緊急柱合会議in鬼屋敷が終わり、各々が帰路に着く。と思われた時
「皆さん、今日は
炭治郎が提案をした。杏寿郎と天元は間髪入れず賛成。しのぶも『蝶屋敷の皆と一緒なら』と条件付きで賛成。義勇と行冥は既に夕飯の用意をしているらしく辞退。実弥と小芭内は話を聞かずそそくさと帰ってしまった。蜜璃と無一郎は悩みはしたが、杏寿郎と天元の『炭治郎が作る飯は旨い』の声を聞いた瞬間、賛成した。
炭治郎はあまねたちも誘ったが、遠慮されてしまった。この時、あまねと一緒にいた輝利哉とかなたは悲しい表情をしていた。
鬼屋敷に泊まることになったのは、杏寿郎、天元、蜜璃、無一郎、しのぶ、カナエ、カナヲ、アオイ、なほ、すみ、きよの十一名である。
だがここで問題があった。それは『食糧が足りるか』だった。知っての通り蜜璃はかなりの大食漢である。鬼屋敷の備蓄が足りるのか不安であった。だが炭治郎は元々『柱全員分』の食事を用意していたのだ。それも蝶屋敷のメンバー全員を差し引いた分である。
つまり、鬼屋敷のメンバーと蝶屋敷のメンバーに加え、他の柱全員分の食事を用意していたのだ。
鬼屋敷を去った柱の分の食事を得た蜜璃は期待に胸を膨らませていた。
そしていよいよ炭治郎特製飯を堪能する時が来た。しのぶは事前に炭治郎に断りをもらって蝶屋敷に戻り、全員に鬼屋敷に来るように言った。他の皆はそれだけで鬼屋敷に行く理由が分かってしまい、各々のお泊まりセットを持って鬼屋敷へ我先に向かった。
こう言ったことが何度かあったせいか、各々の"定位置"に座り、炭治郎の挨拶を待った。
「それじゃみんな、手を合わせて。この世の全ての食材に感謝を込めて、いただきます」
『いただきます❗』
炭治郎の掛け声で食事が開始された。杏寿郎は『わっしょい❗』を連呼しながら次々と食事を消化していった。そんな杏寿郎を見た蜜璃は
「杏寿郎さんが『わっしょい❗』を連呼してる❗❓本当に炭治郎君のご飯は美味しいんだ❗」
隣に座っている無一郎は蜜璃の言葉に『❓』を浮かべていると
「あっ、ごめんね。杏寿郎さんは美味しい料理を食べると『旨い❗』って言うんだけど、『旨い』の更に上の表現が『わっしょい❗』なの。つまり、杏寿郎さんの『わっしょい❗』は彼にとって最高の褒め言葉みたいのものなの」
蜜璃はそう言いながら炭治郎が作った『五目炊き込みご飯』を頬張っていた。
無一郎も自分の前に出された料理に舌鼓を打った。
「げんや、あ~ん」
「あ~ん」
炭治郎の隣に座っていた玄弥は現在、禰豆子の『あ~ん』を受けていた。
「おいしい❓」
「義兄さんの料理は美味しいが、禰豆子に食べさせてもらえるともっと美味しい」
顔を赤くして玄弥は禰豆子に言うと、禰豆子も釣られて顔を赤くする。
「禰豆子ちゃん、俺もあ~ん」
禰豆子の隣に座っていた善逸が禰豆子に向けて口を大きく開ける。けど
「ぷい」
禰豆子は善逸にそっぽを向いて玄弥に食事を食べさせる。
無視された善逸はただ黙々と食事を口に運んでいて、それを見ていた天元は爆笑していた。
そして食事も終わり、一同は風呂へ向かう。
「わぁ~恋柱様、体格凄い綺麗です~」
ここは女湯の脱衣所。蜜璃のプロポーションを見たなほは思わず声を上げた。
「そ、そうかな~」
蜜璃は照れながら自分の胸や腰を見る。しのぶはもう慣れてしまったのか項垂れはしなかったが、カナヲは自分の胸を見て項垂れてしまった。
「大丈夫よカナヲ。あなたはまだ成長するから」
アオイはカナヲの肩を叩きながら慰めていた。が、
「アオイさんに言われても説得力皆無ですよ…」
カナヲはアオイの胸を見て打ち比しがれていた。
そうこうしている間に準備が終わり、浴場へ足を踏み入れる。蜜璃は湯船の大きさに驚いた。
「私たちもたまにこちらのお風呂を利用させてもらっているんですよ。広々とした湯船で疲れを癒すのは最高ですよ❓」
しのぶが自信満々に言うと、蜜璃は羨ましく思っていた。
なほ→すみ→きよ→カナヲ→アオイ→しのぶ→カナエ→珠世→蜜璃の順番で背中を洗い合って、皆が湯船に浸かる。
「ふあぁ~、疲れが溶けていく感じ~」
蜜璃は湯船の縁に体を預けて楽しんでいた。すると隣からバシャバシャと水が跳ねる音がした。
「また善逸さんがやらかしたようね。まったく懲りないんだから」
アオイがため息を突きながら愚痴を溢した。蜜璃はどういうことか『❓』を浮かべていると
「この湯船は隣の男湯と繋がっているんですよ。けど覗き防止のために壁がある所にすのこを見えないように設置しているんですよ」
すみが浴場の仕組みを話すと、蜜璃は理解した。その後しばらく音はしたが、やがて静かになった。
「どうやら向こうの"制裁"が終わったみたいですし、そろそろ上がります❓これ以上浸かっていると逆上せそうになりますし」
カナエが立ち上がると同時に皆に言うと、次々と湯船から上がり、体を拭いて寝間着に着替えた。
そして暖簾を潜ると、時を同じくして男性陣が男湯から出てきた。なぜか炭治郎と玄弥が"善逸の両足を持って"。
「皆さんすみません。俺と玄弥はちょっと"用事"ができましたので失礼します」
炭治郎は玄弥と一緒に善逸を引き摺りながら進むと
「炭治郎君、ほどほどにしといてくださいね❓」
しのぶがさらっと注意をした。炭治郎と玄弥はしのぶに一礼して浴場を後にした。その後、一同は割り振り当てた部屋で就寝した。(禰豆子は玄弥と同室です)
翌日、杏寿郎、天元、蜜璃、無一郎の四名は炭治郎から土産を受け取り、帰路に着いた。因みに土産は炭治郎特製の『おはぎ』である。彼のおはぎは甘さ控えめでありながらあんこ独特の甘さがあり、玉露と一緒に食すと互いの甘さを引き立て合う旨さを持っていた。
このおはぎは天元の奥さんの須磨、まきを、雛鶴の『大好物』なのだ。天元はこれを受けとると
「嫁たちに良い土産が手に入った❗」
と喜んでいた。
それから数時間後、炭治郎はしのぶ、アオイ、カナヲの三人と市井を歩いていた。その理由は、三人の愛用の髪飾りが割れて使い物にならなくなってしまっていたので、四人で買いに行く話となった。
髪飾りなどを扱う店に来た四人は色々物色をする。すると炭治郎は棚の一角にある"蝶の髪飾り"が目に入った。炭治郎は店長に欲しい物を伝えると、店長は店の奥に引っ込んでいった。
それから数分後、店長が炭治郎の所へ戻ってきて、炭治郎が求めている物を見せる。炭治郎は金額を聞き、店長が耳打ちすると、炭治郎は直ぐ様代金を支払った。
それから四人は市井を宛も無くブラブラ歩いてデートを楽しみ、蝶屋敷に戻った時に三人に先程買った物を渡した。
しのぶは前着けていたのと同じ『紫の蝶の髪飾り』を
アオイは『藍色の二つ一組の蝶の髪飾り』を
カナヲは『白の蝶の髪飾り』を
「カナヲには告白しましたけど、しのぶさんとアオイさんにはまだ言って無かったので。俺はしのぶさんとアオイさんが好きです。カナヲと話し合って決めました。俺はカナヲとしのぶさんとアオイさんの三人とお付き合いします❗」
しのぶとアオイは、炭治郎の告白に涙を浮かべ、炭治郎に一人ずつキスをした。
「「「絶対幸せにしてくださいね❗」」」
しのぶ、アオイ、カナヲの三人は炭治郎に抱きついて互いの温もりを感じ合っていた。
その夜、カナエとなほ、すみ、きよの四人は嬉しそうな三人の顔を見て微笑んでいたそうだ。