『ギャアアアア❗❗❗』
汽車と融合した十二鬼月 下弦の壱・魘夢は炭治郎によって遂に
炭治郎たちは汽車から放り出されたが、魘夢が出していた肉塊がクッションの役割を果たし、幸いにも怪我人は多数いるが"死者"はいなかった。
炭治郎は伊之助に抱き抱えられ、運転手のことを気にしていたが、伊之助は『足が挟まって動けないから放っとけ』と言う。
だが炭治郎は『だったら罰は十分受けてる』と言って伊之助に助けるよう頼む。伊之助は仕方なくそれを受け、運転手を助けに行った。
二人のやり取りの間、魘夢は自分が負けたことが悪夢だと思いたかったが、体が崩壊している感覚があるため、夢では無かった。そして遂に魘夢は全てが崩壊し死亡した。
「全集中の常中ができるようだな❗感心感心❗」
そこに杏寿郎がやって来て常中ができてることに感心し、更には『呼吸による止血方法』を教え、皆と帰還しようとした所に突如"誰か"が降り立った。土埃が止みそこにいたのは、右目に"上弦"、左目に"参"の文字が刻まれた男の"鬼"だった。
上弦の参は炭治郎に向かって拳を振るう。だが
『炎の呼吸 弐ノ型
杏寿郎がその拳を"肘まで"斬った。上弦の参はすぐ炭治郎たちから離れ、斬られた箇所を再生させた。
「(再生が早い…。この圧迫感と凄まじい鬼気、これが上弦。)なぜ手負いの者から狙うのか理解できない」
「俺とお前の話の邪魔になると思った」
杏寿郎が上弦の参に質問し、彼は律儀に答えた。しばらく話をすると、上弦の参は杏寿郎にある"提案"をした。
「お前も鬼にならないか❓」
「ならない」
上弦の参の提案に杏寿郎は間を持たず答えた。
「その闘気、練り上げられている。
「俺は炎柱煉獄杏寿郎だ」
「俺は
上弦の参・猗窩座は杏寿郎に鬼になることを薦める。だが
「老いることも死ぬことも人間という儚い生き物の美しさだ。老いるからこそ死ぬからこそ堪らなく愛おしい。強さというものは肉体に対してのみ使う言葉ではない」
「この少年は弱くない。侮辱するな」
杏寿郎はなぜ『人間という生き物が美しいのか』を説いた。そして頑なに鬼になることを"拒絶"した。
『術式展開
猗窩座は自身の"武術"を展開し、目に追えないスピードで杏寿郎に迫った。だが、杏寿郎も壱ノ型である不知火で対抗、衝撃が周囲を覆う。そして猗窩座は空中へ跳躍し
『破壊殺・
拳を繰り出し、その衝撃を杏寿郎に向け放つ。だが
『肆ノ型
肆ノ型で猗窩座の攻撃を相殺。そして着地と同時に接近し、互いに一進一退の攻防を繰り広げる。炭治郎は杏寿郎を助けようとして動こうとする。だが
「動くな❗傷が開いたら致命傷になるぞ❗待機命令❗」
杏寿郎がそれを察知し、炭治郎に命令する。炭治郎はびっくりして一度動きが止まる。だが
「すみません❗その命令は聞けません❗」
そう言って懐にある竹筒を取り出し、中に入っている物を一気に"飲み干した"。すると今まで立ち上がるのも億劫だった炭治郎が立ち上がり、変身音叉音角を取り出して鳴らし、額に近づけて光が炭治郎の身体を覆う。
その光に狗窩座も攻撃の手を止め、二人で発光元を見る。そして光が止むと、炭治郎は輝鬼へと変身した。
先程炭治郎が飲んだのは、猛士特性の回復薬である。なぜ彼がそれを持っているのかと言うと、響鬼が蝶屋敷を訪れた際、炭治郎に二本ほど渡していたのであった。
炭治郎の姿が変わったことに杏寿郎と猗窩座は驚き、動きが止まる。輝鬼はそれを好機と読み猗窩座に接近。光を纏った拳を猗窩座の顔に向けて放ち、殴られた猗窩座は斬りもみ回転しながら吹っ飛んだ。
「煉獄さんは鬼にはならない❗どんなにお前が誘おうとも❗"俺たちは絶対にお前たち鬼には屈しない"❗」
輝鬼こと炭治郎は猗窩座に向かって見栄を切った。
『アーイ❗バッチリミナー❗バッチリミナー❗』
『カイガン❗オレ❗レッツゴー❗覚悟❗ゴ・ゴ・ゴ・ゴースト❗』
『ゴー、ゴー、ゴー、ゴー』
するとどこからか"不思議な歌"が流れた。そして
「輝鬼、そなたに力を授けよう」
『カイガン❗響鬼❗鬼の響き❗これが音撃❗』
突然誰かの声が聞こえたかと思うと、輝鬼は"何かに憑依された感覚"がした。すると輝鬼の白い身体や手足に"炎のような模様"が浮かび上がり、少し筋肉が盛り上がった。
そう、これこそが輝鬼の強化形態。その名も『輝鬼・
力が増した輝鬼は自身に起こったことを理解していなかった。何故なら『急に何かが憑依したかと思ったら、いきなり力が沸き上がってきた』と後に語っていた。
輝鬼・炎光は座りながら口から出ていた血を拭っている猗窩座に一気に詰め寄り、飛び蹴りを喰らわす。
『破壊殺・
だが猗窩座も黙ってはいない。拳の連撃である乱式を使い、輝鬼・炎光の蹴りを相殺した。そしてふと横目を向けると、朝日が昇っていた。徐々に陽光が差し込める中、猗窩座は逃げるように輝鬼から離れた。それを見た輝鬼は
「逃げるな❗臆病者❗」
猗窩座を捲し立てる。猗窩座は逃げながら輝鬼の言葉に苛立ちを感じた。
「(俺はお前たちから逃げているのでは無い、太陽から逃げているのだ❗)貴様の顔は覚えたぞ❗次に会った時には貴様の息の根を止めてやる❗」
そう言って姿を消した。輝鬼は鬼を取り逃がしたことに苛立ち、周囲の木々を薙ぎ倒しながら
「ウオオォォオオォォォー❗❗❗」
雄叫びを上げた。
こうして下弦の壱・魘夢、上弦の参・猗窩座による襲撃は幕を閉じた。負傷者は多数出てしまったが、死者は奇跡的にも出なかった。