鬼滅の刃 清めの音(ね)を持つ鬼   作:レイファルクス

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第36話

 

 

ここは鬼舞辻無惨の根城『無限城』。ここに上弦の参・猗窩座を初め、異形の鬼、上弦の伍・玉壺(ぎょっこ)、いつも怯えている上弦の肆・半天狗(はんてんぐ)、いつも笑っている上弦の弐・童磨(どうま)、痣と六つの目がある侍、上弦の壱・黒死牟(こくしぼう)の上弦の鬼が全て揃った。

 

 

そして無惨が現れ、上弦の陸が死んだことが告げられた。

 

 

その後少々無惨の小言を幾つか言われ、上弦の鬼たちは解散"させられた"。

 

 

季節は春、とある家の縁側に一人の侍が座っていた。彼の腕には赤子がおり、気持ち良さそうに眠っていた。

 

 

侍に握り飯と茶を持って来た"炭治郎に似た男性"が侍に礼を言っていた。

 

 

男性"炭吉"は侍のことを後世に伝えると言うが、侍はしなくて良いと注意をする。

 

 

そして侍は住吉の家を後にする。

 

 

ーーーここで炭治郎が夢から覚める。

 

 

炭治郎は蝶屋敷の一室にあるベッドに横になっていた。何故、彼が寝ているのか❓それは遊郭の戦いが終わった後、炭治郎は糸が切れたマリオネットのように忽然と倒れた。彼は回復薬を飲んでいたにも関わらず、どうして倒れたのか❓その理由は簡単。回復薬は"怪我を治しても疲労までは回復しない"からだった。

 

 

炭治郎は天元が奥さんたちに詰め寄られている時に気を失った。側にしのぶがいたため、瓦礫に激突はしなかったが、無理の上に無理を重ねた為、体が限界に達したのだ。

 

 

炭治郎は蝶屋敷に着いても眠っており、目が覚めるまで"二ヶ月"も掛かっていた。

 

 

カナヲは中庭で摘んだ花を花瓶に入れ、炭治郎がいる部屋へと向かっていた。そして扉を開けると、炭治郎が目覚めており、カナヲは花瓶を落としてしまった。

 

 

「炭治郎❗」

 

 

カナヲは炭治郎の側まで走り、彼の顔を覗く。そして

 

 

「炭治郎、目が覚めて良かった…っ❗」

 

 

炭治郎を抱きしめキスをした。

 

 

カナヲがキスをする少し前、以前柱合会議の時に炭治郎を叱りつけた隠『後藤』が(当時では)高級菓子のカステラを持って炭治郎の部屋を訪れようとしていた。そして部屋の近くまで来ると、扉が開いていることに気づき中を覗くと、炭治郎とカナヲがキスしている所だった。

 

 

後藤さんは割れた花瓶の上にカステラを乗せた皿を落としてしまい

 

 

「お主は一体何しとんじゃボケェェェ~❗❓」

 

 

カナヲを叱った。が

 

 

「後藤さん、ちょっと静かにしてくれますか❓」

 

 

炭治郎から口を離して、後藤さんに言った。そして炭治郎の意識が戻ったことが分かると

 

 

「きよちゃん、すみちゃん、なほちゃーん❗アオイちゃーん❗炭治郎意識戻ったぜえええ❗❗」

 

 

廊下に向かって叫んだ。するときよ、すみ、なほの三人が泣きながら入室してきた。そして炭治郎に抱きついた。そこに廊下を走る音が近づいてくると、シーツを被った"誰か"が入室してきた。その人物はアオイであり、洗濯物を取り込んでいる所に後藤さんの声を聞き、シーツを持ったまま走ってしまい、途中でシーツが捲れ被る形となったのだ。

 

 

アオイはシーツを脱ぎ取り、炭治郎に向かってダイブした。当然炭治郎は避けることも受け止めることも出来ず、アオイのダイブをモロに喰らってしまった。アオイはそんなのお構い無しに炭治郎の唇を奪った。すなわち、カナヲたちの前でキスをしたのだ。

 

 

カナヲたちは悲鳴を上げ、炭治郎は白目を剥く。アオイは炭治郎の様子に気づくこと無く唇を貪り続けていた。

 

 

そこにカナエとしのぶが到着し、後藤さんに事情の説明を求めた。彼は先程の光景をありのまま話す。するとしのぶの顔に青筋が浮かび、アオイに拳骨を落とした。炭治郎へのキスに夢中になっていたアオイはしのぶの拳骨で正気に戻り、白目を剥いている炭治郎を見て悲鳴を上げながら誰がやったのか追及すると

 

 

「「「「「「「お前だお前❗❗」」」」」」」

 

 

一斉に全員から指を指された。

 

 

アオイはしのぶに『しばらくの間、炭治郎との面会禁止』を言い渡され、この世の終わりと言わんばかりの顔をした。

 

 

因みに割れた花瓶と皿の欠片とカステラは後藤さんがなほたち三人が来る前に即座に片付けていました。

 

 

それから数日後、ようやく炭治郎が目覚め、今度はしのぶが横にいた。炭治郎曰く

 

 

「アオイさんが飛び付いた後は何も覚えていません」

 

 

だった。しのぶは炭治郎が再び気絶した後のことを"簡潔"に話した。

 

 

「アオイも大胆な行動に出たものね。行動自体はアレでしたけど」

 

 

しのぶもアオイの行動には呆れる他なかった。その後炭治郎はしのぶと鬼屋敷から来た珠世の診察を受け、伊之助たちのことを聞いた。

 

 

善逸は炭治郎が最初に目を覚ました日の一昨日に鬼殺に復帰しており、天元は隠の手によって蝶屋敷で療養していたそうだ。そして天元は柱を"引退"すると言っていた。

 

 

それから伊之助は炭治郎が目覚めた七日前に目覚め、あの騒動の中にいたらしいが、誰も彼の姿を見てはいなかった。何故なら、伊之助は炭治郎の部屋の"天井に張りついていた"のだった。

 

 

(いや伊之助、お前どうやって張りついていたんだよ❗❓)by作者

 

 

「彼の行動は予測不能ですよ」

 

 

珠世は伊之助の行動に苦笑していた。やがて炭治郎は眠気が来たのか、いつの間にか眠っており、しのぶと珠世はなるべく音を立てずに退室した。

 

 

それから一週間後、炭治郎は復活。時を同じくして伊之助は任務に復帰した。後藤さんは任務先で鴉から届いたきよからの手紙を読んで

 

 

「みんな化けモンだな」

 

 

と驚いていたが、内心喜んでいた。

 

 

炭治郎復活から数日後、炭治郎"たち"は市井へと来ていた。"たち"が付いているのはどういう訳か❓それは簡単である。炭治郎は"一人で来ていない"のであった。

 

 

炭治郎は以前、天元たちを鬼屋敷へ招待していたが、炭治郎が二ヶ月も眠っていた上に、アオイが止めを差したので、この日まで遅れてしまったのだ。そして今夜、鬼屋敷に天元たちが訪問することになったので、炭治郎は食材を買いに出るためしのぶに"条件付き"で許可をもらった。

 

 

しのぶが出した条件とは、『同伴者を連れて行くこと』。これ一つだけだった。

 

 

だがここで問題があった。『誰が炭治郎と行く』のかであった。カナエはこの日、響鬼と逢い引き(デート)をすることになっており、しのぶはカナエの代わりに蝶屋敷に残り、カナヲは数日前に任務に出ており、本日の夜に戻ることが彼女の鴉から教えられた。

 

 

と、なると残ったのはアオイ、なほ、すみ、きよの四人だった。しのぶは『あまり羽目を外しすぎないように』とアオイに注意をして四人に炭治郎の同行をお願いした。

 

 

因みにアオイの面会禁止令は炭治郎が目覚めた時に解かれたので、アオイはすぐに炭治郎の所へ向かい、気絶させたことを謝った。そして

 

 

「私神崎アオイは竈門炭治郎をお慕いしています」

 

 

と告白して"頬に"キスをした。アオイは炭治郎に会う前に珍しく"口紅"を縫ってから、炭治郎にキスをしたのだ。そのため炭治郎の頬にアオイの"キスマーク"が残り、それを見たしのぶは笑ってはいたが、青筋を浮かべていた。

 

 

そして時は炭治郎たちが買い出しに向かった頃に戻る。

 

 

アオイは炭治郎の腕を自分の腕と絡ませ、なほたちは二人の前を歩いていた。なお、今炭治郎たちは隊服ではなく、白一色の私服の上にいつもの羽織を着ていた。アオイたちは幾度が買い出しに出るために私服を何着が持ってはいるが、炭治郎は病服と隊服しか持ってはいなかった。

 

 

では何故炭治郎は私服を着ているのか、それは『蝶屋敷誘拐未遂事件』が起こる数日前まで遡る。

 

 

その日は炭治郎とカナヲが偶然休みが重なり、どう過ごそうか話し合っていると

 

 

「私、炭治郎と逢い引きしたい」

 

 

とカナヲが言った。炭治郎は善は急げと言わんばかりにカナヲと手を繋いでデートに繰り出した。(禰豆子は珠世が預かりました。)

 

 

市井に来た炭治郎とカナヲは呉服屋へ向かった。その理由はカナヲから『もうちょっと服を持った方がいい』と言われたからだった。

 

 

それは炭治郎はカナヲのイメージに合う『蝶と花が描かれている女物の服』を、カナヲは輝鬼のイメージに合う『白一色の男物の服』を選び、互いにプレゼントした。そして夕方まで二人はデートを楽しんだ。

 

 

そう、今炭治郎が着ている私服はカナヲがチョイスした物だった。

 

 

炭治郎たちは市井の店を見ては回って、『さながらデートをしている感じだった。』とその様子を偶然響鬼とカナエが見て語っていた。

 

 

買い出しが終わり、アオイは炭治郎を手伝うために鬼屋敷へ訪問。食事を拵え、その日の夜、天元たち四人が鬼屋敷を訪れた。

 

 

「炭治郎、今日は招待してくれてありがとうな❗」

 

 

天元は引退したこともあって、普段の化粧はしておらず、左目に眼帯をしていた。

 

 

まきをたちも普段の露出した服装ではなく、アオイたちが着るような着物を着用していた。

 

 

「ようこそ鬼屋敷へ。食事は既に用意できています。ご案内しますのでどうぞこちらへ」

 

 

天元たちを炭治郎は出迎え、食事が置いてある広間へ案内した。

 

 

天元たちが到着すると、そこにはカナヲを含む蝶屋敷の面々に珠世と愈史朗が御膳の前に座っていた。炭治郎は珠世と愈史朗を紹介し、各々好きな席へ座った。

 

 

「では皆さん、両手を合わせてください。『この世の全ての食材に感謝を込めて、いただきます』」

 

 

炭治郎の言葉に皆手を(天元は片手のみ)合わせ、『いただきます❗』と言って食事が開始された。

 

 

珠世と愈史朗は少量の血を飲むことで飢えを凌げるが、鬼屋敷が完成したと同時に自分の体をいじくり、食事ができる体にしたのだ。

 

 

各々が食事を楽しんでいる中、天元たちは炭治郎が作った料理に驚いていた。まきをたち三人は美味しくできるコツを炭治郎に聞くと

 

 

「料理は火加減が大事です❗」

 

 

と鼻息を荒くして言った。

 

 

そして一同は風呂へ向かった。炭治郎は天元の背中と腕を洗い、湯に浸った。女性陣も湯船に入っていたが、しのぶとカナヲは珠世に続き、まきをたちの『一部分』を見てまたもや落胆していた。

 

 

そして翌朝、天元たち四人は鬼屋敷を後にした。後に天元は

 

 

「あんな美味ェ飯を食ったことは一度も無ェ。もし炭治郎が女だったら『四人目の嫁』にしようと派手に動いていたかもな」

 

 

と語っていた。

 

 

その後炭治郎は柔軟をしながら刀のことが気になってなほたちに聞いたら

 

 

「鋼錢塚さんから手紙が来ていますが、読むことはお勧めしません」

 

 

と言っていた。炭治郎は首を傾げ、とりあえず手紙を広げると

 

 

『お前にやる刀は無い』、『呪ってやる、憎い』、『ゆるさない』

 

 

と言った文字が分厚い筆跡で書かれており、手紙からは憎しみの匂いがしていた。

 

 

炭治郎はどうするか悩んでいると

 

 

「でしたら私がお館さまに一筆認めて"刀鍛冶の里"へ行く許可をもらいましょう」

 

 

しのぶがやって来て提案をした。炭治郎はしのぶにお願いして手紙を書いてもらい、お館さまへ鴉に郵送してもらう。程なくしてお館さまから『OK』をもらい、炭治郎は刀鍛冶の里へ向かうことができた。

 

 

 

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