鬼滅の刃 清めの音(ね)を持つ鬼   作:レイファルクス

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第38話

 

炭治郎が鼻血を出して倒れた翌朝、炭治郎は蜜璃が言っていた『秘密の武器』を探しに禰豆子と共に森へ入っていた。炭治郎はまだ体調が優れず、鼻も利きにくかった。そしてしばらく彷徨っていると、鬼殺隊の服を着ている少年と『火男』と書かれているちゃんちゃんこを着ている少年が揉めている場面に出くわした。

 

 

「どっか行けよ❗何があっても鍵は渡さない❗使い方も絶対教えねぇからな❗」

 

 

少年がそう言っていると、鬼殺隊の服を着ている少年『霞柱・時透無一郎』が少年に手刀を首筋に当て、襟首を持って持ち上げた。それを炭治郎は見逃すことは出来ず、無一郎の腕を掴む。

 

 

炭治郎は力を込めて放そうとするが、彼の力が強く、放れなかった。そして無一郎は炭治郎に肘鉄を喰らわせ、炭治郎はむせる。無一郎は炭治郎が背負っている箱が気になり、触ろうとする。だが炭治郎はその手を払い退け、少年を救出した。

 

 

少年は炭治郎から離れ

 

 

「だっ誰にも鍵は渡さない❗拷問されたって絶対に、"あれ"はもう次で壊れる❗」

 

 

そう呟いた。だが無一郎は見下す視線で少年を睨み、鍵を渡すよう催促する。だが炭治郎は無一郎が出した手を叩いた。無一郎は炭治郎に何をしたのか聞いてると、

 

 

「こう…、何かこう…、凄く嫌❗何だろう、配慮かなぁ❗❓配慮が欠けていて残酷です❗」

 

 

無一郎は何を言ってるのか分からなかった。

 

 

「あなたの言ってることは概ね正しいんだろうけど、間違ってないんだろうけど、刀鍛冶は重要で大事な仕事です❗剣士とは別の凄い技術を持った人たちだ❗だって実際刀を打ってもらえなかったら俺たち何もできないですよね❓」

 

 

「剣士と刀鍛冶はお互いがお互いを必要としています❗戦っているのはどちらも同じです❗」

 

 

炭治郎は無一郎に刀鍛冶の重要性を訴える。それを離れた所から鋼錢塚が盗み聞きしていた。

 

 

「悪いけど、下らない話につき合っている暇ないんだよね」

 

 

だが無一郎は炭治郎の話を蹴り、彼に手刀を当て気絶させた。炭治郎は視界が回っている時に鋼錢塚の姿を見た気がした。

 

 

炭治郎が気絶してしばらくすると、炭治郎は覚醒した。炭治郎は少年に鋼錢塚がいたか聞いたが、当人に口止めされたのか、知らないと口笛を吹いて誤魔化していた。

 

 

少年は自分を助けてくれた炭治郎に礼を言った。炭治郎はお礼を受け取った後、鍵は何の鍵が聞いた。どうやら少年の先祖が作った『絡繰(からくり)人形』を起動させる鍵のようだった。だが、老朽化が進み、壊れそうだったのだ。

 

 

すると刀が交わる音がしてそこに向かうと、無一郎が『何か』と戦っていた。

 

 

「あれが俺の祖先が作った戦闘用絡繰人形『縁壱零式(よりいちゼロしき)』です」

 

 

炭治郎は人形の顔に見覚えが合ったが、それよりも気になったのが"腕が六本ある"ことだった。少年によると、戦国の時代に実在した剣士がモデルらしいが、腕を六本にしなければ動きを再現できなかったと父から教わったそうだ。

 

 

少年は自分が直せれば良いのに、その才能がないのを悔やんでいた。炭治郎は無一郎の動きに感心していると

 

 

「ソリャア当然ヨ❗アノ子ハ"日ノ呼吸"ノ使イ手ノ子孫ダカラネ❗」

 

 

不意に声を掛けられ、その方を向くと

 

 

「アノ子ハ天才ナノヨ❗アンタ達トハ次元ガ違ウノヨ❗」

 

 

無一郎の鴉(雌)が自慢していた。炭治郎は無一郎の呼吸を『日じゃないんだね』と言うと、鴉は炭治郎の頬を嘴で咬んだ。その時に炭治郎は縁壱零式の顔を夢の中で見たことを思い出した。

 

 

鴉は『ソンナ事アリ得ナイ』と罵るが、少年はそれは"記憶の遺伝"じゃないかと言う。

 

 

「生き物は記憶も遺伝する。初めて刀を作る時、同じ場面を見た記憶があったり、経験してないはずの出来事に覚えがあったり、そういうものを記憶の遺伝と呼びます」

 

 

少年がそう説明すると、鴉は『非現実的❗』と罵る。が、炭治郎は不思議と納得する。

 

 

「そう言うことはあるかも知れない。っと、そう言えば自己紹介がまだだったね。俺は竈門炭治郎。鬼殺隊の鬼柱なんだ。君の名前は❓」

 

 

「俺は小鉄(こてつ)です鬼柱様。意地の悪い雌鴉の戯れ言なんて気にしなくていいですよ」

 

 

炭治郎と少年・小鉄は互いに自己紹介をし、炭治郎は小鉄が吐いた毒に驚いていた。すると何かが壊れる音がして振り返ると、無一郎が零式の鎧を壊していた。

 

 

それを見た小鉄は走りだし、姿を消した。炭治郎は小鉄の匂いを追いながら探していると、高い木の枝の上にいた。

 

 

「小鉄君、諦めちゃ駄目だ❗君には未来がある❗十年後、二十年後の自分のためにも今を頑張らないと❗今できないことも、いつかできるようになるから❗」

 

 

炭治郎は小鉄を励ますが、小鉄は『自分の代で終わりだ』と言って泣きべそをかいていた。そこに炭治郎が現れ、デコぴんならぬ顎ぴんをした。

 

 

「自分にできなくても必ず他の誰かが引き継いでくれる。次に繋ぐための努力をしなきゃならない。君にできなくても君の子供や孫ならできるかもしれないだろう❓」

 

 

「俺は鬼舞辻無惨を倒したいと思っているけれど、鬼になった妹を助けたいと思っているけれど、志半ばで死ぬかもしれない。でも必ず誰かがやり遂げてくれると信じてる。俺たちが…、繋いでもらった命で上弦の鬼を倒したように、俺たちが繋いだ命がいつか必ず鬼舞辻を倒してくれるはずだから」

 

 

炭治郎の言葉に響いたのか、『見届ける』と言って、炭治郎は笑みを浮かべた。

 

 

その後炭治郎と小鉄は無一郎が特訓していた所へ戻っている所だった。その道中、様々なことを話した。炭治郎は鬼柱の"鬼"は『鬼を連れている』からでは無く、『音撃の戦士を意味する鬼』から付けられたこと、自分のことは『炭治郎』で良いと言うこと、小鉄は歳が十歳であること、長の鉄珍が猛士の長と知り合いであることなど。

 

 

二人が話していると、その間を無一郎が通りすぎた。二人は終わったことに驚き、無一郎は『自分の刀が折れたから"これ"貰って行くね』と言って零式の腕が付いた刀を見せた。小鉄は走りだし、無一郎は折れた刀を炭治郎に向けて放り投げ、そのまま歩き去った。

 

 

炭治郎は小鉄の下へ走り、小鉄を見つける。小鉄は顔の側面が壊れ、中が露出して倒れている零式の側で佇んでいた。そしてまるで小鉄の涙を隠すように雨が降りだした。炭治郎は小鉄に『まだ動くか確認しよう』と言って二人で細部をチェックしながら零式を立たせた。

 

 

だが、零式はピクリとも動かなかった。二人が諦めかけたその時、中の歯車が動きだし、零式は構えた。炭治郎は動いたことに喜んで小鉄に声を掛けると

 

 

「……そうですね炭治郎さん。これで修行してあの澄ました顔の糞ガキよりも絶対に強くなってくださいね……❗全力で協力しますので…❗」

 

 

雷が落ち、その雷光で照らされた小鉄の顔は、お面で隠されていたが、明らかに"憤怒"の表情をしていた。

 

 

「(え❓今からかな❓)」

 

 

炭治郎は今からやると言わんばかりの小鉄の顔に冷や汗をかいた。

 

 

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