹であるリンカは同じフォース所属であり現在はフォース戦の真っ最中らしい。仕方なくミッションを受注してシゼの退屈を解消しようとするミズキリだったが、ミッションは何か違う、と言わんばかりのシゼに再びキレる。シゼとしてはこういった何気ないやり取りを楽しんでいる節もあるのだが。

 

「よぉし・・・そんなに退屈なら鬼ごっこでもするか」

「んー?まぁいいよ?ま、シゼはミズキリみたいなリアルおじさんには捕まらないけどねー」

 

本格的にキレたミズキリがアバターでの鬼ごっこでシゼにお灸を据えようとし、構ってくれて内心嬉しいシゼも乗り気である。それはそれとしてミズキリを煽るが。

 

「誰がおじさんだ誰が。後悔すんなよ?」

「そっちこそ、シゼの背中に見惚れないといいね?」

「だから、お前みたいなまな板チンチクリンに欲情なんざしねぇっての」

「誰がまな板か!」

 

煽り煽られELと後見人。これがミズシゼクオリティにしてこの二人の日常なのである。と、そこに新着メッセージを知らせる音が鳴る。

 

「お?リンカのフォース戦終わった?」

「この音は公式のお知らせだな。アプデか新マップの告知じゃねえか?」

「ふーん」

 

シゼを含めたフレンドからのメッセージと、運営からのお知らせの通知音を細かく分けている男ミズキリ。お知らせメッセージを開き内容を読み込んでいく。先程までの低次元の争いはなんだったのか。

 

「ほう」

「なになに、なんて?」

「さすがに今日はこのままミッションだな」

「えぇー?」

「その代わり、この日は楽しくなりそうだぞ?」

 

【新レイドバトル開催のお知らせ】

それがメッセージの件名だった。

 

▽▲▽▲▽▲

 

 

 

GBNセントラル・ディメンション総合受付。ミッションカウンターと大型モニターが存在するこの場所は、いつも以上にダイバーが多く賑わっていた。これから始まるレイドバトルに参加する者と観戦する者、それぞれが戦闘開始を今か今かと待っているのだ。一応参加受付を完了し、決められた時間までに愛機の待つ格納庫に移動すれば良いので、必ずしもここで待つ必要はないのだが。

 

「よぉ、FOEさんよ」

「アリム、か。やはり参加するのだね」

「当然!レイドで貢献せずして戦争屋は名乗れないからな」

「君らしい。健闘を祈るよ」

 

微笑と共に去っていくFOEと呼ばれた男性ダイバー「キョウスケ」。レイドバトルのボス解体RTAの走者にしてアリムも住人であるフリーバトルディメンションのヴァルガで災害扱いされるランカーの一人である。

 

「妹さんは・・・あっちで参戦か」

 

そのFOEの妹「ユユ」は三人の仲間と共に開戦を待っていた。キョウスケの姿を見ると直ぐに駆け寄り、言葉を交わしているが。

 

「アタシのモンテの後ろに居たヒヨッコが逞しくなったもんだねぇ・・・ま、赤砂の身内ならポテンシャル高いのも頷けるか」

 

かつて別のレイドバトルにて、ほんの一時共闘した少女達を眺めて感慨にふけるアリム。少女と呼ぶにはいささか発育の良い部分が気にはなるが。

 

「・・・んで、内容見た瞬間から予想はしてたが」

 

「ククッ・・・」

 

「居るよなぁ・・・」

 

多くのダイバーに埋もれる事なく異彩を放つダブル眼帯の男。そう、THE Bi-neである。いつもなら機体に搭乗してから発動する狂気のザビーネロールが既に漏れてしまっている。それだけ楽しみなのだろう。そんな彼に近付き話し掛けるダイバーが一人。

 

「ん、まぁアイツが居るなら任せときゃいいか。てかあの眼帯野郎の随伴なんざ金積まれてもお断りだが」

 

白いマスクで顔の半分近くを覆った女性がTHE Bi-neと話している。最近ではお馴染みとなってしまったコンビで今回も出撃するらしい。

 

「いいねぇ相方が居るのは。ま、アタシはアタシで好きにやらせてもらうけどさ」

「つれないですねアリムさん。一人でなんて」

「固定の相方なんて居ないんだからしゃーない───」

 

私はいかがです?とアリムに話し掛けてきたのは、いつの間にか背後に立っていたバトル委員長イオリだった。途中で誰と話しているのか違和感を感じたアリムが振り向き、ようやく愛しのイオリを認識する。

 

「イオっ、イオリ!?何で!?」

「何でって・・・こんな機会逃せないですからね。良ければ一緒にやりませんか」

「うぇ・・・その、ま、まぁアタシでよければ・・・」

 

微笑むイオリの顔を直視出来ないアリム。さっきまでヤル気満々だった戦争屋は休暇を取ってしまったらしい。

 

 

「うおー!人多いー!」

「そりゃレイドだからな」

「クールぶっちゃってよぉ!お前も楽しみにしてたんだろ?」

「ふぅ・・・」

 

シゼ、ミズキリ、リット、リンカの順でロビーに現れた一行。大はしゃぎのシゼを横目に立つミズキリと、自分も楽しみだ!と、こちらも大はしゃぎのリット。そして兄を無視して緊張を少しでも解そうとする妹のリンカ。さらにその後ろにはリット率いるフォース「テイクイットイージー」のメンバーも揃っている。

 

「大丈夫だよリンカちゃん!うちらも頑張ろ!」

「ソルさん・・・はい!精一杯やります!」

 

メンバーの一人、ザフトの赤服を着用した女性ダイバーである「ソルセレナ」に励まされ気合いを入れ直すリンカ。全員で六人と少ないフォースメンバーの中で紅一点ならぬ紅二点のソルとリンカ。女性同士で仲が良いのだが、ソルはフォースの男性ダイバー一人とリアルにお付き合いしているリア充だったりする。

 

「む・・・」

「女の子同士なんだから大目に見ろって!可愛い嫉妬しちゃってよぉ!」

「別に嫉妬じゃない・・・」

 

そんなソルとリンカの仲睦まじい様子を複雑な表情で眺めていたのは「サダメ」の名でログインしている男性ダイバー。ソルの彼氏にしてフォースのアタッカーである。そんなサダメを茶化しているのは「ジョウチ」。同じくテイクイットイージーのメンバーであり眼鏡が特徴的な射撃支援担当である。

 

「いいねぇ若いってのは。お前ら今のうちに青春しとけよ?」

「くっつくなオッサン」

「発言がもうオッサンなんだよアンタ」

「オッサン言うな!泣くぞ!」

 

オッサンの集中砲火でメンタルが折れかけているのは「ポッシボー」という名の男性ダイバー。ちなみにフォース最年長である為、オッサンという呼び名もあながち間違いではない。

 

「分かったかシゼ。アレが真のオッサンだ」

「なるほど、トゥルーオッサンなんだね」

「おいそこ!聞こえてるぞ!誰が真オッサンだ!二十歳最後の日を呼んでやろうか!」

 

真と書いてチェンジと読みかねないオッサンポッシボーの悲痛なシャウトがロビーの喧騒に解けていく。

 

各々が誰かと、あるいは一人で過ごす中、ついに来る開始時刻。観戦する者を残して参加するダイバーがほぼ一斉に格納庫へと移動していく。挑むのは前情報の無い新たな戦い、一度きりの祭典。

 

 

「クッ・・・フフフハハハ!THE Bi-ne!クロスボーン・ガンダムEX2改!行く!」

「やれやれ・・・ジェーン・ケドゥ、クロスボーン・ガンダムX-1!出る!」

 

「イオリ!無茶はすんなよ!」

「くふっふふふ!・・・あぁすいませんアリムさん。何か仰いましたか?」

「いや・・・別に。アリム!ヤークトゲニーアルケーで行くぜ!」

「ふふっ楽しみだわぁ!イオリ、トリスタンサファイア!出撃します!」

 

「シゼ、相手が相手だ。無理だと思ったら直ぐに下がれよ?」

「ミズキリは心配性だなぁーその内ハゲるよ?」

「心配して損したよ・・・ジンクスⅢ、エントリー!」

「あぁ!先に行かないでよ!シゼもえんとりー!」

 

「全員揃ってのレイドは初だな!皆!気張って行こうぜ!」

「少しボリューム下げて。うるさい」

「ソルは俺が守るから」

「彼氏が頼もしいと気が楽ね~でも、私だってちゃんと戦えるんだからね?」

「くぅ~リア充めぇ!見せ付けてくれちゃって!」

「あぁ・・・俺にもこんな輝いていた時代が・・・」

「リーダーの話聞いて!?そろそろ心折れるよ!?」

 

参加者のほんの一握りを切り取るだけでもここまで個性的な面々が居る。そんな彼ら彼女らが挑む戦いとは───

 

 

 

 

【神罰の雷鳴に花は散る】

木星帝国による「神の雷計画」を察知した。かつてのアロウズが行ったメメントモリと同等、あるいはそれ以上の脅威だ。コロニーレーザーによる地球への直接攻撃という大規模破壊行為を許すわけにはいかない。

 

だが、ここにきて状況が大きく変わってしまった。突如として木星から出現した地球外生命体、通称「ELS」が木星帝国軍と共に進撃を開始したのだ。先発・観測班が命懸けで送ってくれた情報によれば、このELSは有機物・無機物問わず「融合」し、こちらの兵器や情報を模倣するらしい。既に様々な木星帝国のMSに擬態し、有人機と共に着々と侵攻しつつある。

 

さらには木星帝国総統「カリスト」の意思なのかELSと融合したコロニーレーザーも地球圏へと迫りつつある。もはや一刻の猶予も無い。最大戦力をもって木星帝国およびELSを迎撃する。推定戦力比は1万対1……苦戦は必至、絶望的な戦いになるだろう。だがそれでも我々はやらねばならん。

 

諸君らの健闘を祈る。




鋼鉄の防衛戦線 開幕


【テイクイットイージー】
リットがリーダーを務めるフォース。
総勢6名と小規模のフォース。
名前は「気楽に行こうぜ」という意味。エンジョイ勢を自称するリットが名付けた。

【サダメ】
フォースのエースアタッカーにしてソルの彼氏。
劇中やグッズイラストのシン・アスカの私服をその日の気分で着回している。
乗機は「デスティニーインパルス トランセンデンス」
インパルスを改修して戦い抜いたという設定の改造機。
運命を超越するという意味でトランセンデンスと名付けられた。

【ソルセレナ】
髪色の青いルナマリアといったダイバールックの女性ダイバー。サダメの彼女。
乗機は「ブラストインパルス ヘキサベロス」
胸部にビーム砲を内蔵したチェストフライヤーとツインヴェスバーのように4門のケルベロスを装備したヘキサシルエット、砲撃用にフレームを強化したレッグフライヤーで構成されている。
コネクタは通常のインパルスから変えていないため、サダメのデスティニーインパルスとパーツやシルエットの交換も可能。

【ジョウチ】
眼鏡が特徴的な男性メンバー。
茶化しはするが険悪な空気にはしないフォースのムードメーカー。
乗機は「バスターダガーLフォルテストラ」
その名の通りダガーLにバスター風の武装を装備させ、フォルテストラで重装甲化したもの。

【ポッシボー】
オッサン。
最年長なのに一番イジられる。フォースの中では最年長にして一番の実力者だったりもする。
乗機は「ネオストライク ジェットストライカー」
ストライクをネオ専用カラーにペイントし、ジェットストライカーとIWSPのレールガンを追加装備した状態。


ゲスト出演
【青いカンテラ 様】
・イオリ&ガンダムトリスタンサファイア
・フュー(シゼはヒマなんだよの元ネタ)(原案X2愛好家)

【守次 奏 様】
・キョウスケ(FOEさん)
・ユユ
・共闘した少女達(リリカ、ミワ、カエデ)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。