善逸が音撃の戦士・斬鬼として覚醒した時、上弦の壱・黒死牟と鬼殺隊の柱たちとの戦いの火蓋が切って落とされていた。
『霞の呼吸 漆ノ型 朧』
『炎の呼吸 壱ノ型 不知火』
最初に黒死牟と出会ったのは、無一郎と杏寿郎だった。二人はそれぞれの技を使い、黒死牟に迫るが
『月の呼吸 壱ノ型
何と黒死牟も"全集中の呼吸"を使い、二人の技を"相殺"させた。
「成程…。黒髪の童よ…、貴公の名は…❓」
「❗…、時透…、無一郎…」
黒死牟は無一郎の名を聞くと、『
「"継国"だと❗❓貴様、何故その名を知っている❗❓」
黒死牟の呟きを聞いた杏寿郎は黒死牟に質問をする。
「知れたこと…。私が…人間だった頃の名は…、『継国
「そして、"始まりの剣士"…、つまり『継国縁壱』は…、私の…"弟"だ」
「「❗❓❗❓❗❓」」
黒死牟のカミングアウトに無一郎と杏寿郎は言葉を失った。
「嘘だ…、嘘だ嘘だ嘘だ、嘘だァァァーーーーーッッッ❗❗❗」
『霞の呼吸 弐ノ型 八重霞』
『伍ノ型 霞雲の海』
『肆ノ型 移流斬り』
「時透❗呼吸が乱れている❗落ち着いて呼吸を整えろ❗」
現実を受け止め切れなかった無一郎は次々に技を繰り出すが、悉く避けられる。杏寿郎は無一郎に注意をするが、無一郎には届いていなかった。
『風の呼吸 肆ノ型
しかしそこに実弥が現れ、黒死牟に技を放った。
「時透ォ、ちったァ落ち着けェ。呼吸が乱れてンぞォ、煉獄の所まで下がって休んでなァ」
実弥は無一郎の頭をゆっくり撫で、杏寿郎の方を指差す。無一郎は肩を大きく上下させながら頷き、杏寿郎の所まで下がった。
「ほう…、風の柱か…」
「そうだ、テメェの頚をォ捻じ斬る風だァ❗」
『風の呼吸 壱ノ型
実弥は黒死牟に向けて技を放つ。しかし黒死牟は刀で"軌道を反らした"。
『月の呼吸 伍ノ型
黒死牟もお返しとばかりに斬撃を実弥に放つ。しかし実弥は余裕を持ってそれを回避。
『風の呼吸 弐ノ型
実弥もお返しとばかりに技を放つ。ここまでは一進一退の攻防が続いた。だが、
『月の呼吸 陸ノ型
黒死牟の技が遂に実弥を捉えた。実弥は血塗れになりながらも止血の呼吸で出血を抑える。黒死牟は実弥の息の根を止めようと刀を振りかぶる。すると、不意に視界が揺らいだ。
「猫にマタタビ、鬼には稀血。俺の血は稀血の中でも更に希少でなァ、"匂いを嗅いだ"だけでも"酔わせる"ことができんだァ」
「俺の血で酔いしれなァ❗」
『風の呼吸 陸ノ型
実弥の稀血で酔い始めた黒死牟に実弥は技を繰り出す。しかし黒死牟は酔って千鳥足になりながらも、避け続ける。そして実弥の刀を踏み、地面にめり込ませ実弥の頚を狙い刀を振るう。しかし実弥は散弾銃で刀を受け止め、黒死牟に向けて引き金を引く。だが黒死牟には届かなかった。
『月の呼吸 参ノ型
黒死牟は止めの一撃を出すが、実弥は
「ひ…、悲鳴嶼さん」
「我ら鬼殺隊は
実弥を助けたのは行冥だった。
「不死川、腹の傷を今すぐ縫え。その間は私が引き受ける」
行冥は実弥に傷の縫合をするように指示し、黒死牟と対峙した。
行冥は黒死牟と対峙すると、鎖で繋がれた鉄球を振り回し、睨み合いが続く。そして先に動いたのは行冥だった。行冥は黒死牟に向けて鉄球を投げつける。黒死牟はそれを避け、反撃しようとするが、行冥は持っていた斧までも投擲し、黒死牟の反撃を阻害する。
『岩の呼吸 弐ノ型 天面砕き』
行冥は鎖を踏みつけ、その勢いで黒死牟の頭上に上がっていた鉄球を落とす。だが黒死牟はそれを避ける。だが行冥はそれは想定内だったのか、鎖を黒死牟の頚に巻き付けようとした。黒死牟は鎖を刀で斬ろうとするが、行冥の斧と鉄球を繋いでいる鎖もまた、日輪刀と同じ素材のため黒死牟の刀が"妬け始めた"。
黒死牟はそれを察知し、しゃがむことで鎖から逃れるが、毛髪が少し妬き切れた。黒死牟の刀は自身の肉で形成されており、受け止める"だけ"でも妬けてしまうのだ。だが通常の日輪刀では黒死牟の刀を妬かせることはできない。しかし行冥の武器は陽光を極限まで吸収しているため、刀を妬かせることができたのだ。
行冥と黒死牟の攻防は激しさを増し、遂に行冥は黒死牟の刀を折った。
『月の呼吸 弐ノ型
『岩の呼吸 肆ノ型
黒死牟は刀が再生した上に無傷、行冥は顔に切り傷を負った。
「これは…、無惨の時まで温存しておきたかったが、ここで負けては元の木阿弥。今使うも止む無し❗」
行冥は両腕に力を込めると、"罅割れ"のような"痣"が浮かび上がった。
「貴公も痣の者…か、残念だ。貴公、見た所…、齢は二十七…といった所。痣の者は…、
「そのことは既に承知している。そして貴様は一つ虚偽を述べた。"痣を持ち、二十五を超えても生き続けた者"がいるのだろう❓」
行冥のこの言葉が癪に触ったのか、黒死牟は行冥に斬りかかった。その後も激しい攻防が続き、無一郎と杏寿郎は付け入る隙が見当たらなかった。そしてそこから少し離れた所で実弥が傷口の縫合を終えていた。そして立ち上がると、右頬に"風車"のような"痣"が浮かんでいた。
そして黒死牟の隙を突いて実弥が攻撃を仕掛ける。そして実弥の後ろから行冥の鉄球が迫るが、実弥はそれを避ける。二人の連携に黒死牟は些か驚いていた。
「柱稽古しといて良かったなァ悲鳴嶼さんよォ❗」
「うむ。しかし欲を言えば煉獄と時透ともしたかった所だ」
「ははッ、違ェ無ェ❗」
黒死牟は二人の連携に目を配る。そして先に目を付けたのは、実弥だった。黒死牟は実弥の刀を折ろうとするが、横頭部に衝撃を受けた。
黒死牟はそこに目を向けると、烈風を構えた玄弥と風鬼(鬼の姿)がいた。
「行くぜ玄弥ァ❗オメェの修行の成果、見せてやれェ❗」
玄弥は実弥の方を向いて頷くと、懐から音笛を取り出し、振って角を展開させそれを吹く。すると音笛から波紋が広がり、玄弥は自分の額に音笛を翳す。そして額に鬼飾りが浮かぶと、玄弥は音笛を横に振る。その途端、玄弥の回りを風が渦巻く。そして
「ハアアァァァ………、フッ❗」
その風を手刀で両断すると、鬼の姿になっていた。
今ここに音撃の戦士・威吹鬼が誕生した。
「私とは…、違う鬼が来た…か。ならば私…も、"本気"を出そう」
黒死牟は風鬼と威吹鬼を見ると、刀の形状を変化させた。
「一気に畳み掛けんぞォ❗」
『風の呼吸 漆ノ型
『岩の呼吸 壱ノ型
『炎の呼吸 伍ノ型 炎虎』
『霞の呼吸 参ノ型 霞散の飛沫』
実弥の号令で四人の柱は一斉に技を繰り出す。だが黒死牟も技を連続で打ち、相殺させてしまう。けど、唯一当たった攻撃があった。風鬼と威吹鬼が撃った銃弾だった。
烈風は通常だと圧縮した"空気"を弾として撃ち出すので、黒死牟はそれが"見えなかった"のだ。更に二人は輝鬼眼魂を使い、響鬼や斬鬼同様の模様を浮かばせていた。
「音撃の戦士を援護しろ❗二人が勝利の鍵だ❗」
「「「了解❗」」」
二人の攻撃が効いたことを悟った行冥は二人を援護するよう指示を出し、四人は次々に技を繰り出す。
そして風鬼と威吹鬼は隙を見てピストンバルブを操作し、"赤い鬼石"を黒死牟に撃ち込む。そして烈風を変形させてトランペット型の音撃モードにすると
「皆、離れろ❗」
威吹鬼の一言で四人は黒死牟から離れる。そして
「「音撃射・疾風一閃❗」」
二人は烈風を吹き鳴らす。すると黒死牟の体内に撃ち込まれた鬼石が反応し、黒死牟を中から妬き焦がす。そして二人の"演奏"が終わった瞬間、黒死牟は爆散。頭部は愚か、自身の肉で形成された刀も塵となり、消えた。
『上弦の壱・黒死牟VS炎柱・煉獄杏寿郎、霞柱・時透無一郎、風柱・不死川実弥、岩柱・悲鳴嶼行冥並びに音撃の戦士・風鬼、玄弥こと威吹鬼』
『勝者、炎柱・煉獄杏寿郎、霞柱・時透無一郎、風柱・不死川実弥、岩柱・悲鳴嶼行冥並びに音撃の戦士・風鬼、玄弥こと威吹鬼』