鬼滅の刃 清めの音(ね)を持つ鬼   作:レイファルクス

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刀鍛冶の里編
第37話


 

 

「はじめまして。お館さまより許可が出ましたので私がご案内します」

 

 

お館さまから許可をもらった数日後、蝶屋敷に一人の女性の隠が訪問。炭治郎を案内すると言った。

 

 

炭治郎はお辞儀して挨拶すると隠の人は目隠し用の布と耳栓を取り出し、炭治郎にこれを着けるよう言った。

 

 

炭治郎は何故これらを着けるのか聞くと、刀鍛冶の里は鬼の襲撃から守るために精巧に隠されているからと隠は答えた。更に炭治郎は鼻が利くからと言った理由で鼻栓もさせられた。

 

 

そして隠は炭治郎(+禰豆子)を背負って蝶屋敷を出発した。

 

 

案内をする隠は数人おり、所々で待機しており、鴉の案内で運ぶのを交代していた。

 

 

「ありがとうございます❗お疲れ様です❗よろしくお願いします❗」

 

 

炭治郎は運び役が変わる度に運んでくれた隠を労っていたので、隠の者たちはホッコリしていた。

 

 

そして遂に炭治郎は目隠しと耳栓を外されると、目の前に大小様々な家屋が並んでいた。そう、刀鍛冶の里に到着したのだ。

 

 

炭治郎は自分で鼻栓を取ると、温泉特有の匂いに歓喜した。そして隠は去る時に頭を下げる。

 

 

「ありがとうございました❗」

 

 

炭治郎は大きな声で運んでくれた隠に礼を言った。その声はやまびこになって温泉に浸かっていた蜜璃に届いていた。

 

 

炭治郎は早速隠に言われた場所、つまり里の長がいる所へと向かった。そして火男の面を着けた人に案内されて

 

 

「どうもコンニチハ。ワシこの里の長の鉄地河原(てっちかわはら) 鉄珍(てっちん)。里で一番小さくって一番えらいの。よろぴく」

 

 

長の鉄地河原鉄珍と面会した。

 

 

「はじめまして、鬼殺隊、鬼柱・竈門炭治郎です。よろしくお願いします❗」ゴンッ

 

 

炭治郎はお辞儀するが勢い余って畳に額をぶつけてしまった。

 

 

「いい子やね。おいで、かりんとうをあげよう」

 

 

「ありがとうございます❗」

 

 

鉄珍は炭治郎にかりんとうが入ったお盆を差し出し、炭治郎は受け取るが、すぐには食べず、自分の横に置いた。

 

 

「ん❓食べないのかい❓」

 

 

鉄珍は炭治郎が食べないことに疑問を感じ、理由を聞くと

 

 

「『物を食べなから話を聞くのは礼儀知らずだ』と俺の師匠から教わりましたので。このかりんとうは部屋に戻った後、ゆっくり味わっていただきます」

 

 

と響鬼からの教えを守っていた。それを聞いた鉄珍は頷きながら

 

 

「ええ子やええ子や。お前さんのような子は滅多におらん。すぐにでも刀を渡したいが、今蛍は行方不明になっとってな。堪忍してな」

 

 

炭治郎の性格を褒めていた。そして炭治郎の刀鍛冶がいないことを話した。炭治郎は誰のことを言っているのか分からなかったが、鉄珍が鋼錢塚のフルネームを言うと、『可愛い名前ですね❗』と褒め、鉄珍が名付け親であることを明かした。

 

 

「可愛すぎ言うて本人から罵倒されたわ。小さい時からすぐ癇癪を起こす困り者やったからなぁ」

 

 

炭治郎は直ぐに折ったりする自分が悪いと言うが、鉄珍は折れるような(なまくら)を作るのが悪いと言う。

 

 

炭治郎はその気迫に少し圧され、鉄珍の側にいる人が鋼錢塚を取り押さえると物騒なことを言うと、炭治郎は乱暴なことはしないで欲しいと頼む。

 

 

「ええ子な君の頼み事や、なるべく穏便にすましちゃろう。君はまだ鬼狩りができる程体が回復しちょらんと聞いておる。この里の温泉は弱った体によう効く。温泉に浸かりながら気長に待っときんしゃい」

 

 

鉄珍は炭治郎の頼みを聞き、温泉に入ることを勧めた。

 

 

そして炭治郎は長の所を後にし、温泉に続く階段まで案内された。

 

 

炭治郎は階段を登っていると、温泉がある方から蜜璃が駆け降りてきた。炭治郎は蜜璃の『とある一部分』を見てびっくりしていたが、泣きながらすがりついたので理由を聞くと、どうやら温泉から上がる時に誰かに会い、挨拶をしたが無視されてしまったそうだ。

 

 

一方蝶屋敷にいるしのぶとカナヲ、アオイは『何かを感じ取っていた』。後日、そのことを聞くと

 

 

「「「炭治郎(君)(さん)に女が迫った気配がした」」」

 

 

と語っていた。

 

 

炭治郎は蜜璃を慰めるために食事のことを話すと、先程とは打って変わって笑顔になり、意気揚々に階段を降りていった。

 

 

そして炭治郎は温泉に到着した。炭治郎はその広さに驚いていると、炭治郎の頭に何かが当たった。炭治郎はそれを拾ってみると、なんと当たったのは『前歯』だった。そして飛んできた方を見ると、玄弥が入っていた。

 

 

「玄弥、久しぶり❗」

 

 

「❗❓、炭治郎❗久しぶりだな❗」

 

 

炭治郎は玄弥に声を掛けた。それに気づいた玄弥は振り向き、声を掛けたのが炭治郎だと分かると、返事をした。

 

 

「さっき甘露寺さんに会ったけど、無視されたって泣いてたよ❓」

 

 

炭治郎は服を脱ぎ、玄弥の隣に腰を落とし、一緒に肩まで浸かっていた。因みに禰豆子は服を脱いだ後、湯船で泳いでいた。

 

 

「げっ❗❓マジかよ…。俺、只でさえ女性と話すのは苦手なのに…」

 

 

炭治郎は先程蜜璃と会ったことを伝えると、玄弥は落ち込んでしまった。玄弥は蜜璃に声を掛けられて緊張してしまい、上手く喋れなかったのだ。それを蜜璃は『無視された』と勘違いしてしまったのだ。

 

 

「理由を話せば分かってくれるよ。俺も側にいるから。それに前に言っただろう❓『何かあれば相談してくれ』って」

 

 

「❗❓…。分かった、じゃあ早速お願いしてもいいか❓」

 

 

炭治郎は玄弥を励まし、玄弥は炭治郎を頼った。禰豆子は玄弥の側まで泳ぎ、玄弥の頭を撫でた。

 

 

そして夕食の時間となり、炭治郎と玄弥、蜜璃の三人は同じ部屋で食事を取ることにした。が、二人は驚愕することになった。なんと蜜璃は二人が食べてる量の『何倍』もの量を"平らげていた"のだ。

 

 

「……す、凄いですね」

 

 

炭治郎は若干引きながら言うと、蜜璃は『今日はそんなに食べてないけど』と言って二人は更に唖然とした。

 

 

「あの、先程は無視するようなことをしてしまって申し訳ありません」

 

 

玄弥はある程度食事が終わった時に蜜璃に向かって謝った。

 

 

「実は俺、女性と話す機会が殆んど無くて。声を掛けられるだけでも緊張してしまって…」

 

 

「じゃあさっき声掛けた時、返事をしなかったのは、『無視した』んじゃなくて『緊張して返事できなかった』からなのね❓」

 

 

蜜璃の質問に玄弥は顔を赤くしながら頷いた。すると蜜璃は突然泣き出し

 

 

「良がっだ~❗嫌われだど思っだ~❗」

 

 

心の内を語った。二人は泣き出したことにギョッとし、禰豆子は小さい姿で蜜璃の頭を撫でていた。炭治郎は何か良いアイデアは無いか玄弥を見るが、玄弥も同じ事を考えていたのか、炭治郎の方を見ており、首を横に振った。

 

 

「そ、そう言えば❗甘露寺さんは何で鬼殺隊に入ったんですか❗❓」

 

 

炭治郎は咄嗟の判断で入隊理由を聞き、玄弥も今度は首を縦に振った。

 

 

「えっ❓私❓え~っ、どうしよっかな~。実はね、添い遂げる殿方を見つけるためなの❗」

 

 

蜜璃は両手で頬を押さえ、キャーキャー言う。それに炭治郎と玄弥は目が点になってしまった。

 

 

そこに隠の者が現れ、蜜璃に『もうすぐ刀が研ぎ終わるから工房まで来てほしい』と言われた。

 

 

「もう行かなくちゃ。炭治郎君、あなたは上弦の鬼と戦って生き残った。実際に体感して得たものはこれ以上ない程価値がある。五年分、十年分の修行に匹敵する。今の炭治郎君は前よりももっとずっと強くなってる」

 

 

「甘露寺蜜璃は竈門兄妹を応援してるよ❗」

 

 

炭治郎は蜜璃の言葉に感動し

 

 

「ありがとうございます。でもまだまだです❗俺は、宇随さんに"勝たせてもらった"だけですから。もっともっと強くなります。鬼舞辻無惨に勝つために❗」

 

 

蜜璃に大見得を切った。その炭治郎の顔を見た蜜璃はときめいてしまった。

 

 

視線を鬼屋敷に変えると、しのぶ、アオイ、カナヲが食事中に仏頂面になった。この日は珠世が蝶屋敷の面々を食事に誘ったので、カナエやなほたちを含む九人で珠世の手料理を楽しんでいたのだ。珠世がどうしたのか聞いてみると

 

 

「「「炭治郎(君)(さん)に女性(悪い虫)が付いた気がした」」」

 

 

と言ったので、珠世は思わず苦笑いしてしまった。

 

 

視線を炭治郎たちに戻そう。蜜璃は炭治郎に長期間滞在するのか聞いて、炭治郎は『そうですが❓』と答える。すると蜜璃が

 

 

「この里には強くなるための秘密の武器があるの。探してみてね❓」

 

 

そう炭治郎に『耳打ち』をする。そして蜜璃は炭治郎から離れ、隠の人と一緒に退室する。炭治郎はしばらく動かなかったが、突然

 

 

ブーーーッ

 

 

大量の鼻血を出して倒れた。

 

 

「ちょっ、炭治郎❗❓今の鼻血尋常じゃねぇーぞ❗❓誰か❗医者❗、『ドクター❗』、『衛生兵❗』」

 

 

玄弥はパニックになり、この時代では使わない単語を喋りだし、禰豆子は炭治郎を何度も揺すっていた。

 

 

視線を鬼屋敷に向けると、食後のティータイムを楽しんで(一部除く)いた女性陣の湯飲みが『割れた』。突如響いた音にびっくりしてその音がした方を見ると、しのぶ、アオイ、カナヲから『ドス黒いオーラ』を出していた。

 

 

「ど、どうした❓なんか体から出しちゃいけないようなオーラ(もの)が出ているように見えるんだが」

 

 

愈史朗が意を決して聞いてみると

 

 

「いえ、炭治郎君の『貞操の危機』を感じまして」

 

 

そうしのぶが答えるとアオイとカナヲが同時に頷いた。

 

 

「(炭治郎、お前、帰ったら三人に殺されるかもしれんぞ…)」

 

 

愈史朗はいずれ訪れるであろう炭治郎の『冥福』を祈った。

 

 

 

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