鬼滅の刃 清めの音(ね)を持つ鬼   作:レイファルクス

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第19話

 

 

炭治郎は全集中・常中を会得するために特訓を開始した。だが、元々全集中の呼吸は肺を大きくしないと負担が掛かりやすい物で、今の炭治郎の肺では全集中の呼吸を使えても常中には適していないのだ。

 

 

そこで炭治郎は肺を大きくするための基礎特訓を始めることにした。それを物陰から見ていたなほ、すみ、きよの三人は頑張っている炭治郎に差し入れをしようと相談をしていた。

 

 

差し入れを持ってきた三人はカナヲが常中を会得させるためにどういった訓練をさせていたのかを話した。どうやらしのぶは特殊加工させた瓢箪を息"だけ"で破裂させる訓練をさせていたそうだ。最初は小さい瓢箪から始まり、今は三人の座高と同じ高さの瓢箪を破裂させていた。

 

 

そして基礎訓練をしている途中で蝶屋敷に来客が来た。炭治郎の師匠の響鬼だった。響鬼は以前猛士の本部に送られてしまった"日の呼吸の書"を調べ、更には産屋敷邸に保管されている書物も閲覧し、重要箇所のみを抜粋し炭治郎の下へ来たのだ。

 

 

「結論から言おう。竈門家に伝わる"ヒノカミ神楽"は"日の呼吸"と同一なのが分かった」

 

 

響鬼の調べでは、日の呼吸の使い手は"花札のような耳飾り"をしており、"刀身は漆黒"であることが分かった。

 

 

「つまり、お前の呼吸の適正は"水"じゃ無くて"日"だったんだ」

 

 

響鬼の話に炭治郎は驚きを隠せなかった。それもそうだ。呼吸の適正は刀の色で分かる。水なら青系(青、水色など)、炎なら赤など。だが炭治郎の適正はどれも当て嵌まらない漆黒だったので、分からなかったのも無理はない。

 

 

「それじゃあ、ヒノカミ神楽を使いこなせれば」

 

 

「だが、日の呼吸の会得はかなり難しい。それでもやるのか❓」

 

 

響鬼は炭治郎に質問するが、炭治郎の答えは変わらず。それを悟った響鬼は炭治郎の頭を優しく撫でながら

 

 

「分かった。それなら俺も出来る限りの補佐をしよう」

 

 

協力をかって出た。

 

 

響鬼の手助けを借りてから十五日後の夜、炭治郎は屋根の上で座禅を組み、父から教わった"ヒノカミ神楽の呼吸"をゆっくりとしていた。『ゴオオォォ』と特有の呼吸音がしてる中、炭治郎は瞑想をして雑念を振り払おうとしていた。だが、鋼錢塚や珠世の遣い猫『茶々丸(ちゃちゃまる)』のことを思い出してしまい、申し訳ない気持ちが溢れてしまった。炭治郎はそれを振り払おうとして集中しようとすると、しのぶの顔が間近にあり、危うく接吻(キス)してしまう程だった。

 

 

「頑張ってますね。お友達二人はどこかへ行ってしまったのに。一人で寂しくないですか❓」

 

 

しのぶは炭治郎から離れ、隣に座った。炭治郎は『できるようになったら二人に教えてあげられる』と先程の質問に答えた。

 

 

「先程から聞いていましたが、炭治郎君の呼吸、水の呼吸とは違うようですが❓」

 

 

「この呼吸は家に代々伝わる"ヒノカミ神楽"の呼吸です。師匠に調べてもらったら、"日の呼吸"でもあることが分かったんです」

 

 

しのぶの質問に炭治郎は答えると、しのぶは『"火"の呼吸❓』と聞き返す。炭治郎は『"火"ではなく"日"。日輪刀の"日"です』と訂正した。

 

 

「確か日の呼吸は昔、鬼舞辻を追い込んだ最強にして原初の呼吸と聞いたことがあります」

 

 

それを聞いた炭治郎は驚いていた。日の呼吸を扱えると知ったしのぶは

 

 

「貴方なら姉の夢を叶えられそうですね。"鬼と仲良くなれる夢"を」

 

 

姉であるカナエの夢を炭治郎に託そうとした。だが炭治郎はクスクスと笑いだし

 

 

「その夢はもう叶ってますよ。だって俺は人は喰わないけど"鬼"ですし、師匠とは恋仲じゃありませんか」

 

 

炭治郎に言われ、しのぶは驚いた。確かに猛士の音撃戦士も無惨が造る鬼も違いはあれど"鬼"と呼ばれる存在なのだ。しのぶはそのことに気づくと炭治郎と同じようにクスクスと笑いだし

 

 

「確かに、炭治郎君の言った通りですね。フフッ」

 

 

炭治郎と一緒に笑いだした。そんな二人の様子をカナヲは離れた所から見ていた。

 

 

そしてその翌日、炭治郎は洗濯物を干しているなほ、すみ、きよの三人に自分の修行の手伝いを申し出た。

 

 

因みに三つ編みにして先端を蝶の髪飾りで縛っているのがなほ、アオイと同じ髪型と髪飾りをしているのがきよ、後ろでツインテールにして同じ蝶の髪飾りでとめているのがすみである。

 

 

炭治郎が言った修行の手伝いとは、炭治郎が寝てる間、呼吸が変わったら布団叩きで起こしてほしいというものだった。三人は承諾し、早速今夜から実施した。途中何度か呼吸が変わり、三人に叩き起こされながら、十日後、目標の瓢箪を吹き始めた。すると瓢箪に罅が入り、遂に粉々に割れた。

 

 

そして全身訓練ではカナヲに追いついていた。そしてとうとうカナヲの手首を掴み、勝つことができた。続く反射訓練でもカナヲと互角の勝負をし、そして遂にカナヲが反応する前に湯飲みを持ち上げ中身をかけようとするが、炭治郎の"理性"が待ったを掛けた。

 

 

『その薬湯くさいよ。かけたら可哀想だよ』

 

 

すると炭治郎は持ち上げた湯飲みをカナヲの頭の上に置いた。炭治郎は喜び、カナヲはきょとんとしていた。そしてカナヲは湯飲みを置いて炭治郎の側まで来ると

 

 

「炭治郎、おめでとう❗」

 

 

炭治郎に抱きついた。更に何を思ったのか、耳元で『大好き』と囁いた。これには炭治郎も顔を赤くし、カナヲは炭治郎を正面から見つめ、

 

 

「これは頑張ったご褒美」

 

 

そう言ってカナヲは炭治郎に顔を近づけ、接吻(キス)をした。これを見たなほ、すみ、きよの三人はキャーキャー言い、アオイはぽかんと呆け、しのぶは何故か頬を餅みたいに膨らませていた。カナエは

 

 

「あらあら~、カナヲがこんなに積極的になるなんて~」

 

 

相変わらずのほほんとしていた。そしてその光景を見ていたのは彼女たちの他に二人いた。善逸と伊之助だった。

 

 

伊之助は自分が遊んでた間に炭治郎に先を越されたことに驚き、善逸は炭治郎とカナヲのキス(行為)を見て"血の涙"を流していた。

 

 

 

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