鬼滅の刃 清めの音(ね)を持つ鬼   作:レイファルクス

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第64話

 

 

鬼殺隊&猛士の鬼VS無惨の戦いが激しさを増している時、その戦いを離れた崖で見ていた男性が二人いた。

 

 

そこにコートを着た男性が走って彼らの下へ到着した。

 

 

「作業が終わったぞ。さっきも言ったが、これは"一時的な処置"でしか無い。この戦いが終われば、力はまた半分程失ってしまう。しかし今はそんな悠長なことを言ってる場合では無い❗放っておけば、この世界は崩壊の一路を辿ってしまう❗頼む❗この世界の崩壊と言う"運命"を破壊して欲しい❗」

 

 

男性はピンク「ピンクじゃ無い❗マゼンタだ❗」……、マゼンタ色のバックルと水色「水色じゃ無いよ、シアンだよ」……、シアン色の銃を男性たちに差し出した。

 

 

「大体分かった。そこまで言うならやってやるよ。俺は"破壊者"だからな」

 

 

「僕もやるよ」

 

 

カメラをぶら下げた男性はピンク「ピンクじゃ無いって言ってるだろ❗」……、マゼンタ色のバックルを、もう一人の男性は水色「何度言えば分かるんだい❓」……、シアン色の銃を受け取った。

 

 

そしてコートを着た男性は自分の後ろに二人が通ってきた"銀色のオーロラ"を出した。

 

 

「この先は戦地から少し離れた所に繋がっている。君たちの武運を祈る」

 

 

二人は頷いてオーロラを潜った。

 

 

「頼んだぞ、"正義の破壊者"よ……」

 

 

 

 

 

その頃、輝鬼・炎光たちは無惨に攻めづらくなっていた。と言うのも、無惨の攻撃の"速度"が増していたからだった。

 

 

しかし、徐々にではあるが、速度が"落ちてきた"。無惨は速度が落ちた理由を探るために吸収した珠世の細胞から情報を読み取ろうとした。だが、読み取ることができなかった。

 

 

何故なら、吸収したのは珠世の魂の一部だったので、細胞は"無かった"のだ。

 

 

「カアアッ夜明ケマデ五十九分❗五十九分❗」

 

 

鴉が夜明けまでの時間を告げる。すると、無惨の体に"無数の刀傷"が浮かんだ。

 

 

「(❗❓以前奴から受けた傷が浮かんだ❗❓何故だ❓何故今頃になって傷が浮かぶ❓私が"老いない"限りは……、まさか❗❓)」

 

 

ここにきて、無惨は"あること"に気づいた。

 

 

「(老いているのか❗❓この私が、鬼の始祖で老いることが無いこの私が❗❓一体どうやって……、もしや、珠世が私に吸収させたあの薬か❗❓)」

 

 

無惨は何故老いているのか、その理由を察した。

 

 

「おのれ珠世❗死してもなお、私の邪魔をするか❗❓」

 

 

無惨は攻撃速度を速めようとするが、老いた体では追い付かず、遂に"息切れ"をしてしまう。

 

 

「夜明ケマデ四十分❗四十分❗」

 

 

鴉が夜明けまでの時間を告げると、無惨は"柱たち"がいない方へ駆け出した。

 

 

「無惨が逃げた❗皆、無惨を追え❗絶対に逃がすな❗」

 

 

行冥が叫ぶと同時に全員が無惨の後を追う。

 

 

『蟲の呼吸 蜈蚣ノ舞 百足蛇腹』

 

 

『炎の呼吸 奥義 玖ノ型 煉獄』

 

 

『風の呼吸 壱ノ型 塵旋風・削ぎ』

 

 

速さを主とする技や遠距離用の技を駆使しながら無惨を追い詰める。すると

 

 

「いらっしゃ~い」

 

 

「悪いがここから先、人喰い鬼は立ち入り禁止だ。お引き取り願おう」

 

 

無惨の先に烈雷を担いだ雷鬼と、烈火剣を持った響鬼が待ち構えていた。

 

 

「貴様らそこを退け❗」

 

 

無惨は道を開けるために二人に向けて管を振るう。しかし二人は軌道を見切り、管を斬った。

 

 

「遅ぇ遅ぇ❗そんな陳腐な攻撃、この雷鬼様には効かねぇぜ❗」

 

 

「例え日輪刀で無くとも、斬り落とす位なら容易だ」

 

 

見栄を張る雷鬼と、冷静沈着な響鬼。二人の鬼に邪魔され無惨は苛立ちが募る。そこに

 

 

『風の呼吸 漆ノ型 勁風・天狗風』

 

 

『炎の呼吸 壱ノ型 不知火』

 

 

『岩の呼吸 壱ノ型 蛇岩紋・双極』

 

 

『蟲の呼吸 蜂牙ノ舞 真靡き』

 

 

『ヒノカミ神楽 日暈の龍・頭舞い』

 

 

『水の呼吸 漆ノ型 雫波紋突き』

 

 

柱たちが次々に無惨に斬り掛かった。しかも

 

 

『花の呼吸 肆ノ型 紅花衣』

 

 

『雷の呼吸 壱ノ型 霹靂一閃』

 

 

カナヲや斬鬼も技を繰り出す。

 

 

『獣の呼吸 玖ノ牙 伸・うねり裂き』

 

 

伊之助は腕の関節を"全て"外し、その腕を伸ばして斬り掛かった。だが伊之助の技は"腕を斬る"だけに終わった。

 

 

「チィ、新しい技は狙いが定まらねぇ❗胴体を狙ったのに腕を斬っちまった❗」

 

 

伊之助は外した関節を元に戻しながら愚痴った。その光景を見ていた行冥以外の全員が唖然としていた。

 

 

「ええい鬱陶しい❗小賢しい蝿共が、いい加減堕ちろ❗」

 

 

無惨は更に攻撃を繰り出すが、悉く避けられたり、斬られたりした。

 

 

「夜明ケマデ三十五分❗三十五分❗」

 

 

鴉が夜明けまでの時間を告げると、無惨は"苦肉の策"に出た。

 

 

無惨は自分の腕を"盛り上がらせた"。千八百の小さい肉塊に"分裂"しようとした。だが、盛り上がった腕は徐々に萎んでいき、元の太さに戻った。

 

 

「(分裂できない❗❓そうか、薬は『人間返り』、『老化』、『分裂阻害』の三つだったか❗)」

 

 

『残念、外れだ。お前が吸収した薬は"四つ"だ』

 

 

「❗❓(お前は、産屋敷道耀(みちなり)❗❓何故貴様がここに❗❓貴様は私が"殺した"筈❗❓)」

 

 

無惨が薬について考えていると、目の前におやっさんこと『産屋敷道耀』が現れた。しかもおやっさんは無惨に殺されていたのだった。

 

 

『知れたこと。貴様に殺された儂は幽霊となり、当時協力関係を築いていた猛士に魂を寄せたんじゃ。そして儂は猛士の長となり、貴様を倒す力を蓄えていたんじゃよ』

 

 

『そしてその力は解放された。貴様が"蝿"と罵った者たちじゃよ。貴様は逃げて生き延びることはできん。貴様の命はここで終止符が打たれる。潔く諦めい』

 

 

おやっさんは幽霊になりながらも無惨討伐のため、力を蓄えていた。

 

 

「ええい忌々しい❗どいつもこいつも❗この私に歯向かいおって❗いいだろう、ならば貴様ら全員"コレ"で地獄に送ってやる❗」

 

 

無惨は何処に隠し持っていたのか、巾着袋を持ち、その中にある"カプセル状の薬"を一気に飲み込んだ。

 

 

ドクンッ

 

 

すると"七つある心臓"が大きく脈打った。

 

 

ドクンッ ドクンッ ゴフッ

 

 

無惨はどんどん大きくなる脈に耐えきれず、吐血した。

 

 

ドクンッ ドクンッ ドクンッ ドクンッ

 

 

「グッ、ガアアアアアアア"アアアアア"アアアアアアッアアアア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"」

 

 

無惨は更に苦しみ出し、皆はその光景に目を奪われ、動きが止まる。

 

 

「ガア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ッア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"❗❗❗」

 

 

ボゴンッ

 

 

ボゴンッ ボゴンッ

 

 

ボゴンッ ボゴンッ ボゴンッ

 

 

無惨は最早"人"❓とは思えない程の声を上げ、身体が膨れ上がって変貌し始めた。

 

 

そして

 

 

『フゥ……、フゥ……、フゥ……』

 

 

無惨の姿は人の姿では無く、巨大な"蟹"となっていた。しかも普通二本ある鋏も、四本と増えており、禍々しい光沢を放っていた。

 

 

「おい響鬼、確かあれは……❗」

 

 

「あぁ、伝書に記載されていた魔化魍、『オロチ』」

 

 

「しかもあの姿は、化け蟹の"突然変異種"ですよ❗❓」

 

 

雷鬼は響鬼に質問をし、響鬼はそれに答える。そして補足するように風鬼が説明をした。

 

 

「しかしまさか魔化魍に変貌するとはな。これは良しと見るべきか悪しと見るべきか…」

 

 

響鬼は腕を組んで考え始めた。

 

 

「響鬼義兄さん、どういうこと❓」

 

 

疑問に感じたしのぶが響鬼に質問をすると

 

 

「いやなしのぶ、人喰い鬼の始祖である無惨が魔化魍に変貌をした。それはつまり、"俺たちの音撃が効くかもしれない"と言う訳だ。だが、もし"姿は魔化魍"でも"能力が人喰い鬼"だったら、音撃は通用しないんじゃないかと思ってな」

 

 

「確か、魔化魍の強さは成長度合いにもよりますけど、"上弦の鬼と同じ"…でしたっけ❓」

 

 

響鬼が答えると、風鬼が更に質問をした。

 

 

「確かな。魔化魍を育てる"童士"と"姫"は姿を変えると、その強さは"下弦の鬼と同じ"だが、魔化魍に限っては比べる定規が無いから確証は言えない」

 

 

響鬼が風鬼の質問に答えると、それを聞いた皆が顔を青ざめた。

 

 

「とりあえず一か八か試してみるか」

 

 

響鬼が烈火を振り回し、攻撃をしようとする。だが

 

 

『雷の呼吸 壱ノ型 霹靂一閃・神速』

 

 

斬鬼が技を利用し接近。そして烈雷をオロチの背中に刺し音撃モードにすると

 

 

「音撃斬 雷電激震❗」

 

 

オロチに音撃を放った。だがオロチは効いている素振りは見えず、その場で暴れだし斬鬼を振り落とした。

 

 

「クッ、奴に音撃は効かないのか❗❓」

 

 

振り落とされた斬鬼は空中で体を回転させ、無事に着地すると愚痴を溢した。

 

 

「いや、僅かだが音撃は効いていた。もしかすると、斬鬼の放った音撃が"小さすぎて"効いてないように見えただけかもな」

 

 

響鬼は斬鬼の頭を撫でながら、先程のオロチの様子を言った。

 

 

「それじゃ、ここにいる六人で一斉に音撃を与えれば❗」

 

 

「活路は見出だせる❗」

 

 

威吹鬼の提案に輝鬼・炎光が乗る。

 

 

「話は決まったな。諸君、聞いて欲しい」

 

 

響鬼の一声に皆が注目する。

 

 

「俺たちは無惨が変貌した魔化魍、オロチを倒すために一斉に音撃を放たなくてはならない。だが奴に近づくのは容易では無い。そこで君たちには、俺たちが音撃を放つまでの時間を稼いで欲しいんだ」

 

 

響鬼の作戦に皆が頷いた。

 

 

「頼む。良し❗お前ら、褌絞め直せよ❗これが人喰い鬼との"最後の決戦"だ❗」

 

 

『『応❗❗』』

 

 

 

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