炭治郎が蜜璃の下を訪れて数日後、炭治郎とカナヲは小芭内の下を訪れていた。その理由は蜜璃の稽古が終了し、許可が降りたからだった。
「竈門炭治郎、俺はお前を待っていた。言っておくが、俺は甘露寺のように甘くは無い。例え死んでも自己責任だからな。それを覚えておけ」
「それと、甘露寺からお前のおはぎを分けて貰った。美味しかったぞ。そのこと"だけ"は礼を言っておく」
炭治郎とカナヲは小芭内に案内され、道場に来た。そこには木の棒に括りつけられた隊士がいた。
「お前たちにはこの"障害物"を避けつつ太刀を振るってもらう」
炭治郎は恐る恐るこの状況を聞くと
「こいつらが括られている理由❓それは『弱い罪』、『覚えない罪』、『手間を取らせる罪』、『イラつかせる罪』と言った所だ。お前らもこうならないように気をつけな」
小芭内の答えに炭治郎とカナヲは顔を青くした。
こうして小芭内の稽古が開始された。が、やはりすんなりとはいかず、時々縛られた隊士に当たってしまう。しかし四日もすると、どう攻撃したら良いのか分かり、遂に二人は小芭内の羽織の裾を斬った。
どうやら攻撃が当たると斬れる仕組みにしていたようだ。
こうして小芭内の稽古は終わりを迎えた。炭治郎は最後まで嫌われていた。
そして炭治郎たちは杏寿郎の生家、炎屋敷即ち煉獄家へ訪れた。
「おぉ竈門少年に栗花落少女、いや『竈門夫妻』と呼ぶべきか❗良くぞ来られた❗ようこそ我が生家、『炎屋敷』へ❗」
門前に杏寿郎が待っており、いきなり爆弾を落とした。
「杏寿郎さん、よろしくお願いします❗それと杏寿郎さん、俺とカナヲは"まだ"夫妻ではありませんよ❗」
炭治郎は"まだ"の所を強く強調した。
「よもや❗❓"まだ"と言うことは、いつかは挙げると言うことか❗式を挙げるのなら是非呼んでいただきたい❗」
カナヲは顔を赤く染めながら何度も頷いた。すると
「兄上、炭治郎さんがお越しになられたんですね❗❓」
杏寿郎の弟の千寿郎が現れた。
「おぉ千寿郎❗その通りだ❗竈門少年、千寿郎が君に相談があると言ってな❗良かったら稽古の前に乗ってほしい❗竈門夫人、君もだ❗」
杏寿郎に言われ、炭治郎とカナヲは千寿郎の相談に乗った。
「すみません炭治郎さん。兄上があんなに騒ぎ立てて」
炭治郎とカナヲは炎屋敷にある千寿郎の部屋へと移動し、開口一番に謝罪が飛んできた。
「別に気にして無いよ。それより相談って❓」
「はい。実は…、前々から蝶屋敷のなほちゃんと文通をしてまして。それで近々…、その…、こ、告白を、しようと思っておりまして」
千寿郎の相談とは、『恋の相談』だった。千寿郎となほは初めて会った時(鬼屋敷の時)にお互いに"一目惚れ"となり、別れる前に千寿郎から『文通相手になってほしい』と言ってなほはそれを承諾。以来二人は文通を行っていた。最初は自分の周りで起きたことを書いていたのだが、文通を重ねる毎に相手の事を徐々に好きになり、お互いに"片思い"状態になっていたのだ。
「でも、もしなほちゃんが僕のことを嫌っていたらと思うと…」
千寿郎の寂しそうな眼差しに炭治郎は苦笑いをしていた。何故なら、炭治郎はなほからも以前"同じ内容の相談"を受けていたのだった。互いの心中を知っている炭治郎だが、相手の気持ちを勝手に言うのは流石に引けるため、考えていると
「千寿郎君、きっとなほもあなたのことが好きなはずよ。でなきゃ今まで文通を続けることなんてできないもの」
カナヲが助け船を出した。千寿郎が『そうでしょうか❓』と質問すると
「だってもし嫌いなら、文通なんて最初からしないんじゃない❓文通を続けてるってことは、少なからず好意を抱いているってことよ」
カナヲの言葉に勇気をもらったのか
「…分かりました。僕、思いきって告白してみます❗」
「頑張って千寿郎君。私、応援するから❗」
千寿郎はなほに告白することを決意した。カナヲは応援すると言って胸の前で拳を握り、炭治郎は千寿郎の手を掴み
「今回殆んどカナヲがしてたけど、俺も千寿郎君となほちゃんの恋、応援するよ」
そう言うと、千寿郎は涙を流し
「ありがとうございます、お二人に相談して良かったです。『鬼殺隊のおしどり夫婦』の名は伊達じゃ無いですね」
と二人を褒めた。しかし
「「ちょっと待って、『鬼殺隊のおしどり夫婦』って何❗❓」」
と待ったが掛かった。千寿郎は頚を傾げながら
「あれ、知らないのですか❓皆さんからそう呼ばれているのを」
そう言うと、二人は頚を横に振った。
因みにこの噂を流したのは『元幼女趣味の人さらい地味柱』の天元であった。