鬼滅の刃 清めの音(ね)を持つ鬼   作:レイファルクス

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第14話

 

 

塁から離れた姉鬼は部外者(チョロチョロしている奴ら)を探している最中、自身のことを思い出していた。

 

 

どうやら塁に"家族ごっこ"を強いられており、自分の与えられた役割を果たさないと酷い目に逢わされていたようだった。そして目の前に村田(チョロチョロしている奴)を見つけた。

 

 

村田も姉鬼の気配を感じ取り、刀を構えるが、

 

 

『血鬼術 溶解(ようかい)(まゆ)

 

 

手から全てを溶かす液体を出す糸を繭状にして飛ばし、彼を包んだ。村田は繭を斬ろうとするが、糸は異様に硬く、斬れないでいた。

 

 

「無駄よ、斬れやしない。あたしの糸はね柔らかいけど硬いのよ。まず溶解液が邪魔な服を溶かす。それからアンタの番よ。すぐどろどろになってあたしの食事になる」

 

 

そう説明していると、姉鬼の後ろにしのぶが音も無く舞い降り、声をかけた。

 

 

「こんばんは。今日は月が綺麗ですね」

 

 

姉鬼は振り向くと同時に糸を出ししのぶを捕まえようとするが、しのぶは華麗な身のこなしで全ての糸を避けた。

 

 

「私と仲良くするつもりは…、ないみたいですね」

 

 

姉鬼はしのぶから放たれるプレッシャーに身震いし、自分が無理矢理従わされていると言った。しのぶは『助ける』と言いながらも、姉鬼が殺した人数を聞く。

 

 

姉鬼は"五人"と嘘をつくが、しのぶには効かず

 

 

「嘘は駄目ですよ。八十人は喰っていますよね❓」

 

 

姉鬼は内心驚きつつもしらを切るが、しのぶは姉鬼の繭がある西の方(・・・)から来ており、姉鬼の嘘は看破された。姉鬼は殺した人数を確認してどうするのか尋ねると

 

 

「お嬢さんは正しく"罰"を受けて生まれ変わるのです。人を殺した分だけお嬢さんを"拷問"します」

 

 

とトンデモ発言をしたのだ。流石に姉鬼は我慢の限界に達し糸でしのぶに攻撃をするが、

 

 

(むし)の呼吸 (ちょう)(まい) "(たわむ)れ"』

 

 

姉鬼は自身に向かってくる"無数の蝶の群れ"を見た。そして指を出すと、そこに一羽の蝶が止まる。だがその蝶の羽根が黒く染まり初め、全身が黒く染まった後、指に染み込んだ。そしてやっと自分は目の前の女に"刺された"ことを悟った。

 

 

姉鬼は頚が斬られていないことに安堵するが、突如苦しみだし、そのまま倒れた。

 

 

「駄目ですよ安心しては、頚を斬られていないからって。私のように()を使う剣士もいますからね」

 

 

しのぶは自身の刀を器用に振り回し、

 

 

「鬼殺隊・蟲柱(むしばしら)胡蝶しのぶ。私は柱の中で唯一鬼の頚を斬れない剣士ですが、鬼を殺せる毒を作ったちょっと凄い人なんですよ」

 

 

もう何言わぬ骸に自己紹介をしていた。彼女の刀は刃が切っ先にしか無い特殊な形状の刀だった。

 

 

「ああ失礼しました。死んでるからもう聞こえませんね。うっかりです」

 

 

けどしのぶの声を聞いていた人物がいた。

 

 

「なるほど。あの鬼面蜘蛛を殺したのはその毒って訳だ」パチパチ

 

 

手の叩く音が聞こえ振り向くと、そこにいたのは先程別れた雷鬼(鬼の姿)だった。横には破れた繭と素っ裸の村田がいた。

 

 

「自己紹介させていただくぜ。俺は猛士の鬼が一人、音撃の戦士 雷鬼」

 

 

雷鬼は烈雷を右肩に担ぎ、自己紹介をした。

 

 

「ところで胡蝶さん、貴女に聞きたいことがあるんだ。"あんたは俺たち猛士の鬼を何人襲った"❓」

 

 

雷鬼の質問にしのぶは首を傾げていた。

 

 

「猛士の鬼の中に引退した奴らがいてな。身体は五体満足なんだが、変身出来なくなっていてな。原因を調べるためにそいつらの採血をして分析したらな、毒が検出されたんだ」

 

 

「どんな毒か調べても分からなかったんだが、仲間の一人が"優秀な医者"を連れて来てな。"その人"が調べたら"藤の花の毒"だったことがわかったんだ」

 

 

しのぶは雷鬼の説明に冷や汗を流していた。

 

 

「つまり、"人喰い鬼"を殺せる毒は"藤の花の毒"ってことだ。すなわち、仲間を襲ったのはあんたって推察さ。改めて聞くぜ、"仲間を襲ったのはあんたか"❓」

 

 

雷鬼は担いでいた烈雷の先をしのぶに向けた。

 

 

「もし犯人が私なら、どうしますか❓」

 

 

しのぶは冷静を保ちながら雷鬼に聞いた。すると雷鬼はしのぶに向けていた烈雷を再び右肩に担ぎ

 

「どうもしねぇよ。引退した奴らは性格に難癖がある奴らだったからな。けど、"おやっさん"には報告させてもらうぜ。おやっさんは鬼殺隊に"知人"がいるって言っていたしな」

 

 

「さっき言った俺の烈雷の刃の材料の調達はおやっさんが鬼殺隊の継手(つて)を使ったって言ってたからな」

 

 

そう言って雷鬼はしのぶに背を向けて森の中に消えた。

 

 

一方炭治郎は塁の頚を斬った後、倒れてしまい、起き上がれないでいた。水の呼吸からヒノカミ神楽の呼吸へ急に変えた反動だった。響鬼は禰豆子をその場に置いて炭治郎の側へ駆け寄ろうとしたが、途中で止まった。

 

 

なぜなら、崩れている"はずの"塁の身体が起き上がったのだ。塁は刀で斬られる前に自分の頚を"自分で斬っていた"。そして糸で頚を持ち上げ、切り口にくっ付けると、切り口が再生し、頚が繋がった。

 

 

『血鬼術 殺目篭(あやめかご)

 

 

糸で篭を作り、炭治郎を囲む。炭治郎は動けず響鬼は再び駆け出すが、誰かが響鬼よりも早く炭治郎の下へ行き、殺目篭を斬った。

 

 

「俺が来るまでよく堪えた。後は任せろ」

 

 

炭治郎を助けたのは風鬼たちと別れた冨岡義勇だった。響鬼は直ぐ様炭治郎の下へ走り、どこから出したのか手に巾着が握られていた。

 

 

「炭治郎、この丸薬を飲むんだ。珠世さんが作った『疲労回復薬』の試作品だ。即効性はあるが効果が四半刻しか効かない」

 

 

「あいつを倒すにはこれを飲んで変身するしか無い」

 

 

響鬼はそう言って巾着の中から薬を出して炭治郎に飲ませる。すると少しして薬が効いたのか、炭治郎が立ち上がった。そして炭治郎は音角を持って義勇の隣に立つと音角を鳴らし額へ近づけた。

 

 

すると炭治郎の額に音の紋様が浮かび身体が光に包まれる。そして光が止むと、炭治郎は輝鬼に変身していた。輝鬼になった炭治郎を見た義勇は表情は変わっていなかったが、内心驚いていた。

 

 

塁も炭治郎が鬼になったことに驚きつつも

 

 

『血鬼術 刻糸輪転(こくしりんてん)

 

 

血鬼術で二人を攻撃する。が、

 

 

『全集中 水の呼吸 拾壱(じゅういち)ノ型 (なぎ)

 

 

自身が新たに作り出した型で間合いに入った糸を"全て斬った"。

 

 

自分の糸が義勇に届く前に斬られたことに驚く塁だが、輝鬼が義勇の側からいなくなっていることに気づかなかった。

 

 

輝鬼は義勇が塁の糸を斬った瞬間に塁の前に近づき、音撃鼓 輝光を塁の胸に装着させ

 

 

「音撃打 閃光連打❗」

 

 

音撃棒 閃光で何度も叩き、清めの音と同時に陽光の力を注ぎ込む。そして最後の一撃を与えると、塁は爆散。吹き飛んだ身体の欠片は次々と灰になり、残ったのは塁が着ていた着物だけになった。

 

 

炭治郎は顔だけ変身を解き、塁の着物に手を合わせ冥福を祈った。だが、義勇は塁の着物を踏みつけ、『情けをかけるな』と一喝した。しかし炭治郎は『鬼は人間だったんだから』と義勇の一喝を否定した。

 

 

そして炭治郎の側へ寝ている禰豆子を横抱き(お姫様抱っこ)で連れてきた響鬼が到着。義勇は炭治郎と禰豆子の顔を見て、2年前に初めて会った時のことを思い出していた。

 

 

だが、そんな時間も長くは続かなかった。炭治郎たちに接近する気配を察知した義勇は刀を振り、同じく気配を察知した響鬼は、禰豆子を横抱きにしたまま横に飛び、乱入者から距離を取った。

 

 

「あら❓どうして邪魔するんです冨岡さん。鬼とは仲良くできないって言ってたくせに何なんでしょうか。そんなだからみんなに嫌われるんですよ❓」

 

 

乱入者は独特な刀を持った胡蝶しのぶだった。

 

 

 

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