GBN:ダイバーズコンピレーション   作:X2愛好家

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GBNだからってペタペタ触るのは止めてください!


戦争屋とセシア

「マジでセシアしか居ねぇ・・・胸焼けしそうだ」

「胸焼けなんて・・・酷いですアリムさん」

「出迎えもセシア!このラウンジにたどり着くまでの通路にもセシア!ラウンジ入っても待ってるのはセシア!無機物かセシアしかねぇのこのフォースネスト!?常に竹○ボイスASMR状態ってどういう事だよ!?」

「目も耳も幸せでしょう?」

「そんなんだからセシアの闇鍋とか性癖デパートとか言われんじゃねぇの・・・?」

 

報酬を受け取り、フォースに加勢したり情報を持ち帰ったりする傭兵ダイバー。そんな傭兵の一人として活動しているアリムは、今回の依頼主の元へと到着して早々に頭痛と胸焼けを感じていた。依頼主の名は【セレナ・ノーノ】。フォース【セシア・アウェア・アクターズ】のまとめ役にして凄まじいまでの姉力を持つ女性ダイバーである。姉力とは。

 

「はぁ・・・で?フォースネストにまで呼び出して依頼───」

「貴女が元セスト枠・・・」

「うおわぁ!ビックリしたぁ・・・」

 

本題を切り出そうとしたアリムの背後に回り込んでいたのはラウンジで待っていたセシアこと【セシースト・セスト】。【セシア・アウェア・セスト】を基にしたダイバールックの少女である。

 

「元セスト・・・あぁスカウトの話?」

「そう、SAAに入ってから貴女の話を聞いた・・・私の前にセスト枠としてスカウトしようとしたって。まぁ最近は別の話題で注目してるけど・・・」

「別?優秀な傭兵ってか?嬉しい事言ってくれるねぇ」

 

冗談めかして自身の宣伝をするアリム。だがセシーストは不気味に笑い、アリムにとって衝撃的な言葉を口にする。

 

「イオ×アリご馳走さま・・・ウフフ・・・」

「はぁっ!?バッ、バカ!イオリとは・・・その・・・友達!友達だから!そんな関係じゃないから!」

「イオリさんとは明言してないのに・・・フフッ」

 

偶然の出会いから知り合い、ミッションで共闘した委員長こと【イオリ】。互いにフレンド登録し、メッセージのやり取りもするようになった間柄であり、アリムのはじめての友達。そんなイオリをカップリングに使われた事への若干の怒りと、自身とイオリが「そういう風に」見られている事への羞恥から、顔を真っ赤にして黙ってしまうアリム。

 

「まずはお友達から・・・まずは・・・つまり将来的には・・・クフッ!捗るわぁ・・・」

 

───ブチッ

何かが切れる音がした。具体的にはアリムから。盛大に噛んだお友達宣言まで知られており、羞恥を怒りが上回ったのだった。そして、ただ暴力を振るうだけではないのがこのアリムという女である。相手と同じ土俵で戦って勝利する事が、何よりの意趣返しになるという事を知っているのである。

 

「セシーストさん?アリムさんに失礼で──」

「いやいや、構わないさ。イオリとの仲を深めたいのは本当だからな」

「そろそろ告白でも?クフッフフフ・・・」

 

作った笑顔を顔に張り付けながら、セレナの言葉を遮るアリム。そのままセシーストとの話を続ける。

 

「依頼前に緊張をほぐす雑談でもしようじゃないか。セシーストさんだっけ?アンタ自分でもそういう本とか書いたりすんの?」

「えっ?ま、まぁイラストくらいは」

「なるほどねぇ?ネタは見たり聞いたりした事だけ?」

 

話しながらセシーストとの距離を詰めていくアリム。セシーストも不穏な空気を感じたのか、少しづつ後退りアリムとの距離を取ろうとするが、背後にあった丸テーブルに腰をぶつけてしまう。

 

「あっ・・・」

「ほいっと」

 

セシーストの注意がテーブルに向いた一瞬で踏み込み、右手で彼女の左手首を掴んでそのままテーブルの上に押し倒す。自分の左手はセシーストの顔の横に置き、いわゆる床ドン状態である。床ではなくテーブルだが。

 

「えっ、あ、その」

「たまには自分自身の体験もネタにしないとさ?どうする?体験、しちゃう?」

 

つい先程までの張り付けた胡散臭い笑顔とは違い、妖艶な笑みを浮かべてセシーストに問い掛けるアリム。そういう知識に疎い訳ではないのだ。

 

「うぇ、あ・・・」

「なーんてな?ほれみろ、人は予想外の展開になると言葉が出てこないし、噛むの。よってあの時のアタシを弄る権利は誰にも無い!」

 

パッと飛び退き、いつもの調子に戻るアリム。その表情は反撃に成功した事を喜ぶ悪い笑みだったが。

 

「うふふ・・・アリムさん?あまりイジメないであげてくださいませ。今のはセシーストさんの自業自得でしたけど」

 

そう言うセレナの顔も若干赤いが。

 

「にしても、今の行動で倫理コードに引っ掛からないんですね?女性同士だからかしら?」

「それもあるが、行動としては手首に触れただけだからな。たまたま同じ場所に倒れて、たまたま距離が近かっただけさ」

「倫理コードの穴を突くなんて・・・やはりそういう気があるのかしら?」

 

イタズラっぽく微笑みながらわざとらしく自分の身体を抱き寄せるセレナ。セシアの中でもトップクラスの胸部装甲が強調されている。

 

「ちげーよ、そういうのに疎い・・・ってか、やりかねない同業者が居るんでね。目の前でそういう奴に買われても寝覚め悪いし、多少は詳しくなるさ」

 

アリムの脳裏に浮かんでいるのは人形のような、むしろ人形そのものと言っても過言ではない傭兵ダイバー。有望な競合相手を調べていた時に見付けた女性。今はまだ依頼者が少ない上にリピーターもほぼ皆無、いても一線を弁えている者しか居ないが、こういうオンラインゲームには必ずといっていい程に質の悪い者が居る。何度か共闘したり敵対したり、顔を合わせて世間話する程度の知り合いではあるのだ。多少は気にかけておきたいというのがアリムの考えである。もっとも、その者の受け答えは機械的かつ事務的であり、会話した気にはならないが。

 

「意外とお人好しなんですね?」

「同業者のよしみだ。競争相手が脱落するなら良いけど、後味が悪いのはちょっとな」

「うふふ」

 

セレナから視線を外すアリム。セレナはアリムがどういうタイプなのか少しずつ理解していた。そんな中テーブルに押し倒されたセシーストがやっと起き上がってきた。

 

「セシーストさん?妄想は個人の自由ですが、今後は本人の目の前での発言には注意する事、よろしいですね?」

「まぁ人をからかった罰だ、甘んじて受けな」

「・・・」

 

テーブルに腰かけたままボーッとしているセシースト。顔は赤く、目は虚ろだった。

 

「セシーストさん?」

「おーい、大丈夫か?」

「ふへ・・・えへへ・・・これが床ドン・・・私×アリム・・・?実際に体験するの良いな・・・これは今後が捗るぅ・・・」

 

新たな扉を開いた訳ではないが、既に開かれていた扉をさらにこじ開けてしまったらしい。セレナは珍しく苦笑いし、アリムはやっちまったと言わんばかりに天を仰いでいた。既に宇宙だけど。

 

 

 

「あー・・・元を辿ればアタシが原因だよな・・・」

「え、えぇと、彼女は時々あんな感じになるので大丈夫ですよ・・・」

「そうか・・・分かった、依頼について聞かせてもらえるか?」

 

トリップから戻ってこないセシーストを放置し、依頼の話に移るアリム。仕事をキッチリこなしてみせる為にも依頼主との打ち合わせは重要だ。切り替えるべき時はしっかりと仕事モードに切り替えるのがアリムという傭兵なのだ。たとえ打ち合わせの直前に、自身の行動が原因で変な扉をこじ開けてしまったとしても。

 

「ふぅ・・・では依頼についてお話しします。端的に言えば我々SAAと戦ってほしいのです」

「アンタらと?」

 

セレナからの依頼内容はバトルの申し込みだった。フォースを結成し、同好の士で楽しく過ごすのも良いが、ここはGBN。自分で作り上げたガンプラを操り戦う事も醍醐味の一つなのだ。

 

「それに、話題になれば新たなメンバーも加入してくれるかもしれないですし」

「ようはPRの為に踏み台になれと」

「いえいえ!そうではなくて、私達自身の実力を確かめたいのです。そういう依頼なら忌憚の無い意見を聞かせてもらえそうですし、アリムさんは教導依頼もこなした事があるとの情報もあるので」

「あぁなるほどね。さっき話した同業者じゃないけど、報酬さえ支払ってくれるなら基本的に何でもやるさ」

 

引き受ける方向で決まったらしい。スケジュール合わせもある為、今日と明日の二日間で戦い、三日目に総括という日程になった。ちなみに「何でもやる」という発言にセシーストが反応していたが、さすがに付き合いきれないのかアリムは見なかった事にしていた。

 

「今日の相手はアンタと・・・アレと、通路で見掛けた連中?」

「いえ、フォース戦の時に出るメンバーとの戦闘をお願いしたくて。そろそろ二人、ログインしてくる筈なのでもう少しお待ちくださいますか?」

「あいよ。まぁどうせセシアなんだろうけどな・・・」

 

通路で見掛けたセシアルックのダイバーを思い出し、胸焼けが再発しかけるアリム。そこへ、ラウンジの扉が開き二人のダイバーが・・・もとい二人のセシアが入ってくる。

 

「すみませぇん!遅れちゃいましたぁ!」

「気がついたら予定の時間・・・時の流れとは残酷だね」

「セシーアさん、ウェアさん少し遅刻ですよ?」

 

ラウンジへ入ってきたのは二人のセシア。

マーズカラーの黒基調に変更している以外は、レオス・アロイ担当のベーシックセシアと同一の【セシーア・リア】と、セレナと同じく【ノーノ】をベースにしたタイプの身体と顔立ちに、騎士の礼服のようなカスタマイズがされたホロアクター衣裳を纏った【ウェア・ナインツ】。ちなみに入室と同時に謝罪したのがセシーアであり、悪びれる様子が無いのがウェアである。

 

「また濃いのが来た・・・」

 

それはそれとして胸焼けを感じているのがアリムである。

 

 

 

顔合わせも済んだ所で早速バトルになり、アリム一人VSフォース戦のスタメン二人ずつという形になった。ちなみにアリムを除きバトルする者、観戦する者、メンバーを応援する者全員セシアである。

 

『それでは、アリムさん準備はよろしいですか?』

「アタシはいつでもオッケーだ」

『では、一戦目 アリム対セシーア、ウェアコンビ・・・開始!』

 

「うっし!行くぜぇ!」

今回アリムが使用しているのは【Gのレコンギスタ】に登場した機体であり、アリムが好きなキャラの一人である【クリム・ニック】の乗機だった【ダハック】のリペイント機【クリークダハック】である。

 

遮蔽物の無い宇宙空間ステージを飛び、SAAの二人との距離を縮めるアリムとダハック。そこに───

 

「おっとぉ!危ない危ない、スナイパーか?」

 

ダハックの頭部を狙った細いビームが飛んでくる。言葉とは裏腹に危なげなく回避するアリムだが。

 

 

 

「えぇ!?完璧なタイミングだったのに!」

『戦争の天才はただの自称じゃないという事だね、僕が前に出るからセシーアは援護を』

「は、はいっ!」

そんなやり取りをしたのはセシーアとウェアのコンビ。

 

typeレオスのエクリプス・フェースが極限進化した状態の装備を追加し、それに合わせて各パーツを調整した【エクリプス・エクセリア】を操るセシーア。

typeイクスのエクストリームガンダムにF90のミッションパックからGとKの装備を纏い、脚部にゼノン・フェースのブーストユニットを取り付けた、騎士のような姿の【エクストリームガンダム ナイト・フェース】を操るウェアの二人がアリムの相手だった。

 

 

 

「役割分担は出来てる訳だ」

『僕と踊ってもらうよ!彼女の演奏もあるけどね!』

「ハッ!上等だ!」

 

ダハックのビームを左肩のIフィールドで弾くナイト。

ナイトのビームを左手のビームシールドで防ぐダハック。

互いの距離が縮まっていき───

 

『ヤァッ!』

 

ソード形態のマルチプル・ビーム・ウェポンを大上段から振り下ろすナイト。上下には避けづらく、左右に避ければ後方のエクリプスが撃ち抜く算段だが・・・

 

「プランダーはこう使うってね!」

『なっ!?』

 

白刃取りの亜種だろうか。エネルギーを吸収するプランダーをビームの刃に向けて無力化し、実体部分はそのままマニュピレーターで受け止める。驚愕するウェアに対してアリムはさらに仕掛けた。

 

「そらよ!」

『くっ!』

 

四本のサブアーム全てからビームサーベルを発振しナイトを仕留めにかかる。ウェアも咄嗟にナイトの左手に保持させていたメガ・ビーム・シールドを横に倒した状態で展開し、なんとか防ぐ。

 

「へぇ?反射神経は良いほうっぶねぇ!」

『何でこれも当たらないの!?』

 

ナイトの後方から側面にポジションを移し、狙撃を行ったエクセリアだったが、ナイトの剣から左手を離し、向けられたプランダーでビームを防御・吸収されてしまった。ナイトに蹴りを入れ、距離を空けるダハック。そのコックピットの中でアリムは笑っていた。

 

「射撃は狙いも威力も悪くない、騎士の方はもう少し斬り合ってみるか・・・良いね良いねぇ!当初の予定より楽しめそうだ!」

 

完全に戦争屋モードのスイッチが入りながらも、依頼通りに実力を見極める事を忘れていないアリム。しかも、まだこの後に同じレベルの相手が控えているのだ。アリムの興奮は早くも最高潮に達しかけていた。

 

「アンタらの流儀に合わせてこう言おうか・・・さぁ!極限の戦争を楽しもうぜぇ!」

 

 

戦いは始まったばかりである。




だから他の作者様のキャラと百合百合するなと……

【クリークダハック】
アリムの乗機の一つ。
赤く塗装したダハックであり武装の追加等はしていない。

【セシーア・リア】
SAAのリーダー。
セシア・アウェアをマーズカラーに変更したような見た目。
弱気な性格だが射撃の腕はSAAトップにして、上位ランカーとも撃ち合える程。反面、格闘戦はかなり苦手。護衛の付くフォース戦か、相手の接近を許さない立ち回りが出来ればかなりの実力者だが、ミラージュコロイドステルスの敵機に気付かずあっさり撃墜された事もある。

【エクリプス・エクセリア】
セシーアの乗機。
各部を調整したエクセリアに極限エクリプスの装備を追加している。エクリプスパーツは何処で入手したのか、とある過去のガンダムゲームの特典だったアニバーサリーカラー。

【ウェア・ナインツ】
SAAのメンバー。
後述のセレナと同じノーノベースの女性ダイバーだが、顔立ちはやや中性的になり、髪は肩に掛からない程度の長さ。
服装はセシアのホロアクター衣裳を騎士礼服のようにカスタムした物。イメージとしてはGジェネのオリジナルキャラクター「エルフリーデ・シュルツ」のノーノ風と言った所。
一人称は「僕」、親しい者は名前で呼び、それ以外は「君」
同性愛者であり、SAAには自らを売り込んで所属した経緯がある。
SAAの騎士であり、自身の姿や機体にも反映させている。

【エクストリームガンダム ナイトフェース】
ウェアの乗機。
エクストリームガンダムtypeイクスにF90のミッションパックGタイプとKタイプの装備を纏わせたミキシング機体。
マルチプル・ビーム・ウェポンを右手に持ち、右肩はそのラック。左手にはメガ・ビーム・シールド、左肩にはIフィールドユニットと腰部にシールド用のジェネレーターユニットを装備し、脚部にはゼノンフェースのブーストユニットを装備している。
カラーリングはtypeイクスに合わせて全体的に青。

【セレナ・ノーノ】(出典 ミストラル0様)
SAAのまとめ役にしてサブリーダー。
ダイバールックはセシア・アウェア・ノーノが基。
今回のアリムへの依頼も彼女の提案。

【セシースト・セスト】(出典 ミストラル0様)
SAAのメンバー。
ダイバールックはセシア・アウェア・セストが基。
リアルは服飾デザイナー志望の専門学生であり、デザインやイラストへの造詣が深い。
かなりの腐女子。ノーマル、百合、薔薇何でも来いというオールラウンド腐女子。良いカップリング対象を見付けるとゼロシステムやヴェーダも驚愕のスピードで妄想補完するヤベー娘。
アリムとの一件で、しばらく百合方面にハマっていた。
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