第25話
鬼屋敷が完成して数日が経過した。その間玄弥が鬼屋敷を訪れ、炭治郎が作った飯を食ってその旨さに驚いたり、風呂の広さにまたびっくりしたりとなにかと騒がしかった。そして炭治郎は鴉経由で伝えていたが、改めて玄弥にここを拠点にすれば良いと言われ、玄弥は嬉し泣きした。
そして更に数日後、炭治郎は猛士からの仕事を完了し自宅である鬼屋敷へ向かっていたが、カナヲに会いたくて蝶屋敷方面から帰路に着いていた。
蝶屋敷からの方向は遠回りではあるが、炭治郎は"カナヲに会いたくて"蝶屋敷方面から帰っていたのだ。
もうすぐ蝶屋敷に着く所まで来ると、何やら騒がしかった。炭治郎は何かあったと感じ、走る。そして蝶屋敷の門の近くまで来ると
「放してください❗私っ…、この子はっ…」
「うるせぇな黙っとけ」
音柱・宇随天元がアオイとなほを担いでいる所だった。
アオイはカナヲに助けを求め手を伸ばす。そして宇随は連れ去ろうとすると
「アオイさんたちを返して❗」
アオイの手となほの服を握り、引っ張った。
「地味に引っ張るんじゃねぇよ。お前は
アオイはカナヲが手を握ったことに嬉しく思い、宇随はカナヲに鬱陶しく言う。だがカナヲは二人を離さず
「二人を返して❗」
と宇随に言う。だが
「うるせぇ❗地味な奴は黙ってろ❗」
宇随は大声を出して退けようとする。だがすみときよが宇随の大声に反応し突撃する。そして宇随の足にしがみつく。そしてカナヲは
「炭治郎、助けて❗」
と叫ぶ。すると
「女の子に何してるんだ❗手を放せ❗」
カナヲの願いが通じたのか(多分違うと思う)、炭治郎がやって来た。炭治郎は一瞬状況が読み込めず固まっていると
「炭治郎、この人は人さらいなの❗アオイさんとなほを助けて❗」
炭治郎を見たカナヲが"トンデモ発言"をした。カナヲの言葉を理解した炭治郎は宇随に頭突きを喰らわそうとする。だが、宇随はその場から消え、頭突きは空を切り、宇随にしがみついていた二人は炭治郎とカナヲが受け止めた。
「愚か者。俺は"元忍"の宇随天元様だぞ。その
消えた宇随は門の屋根の上に現れた。
「アオイさんたちを放せ❗人さらい❗」
炭治郎たちは宇随にアオイたちを放すよう抗議するが
「てめーらコラ❗誰に口利いてんだコラ❗俺は上官❗柱だぞこの野郎❗」
逆ギレされる。けど
「柱は俺だって同じだ❗とにかくアオイさんたちを放せ❗」
炭治郎は鼻息を荒くし、二人を返すよう怒鳴る。それを聞いた宇随は更に怒りだした。
「俺は任務で女の隊員が要るからコイツら連れて行くんだよ❗」
宇随はアオイたちを連れて行く理由を指を指しながら言った。
「なほちゃんは隊服を着てないから隊員じゃないよ❗」
カナヲがそう言うと、宇随はなほを"捨てた"。
「とりあえずコイツは任務に連れて行く。役に立ちそうもねぇがこんなのでも一応隊員だしな」
宇随はアオイを肩に担いでいた。が、一つ問題があった。それは"彼女の隊服"だった。普段アオイは炭治郎たちと同じズボンなのだが、今の彼女はズボンではなくカナヲと同じ"スカート"だった。何でスカートを履いているのか、これには理由がある。
アオイは隊服のズボンを幾つか"予備"を持ってはいるが、何度も使っていては当然綻びや汚れが出る。アオイはこの日、偶然にも履けるズボンが"一着も無かった"。
そこで考えたのは"カナヲのスカートを借りる"ことだった。アオイは早速カナヲの所へ向かい、カナヲに事情を説明した。するとカナヲは快く自分のスカートの予備をアオイに渡し、アオイはそれを着用した。だから今の状態ではスカートの中が"炭治郎に見られてしまうかも"と思っていた。
「アオイさんは鬼に対してトラウマを持っているんだ❗無理矢理連れて行ったら可哀想だろ❗」
「そんなことも分からないのか❗この『幼女趣味の人さらい地味柱』❗」
炭治郎はアオイが戦えない理由を言い、宇随をディスり始めた。
「ちょっと待て❗何だその地味な不名誉な名前は❗❓」
流石の宇随もこのディスりには黙ってはいなかった。
「そうよ❗そんなことも分からないの❗❓『幼女趣味の人さらい地味柱』❗」
カナヲも炭治郎に乗っかり、上司である宇随をディスり始めた。
「だから待てって言ってるだろ❗❓俺の柱の名はそんなんじゃねぇ❗『派手な音柱』だ❗」
「お前なんて『幼女趣味の人さらい地味柱』で十分だ❗いいからアオイさんを放せ❗」
「そうよ❗アオイさんを放せ❗『幼女趣味の人さらい地味柱』❗」
「「「アオイさんを放せ❗『幼女趣味の人さらい地味柱』❗」」」
宇随は炭治郎たちが言った柱名を訂正(脚色あり)するが、不名誉な柱名を連呼され、遂にはなほたち三人からも言われだした。そして蝶屋敷、鬼屋敷からも人が集まりだした。
「チッ、胡蝶たちが来たら元も子もねぇ。そんなに返して欲しけりゃ返してやるよ❗」
宇随は不利と感じると、アオイを"放り投げた"。炭治郎は受け止めようとアオイの所まで向かうが、アオイは"足から放り投げられた"ので、炭治郎からはアオイの"下着"がバッチリ見えてしまい、炭治郎は動きを止めてしまう。
そしてアオイは炭治郎の上に落ちた。
「イタタ…、アオイさん、大丈…夫…で…すか…」
下敷きになった炭治郎が顔を上げると、言葉を失った。アオイは炭治郎の上で大股を開いて尻餅を着いていたので、炭治郎の眼前にアオイの下着が間近に迫っていた。それに気づいたアオイは顔を赤くはするが、悲鳴だけは上げなかった。
「ったく。てめぇらの性で任務に支障が出ちまったじゃねぇか。どうしてくれるんだよ」
アオイを放り投げた張本人は悪びれもせず、苦虫を噛み潰したような顔をして炭治郎たちを責めた。
「アオイさんの代わりに俺たちが行く❗」
炭治郎はアオイを横抱きにして立ち上がり、自分たちが行くと言った。すると炭治郎の右側に伊之助、左側に善逸が現れた。
宇随は少し考えるとそれを承諾した。炭治郎はアオイを下ろし、炭治郎、善逸、伊之助の三人、通称『かまぼこ隊』は宇随について行った。
「オッサン、一体どこ行くんだよ❓」
伊之助がこれから向かう場所を宇随に聞くと
「日本一色と欲に
宇随が言っている場所は炭治郎と伊之助は分からなかったが、善逸は理解していた。
だが宇随は気づいていなかった。炭治郎たちが言っていた『幼女趣味の人さらい地味柱』と言う不名誉はアオイたちが腹いせに広めて、それを訂正するために奔走する羽目になるのはまた別の話。