鬼滅の刃 清めの音(ね)を持つ鬼   作:レイファルクス

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第62話

 

 

ここは無限城。人喰い鬼の始祖である『同族からも嫌われている糞ワカメ』こと鬼舞辻無惨の根城である。現在、『とある者』たちが会合していた。

 

 

『上弦の肆・鳴女』、

 

 

『鬼殺隊 蛇柱・伊黒小芭内』

 

 

『鬼殺隊 恋柱・甘露寺蜜璃』

 

 

そして『愈史朗』と『"珠世"』である。

 

 

何故無惨の所にいる珠世が鳴女の所にいるのか❓それには理由がある。

 

 

無惨が産屋敷邸を訪れる前、猛士の長である『おやっさん』は耀哉の他に、彼の妻のあまね、娘のにちかとくいな、そして珠世にも彼女らの"魂の一部"を眼魂に入れていたのである。

 

 

耀哉が言っていた『私はここにはいない』とは、『私"の本体"はここにはいない』と言う意味であった。

 

 

無論、今現在無惨が吸収しようとしている珠世も、眼魂が化けた物である。

 

 

「鬼殺隊の蛇柱様と恋柱様、そして珠世様と愈史朗様。お初に御目に掛かります。私は十二鬼月、上弦の肆・鳴女。鬼舞辻無惨よりこの無限城を任された鬼です。以後宜しくお願い致します」

 

 

鳴女は持っていた琵琶を傍らに置き、一礼をした。

 

 

「貴女、今あの男の名を…❗❓」

 

 

「御心配無く。私は自力で無惨の"呪い"を解いております故、このことは無惨は気づいてはおりません。ですが気づくのも時間の問題かと」

 

 

驚愕した珠世の問いに答える様に鳴女は無惨の呪いを解いていると言った。

 

 

「信じない信じない。お前の言うことを信用しない」

 

 

小芭内だけは鳴女の言うことを信じてはいなかった。

 

 

「伊黒さん、"無惨の呪い"はあの男の名を口にした瞬間に発動します。ですが、未だに呪いが発動する傾向が見られません。この方が言っていることは真実でしょう」

 

 

しかしそれを愈史朗が論破した。

 

 

「愈史朗様、ご理解頂けて感謝します。今宵皆様をお呼びしましたのは、『私のお願い』を聞いて頂きたく思っております」

 

 

「お願い……、ですか❓」

 

 

鳴女のお願いに蜜璃が頚を傾げる。

 

 

「はい。私のお願いとは……、『人間に戻って竈門炭治郎様と添い遂げる』です❗」

 

 

鳴女は頬を朱色に染め、まるで叫ぶように言う。それを聞いた四人はポカンと呆気に取られた。

 

 

「え…っと、つまり貴女はその願いを叶えたいがために私たちをここに呼んだってことですか❓」

 

 

いち早く復活した珠世の質問に、鳴女は頷いた。

 

 

「(何か何処かで見た光景だな……)」

 

 

小芭内はちらりと隣にいる蜜璃を盗み見た。

 

 

「❓❓❓」

 

 

蜜璃はそんな小芭内の様子を見て、頚を傾げた。

 

 

「貴女の気持ち、分かります」

 

 

珠世は鳴女の手を掴み、優しく握った。

 

 

「私も炭治郎さんと関わってからは色褪せていた世界が色づき始めました。彼の姿を見る度に頑張ろうとする気持ちがふつふつと沸いてきます。同じ"女性"として、共感できます。貴女のその願い、是非とも叶えさせて下さい❗」

 

 

珠世は鳴女の手を何度も上下に振って鳴女を応援した。

 

 

その様子を見ていた小芭内と愈史朗はまた呆気に取られ、蜜璃は

 

 

「(二人とも、"恋する乙女"の顔になってる❗素敵❗)」

 

 

少々ずれた感想を思っていた。

 

 

「まず"鬼を人間に戻す薬"は今手元にはありません。一度屋敷に戻らねばなりません」

 

 

数分後、我に戻った珠世は咳払いを一つすると真面目な口調で言った。

 

 

「(あぁ無理に見繕う珠世様は素敵だ)」

 

 

「そう言うことでしたら、私の血鬼術でそのお屋敷までの道を開くことはできますが、どうされますか❓」

 

 

愈史朗は照れる珠世を見て頬を染め、鳴女は琵琶を持つ。珠世は鳴女にお願いをし、鳴女は琵琶を鳴らす。

 

 

ベベンッ

 

 

すると、横に障子が現れ、勝手に開く。その先は鬼屋敷の外の道だった。その障子をまず愈史朗が、次に小芭内、蜜璃、珠世の順番で潜り、最後に鳴女が潜ると、障子はまた勝手に閉じた。

 

 

そして一行は鬼屋敷にある珠世の部屋へと向かった。珠世は部屋にある液体が入った試験管を一つ取り出し、中身を注射器で吸い取りそれを鳴女に打つ。すると鳴女は突如苦しみだした。

 

 

「耐えて下さい。今貴女の体内であの"いけ好かない男"の血と私の薬が反発を起こしています。その苦しみに耐えきれば、貴女の願いは叶います❗どうか頑張って下さい❗」

 

 

苦しむ鳴女を珠世は手を掴んで励ます。鳴女も自らの願いを叶える為に必死に苦しみに耐える。

 

 

すると鳴女の体に変化が起き始める。

 

 

異様に伸びていた髪は腰の所まで短くなり、鋭く尖っていた爪も丸みを帯び、口から見えていた牙も無くなり、一つしか無かった目も人間と同じ二つになっていた。

 

 

「まさかこんなにも早く人間に戻るとは……」

 

 

愈史朗は薬の効力が異様に早いことに驚いていた。

 

 

「彼女の一途な思いが薬の効き目を強めたのでしょう。禰豆子さんは未だ苦しんでいるのですから」

 

 

珠世は一つの仮説を説いた。

 

 

「珠世さん、禰豆子ちゃんに投与した薬の量ってどれ位なんですか❓」

 

 

蜜璃は禰豆子に投与した薬の量について珠世に聞いた。

 

 

「私が禰豆子さんに投与した薬の量は、鳴女さんに投与した量と同じです。なのでこんなにも早く人間に戻るとは思いもしませんでした」

 

 

珠世は蜜璃の質問に答え、薬の効力の早さに驚いていた。

 

 

「ところで、お前がいなくなったあの城はどうなるんだ❓」

 

 

小芭内が鳴女に無限城について質問をした。

 

 

「私が人間に戻ったことで、血鬼術が作用しなくなりましたので、今頃は崩壊しているかと」

 

 

息を荒げていた鳴女は息を落ち着かせ、小芭内の質問に答えていた。

 

 

 

 

 

その頃、鳴女が人間に戻ったことで彼女の血鬼術が無くなり、無限城は崩壊し始めていた。

 

 

無惨が鬼殺隊用に送り込もうとした下弦級の力を持たされた鬼たちを巻き添えにしながら、無限城は崩落した。

 

 

 

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