戦争屋と変わった一日
セントラルロビーにて向き合っているダイバー達。何人かはやや不満そうだが、代表して話あっている二人には特にわだかまりは無さそうだ。
「良い所まで追い詰めたと思ったんだがなぁ」
「本当にギリギリだったよ、お陰でこっちの反省点も見つかったし」
「そう言ってくれるとありがたいな、グッドゲームだった」
「ああ、グッドゲーム」
そう、フォース同士のフリーバトルを行い決着後の会話なのだ。不満そうにしているのは負けたからか、自分の思い通りの動きが出来なかったからか。リーダー同士の話が終わり、別れる二つのフォース。勝利したフォースの面々は、軽食が取れるカフェテリアへと向かうが───
「祝勝会はそっちだけでやってくれ、アタシはこれで」
「勝てたのはアンタのお陰なんだ、何か奢らせてくれ」
「教えたのは確かだけど、物にしたのはアンタらだよ。それにキッチリ報酬は貰ったしな」
「・・・なぁ、機体も合ってるしこのまま俺らと」
「悪いな、ソロで傭兵の方が性に合ってんだ。これからも頑張れよー」
軽く手を振りフォースから離れていく少女。
「良いのか?」
「本人がああ言ってるなら仕方ないだろ」
「惜しいなぁ可愛くて強い!俺らのフォースに足りてない貴重な人材じゃん」
「確かに華が無いよな、俺ら」
「女性ダイバーの募集でもするか?」
「それはそれで拗れそうだなぁ」
雑談を始めるメンバー達。パンパンと手を打って注目を集め、会話を切り上げさせるリーダー。
「カフェテリアで祝勝会やったらネストで反省会だ。行くぞ」
「うーい」
「了解」
「分かってるって」
彼等もまた、雑踏の中に紛れていく。
フォースと別れた少女───アリムはベンチに腰掛け空を眺めていた。
(物足りねぇなぁ・・・)
先程のフォース戦は満足のいく戦いだったが、大規模なイベント戦やレイドバトルを好む彼女としては4~5人のフォース同士の戦いは物足りなく感じるのだろう。
(イベントの告知も無いし、レイドも開催日はまだまだ先・・・GHCとAVALONが全面激突とかしないかなぁ)
どこぞの総帥が胃痛に襲われそうな願望を抱くアリム。
「いっそエターナル・ダークネスの邪竜とGHC艦隊の怪獣映画とか・・・」
とうとう口に出てしまっている。アリムはGHCに恨みでもあるのだろうか。推しのカップリングを妄想する乙女のような口振りだが、その対象は片方だけでも大戦争や蹂躙が可能なフォースである。
「でもGHCは人材豊富だし、AVALONもダークネスも精鋭揃いで傭兵を使うイメージ無いんだよなぁ」
いくら妄想し、仮に実現したとしても自分が関われなければ意味が無い。
「ヴァルガでも・・・いや、さっき眼帯野郎居たよな。アイツがヴァルガに来るとなぁ・・・」
今頃ヴァルガでお楽しみ(さようなら!)中だろう。
「あー・・・マジでやる事無いぞ・・・」
足を投げ出し、ぐでーんとなるアリム。一応スカートを履いた女子なのだから気にしてほしい。
「あの」
「んー?」
素直に奢られとけば良かったかと考えていたアリム。そこに話し掛けてくる人物が一人。青い長髪に白いシャツ、チェック柄のスカートを着用し胸元のリボンが目を引く女性。
「アリムさん、でよろしいでしょうか?」
「そうだが?どっかで・・・G-TUBEとかやってる?」
「はい。イオリと申します」
「あぁ・・・あのバトル委員長」
GBNの動画配信サービスであるG-TUBE。その中で自身のバトル動画やミッション攻略の様子を配信する者達をG-TUBERと呼ぶ。アリムに声を掛けた【イオリ】は清楚な雰囲気と物腰、服装から【委員長】と呼ばれている。
「バトル委員長・・・」
「間違ってはないだろ?」
「えぇ・・・まあ、そうですね」
「で?配信中?ピースでもするか?」
ほれ、と右手でピースサインを作り微笑むアリム。
「いえ、今はプライベートです。それはそれとしてスクショしてもよろしいですか?」
「良いぜ?(パシャッ)可愛く撮ってくれってか、もう撮らなかったか?」
清楚なイメージのイオリだが、クオンやナルミといった他のG-TUBERとのコラボ配信では「百合っ気」があるのでは?と言われる程のスキンシップや、素早いスクショの許可取り等の行動からキマシの搭を乱立させる女とも言われている。アリムの容姿や仕草が御眼鏡に叶ったのか、スクショの承諾からノータイムで撮影するイオリ。
「大変素晴らしい画像を頂けました。ありがとうございます」
「お、おう・・・喜んでもらえて何よりだ」
「あぁ悪用はしないと誓いますのでご安心を。あくまで個人的に・・・」
「個人的に何!?ちょっと怖くなってきたぞ!?」
戦っている訳でもないのに恐怖する事になるとは。アリムの中で数多くのG-TUBERの一人から、ちょっと警戒が必要な奴にランクアップ(?)したイオリだった。
「ところでアリムさんは何を?」
「話題転換の鬼かよ・・・特に何も?ヒマでな」
「そこそこ有名な傭兵ダイバーと聞きますが」
「G-TUBERと同じく傭兵も多くいるからな、常に依頼がある訳じゃないのさ」
現に依頼終わりで暇しているのだ。依頼人側にも傭兵が必要になるタイミングがある関係上、どうしても噛み合わない時間が出来てしまう。
「では少しお話しませんか?おいくらでしょう」
「話し相手になるぐらいで金は取らねぇよ」
「ありがとうございます。では・・・そうですね、何故セシアの服を?」
「・・・あー・・・その、あれだ・・・ぃから」
「?」
「可愛いからだ!」
顔を赤くし、ヤケクソ気味に叫ぶアリム。
「可愛い・・・」
そんなアリムの【顔】を見て呟くイオリ。
キマシの搭を建てられ始めてないか?
「何でそんな事聞くんだよ・・・」
「ご気分を害したなら謝罪いたします」
「いい、いいよ。可愛いって褒めてくれたのは嬉しいから・・・」
建てられてるな。
「最近セシア・アウェアの服装をしたダイバーを何人か見たので、お知り合いだったりするのかと」
「あぁアイツらか?想像通りなら知り合いだな」
思い当たるダイバー、もといフォースが一つ。
「多分SAAの連中じゃないか?」
「エスエーエー?」
「セシア・アウェア・アクターズ。所属してる全員がセシアの格好してるフォースだ、最近創設されたらしい」
「そんなフォースが・・・」
「アタシの服はセストのアレンジだから、向こうからスカウトに来たよ。まぁ断ったが」
自身の服の胸元を摘まんで説明するアリム。チラッと鎖骨が見えているのをイオリは見逃さない。GBNは細かい所まで作り込みすぎではなかろうか。胸元を正しながら続けるアリム。
「他には?」
「そうですね・・・戦う事は好きですか?」
「勿論」
即答だった。
「バトルが嫌いなのに傭兵やってる奴なんて居ないんじゃないか?嫌々戦ってたら腕も磨けないし悪循環だろ」
「それもそうですね」
先程の可愛い発言へのちょっとしたお返しを考えているアリム。脈絡なく戦いを提案して困惑させてやろう。
「と言う訳で、戦わない?」
「構いませんよ」
即答だった。(2回目)
イタズラが不発に終わってしまった。
「・・・普通、ちょっと考えない?」
「私もバトルは好きなので」
「話が早くて助かるけどさ・・・まぁいいや、適当にミッション受けるか」
「私とあなたの対戦ではなく?」
「それだと互いが満足するまでに何戦やることになるか分からんだろ?組んでミッションなら、アンタはアタシの動きを見て配信のネタに出来る。アタシは有名人に顔と名前をセールス出来る。win-winの関係ってやつさ」
「自分の動きを見ろ、とは自信がお有りのようで?」
「ハッ!無ければ傭兵なんてやれないだろう?」
「ふふっ、そうですね」
既に戦いのスイッチが、或いはエンジンが掛かりかけている二人。それぞれの目に凶暴な光が宿る。ミッションカウンターを目指して歩く二人。端から見れば女子二人が仲良く連れ立って歩いているだけだが、イオリのファンは見抜いていた。
(イオリン!?スイッチ入ってるなアレ・・・)
▽▲▽▲▽▲
宇宙空間ステージに光が瞬く。暗い宇宙を切り裂いて飛ぶのは二つの【青】。片方はイオリが操る【ガンダムトリスタンサファイア】鮮やかな青に塗装された機体がオレンジ色の機体に猛攻を加える。
「アッハハハ!ほらほらぁ!上手く避けないと!」
誰だこれって?イオリだよ?戦闘中は凶暴なバトルジャンキーに豹変するのだ。こうなると、たとえ格上が相手でも勝利の為には手段を選ばないバーサーカーと化す。攻撃を受けているオレンジの機体、アリオスガンダムは変形して距離を離そうとするが───
「遅い!」
直撃。可変の一瞬の隙を突かれ大破するアリオス。撃破には至らなかったが、反撃が無い状態なら近づくのは容易い。そのままトリスタンが接近しビームサーベルを突き立てる。
「折角耐えたのに残念だったねぇ!クフフッ!」
『アレルヤ!クッ・・・』
刹那と思われるNPDが叫ぶ。二人が受注したミッションは機動戦士ガンダム00 2nd seasonの主人公側ガンダム4機を相手にするミッション。アリオスの操縦者はアレルヤなのだろう。
「こっちにダブルオーライザー・・・じゃあ向こうは」
『その機体・・・紛らわしいんだよテメェ!』
『量産されていたのか!?』
「へぇ~特殊セリフあるんだ」
ケルディムガンダムとセラヴィーガンダムというソレスタルビーイングの射撃担当を相手にする形になったアリム。彼女の機体は青いアルケーガンダムである【ゲニーアルケーガンダム】だった。先代ロックオンと深く関わりのある、2代目ロックオンとティエリアの二人には正に因縁の機体だろう。
『狙い撃つぜぇ!』
『目標を消滅させる!』
「おっと!怖い怖い」
NPDの特殊なセリフを聴けたりするのがGBNの醍醐味の一つだろう。
「そんな弾幕じゃあアタシもブライトも満足出来ねぇぞ!」
度々弾幕の引き合いに出されるブライトさん。ケルディムとセラヴィーの弾幕を踊るように回避しながら進んでいくアリムのアルケー。
(・・・手数が多いな)
分割状態のGNバズーカⅡと4基のGNキャノンにケルディムのGNスナイパーライフルⅡを加えても、この火線の数は少し多い。その姿を視界に捉えて納得する。
「ゴテゴテかよ」
【GNHW】と呼ばれる武装強化形態。ケルディムはGNビームピストルⅡの数が増加し、新たにライフルビットも装備。セラヴィーはGNコンデンサーとGNキャノンを追加装備し火力と防御力が上昇している。火線が多かったのはこの追加武装のせいだろう。
「それでも当たらないけどなぁ!」
回避しつつセラヴィーに機体を向けるアリム。ケルディムの各ビットによる多角的な攻撃も厄介だが、背後からいきなり極太ビームを撃たれたら堪ったもんじゃない。何よりセラヴィーの方が足が遅い。GNHW装備でバーニアが追加されているが、アリムからすればほぼ誤差の範囲だ。
「そらそらぁ!」
右腕にマウント状態のGNバスターソードからビームを連射しつつ接近していく。
『ライフルビット!』
セラヴィーに攻撃が向いた瞬間、ケルディムから援護が飛んでくる。シールドビットを使ってこないのは自衛の為に残しているからだろうか。
「鬱陶しいんだよっとぉ!」
爪先に仕込まれたビームサーベルを発振しビットの一つを切り裂いて破壊する。セラヴィーからの砲撃を機体を捻って回避し、その体勢のままバスターソードライフルから一射。ビットをもう一基破壊する。
「どうしたどうしたぁ?ソレスタル何たらぁ!」
アリー・アル・サーシェス大好きな傭兵ダイバーなら言ってみたいセリフだろう。セラヴィーに接近し、オマケとばかりにもう一つ。
「やっぱ戦争は白兵でないとさぁ!」
ライフルの銃口を閉じバスターソードとして握ったそれをセラヴィーに大上段から振り下ろす。が、突如として展開された緑色の障壁に阻まれる。GNフィールドだ。
「チッ」
バスターソードといえど一瞬でフィールドを破壊できる程の威力はさすがに無い。さらにはGNHWによりフィールドも強化されているのだ。舌打ちと共に距離を離す。
「委員長さんよぉ、ちょっと援護───」
『アッハハハ!その程度なのぉ?』
「出来そうにないな・・・」
ダブルオーライザーを自慢の機動性と豊富な武装で追い詰めていくトリスタンサファイア。よく見るとダブルオーの左腕の肘から先が無い。さすがはバトル委員長。
「しゃあねぇ、使うか」
そんな呟きと共にサイドスカートを展開するアルケー。そこから飛び出したのはGNファング、ではなく。
「たらふく食いな!」
GNミサイルだった。再びGNフィールドを展開し防御しようとするセラヴィーだが、ミサイルには攻撃力は無かった。【チャフスモーク】レーダーを阻害しつつ白煙で視界も奪うそれが次々に起爆し、一帯が煙に包まれる。
スモークから抜ける軌道を取りつつ、フィールドで防御するセラヴィー。その背後に───
「がら空きだぁ!」
バスターソードを突きのモーションで構えるアルケーが回り込んでいた。フィールドにバスターソードを突き立て、徐々に押し込んでいく。セラヴィーもフェイスバーストを起動するが、一手間に合わず。背中のガンダムフェイスの左頬、粒子放出口にバスターソードの先端が届いてしまった。上部のGNキャノンをアルケーに向け発射するも、それすら回避するアリム。そのままバスターソードをセラヴィーまで押し込み、バックパックを縫い付ける。これでセラフィムの分離も封じた。そして展開可能時間の限界が来たのか、ダメージによる物かGNフィールドが消失する。
「逝っちまいな!」
左脚のビームサーベルをセラヴィーの左脇腹から突き入れ、左手でセラフィムの胸部を掴み手首に仕込んでいた武装を起動する。【GNビームバンカー】ゲニーアルケーの両手首に仕込まれた武装。グレイズ・アインのパイルバンカーを参考に製作されたそれは、ナイフ程度の長さの高出力ビームを瞬間的に展開し敵を刺し貫くという初見殺しの物。セラフィムにも致命傷を与えられ、爆散するセラヴィー。そういえば途中からケルディムからの援護が極端に減ったが───
『ティエリア!』
『よそ見してる暇がぁ!あるのかなぁ!』
さすがはバトル委員長。さすいん。ヴェスバーとグレネードランチャーでダブルオーを牽制しつつケルディムに接近戦を仕掛けている。このままケルディムの相手を任せて良さそうだ。
『ロックオン!』
「お前はアタシと遊んでもらうぞ!」
ダブルオーに斬り掛かるアルケー。自機の色は違うものの、この対戦カードに心が躍っていた。
「スナイパーには!ちょっと恨みがあるのよねぇ!」
何処かでフードを被ったダイバーが悪寒を感じる発言と共に、ケルディムを墜としに掛かるイオリ。対してケルディムはスナイパーライフルを折り畳み、右肩にマウント。GNビームピストルⅡを両手に保持し、トリスタンから距離を取ろうとしていた。
『シールドビット!』
残していたシールドビットを展開し、アリムのアルケーに飛ばしていたライフルビットも呼び戻してトリスタンを迎撃するケルディム。イオリが取った行動は突撃だった。ユニコーンの物をそのまま流用し、Iフィールドでビームを弾く事が出来る盾。それを正面に構えケルディムとの距離を詰める。正面からの攻撃はシールドで弾き、側面に回り込んだビットのビームは機体の耐ビームコーティングで耐える。そして───
「貰ったぁ!」
右手に持ったビームサーベルを突き出すトリスタン。コックピット判定確実のコース・・・の筈だった。
「なっ!?」
目の前に居たケルディムが消えた。そして機体側面にダメージ。
「そんな動きまでやるのか・・・!」
00の原作にてガデッサとの戦闘で見せた1秒間のトランザムによる回避と反撃。さらに今はまだ粒子が尽きかけている状態ではない為、ケルディムのトランザムは継続中である。コーティングのお陰で致命傷ではないものの超至近距離からの連射だった為、そこそこダメージを入れられてしまった。
「いいわ・・・とことん付き合ってあげる!」
トリスタンサファイアのデュアルアイが赤く染まり、スラスターの出力が上昇し赤熱化する。機体のリミッターを外す【HADES】システムを起動したのだ。
「さぁ・・・行くわよ!」
「委員長さんも本気で墜としにいったか・・・なら」
「『トランザム!』」
アルケーのトランザムとほぼ同時にダブルオーライザーもトランザムを発動。偶然のタイミングだったが、これはこれで熱い展開だろう。加速した先で激突する二機によってGNバスターソードとGNソードⅢが火花を散らす。鍔迫り合いを制したアルケーのバスターソードがトランザムライザーに迫るが───
「まぁやってくるよな」
バスターソードが触れた箇所から砂のように消えていくトランザムライザー。【量子化】の特殊能力だ。再び機体が形成されるまでダメージが与えられないが、向こうも手出し出来ない。
「その間にちょっとした援護が出来るんだよなぁ!」
アリムが作り上げた四つの愛機の一つ、モンテーロの改造機と、サーシェスと同じく元ネタとして愛するキャラクターであるクリム・ニックの力も借りて。
「バスターソードはァ!こう使う!」
背後に向けて、振り向きながらバスターソードを投擲する。その先には───ケルディムガンダム。咄嗟にシールドビットを数基防御に回すが、HADESを起動させたイオリを前にして防御の手札を減らすのは悪手だった。薄くなった防御をすり抜けてケルディムに肉薄するトリスタンサファイア。ダメ押しとばかりに両肩のミサイルポッドも一斉射撃。迎撃が追い付かないケルディムに接近し左腕をサーベルで斬り飛ばす。体勢を崩したケルディムの頭部を左手で鷲掴みにするトリスタンサファイア。
「今度は逃がさない・・・」
病んだ女性のような、ねっとりとした声音で死刑宣告を行うイオリ。胸部にビームサーベルを突き立てられたケルディムのデュアルアイから光が消える。
『ロックオン!』
「後はお前だけだ!」
脚部のビームサーベルと、トランザムの出力上昇によってサーベルとして展開可能になったビームバンカーの四刀流でトランザムライザーを追い詰めるアリム。そこにバスターソードを拾ってきたイオリも合流する。
『ちょっと借りるわねぇ!』
「へっ、好きに使いな」
2対1ではさすがに厳しいのか、徐々に劣勢となっていくトランザムライザー。そして───
『これで・・・墜ちろぉぉぉぉぉ!』
「ちょいさぁ!」
トリスタンサファイアが持ったバスターソードと、ゲニーアルケーのサーベルバンカーがトランザムライザーの胸部を貫く。
『俺達の・・・未来は・・・!』
NPD刹那の言葉と共に爆散するダブルオーライザー。
『綺麗ねぇGN粒子は・・・』
「言われちまったよ・・・」
最後は少し締まらなかった。
▲▽▲▽▲▽
「あぁ~大・満・足!」
「私も少し興奮してしまいました」
少しとは。
「戦争イベとかレイドも良いけど、たまにはタイマンも良いなぁ」
「量子化やトランザムカウンターも使ってくるとは思いませんでした。このミッションのランクって・・・」
「受注可能はCから、推奨はB以上だな」
「通りで・・・」
フォースでの挑戦や必殺技の習得が前提のランクである。今回の二人は上手く分断できたから良いものの、主人公側のガンダム四機が同時に出現する上に、GNHWで強化されているのだ。無論手強いに決まっている。
「条件は知らんが、エクストラもあるみたいだぞ?」
「そうなんですか?ならまた挑戦しないと」
「配信でエクストラチャレンジか?それなら是非とも視聴したいね」
ニヒヒ、と笑うアリム。そんな彼女の手を取り、真剣な表情で向き合うイオリ。
「もう一度、あなたと一緒にです」
「・・・ふぇ?」
顔が赤くなっていくアリム。
「なんか・・・悔しいじゃないですか。次は完璧に攻略してやりましょう、私達二人で」
「・・・」
今まで傭兵として様々なダイバーと関わってきたが、ここまで物理的にも心理的にも距離を詰めてくる者は居なかった。依頼人と雇われの関係しか知らず、【友達】が居なかったのだ。だからこういう場合どうすれば良いのか分からない。
「アリムさん?」
「へ!?あぁあの!えぇっと!」
真っ赤になって大慌てするアリム。かなりレアな光景である。
「ま、ままっまずは!お友達からおにぇがいしまっしゅ!」
噛んだ。それはもうメチャクチャに。
「・・・ふっ、くふっふふっ」
そんなアリムを見て堪えきれず吹き出してしまうイオリ。
「笑うなぁ!」
「ご、ごめんなさい。そうですね、まずはフレンドからですね・・・ふふっ」
「わーらーうーなー!」
この日【傭兵アリム】に初めての【友達】が出来た。
そして【戦う】ではなく、【遊ぶ】相手が出来た。
イオリがアリムの隠す傷に触れる日が来るかは・・・
まだ誰も知らない。
「そういやアタシの動き見てた?」
「正直、あまり見てないですね」
「でしょうねー・・・」
「でも顔と名前は覚えましたよ?私の友達のアリムさん?」
「むぅ・・・」
「ふふっ」
(チャンネル登録もしておくか・・・)
そろそろ百合ィ…成分を自給自足したかった。
等と供述しており。
そもそもキャラ借りてて自給自足って言えるのか。
【アリム】
傭兵として活動するダイバー。一人称は「アタシ」
赤みがかった銀髪を肩まで伸ばしている。
吊り目の勝ち気な少女。
セシア・アウェア・セストの服をアレンジした服装。
サーシェスとクリムが大好きな女の子。
隙あらばぎっちょん、ちょいさぁ、こう使う等のセリフを混ぜてくる。
自称「戦争の天才」。
今回は青く塗装し、ファングコンテナをミサイルコンテナに変更した「ゲニーアルケーガンダム」を使用した。
他にはイナクト、モンテーロ、ダハックの改造機を製作、所持している。
イオリと友達になれた。
【イオリ】(出典 青いカンテラ様)
その清楚な物腰と雰囲気、服装から委員長と呼ばれるG-TUBERの女性。真面目で優しい印象を相手に抱かせるがバトルになると荒々しい狂戦士と化す。
普段とバトル中のギャップがイイ!として人気。
乗機は「ガンダムトリスタンサファイア」
ビーム耐性と高機動、豊富な武装で相手を追い詰める。
アリムの初めての友達。
【クオン】(出典 青いカンテラ様)
終末を呼ぶ竜の端末を名乗る少女。
フォース「エターナル・ダークネス」のリーダーでもある。
ヴァルガの民をスナック感覚で消し飛ばすランカーの一人。
【GHC】(出典 笑う男様)
正式名称「グローリー・ホークス・カンパニー」
イベントへの出店から会場の警備、果ては大戦争イベントの主導まで行う超巨大なフォースの連合体。
所属人数も桁違いで、物量だけならAVALONも凌駕する。
現実にも同名の企業連合体があり、纏める総帥もGBNとリアルで同一人物。
掲示板等ではキマシの塔の建設費用が勝手に捻出されていたりする。
ちなみに総帥はイオリとの戦闘経験があったりする。
【ナルミ】(出典 アルキメです。様)
白衣を纏った狐耳ツインテジト目ロリという属性盛り合わせのダイバー。
GBN運営公式のG-TUBERでもある。
イオリとのコラボ配信では狐耳を触られてエッ!な声を出した。イオリと絡む度にふにゃふにゃにされるのがお約束。
【SAA(セシア・アウェア・アクターズ)】
所属しているダイバーが全員セシアの衣裳を着用しているフォース。
セシアの服ならアレンジも許されており、セストの服をアレンジしているアリムにもスカウトが来たらしい。
中にはプリモの衣裳を纏った少年ダイバーも所属しているらしく「SAAはセシアと性癖のデパート」と言われる程。
余談だが、THE Bi-neがヴァルガで遭遇したゼノンエクセリアのダイバーもこのフォース所属。
ミッション【革新の天使を討て】
参加可能ランク C 推奨ランクB以上という公式ミッション。
GNソードⅢを装備したダブルオーライザーとGNHWを追加したケルディム、アリオス、セラヴィーを撃破するのが目的。
ダブルオーはトランザム中の量子化、ケルディムはトランザムカウンターを行う等なかなかの難易度を誇る。
ちなみにエクストラの条件は、四機のガンダムを撃破する前に「太陽炉を破壊する」こと。ただ撃破するだけでは達成出来ない条件となっている。
条件を満たすとソレスタルビーイング側ガンダムの全滅後にリボーンズガンダム(リボンズ)、ガデッサ(リヴァイブ)、ガラッゾ(ヒリング)が出現し連戦となる。
『太陽炉まで壊すとは・・・余計な事をしてくれたね』