鬼滅の刃 清めの音(ね)を持つ鬼   作:レイファルクス

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第35話

 

 

「炭治郎君、起きてください」

 

 

輝鬼こと炭治郎は目を覚ました。眼前には禰豆子としのぶが顔を覗かせていた。炭治郎は妓夫太郎の攻撃を喰らい、気絶してしまったのだ。その時に変身も解除されたのだ。

 

 

「炭治郎君、あなたの体は疲労が溜まり過ぎて動けない状態です」

 

 

しのぶは炭治郎を膝枕しながら淡々と説明をしていた。が、炭治郎の顔に何か液体が掛かる。

 

 

しのぶは泣いていた。炭治郎の顔に掛かったのはしのぶの涙だった。

 

 

「あなたが死んでしまったら、カナヲだけじゃなく、アオイや私もあなたの後を追っていましたからね❗❓そのことを忘れないでください❗」

 

 

しのぶは涙を流しながら炭治郎に訴えた。炭治郎は目を瞑り、『あぁ、俺はこんなにも愛されているんだ』と浸っていた。

 

 

すると善逸の声が聞こえ、しのぶに回復薬を(口移しで)飲ませてもらい、禰豆子におんぶされて善逸の所へ向かった。

 

 

善逸は気絶から覚醒しており、いつも通りギャンギャン騒いでいた。炭治郎は『無事だったか❗』と言うが、善逸は『無事じゃない❗』と叫んだ。

 

 

(いやそれだけ騒げりゃ無事じゃねーか)by作者

 

 

炭治郎は善逸に伊之助がいる所を聞くと

 

 

「あそこにいるけど、心臓の音が小さくなってるよ~」

 

 

善逸が指を刺した所を見ると、伊之助が瓦礫の上で倒れていた。炭治郎と禰豆子、しのぶは伊之助の所に向かった。善逸は置いてきぼりを喰らって泣いていた。

 

 

炭治郎が伊之助に触れると、確かに心音が少しずつ弱くなっているのが分かった。炭治郎は陽光で毒は消えないか空を見るが、まだ月が出ており、夜明けまでにはまだ時間が掛かるのが分かり、しのぶの方を見るが、しのぶは首を左右に降った。

 

 

炭治郎は妓夫太郎の斬撃を喰らった時は輝鬼の状態であったため、毒はその陽光に似た力で解毒されていたので助かったのだ。

 

 

炭治郎はどうすれば伊之助が助かるのか考えていると、禰豆子が自分の血で伊之助を"燃やした"。すると毒で爛れた皮膚が治り

 

 

「腹減った❗何か食わせろ❗」

 

 

と開口一番に食事を要求した。これにはしのぶは驚き、炭治郎は伊之助に抱きついた。

 

 

一方天元は三人の奥さん(まきを、雛鶴、須磨)に囲まれていた。天元の体は毒が多く回っており、いつ死んでもおかしくない状態だった。

 

 

するとそこに禰豆子が『ヨッ』と手を上げて挨拶しながら現れ、天元の腕に触れると、伊之助同様、天元の体を燃やした。

 

 

これにはまきをたちも驚き、禰豆子を引き剥がす。だが

 

 

「ちょっと待て。こりゃ一体どういうことだ❓毒が消えた」

 

 

天元の言葉に三人はまたもや驚き、泣いた。

 

 

「禰豆子の血鬼術が毒を燃やして飛ばしたんだと思います」

 

 

「恐らく、禰豆子さんの血鬼術は"鬼に対してのみ"効果を発揮する物だと思います」

 

 

炭治郎としのぶの説明に天元は目を点にした。

 

 

炭治郎は鬼の頚を探すため、禰豆子におんぶされてしのぶと共に行動した。鬼の血の匂いを感じ、そこに向かうと、そこには鬼の血だまりがあった。炭治郎は攻撃してこないか警戒しながら近づき、愈史朗特性の採血刀で血を採った。

 

 

炭治郎は突如現れた茶々丸に採血刀を渡し、見送った。しのぶは茶々丸が突如現れたことにびっくりしていなくなるまで炭治郎の背中に引っ付いていた。

 

 

鬼の頚を探して移動していると、声が聞こえそこに向かうと、妓夫太郎と堕姫が崩壊しながらも言い争っていた。そして遂に堕姫が

 

 

「…アンタみたいに醜い奴がアタシの兄妹なわけないわ❗」

 

 

これには流石の妓夫太郎は驚きを隠せず、崩壊しながらも堕姫の罵詈雑言を聞いていた。だが売り言葉に買い言葉。妓夫太郎も我慢の限界が来たのか、堕姫に罵詈雑言を浴びせていた。堕姫はそれに泣き、これ以上言わせないために炭治郎が妓夫太郎の口に手を当てた。

 

 

「仲良くしよう、この世でたった二人の兄妹だから。君たちのしたことは誰も許してくれない。殺してきたたくさんの人に恨まれ憎まれ、罵倒される。味方してくれる人なんていない。だからせめて二人だけはお互いを罵り合ったら駄目だ」

 

 

堕姫は炭治郎の言葉に泣きながら崩壊し、死を迎えた。

 

 

「梅❗」

 

 

妓夫太郎は堕姫を見ながら"違う名"を呼んだ。堕姫の"本名"は梅だった。その名は二人が人間だった頃、生前の母の病名からつけられたものだった。

 

 

二人は羅生門河岸(らしょうもんがし)と呼ばれる遊郭の最下層の生まれで、小さい時から罵詈雑言を周囲の人から言われていた。妓夫太郎の遊び道具は客が忘れていった鎌"だけ"だった。そして妓夫太郎に妹の梅が生まれたことで転機が訪れる。梅は持ち前の美貌で客を誘惑し、妓夫太郎は取り立ての仕事をするようになった。

 

 

だが梅が十三になった頃、再び地獄に戻る。梅が侍の目を簪で刺して失明させてしまったのだ。梅は報復として"生きたまま焼かれた"。妓夫太郎はその時は仕事でおらず、戻ると"黒焦げの梅の姿"が目に入った。

 

 

妓夫太郎は梅を抱え泣き叫ぶが、その時に侍が妓夫太郎を袈裟斬りにした。厄介払いされたと気づくと、侍と側にいた女性を殺した。

 

 

梅はまだ息があり、妓夫太郎は梅を連れて彷徨っていると、目の前に人喰い鬼が現れた。その鬼の左目に"上弦"、右目に"陸"とあった。二人はその鬼から血を貰い、鬼になった。

 

 

妓夫太郎は気づくと辺り一面暗闇に覆われている空間にいた。するとそこに堕姫が"人間の姿"で現れた。妓夫太郎は堕姫の姿に驚くがすぐに背を向けて歩き出す。堕姫も妓夫太郎の後を追おうとするが、

 

 

「ついて来んじゃねえ❗」

 

 

と叫び、再び歩き出す。堕姫は『醜い』と言ってたことを泣きながら謝った。

 

 

「お前とはもう兄妹でも何でもない。俺はこっちに行くからお前は反対の方、明るい方へ行け」

 

 

妓夫太郎は冷たくあしらい、暗い方へ歩き出す。堕姫は妓夫太郎の背中に飛び乗り

 

 

「離れない❗ずっと一緒にいるんだから❗何回生まれ変わってもアタシはお兄ちゃんの妹になる絶対に❗そうお兄ちゃんと約束したんだから(・・・・・・・・・・・・・・・・)❗」

 

 

堕姫に言われ、小さい頃を思い出していた。

 

 

『俺たち二人なら最強だ。寒いのも腹ペコなのも全然へっちゃら。約束する、ずっと一緒だ。ほらもう何も怖くないだろ❓』

 

 

妓夫太郎は"梅"をおんぶして地獄の業火に焼かれていった。

 

 

炭治郎は崩壊した妓夫太郎の"欠片"を眺め、『仲直りできますように』と思いを込めて手を合わせた。

 

 

「炭治郎君、あなたは優しい。敵であった鬼の冥福を祈る。それができるのはあなただけです」

 

 

しのぶは炭治郎の肩にそっと手を置いて微笑んだ。

 

 

「そんなあなただからこそ私はあなたに惹かれていった」

 

 

「私はあなたが好きです。恐らくアオイも」

 

 

しのぶは炭治郎に自分の想いを伝えた。

 

 

「あなたがカナヲと恋仲なのは知っています。なので、"二番目"でも"三番目"でも良いので幸せにしてくださいね❓」

 

 

しのぶは徐に立ち上がると

 

 

「さぁ宇随さんの所に戻りましょう」

 

 

と言って手を差し伸べた。炭治郎はその手を掴み、禰豆子におんぶされて天元の所へ向かった。

 

 

炭治郎たちが天元の所に着くと、『蛇柱・伊黒小芭内』がネチネチと小言を言っていた。

 

 

「相変わらずですねぇ伊黒さん。宇随さん、上弦の陸は亡くなりました」

 

 

しのぶは軽く伊黒に挨拶した後、天元に報告をした。天元たちは胸を撫で下ろすと

 

 

「竈門炭治郎、お前には感謝しかねぇ。だから今ここで謝罪と宣言をさせてくれ。柱合会議の時は『頚を跳ねる』なんて言って悪かった」

 

 

「そして『音柱・宇随天元は鬼柱・竈門炭治郎と竈門禰豆子の両名を認める』」

 

 

天元の言葉に炭治郎は涙を流した。

 

 

「怪我が治ったらぜひ俺の屋敷に来てください❗俺の料理を振舞います❗」

 

 

「炭治郎君の手料理はどれも絶品ですよ。私はもちろん、姉さんやカナヲたち、あの冨岡さんまで虜になっているんですもの。まぁ彼の手料理だけじゃなく、身も心も虜になりましたけど」

 

 

『炭治郎の手料理』と言う言葉に天元たちはキョトンとするが、しのぶの後押しで天元、まきを、須磨、雛鶴の四人は涎を飲み込む。

 

 

「しかし胡蝶のような堅物(・・)を虜にするなんてとんでもねぇ奴だぜ❗」

 

 

この天元が言った一言で彼(天元)は窮地に立たされる。

 

 

「でも良かったですね。蝶屋敷で"あんなこと"が合ったのに認めてもらえるなんて」

 

 

しのぶの言葉に天元は冷や汗を流し、まきをたち(伊黒含む)は頚を傾げる。

 

 

「おい胡蝶、今はその話は…」

 

 

「何か仰いました❓『幼女趣味の人さらい地味柱』さん❓」

 

 

『幼女趣味の人さらい地味柱』、このフレーズを聞いたまきをと須磨は思い出したかのように天元を問いただしていた。

 

 

「そうでした❗天元様、あれは一体どういう訳ですか❗❓」

 

 

雛鶴は訳が分からず、頭に『❓』を浮かべていると

 

 

「雛鶴さん、実は………」

 

 

しのぶが雛鶴に"こっそり"教えると

 

 

「胡蝶様、ありがとうございます。まきを❗須磨❗私も加勢するわ❗」

 

 

雛鶴達はクナイを取り出して天元に突撃した。

 

 

 

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