鬼滅の刃 清めの音(ね)を持つ鬼   作:レイファルクス

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第12話

 

 

母鬼を倒した炭治郎は伊之助と合流を図るべく、彼の下へ駆け出した。到着すると伊之助は響鬼たちに治療を渋々といった感じで施されていた。

 

 

炭治郎は母鬼からの情報である十二鬼月がいることを伝えると、響鬼たちは三組に別れて探索を開始した。

 

 

一組目は炭治郎(+禰豆子)、響鬼の打楽器組。

 

 

二組目は伊之助、玄弥、風鬼の管楽器組+@。

 

 

三組目は善逸、雷鬼の弦楽器組。

 

 

の師弟コンビ+@の組み合わせとなった。

 

 

弦楽器組は雷鬼を先頭にどんどん山奥へ進んでいた。善逸は案の定雷鬼に引き摺られており、顔や手に引っ掻き傷を負っていた。

 

 

しかも引き摺られている最中、何かに刺された感触までした。そして茂みを抜けると、広い場所に出た。雷鬼はふと上を見上げると、廃屋が蜘蛛の糸でぶら下がっており、その側には幾人もの人が吊られており、雷鬼はびっくりしていた。

 

 

吊られた人の格好は様々で、中には鬼殺隊の人もいた。けど、雷鬼が最も驚いていたのは、人の手足が蜘蛛の脚のような形状になっており、肌も斑模様が浮かび上がっていたからだった。

 

 

「おいおい、何だよこりゃ…」

 

 

雷鬼は掴んでいた善逸の襟を放し、善逸は四つん這いで逃げようとするが、茂みが揺れ、そこから現れたのは、頭髪がごっそり抜け落ちた人間の顔が付いていた蜘蛛だった。

 

 

そして廃屋の戸が開き、そこから現れたのは、蜘蛛の身体をした塁の兄鬼だった。

 

 

「ありゃあさしずめ、人面蜘蛛ならぬ鬼面蜘蛛(きめんぐも)ってところか」

 

 

雷鬼がぽつりと独り言を漏らすと

 

 

「くふっお前、強そうだな。引き摺られていた奴とは大違いだ。けど、あいつは弱い。何故なら、あいつはもう負けている(・・・・・・・)

 

 

雷鬼は善逸の方を振り向くと、善逸の左手が異様な形に歪んでいた。

 

 

()だよ。咬まれたろ❓蜘蛛に。お前も蜘蛛になる毒だ。四半刻(30分)後には俺の奴隷となって地を這うんだ……くふっくふふふっ」

 

 

善逸は足下にいる人面蜘蛛を見て自分もこうなると思った瞬間、甲高い汚い叫び声を上げ、木の上によじ登った。

 

 

「くふっお前もあいつと同じにしてやるよ。やれ❗」

 

 

兄鬼は奴隷の蜘蛛に指令を出し、雷鬼に襲い掛からせた。だが、雷鬼は雷のような身のこなしで奴隷蜘蛛の攻撃を避けた。

 

 

「蜘蛛になる毒はお前の身体から生成された物だろ❓だったら、お前を倒せば善逸は助かる訳だ」

 

 

雷鬼はそう言って自身の右手首にある変身鬼弦(へんしんきげん) 音枷(おんか)の鎖を引っ張り、収納されている三本の弦を出し左手の指で掻き鳴らした。

 

 

すると弦から波紋が拡がり、自身の額に近づける。すると、額に鬼の紋様が浮かび上がり、右腕を高く上げた瞬間に雷が落雷した。

 

 

雷は雷鬼の表面に帯電し、

 

 

「ウオォォォ…、セイヤァ❗」

 

 

高く上げた右腕を横に勢いよく振ると、雷鬼の身体が人間では無く、『鬼』の姿になっていた。(イメージは仮面ライダー斬鬼そのままです。)

 

 

雷鬼は背中に背負っていた音撃弦(おんげきげん) 烈雷(れつらい)を引き抜き、兄鬼へ駆け出した。

 

 

『血鬼術 斑毒痰(ふどくたん)

 

 

兄鬼は触れた物全てを溶かす毒を口から吹き掛けるが、雷鬼は身体を捻って回避。再び駆け出すが、今度は奴隷蜘蛛が襲い掛かり、またもや回避せざるを得なかった。

 

 

その頃善逸は雷鬼が変身する時に落とした雷の雷鳴で気絶していた。だが、これも雷鬼の作戦の内の一つでもあった。善逸は気を失うと矢鱈と強くなるのだ。それを知っていた雷鬼は"敢えて善逸のいる木の下で"変身したのだ。

 

 

『雷の呼吸 壱ノ型 霹靂一閃』

 

 

気を失った善逸は己の持つ『一つだけ』の技で兄鬼の頚を斬ろうとするが、兄鬼は尻から出している糸を引っ込めて廃屋の中へと逃げ、難を逃れた。

 

 

地面に着地した善逸は再び型を取り、

 

 

『雷の呼吸 壱ノ型 霹靂一閃 六連』

 

 

六連続の踏み込みを使った型で兄鬼の糸を斬った。地面に仰向けで叩き落とされた兄鬼の腹に雷鬼が烈雷を突き刺し、腰に付いていた音撃震(おんげきしん) 斬撤(ざんてつ)を取り付け、

 

 

音撃斬(おんげきざん) 雷電激震(らいでんげきしん)❗」

 

 

斬撤の弦を一回鳴らす。すると兄鬼の体内に清めの音が流れ込み、身体が爆散した。兄鬼を倒した雷鬼と善逸は疲れの性かその場に寝転がった。それを廃屋の上から胡蝶しのぶが見下ろしていた。

 

 

雷鬼たちが兄鬼を倒した頃、風鬼と玄弥、伊之助の三名は山の中腹辺りにある小川で小休止していた。風鬼たちは落雷のような音と爆発音を聞き、伊之助はびっくりしているが、風鬼と玄弥は音の発信源に心当たりがあった。

 

 

「今の爆発音は雷鬼の雷電激震だな」

 

 

「それと我妻が全集中の呼吸を連続で使ったんでしょう」

 

 

玄弥は最終選別の時に偶々善逸が呼吸を使っている所を見たことがあったので音の正体を知っていたのだ。

 

 

風鬼たちが小休止を終えて十二鬼月を探そうとした時、水が跳ねる音がして振り向くと、そこには塁に似た鬼がいた。伊之助は直ぐ様頚を斬ろうと突進するが、鬼は引き返しながら

 

 

「お父さん❗」

 

 

と叫んだ。すると上から巨体の男性が飛び降り、顔を上げるとその顔は蜘蛛の頭部になっていた。

 

 

「オレ"の家族に"近づくな"❗」

 

 

父鬼は右腕を振りかぶり、その腕を水面に叩きつけた。するとその衝撃で辺りに水飛沫が舞い降りた。

 

 

風鬼、玄弥、伊之助は即座に散開しながら距離を取った。そして玄弥と伊之助は自身の刀で父鬼を斬ろうとするが、先程の太い腕で防御された。

 

 

父鬼は刀が食い込んでいる状態で二人を投げ飛ばし、二人を追撃しようとするが、風鬼が音撃管(おんげきかん) 烈風(れっぷう)による射撃で牽制を行い、二人は無事に着地できた。

 

 

風鬼は牽制をした場所から更に距離を取り、懐に入れていた変身鬼笛(へんしんきてき) 音笛(おんてき)を取り出し、振るって角を展開。

 

 

そして音笛を吹き鳴らすと雷鬼の音枷同様、波紋が拡がり、額に近づけると、額に鬼の紋様が浮かび上がり、音笛を右から左ひ振るった。

 

 

すると風鬼の身体を竜巻が覆い、

 

 

「ハアァァァ…、フッ❗」

 

 

風鬼が竜巻を手刀で縦に両断すると、雷鬼同様に鬼の姿に変身していた。(イメージは仮面ライダー伊吹鬼そのままです。)

 

 

玄弥は変身した風鬼の姿を見て勝ち誇ったように笑い、伊之助は

 

 

「ハア"ァーンッ❗❓鬼になりやがった❗」

 

 

とかなりびっくりしていた。そして伊之助は父鬼と風鬼に刀を向けて

 

 

「こいつを倒した後、お前を倒す❗」

 

 

と宣戦布告をした。それを聞いた玄弥は青筋を浮かべ、伊之助に拳骨をお見舞いした。伊之助は当然怒り、玄弥に詰め寄るが父鬼がその隙を狙い襲い掛かった。

 

 

玄弥と伊之助は寸前で気配に気付き、バックジャンプで回避し事なきを得た。四人(内一体父鬼)が睨みあっている中、先に動いたのは父鬼だった。

 

 

父鬼はその場に踞ると、背中が割れ、脱皮した。脱皮した後の姿は体格が今までより更に大きく、両腕や両脚からは黒色の獣の牙のような物が生えており、蜘蛛の頭部も怖い物になっていた。

 

 

脱皮した父鬼が最初に襲い掛かったのは伊之助だった。伊之助はその巨体に似合わないスピードで迫られたことで、一瞬思考が止まった。気づけば父鬼は腕を振りかぶっており、咄嗟の判断で刀二本で防御したが、父鬼のパワーも上がっており、とうとう刀が折れてしまい、吹っ飛ばされて後ろの木に激突した。

 

 

父鬼は止めを刺すべく伊之助の首を掴み、上に持ち上げ握力で握り殺そうとした。玄弥はそうはさせまいと伊之助を持ち上げている腕に刀を振るうが余りの固さに玄弥の刀も折れてしまった。

 

 

首を圧迫されて血を吐く伊之助はもう駄目かと思った瞬間、今まで静観していた風鬼が動いた。烈風の上部に付いているピストンバルブを操作し、父鬼の身体に赤い鬼石を三連射で撃ち込んだ。

 

 

風鬼はその後も二回、赤い鬼石を三連射で撃ち込み、銃口の斜め下にあるマウスピースを烈風の後ろに、腰に付いていた音撃鳴(おんげきめい) 鳴風(なるかぜ)を銃口に取り付けて烈風をトランペットの形にした。

 

 

風鬼はマウスピースを口元に付け、

 

 

音撃射(おんげきしゃ) 疾風一閃(しっぷういっせん)❗」

 

 

トランペット形態にした烈風を吹き鳴らした。すると父鬼に撃ち込んだ鬼石が烈風の音色に共鳴し、父鬼の体内に清めの音を流し込む。そして風鬼が吹き終えると同時に父鬼が爆散。伊之助は背中から地面に叩き落とされた。

 

 

 

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