鴉経由で参加を表明した鬼柱・竈門炭治郎は現在、天元の"基礎体力向上訓練"を受けていた。
「よォよぉ炭治郎、数日ぶりだな❗お前の稽古、見させてもらったぜ❗随分とまぁド派手な稽古だったな❗」
天元は炭治郎に出会うと炭治郎の稽古を誉め出した。
「確かに体力や技術があっても心が駄目だと宝の持ち腐れだ。お前さんのお陰様で諦めねぇ奴らが沢山出てきた。感謝してるぜ」
「さぁお喋りはここまでにしとこぉや。鈍った感覚をここで叩き起こしな❗」
「はい❗」
炭治郎は走り込みを再開し、昼飯時になると
「キャ~ッ、炭治郎君久しぶりです~❗」
天元の妻の一人、須磨に抱きつかれた。
「こ~ら須磨❗炭治郎君が困ってるじゃない❗離れなさい❗」
そこに天元の妻の一人、まきをが現れ、須磨を引き剥がした。
「だって~、会うの久しぶりなんですもの~。抱きつきたくもなるでしょ~」
「だからって抱きついたら炭治郎君が困るでしょう❗もうちょっと節度を守りなさい❗」
須磨とまきをの言い合いに炭治郎は苦笑いを浮かべていた。
「ごめんなさいね。須磨ったら、あなたの料理を食べてからすっかり虜になっちゃって。あの子、気に入ったものに抱きつく癖があって。あ、おはぎありがとうね、天元様と一緒にいただいたわよ」
そこに天元の妻の一人、雛鶴が桶いっぱいのおにぎりを持って現れ、炭治郎に須磨の行動の謝罪と土産のお礼を言った。
「いえ、あんなのでよければいくらでも作りますよ」
「ありがとね。さぁしっかり飯を食って午後の稽古も頑張りな❗」
「はい❗いただきます❗」
炭治郎は差し出されたおにぎりをもりもり食べ、午後の稽古に参加した。そして十日後、次の柱、無一郎の所へ行く許可が降り、炭治郎は天元たちの下を去った。その前に須磨が炭治郎に抱きついたのは言うまでも無い。
そして炭治郎は無一郎がいる屋敷に到着し、稽古を受ける。無一郎の稽古は『高速移動』を主とした稽古で、筋肉の弛緩と緊張を滑らかにする物だった。
炭治郎が稽古に参加して五日、無一郎は次の柱、蜜璃の下へ行く許可を出す。炭治郎はこの短期間に許可が降りるとは思ってもいなかったようで驚いていた。
「炭治郎はこの短期間で僕が言っていたことを全てできていたから大丈夫だよ。それと、僕は禰豆子ちゃんのこと認めるよ。禰豆子ちゃんがいなかったら、上弦の鬼を倒せなかっただろうしね」
「時透君、ありがとう❗」
「僕のことは『無一郎』でいいよ」
「❗❓…、ありがとう、『無一郎』君」
無一郎とより一層仲良くなった炭治郎は無一郎の下を後にする。その前に無一郎の稽古を先に受けていた隊士は『自分も』と言うが、冷たくあしらわれた。
炭治郎は蜜璃がいる屋敷へと到着。屋敷の前には蜜璃とカナヲが待っていた。
「炭治郎~❗」
カナヲは炭治郎の姿を見つけると同時に走りだした。けどこの時炭治郎は固まってしまった。何故なら、カナヲの『格好』に問題があった。今のカナヲの格好は『レオタード』姿だったのだ。
なぜレオタードなのか❓それには理由がある。それは蜜璃の稽古着がレオタードだからである。
しかしこのレオタードはサイズが合って無いのかかなりパツパツであり、カナヲのボディラインがくっきりと見えてしまい、男には正に『目に毒』状態なのだ。
カナヲは胸を揺らしながら炭治郎に近づき正面から抱きついた。サラシを着けていないのか、炭治郎の胸にカナヲの胸が当たり、その柔らかさに炭治郎は顔を赤くし、鼻血を出してしまった。カナヲは炭治郎の状態の異変を感じ、顔を覗く。炭治郎はカナヲの行動に気づかず呆けていた。
蜜璃は炭治郎を揺らして正気に戻し、稽古着に着替えさせるために更衣室へ案内した。
炭治郎はレオタードに着替え、カナヲと一緒に道場に入る。すると炭治郎は『ある視線』を感じ取った。炭治郎はその視線を追うと、カナヲに行き着いた。そしてその逆の視線を追うと、男性隊士『たち』がカナヲを舐めるような視線で見ていた。
炭治郎はどこから取り出したのか、自身の日輪刀を抜刀し、男たちに"襲い掛かった"。炭治郎に気づいた隊士たちは炭治郎の憤怒の表情に驚愕し、散り散りに逃げる。
「貴様ら~❗逃げるんじゃねぇ~❗俺の女を視姦した罪、その命を持って償え~❗」
炭治郎は青筋を幾つも浮かべながら男たちを追いかけた。カナヲは炭治郎の言葉を理解したのか、顔を赤くして自分の体を抱き締め、
「キャ~ッ、カナヲちゃん炭治郎君に好かれてて素敵~❗私もあんな殿方を見つけなきゃ❗」
蜜璃は二人の行動に頬を染めてキャ~キャ~言っていた。
(いや蜜璃さん、カナヲの体格に合った服をさっさと出せよ)by作者
炭治郎の地獄の追い掛けっこ(即ち文字通りの"鬼ごっこ")が終わり、いよいよ蜜璃の柔軟稽古が始まった。しかし炭治郎とカナヲ"以外"は死にそうな顔をしていた。
その原因は『炭治郎に追いかけられた』からであった。
まず蜜璃は楽器を演奏し、皆はその音楽に合わせて踊った。カナヲは慣れているのか、すんなりと踊り、炭治郎は魔化魍との戦いで身に付けたのか、カナヲ同様にすんなり踊った。
だがこの先が地獄だった。蜜璃はまずカナヲと手本を見せるべく柔軟を見せた。カナヲは女性のため、体は柔らかく、蜜璃と"同じ体制"を取った。しかし、男性隊士たちはそうもいかず、蜜璃に足を無理矢理広げさせられた。これには炭治郎も流石にビビり、震える。けれど、カナヲが見てる中情けない姿は見せられないと思ったのか、自ら志願し柔軟を行った。
すると炭治郎は何の痛みも無く、すんなり股が開き、体が床についた。これには炭治郎はおろか蜜璃やカナヲ、他の隊士たちも驚いていた。
そして三時のおやつタイムになると、蜜璃が自ら作ったパンケーキが振る舞われた。しかもバターや巣蜜(蜂蜜の原型)が"たっぷり"かけられた物を出された。カナヲは美味しそうに頬張り、炭治郎も恐る恐る食べてみると、その"甘さ"にびっくりした。
更にカナヲは隣に座っていた炭治郎に自分のパンケーキを一口差し出した。炭治郎はカナヲの意図が分かり、それを食べる。炭治郎はお返しと言わんばかりに自分のパンケーキを一口カナヲに差し出した。カナヲはそれを食べ、先程とは違って"嬉しそう"な笑みを炭治郎に向けた。
何時の間にか二人の周りは桃色空間が広がっており、それに当てられた隊士は皆、口から砂糖を吐き出してしまい、自分のパンケーキが更に甘くなってしまったとか。